かの騎士、王子殿下専属につき

久保 ちはろ

文字の大きさ
13 / 29

第四章 6

しおりを挟む
 *

 アストリットは開け放した窓枠に半分座るようにして、モニカが自分の荷物をまとめているのを見るとも無しに見ていた。
 今夜でミカの夏の休暇は終わり、明朝、この保養地を引き上げることになっている。
 隣の部屋はまだ静かだ。
 アストリットは既にサロンで午後のお茶を飲み終えて戻って来たというのに、ミカの昼寝はまだ続いているらしい。
 顔を窓の外に向けた。 
――殿下に、抱かれた。
 その事実は、時間が経ってからもますます彼女の心をがんじがらめにし、苛めていた。にも関わらず、肝心の相手は既にそのことを忘れている様子だった。
 それは、おもちゃにしたネズミに飽き、すっかり背を向けて毛繕いをする猫そのもので、その後はアストリットに見向きもしない。態度はすっかり以前のミカに戻ってしまっていた。そして革手袋もその手に健在だ。
 哀しさに身が張り裂けそうだった。いや、それでも長年想いを寄せていたミカと一度きりでも供に一夜を過ごせたのは幸運と言えるのかもしれない。
――せめて、乱暴にされていたなら。
 次期国王の権力を振りかざし、体も心も押さえつけ、暴君の態で頬を打ち、乱暴に開いた体に無理矢理捻り込んでくれればよかったものを。そうすれば長年の恋慕は砕け散り、絶望に涙して諦めがついたはずだ。
 否、ミカはあまりにも優し過ぎた。初めてだと言う自分に対して始終伺うような配慮。一度入ってしまうと、その動きは激しかったが、それでも穿たれている間中降り注ぐキスに酔わされれば、痛みなど今思えば幻のようだった。
 愛されていると勘違いしてしまいそうな一夜。
――勘違い。
 いけない。勘違いなど。
 ゆるりと頭を振る。
 ミカを脅迫している犯人が捕まり、専属護衛の任務が終われば、また自分は遠くから彼を見守るだけの日々に戻るのだ。いや、もしかしたら父親がそのうち縁談を用意するかもしれない。姉が嫁ぐのだ。当然次は自分に鉢が回ってくる。そして男手一つで育ててくれた父の信頼した男なら、断るなどあるまじき行為だ。その男と夫婦になり、家庭を作る。ミカも戴冠を受け、王になり、若く美しい妃を迎える日はそう遠くないはずだ。
 それを想像したとたん、心臓を鋭い爪の悪魔の手でぐっと握りしめられたような息苦しさを覚えた。
「アストリット様、お加減がよろしくないのですか?」
 モニカが衣装を畳む手を止めて振り返り、小首を傾げている。はっと顔を上げ、アストリットは笑みを作った。
「そう見えましたか?」
「ええ、お顔が赤くなったり、青くなったり……突然頭を振られたり……。頭痛でしたら、よく効くお茶を用意して来ますけど」
「いえ、大丈夫です。ちょっと考え事をしていて……」
「そうですよね。お察しします。刺客に襲われてさぞかし怖い思いをされたでしょう……」
「いえ、そうではないのですが……」
 ミカの狂言は城中に由々しき事実としてすでに広まっていたのだ。気恥ずかしくなり、アストリットはつと目を伏せる。
「ま、私ったら。そうですわね。帝国騎士団の大尉殿が刺客ごときに怯えるなんてありえませんこと。申し訳ございません……」
 ぺこりと謝罪し、再び仕事に戻る侍女の後ろ姿を見て、アストリットは今度は聞かれぬように気をつけながら長いため息をついた。
 情事の翌日、ミカを受け入れた場所に疼いていた小さな痛みも、いつのまにかに消えていた。
 結局、自分と殿下の間には何も無かったのだ。殿下は、無かったことにしたいのだ。
 だから、そう、私も無かったこととして振る舞わなくてはいけない。

 宵の口から始まった、最後の晩餐の用意は日がすっかり暮れた頃に全て整った。
 城館前の広場には松明が赤々と燃え上がり、その炎は濃紺の空を焦がす勢いだ。
 石畳の上に一段高く作られた上座には刺繍の施された分厚い絨毯が敷かれ、翼の装飾のついた黄金の座椅子が二つ並べられていた。その前で音楽家たちがそれぞれの楽器を奏で始めている。
 酒でたっぷり満たされた瓶も布の上にいくつも並べられ、果物、パン、菓子が山盛りになった器は松明の光を反射して煌めいてる。
 ミカは、薄めの一枚布を幾つか重ねた衣装を腰で帯で締めるという東方の装いで現れた。
 さすがにその姿に革手袋は無かったが、鈍い光沢を放つ絹のそれが手を包んでいた。アストリットは、薄黄の地に黒の紗が重ねられたさっぱりとしたドレスを着ていた。
 王子が席に着くと、アストリットはその横に座るよう命じられる。その背後に一人護衛が立ち、他の近臣たちもそれぞれ用意された席に着く。侍女が素早くミカとアストリットの杯に酒を注ぎ、近臣たちも手酌でそれに倣った。
 ミカが杯を高く上げて音頭をとるやいなや、クリスタルの杯は打ち合わされ、星の瞬く空に美しい音色が響き渡り、宴会の合図になった。
 こんがりと焼き色を着けた香り高い肉や魚が次々と運ばれる。
 アストリットは酒の杯には口を付けず、水を飲んでいた。ミカの近くにいると胸が苦しく、食は進まない。音楽家たちが下がった後に始まった即興芝居をぼんやりと見ながら、時折思い出したようにぶどうを一つ摘んでは口に運んでいた。
「料理がおまえの口に合わぬなら、すぐに作り直させよう」
 アストリットが一向に料理に手を付けないことに気がついたミカは、顔を寄せて囁いた。その低い声が彼女の肌を粟立てる。
「も、申し訳ございません。芝居に入り込んでしまって……」
 慌てて前の皿を取り、香草の香り立つ魚の白身を口に入れた。よく噛まずに飲み込み、微笑んで答えた。
「大変よいお味です……」
 ミカはまだ不服そうな色を浮かべながらも「ふん」と鼻を鳴らして肘掛けに頬杖をつき、視線を芝居に戻した。
 アストリットはゆっくりと食事を進めながら、こんなことでどうする、と自分を戒めた。隙だらけだ。これで殿下をお護り出来るのか。
 芝居が終わると、顔中を白く塗った舞踏家たちが太鼓の音に合わせて軽やかに踊りだす。派手な衣装にいくつも付けられた鈴の音が耳に心地よい。八人の舞踏家は全て同じ姿で、体の大小の違いはあれど、男か女か見分けは付かない。それでも皆息をぴたりと合わせ、指の先、足の先まで一様に揃えた振りで観客の感動を呼び起こし、目を楽しませている。
 笛の音と太鼓の音が一旦止むと、一人の舞踏家を中央に残して外は袖に引いた。仲間の一人がすぐに近づき、房の付いた刃の広い剣を彼、もしくは彼女に二本渡す。舞踏家は、片脚を上げながら鷲が翼を広げるように剣を手にした両手を頭上で広げた。
 剣の舞。緊張する太鼓と、高い笛の音に揺さぶられるような舞い。踊り手の緊迫がひしひしと伝わり、見ているものは手に汗を握る。
 様子がおかしいと、アストリットの六感が伝えたのは、笛と太鼓が変調した辺りからだった。
 広場中央で踊っていた彼――ないし彼女――は、今や距離を詰め、ミカとアストリットのいる上座の数歩前で足を高く上げ、剣を振り回している。
 ミカはまるで挑戦を受けるかのように微動だもせず、座椅子にゆったりと体を預けて唇に笑みすら浮かべてそれを見ているが、間違って舞踏家の手を緩めれば遠心力によって勢いよく飛んだ剣は、間違いなくその胸に刺さるはずだ。
 アストリットは立ち上がると、後ろに控えていた憲兵の腰から刀をすらりと抜いた。
「借りるぞ」
 そう言って一段高くなった上座から軽やかに下りると、数歩も離れていない踊り子の前に立ちはだかり、今振り下ろされる刀を弾いた。
 相手は、男にしては小柄、女にしては背の高い中肉中背の体躯だった。髪も頭に巻かれたターバンに隠れ、長いのか短いのかもわからない。
 トントン、と踊り子は後ろに飛び退き、誘うようにくるりくるりとその場で回る。アストリットも後を追い、右から、左から振り下ろされる刃を受け止めた。あたかも自分も踊り子のように何度も体を回転させ、腕を振り回しす。
 そうしながら、アストリットは、舞踏家の瞳に愉悦が揺れ、そこには殺意が全くないことに戸惑った。
 彼――彼女――は楽しんでいる。自分と舞うのを心から楽しんでいる。そして、そこから性がまるで漂ってこないのも不思議だった。今から人を殺す興奮は普通ならば何かしらその物となりの姿や本能を露呈するものだが。感情を完全にコントロールしている。
 自分の直感は間違っていたのだろうか。揺らいだ気持に隙が出来る。それを咎めるように舞踏家は強くアストリットの剣を叩いた。さすがにそれを落さなかったものの、彼女は腕に走った衝撃に我に返る。
 やはり、間違いない。これは刺客だ。そう思うが早いが、体は意志を切り離し、自然に動いていた。これまで何度となく繰り返されて来た戦いでの突き、かわしは、音楽家の指に譜面が記憶されているのと同じくらいの正確さで相手の動きを抑え、追いつめていった。
――次の一手で決まる。
 アストリットは相手の目に恐怖が閃いたのを見逃さなかった。彼女の弾《はじ》いた踊り子の剣は石畳に落ちて軽い音を立てた。相手はもう一つの剣で体を庇うも、隙だらけだ。
 そう時間はかからず二本目の剣も落ちた。舞踏家が武器を失うと、アストリットの耳に音楽が戻って来た。太鼓は激しく、強く叩かれ、彼女の次の手を煽る。
 彼女は怯えを隠さぬ暗殺者を前に、躊躇していた。眼差しで相手に語りかけていた。――どうした。どうしてそのように怯えるのか。人を殺《あや》めて来たおまえなら、潔く死に際の覚悟を見せる所だろう。こんな醜態はまるで素人――。
 アストリットはその先の言葉を頭から追い出し、剣を振りかざした。――その時。
「もうよい。止めろ」
 ミカの声が澄んだ空気に響き、音楽家の演奏を止めた。
 耳を疑い、その場に凍り付いたアストリットは、それがミカの令だと認識すると、腕を体の横に下ろした。
 小さく息を吐いて、舞踏家と並んでミカの正面に立つ。無表情でしばし、二人を見ていたミカは口を開いた。
「大尉殿、そなたのヘタな踊りなど結構だ。熟練した踊り子とて素人の相手をするのは骨だろう。その上、大尉殿の無様な姿を見せられる者たちの心情もお察しいただきたい」
 ミカは懐から硬貨の入った小袋を出すと、呼吸も乱さずに立ち尽くす舞踏家の前に放り投げた。
「なかなかよかったぞ。褒美だ」
 彼――か、彼女―は慇懃に頭を深く下げ、その袋を拾って仲間の控える場所へ戻った。白けた座を再び盛り上げ始めたのは音楽家たちだった。快活な楽曲が始まると、今度は、すっかり酔いの回った近臣たちが踊り始めた。
「大尉殿は下がってよい」
 ミカの側に戻ったアストリットが座ろうとすると、彼は一瞥もせずに言った。
「しかし……」
 あれは確かに刺客だった。もし、再びミカが襲われたらと思うと、自分がこの場を離れる訳にはいかない。なんとか居残るための説得をしようと口を開きかけたアストリットに、ミカは短く言い放った。
「下がれ」
 その言葉は絶対だった。アストリットは膝を折り無言で挨拶をすると、剣を憲兵の胸に突き返して城館に入って行った。
 悔しさで身体中の血が煮え滾るようだった。あとほんの少しで。次の剣の一振りで痛手を負わせ、捕らえられたはずなのに。あの時、殿下の一言さえ無ければ。
 自室に戻っても、たった今刺客と対面したことで昂った神経は睡魔を寄せ付けず、アストリットはベッドに腰掛けたまま、外から届く音楽と人々の声を聞いていた。
 結局、その後は彼女の懸念したようなことは無く、宴会は明け方近くまで続いたようだった。
 翌日午後も遅く、城に戻る馬車に全ての荷が積まれた。街に戻る悦びを抑えきれぬ様子で、仕度を整えた近臣たちが城館から次々と姿を現し、馬車に向かう。
 アストリットはその間、馬車に乗り込む舞踏家の顔を注意して一人一人見ていたが、厚化粧を落した彼らに昨夜剣を交えた者を断定することは出来なかった。
 ミカが先頭の豪奢な馬車のステップに足をかけているのに気がつくと、アストリットはスカートの裾を翻して主人の元へ急いだ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある

柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった 王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。 リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。 「わかりました。あなたには、がっかりです」 微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る

家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。 しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。 仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。 そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。

処理中です...