25 / 29
第八章 4
しおりを挟む
連続して襲う快楽の凄まじさに、アストリットは声がかれるほど喘ぎ続けた。
戦慄とも悦楽とも言える衝撃が、その一点を中心に、爪先から頭の先まで駆け巡った。
「ミ、カ……さま……」
うっとりと呟いた唇がミカに塞がれる。何度も何度も、焦らすように彼は優しく唇を吸いながら、アストリットの脚の間に身を沈めた。
「今度は私がおまえを存分に感じたい……」
彼を恋しがり、戦慄く蜜路が張りつめた怒張でみっちり充溢される。
最後に殿下に抱かれたのはいつだったろう。こうしてお互いの愛を確かめながら、肌を重ねられるなんてまるで夢のようだ……。
しっとりと身体が触れ合い、どちらかが身じろぐと、お互いの胸の先端が肌を擦る。ミカを包んだ媚肉は一つになったことを実感するかのように、きゅんと収縮し、吸い付いた。
「すごく、締まっているな……」
切なげに目を細めるミカに、胸が高鳴る。それでも、その言葉にどこまでも貪欲な自分を恥じ、彼の首元に額を擦り寄せた。
早く殿下に伝えたい。自分がどれだけ彼を求めているのか。どれほど彼を感じて熱くなっているのか。自分の中で、全てを汲み取って欲しい。
「っふ……!」
腰を前に繰り出したミカにずっと深い部分へ穿たれ、息を詰まらせた。全身を貫かれているのかと錯覚してしまうほど、興奮に質量を増した陽根に奥まで押し開かれていた。
「あ……、ぁん、ぁぁん……」
ミカは、己を深々と突き刺したまま大きく腰を揺らした。妖しく収縮を繰り返す襞から溢れる体液が撹拌され、快感に弱い最奥がこれでもかと嬲られ、ごりごりと擦られる。
腰を打ち付けられる度に、繋がった箇所はずちゅ、ぬちゅっと淫らな音を立ててお互いに馴染んで行く。再びアストリットに愉悦の波が襲いかかった。地に手を付き、腕で上体を支えている恋人の逞しい腰に脚を絡める。もっと深く、誘う。
「いい……きもち、いい……あ、ぁ、あっ……」
「私も……だっ、アスティ……こんなに私を締め付けて……っ」
甘い嬌声に煽られるかのように律動は獰猛なまでに激しくなった。ぱつっ、ぱつっと濡れた肌を打ち合う音の間隔が狭まる。
ミカの下で、毛布を握りしめながら全身を強張らせた。
「ああっ、ミ、カ……ミカさまっ!!」
身体も、心も全てが満たされていた。
「アスティ……愛してる……私のアスティ……私だけの」
ミカは上体を起こしてアストリットの脚の囲いを解くと、開かれた脚の片方を持ち上げ、もう一方の脚の上に重ねた。そして繋がったまま彼女の背を抱くように寄り添った。
「ミカ……、さま……?」
肩越しに振り向いた顔には、体位を変えられた戸惑いがあった。ミカはそんな恋人のうなじに舌を這わせた。
腕枕をするように頭の下へ通した手は既に乳房を包んでいた。そうしてアストリットの首を吸い、肩に歯を立てながら乳房を捏ね、もう片方の手は淡い草むらの中を弄り始め、目的の蕾を探り当てる。もちろん、腰の動きはすでに緩やかに再開されている。そしてそれは次第に速さを増して行った。
ありとあらゆる感じる場所に唇で、舌で手で翻弄され、彼女は与えられる狂おしいほどの快楽にただ喘ぎ、身体をびくびくと震わせた。
気づけば腰がミカに倣って淫らに揺らめいている。だけどもう、止められなかった。身も心も愉悦に陶酔し切っていた。
「もう、限界だ……」
乱れた吐息がアストリットの耳をくすぐったかと思うと、顎を掴まれ横を向かされ、乱暴に唇を奪われた。濡れた舌が口内で荒々しく巻き付くと同時に、抽送が一気に激しくなる。ずん、ずんっと突き上げられる度に結合の角度がかわり、新たな刺激に身体が打ち痺れる。滾る興奮を渾身の勢いで送り込まれながら、乳首をひねられ、蜜にぬめる指で陰核を転がされると奈落の底に落ちていくような壮絶な快感に包まれた。
「あっ、ぁあっ……! もう…………ぁあっ……あっ……!」
アストリットはまとめられた髪を乱しながら仰け反り、ミカの肩口で激しく首を振った。ぐい、と膝裏を持ち上げられ、開かれた身体を一層激しく貫く勃起し切った男根と、乳首を嬲り続ける指がますます高みに追い立てる。彼女の爪先がぎゅっと丸まり、全身が痙攣し始める。
息が詰まるほどの甘美な疼き。咥え込んだ屹立には淫らに戦慄く花弁がまとわりつく。頭が真っ白になって行く。胸に回されたミカの腕にアストリットの指が食い込む。
最奥に彼をぎゅっと捕らえながら、幾度となく身体を弾かせ、中で暴れるミカを強く締め付けた。
「くぅっ……アスティ……っ……っはぁっ!!」
押し殺したような声が聞こえ、骨が軋むほどに抱きしめられたと思うと、最奥に勢い良く灼熱の興奮が放たれた。戦慄くミカの分身は収縮した粘膜に絞られるように、続けてどくっどくっと精を吐き出した。
アストリットは意識を朦朧とさせながら、背中に伝わる湿った熱と強い鼓動に安堵を覚え、身体が幸福で満たされるのを感じた。
ミカ様と溶け合い、ひとつになった……。
「ミカ様……」
繰り返す浅い呼吸の合間に呟けば、そっと身体を抱きすくめられ「愛してる」と、肩に柔らかな唇が押し付けられた。
激しい情事後の、中途半端に開かれて乱れた衣服を直《ただ》し終えたミカは再びアストリットを膝の上に抱き、温かな身体からまだうっすら立ち上るの官能の匂いを吸いながら、髪を、肌を撫で、恥ずかしがる恋人の顎を掬って見つめ合った。優しい口づけを交わし、恋人を存分に味わい、愛し合った余韻に浸っていたが、戻り始めた理性に徐々に現実に引き戻される。
アストリットは国王の騎士だ。幼少のみぎりから厳しい訓練の日々に耐えて来た身体は、貴族の女より遥かに鍛えられている。身体全体をうっすらと覆うしなやかな筋肉は、ミカの愛撫に敏感に反応し、程よい弾力で応えてくる。
今や瞼の裏には彼女の体の古傷を全てが焼き付いている。
この華奢な体が、国を、私を守ってくれていたのだ。それを、こんなつまらない芝居のために舞台に引きずり込まれて、危険に身をさらしている。私のために。
しかし、それも終わりだ。これからは私が、彼女を護る。絶対に、指一本触れさせない。
「もう、離さない……。アスティ、私の妻になってくれ。一生側にいてくれ……私に、おまえを護らせてくれ」
正面から愛しい専属騎士を見据え、一語一語噛み締めるように求婚の言葉を連ねた。
「それは……」
想い人の言葉と、自分への揺るぎない気持を浮かべた眼差しにアストリットの胸は幸福で溢れ、言葉が詰まった。しかし、言葉を継げない理由は他にもあった。
自分が国王の騎士、アストリット・ローゼナウならしっかりと首を縦に振っていた。だが、自分は……自分は一体誰なのか自分でもわからない。この体に一体どんな血が流れているのか。今まで彼女を包んでいた多幸感は一瞬にして霧散する。
「その資格が私にはありません……」
「資格と来たか……。そんなことを言いだすとは……やはり、おまえは私を許していないのだな」
アストリットの返事を聞くや否や、ミカは苦しげに噛み締めた歯の間から言葉を押し出した。そしてその穏やかな瞳は、憎しみと悔恨の入り交じった闇に覆われた。
――そんなことは決してありません。たった一言が言えずにアストリットは唇を噛んだ。
その時、どかどかと床を踏む音が頭上から響いて来た。男たちが戻って来たのだ。
「私は絶対におまえを諦めない。だが話の続きは、まずここを無事に出てからだな」
長靴の隙間に手を差し入れ、すぐに出てきたミカの手には細身の短剣が握られていた。目を見張るアストリットにミカは短く言い放った。
「蹴られた腹が痛いと訴えろ。大袈裟に苦しむのだ」
訝しげに眉をひそめたアストリットだったが、すぐにミカの意図を汲み、頷いた。アストリットが床にうずくまると、彼は天井に向かって声を張る。
「誰か……! 誰かおらぬか! 女が苦しんでいる!!」
床板を踏む足音が一瞬静かになった。ミカと、体を折ったアストリットは短く視線を交えた。
「誰か!」
訴えを聞いた賊の一人が、扉から顔を出した。
「何を騒いでやがる。今さら命乞いか」
「女が、さっきからずっと苦しんでいるのだ。顔色が真っ青だ。どうか見てやってくれないか」
ミカの憐れみの声音に心を動かされたのか、男は一段階段を降り、それでもまだ警戒を怠らず後ろ手に扉を閉めた。
身体中から酒の匂いを滲み出させた男が、歯の間からうめき声を上げ続けるアストリットに屈み込んだ。その背に襲いかかったミカは男の口を塞ぐと、右脇腹に短剣を素早く沈めた。手首を捻り、肝臓を抉る。男はぶるぶると身を震わせ、ことが切れた身体はだらしなく床に崩れた。
「殿下、私に剣を」
起き上がったアストリットの差し出す手に、彼は望みのものを与える代わりにそれを取って共に立ち上がった。
「私がおまえを護ると言ったはずだが? おまえには不名誉だろうが従ってもらう。不満があれば後でゆっくり聞いてやる。行くぞ」
――後で。
そうだ。まず生きてここを出なくては。殿下を無傷でここから連れ出さなくては。それが私の使命だ。
部屋に躍り込んだ人質を、明らかに虚を突かれた顔で迎えた暴漢たちもすぐに正気を取り戻すと、それぞれ腰の剣を抜いて彼らに襲いかかった。
ミカは二人を相手に、攻撃を見事に躱《かわ》しては、着実に男たちの肌を斬りつけている。丸腰のアストリットは手近の椅子を取って胸の前で構えると今、まさに自分に剣を振りかざす小柄の男の正面に体ごと突っ込んで行った。
背中を壁に押さえ込まれた男の胴に椅子の脚が食い込み、肋骨の折れた手応えがあった。男が呻き、落とした剣でアストリットは素早く相手の右手と脚の腱を切ると、女のような叫び声をあげた賊を跨いでミカの援護に回った。
最初の男とは剣の手前に格段の違いがあった。
動きの切れといい、猛然に打ちかかって来る闘志といい、彼らはどこかの騎士団を脱隊し、悪に手を染めた流浪者の典型だった。相手はテーブルの周りを飛び回り、酒瓶や皿を手当たり次第投げつけて来る。アストリットは常に目の端にミカの姿を捉えながら、自分よりもゆうに一回りは大きな男の振り下ろす剣の下を搔い潜り、いよいよ優勢に立ち回っていた。
――あと一人いたはずだ……!
何度か激しく剣を交えた後、ついに相手の腿を剣が貫き、それを素早く抜いたアストリットは敵を奥に追いつめたミカの援護に足を踏み出した。しかし、その時には男が膝を折って倒れる所だった。ミカの広い肩が激しく上下している。アストリットが愛しい人の名を呼ぼうと口を開きかけた、その時――
「お遊びはそこまでだ……」
声をした方に向くと、入り口に拳銃を持った最後の一人が立っていた。黒い銃口はぴたりとアストリットに定まっている。皮肉にも彼は国王の御者の制服をまだ着ていた。
「馬に水をやってる間にこんな騒ぎになってるとはな……。それをそっちに寄越しな」
彼は視線でアストリットとミカの剣を指した。
アストリットは素早く思案した。拳銃には敵わない。ここは敵の要求に従うのが定石で、とにかく油断をさせ、隙を伺う。とにかく時間を稼ぐのだ。
しかし、ミカにとって下衆な男の言葉に従うことに一国の主としての自尊心が許さないのだろう。無言で男を睨みつけるミカの姿から、彼女にはそれが手に取るようにわかった。でも、今はそれどころではない……、殿下!
アストリットはミカを促すように自分の剣を男の方へ放った。それでもミカは依然として顔を上げ、剣を構えたままだ。部屋の緊張が張りつめて行く。
彼女は祈るようにミカを見つめていたが、耳がふと微かに笛の音を捕らえた。鳥のさえずりにも聞こえる音色にはアストリットにだけわかる節が刻まれていた。二人はまだ気づいていないようだ。だが、この笛の音は確かに――帝国騎士団の笛。応援が来ている。私の騎士たちが、助けに来てくれている。
その安堵がいけなかった。
「早くしろ」
業を煮やした男が銃口をミカに向けた途端、気を緩めた彼女は判断を誤った。慌てて投げた酒瓶は顔面に命中したが、男の倒れ様に銃がパン! と乾いた音を上げた。アストリットの視界に闇が落ちた。あまりにもあっという間の出来事に、その間の抜けた音が何を意味するのか彼女は理解出来なかった。
「っぁあ!」
アストリットは鼻を突く火薬の匂いに我に返った。硝煙が宙に薄くとぐろを巻いている。
「殿下!!」
振り向けば、床にうずくまるミカがいた。アストリットは賊の存在も忘れてミカに駆け寄り、その身体を返した。抑えている左腿の手を除けると、ズボンの破れ目からじわじわと血が滲み広がっている。一瞬その場に凍り付いたアストリットだったが、微かに震える手で残り少ないドレスの裾を裂き、素早く傷口の処置をした。
銃声が鳴った時、最愛の人を失う恐怖に一瞬だったが五感が機能を停止した。戦場で、目の前で人が死ぬのを何度も見て来たが、本当に恐怖を味わったのは初めてだった。
まだ心臓が早鐘を打っている。
「殿下……! しっかりしてください……!」
額に汗を浮かべ、苦痛に顔を歪めるミカは食いしばった歯の間から「大丈夫だ……」と絞り出した。
「すぐにここを出ましょう……腕を私の肩に……」
ミカの下に腕を回そうと深く屈んだアストリットは、にわかに相手の筋肉が張りつめるのを感じた。その瞬間「やめろ……!」とミカ鋭い声耳を打つと同時に、肩口を襲った焼けるような痛みに彼女の身体は仰け反る。それでも素早く彼女は床の剣を握って上体を捻ると、背後にいた男の脇腹に突き立てた。生温い血潮が、アストリットのむき出しの腕に飛散した。
拳銃を構えた騎士兵がどかどかと靴音を響かせて部屋に入って来たのはその直後だった。彼らの後に入り口をくぐるようにして入って来たレヴァン・アーシャの姿がアストリットのぼんやりとした視界に入った。身体から一気に力が抜ける。
「帝国騎士団だ! おまえたちは既に包囲されている! 武器を捨てろ!」
「レヴァン!!」
床にくずおれたアストリットは最後の力を振り絞り、叫んだ。
「アストリット! そこか!」
騎士たちがミカを起こし、事切れた、または虫の息の賊たちを捕らえ始める。アストリットの身体を力強い腕が抱き起こす。
「殿下……殿下を……! 殿下は撃たれて……」
硬く、温かい胸の中で彼女はうわごとのように同じ言葉を繰り返した。身体からどんどん体温が奪われる。寒い……でも、殿下は脚を……。血が流れて……。
「大丈夫だ。殿下はご無事だ! アストリット、しっかしろ! もう大丈夫だからな!」
レヴァンの胸にしっかり抱かれたアストリットは目を閉じた。寒さに身体を震わせながらその歯の根の合わない口からは何度も「殿下」と声にならない声が漏れた。
レヴァンの励ます声は、自分と彼とを厚い幕が隔てているかのようにくぐもって聞こえる。レヴァンは手負いの同僚を抱え上げた。
アストリットは温かい波に揺れながら、遠のく意識の中で「アスティ……」と自分を呼ぶミカの声を微かだが、確かに聞いた。
戦慄とも悦楽とも言える衝撃が、その一点を中心に、爪先から頭の先まで駆け巡った。
「ミ、カ……さま……」
うっとりと呟いた唇がミカに塞がれる。何度も何度も、焦らすように彼は優しく唇を吸いながら、アストリットの脚の間に身を沈めた。
「今度は私がおまえを存分に感じたい……」
彼を恋しがり、戦慄く蜜路が張りつめた怒張でみっちり充溢される。
最後に殿下に抱かれたのはいつだったろう。こうしてお互いの愛を確かめながら、肌を重ねられるなんてまるで夢のようだ……。
しっとりと身体が触れ合い、どちらかが身じろぐと、お互いの胸の先端が肌を擦る。ミカを包んだ媚肉は一つになったことを実感するかのように、きゅんと収縮し、吸い付いた。
「すごく、締まっているな……」
切なげに目を細めるミカに、胸が高鳴る。それでも、その言葉にどこまでも貪欲な自分を恥じ、彼の首元に額を擦り寄せた。
早く殿下に伝えたい。自分がどれだけ彼を求めているのか。どれほど彼を感じて熱くなっているのか。自分の中で、全てを汲み取って欲しい。
「っふ……!」
腰を前に繰り出したミカにずっと深い部分へ穿たれ、息を詰まらせた。全身を貫かれているのかと錯覚してしまうほど、興奮に質量を増した陽根に奥まで押し開かれていた。
「あ……、ぁん、ぁぁん……」
ミカは、己を深々と突き刺したまま大きく腰を揺らした。妖しく収縮を繰り返す襞から溢れる体液が撹拌され、快感に弱い最奥がこれでもかと嬲られ、ごりごりと擦られる。
腰を打ち付けられる度に、繋がった箇所はずちゅ、ぬちゅっと淫らな音を立ててお互いに馴染んで行く。再びアストリットに愉悦の波が襲いかかった。地に手を付き、腕で上体を支えている恋人の逞しい腰に脚を絡める。もっと深く、誘う。
「いい……きもち、いい……あ、ぁ、あっ……」
「私も……だっ、アスティ……こんなに私を締め付けて……っ」
甘い嬌声に煽られるかのように律動は獰猛なまでに激しくなった。ぱつっ、ぱつっと濡れた肌を打ち合う音の間隔が狭まる。
ミカの下で、毛布を握りしめながら全身を強張らせた。
「ああっ、ミ、カ……ミカさまっ!!」
身体も、心も全てが満たされていた。
「アスティ……愛してる……私のアスティ……私だけの」
ミカは上体を起こしてアストリットの脚の囲いを解くと、開かれた脚の片方を持ち上げ、もう一方の脚の上に重ねた。そして繋がったまま彼女の背を抱くように寄り添った。
「ミカ……、さま……?」
肩越しに振り向いた顔には、体位を変えられた戸惑いがあった。ミカはそんな恋人のうなじに舌を這わせた。
腕枕をするように頭の下へ通した手は既に乳房を包んでいた。そうしてアストリットの首を吸い、肩に歯を立てながら乳房を捏ね、もう片方の手は淡い草むらの中を弄り始め、目的の蕾を探り当てる。もちろん、腰の動きはすでに緩やかに再開されている。そしてそれは次第に速さを増して行った。
ありとあらゆる感じる場所に唇で、舌で手で翻弄され、彼女は与えられる狂おしいほどの快楽にただ喘ぎ、身体をびくびくと震わせた。
気づけば腰がミカに倣って淫らに揺らめいている。だけどもう、止められなかった。身も心も愉悦に陶酔し切っていた。
「もう、限界だ……」
乱れた吐息がアストリットの耳をくすぐったかと思うと、顎を掴まれ横を向かされ、乱暴に唇を奪われた。濡れた舌が口内で荒々しく巻き付くと同時に、抽送が一気に激しくなる。ずん、ずんっと突き上げられる度に結合の角度がかわり、新たな刺激に身体が打ち痺れる。滾る興奮を渾身の勢いで送り込まれながら、乳首をひねられ、蜜にぬめる指で陰核を転がされると奈落の底に落ちていくような壮絶な快感に包まれた。
「あっ、ぁあっ……! もう…………ぁあっ……あっ……!」
アストリットはまとめられた髪を乱しながら仰け反り、ミカの肩口で激しく首を振った。ぐい、と膝裏を持ち上げられ、開かれた身体を一層激しく貫く勃起し切った男根と、乳首を嬲り続ける指がますます高みに追い立てる。彼女の爪先がぎゅっと丸まり、全身が痙攣し始める。
息が詰まるほどの甘美な疼き。咥え込んだ屹立には淫らに戦慄く花弁がまとわりつく。頭が真っ白になって行く。胸に回されたミカの腕にアストリットの指が食い込む。
最奥に彼をぎゅっと捕らえながら、幾度となく身体を弾かせ、中で暴れるミカを強く締め付けた。
「くぅっ……アスティ……っ……っはぁっ!!」
押し殺したような声が聞こえ、骨が軋むほどに抱きしめられたと思うと、最奥に勢い良く灼熱の興奮が放たれた。戦慄くミカの分身は収縮した粘膜に絞られるように、続けてどくっどくっと精を吐き出した。
アストリットは意識を朦朧とさせながら、背中に伝わる湿った熱と強い鼓動に安堵を覚え、身体が幸福で満たされるのを感じた。
ミカ様と溶け合い、ひとつになった……。
「ミカ様……」
繰り返す浅い呼吸の合間に呟けば、そっと身体を抱きすくめられ「愛してる」と、肩に柔らかな唇が押し付けられた。
激しい情事後の、中途半端に開かれて乱れた衣服を直《ただ》し終えたミカは再びアストリットを膝の上に抱き、温かな身体からまだうっすら立ち上るの官能の匂いを吸いながら、髪を、肌を撫で、恥ずかしがる恋人の顎を掬って見つめ合った。優しい口づけを交わし、恋人を存分に味わい、愛し合った余韻に浸っていたが、戻り始めた理性に徐々に現実に引き戻される。
アストリットは国王の騎士だ。幼少のみぎりから厳しい訓練の日々に耐えて来た身体は、貴族の女より遥かに鍛えられている。身体全体をうっすらと覆うしなやかな筋肉は、ミカの愛撫に敏感に反応し、程よい弾力で応えてくる。
今や瞼の裏には彼女の体の古傷を全てが焼き付いている。
この華奢な体が、国を、私を守ってくれていたのだ。それを、こんなつまらない芝居のために舞台に引きずり込まれて、危険に身をさらしている。私のために。
しかし、それも終わりだ。これからは私が、彼女を護る。絶対に、指一本触れさせない。
「もう、離さない……。アスティ、私の妻になってくれ。一生側にいてくれ……私に、おまえを護らせてくれ」
正面から愛しい専属騎士を見据え、一語一語噛み締めるように求婚の言葉を連ねた。
「それは……」
想い人の言葉と、自分への揺るぎない気持を浮かべた眼差しにアストリットの胸は幸福で溢れ、言葉が詰まった。しかし、言葉を継げない理由は他にもあった。
自分が国王の騎士、アストリット・ローゼナウならしっかりと首を縦に振っていた。だが、自分は……自分は一体誰なのか自分でもわからない。この体に一体どんな血が流れているのか。今まで彼女を包んでいた多幸感は一瞬にして霧散する。
「その資格が私にはありません……」
「資格と来たか……。そんなことを言いだすとは……やはり、おまえは私を許していないのだな」
アストリットの返事を聞くや否や、ミカは苦しげに噛み締めた歯の間から言葉を押し出した。そしてその穏やかな瞳は、憎しみと悔恨の入り交じった闇に覆われた。
――そんなことは決してありません。たった一言が言えずにアストリットは唇を噛んだ。
その時、どかどかと床を踏む音が頭上から響いて来た。男たちが戻って来たのだ。
「私は絶対におまえを諦めない。だが話の続きは、まずここを無事に出てからだな」
長靴の隙間に手を差し入れ、すぐに出てきたミカの手には細身の短剣が握られていた。目を見張るアストリットにミカは短く言い放った。
「蹴られた腹が痛いと訴えろ。大袈裟に苦しむのだ」
訝しげに眉をひそめたアストリットだったが、すぐにミカの意図を汲み、頷いた。アストリットが床にうずくまると、彼は天井に向かって声を張る。
「誰か……! 誰かおらぬか! 女が苦しんでいる!!」
床板を踏む足音が一瞬静かになった。ミカと、体を折ったアストリットは短く視線を交えた。
「誰か!」
訴えを聞いた賊の一人が、扉から顔を出した。
「何を騒いでやがる。今さら命乞いか」
「女が、さっきからずっと苦しんでいるのだ。顔色が真っ青だ。どうか見てやってくれないか」
ミカの憐れみの声音に心を動かされたのか、男は一段階段を降り、それでもまだ警戒を怠らず後ろ手に扉を閉めた。
身体中から酒の匂いを滲み出させた男が、歯の間からうめき声を上げ続けるアストリットに屈み込んだ。その背に襲いかかったミカは男の口を塞ぐと、右脇腹に短剣を素早く沈めた。手首を捻り、肝臓を抉る。男はぶるぶると身を震わせ、ことが切れた身体はだらしなく床に崩れた。
「殿下、私に剣を」
起き上がったアストリットの差し出す手に、彼は望みのものを与える代わりにそれを取って共に立ち上がった。
「私がおまえを護ると言ったはずだが? おまえには不名誉だろうが従ってもらう。不満があれば後でゆっくり聞いてやる。行くぞ」
――後で。
そうだ。まず生きてここを出なくては。殿下を無傷でここから連れ出さなくては。それが私の使命だ。
部屋に躍り込んだ人質を、明らかに虚を突かれた顔で迎えた暴漢たちもすぐに正気を取り戻すと、それぞれ腰の剣を抜いて彼らに襲いかかった。
ミカは二人を相手に、攻撃を見事に躱《かわ》しては、着実に男たちの肌を斬りつけている。丸腰のアストリットは手近の椅子を取って胸の前で構えると今、まさに自分に剣を振りかざす小柄の男の正面に体ごと突っ込んで行った。
背中を壁に押さえ込まれた男の胴に椅子の脚が食い込み、肋骨の折れた手応えがあった。男が呻き、落とした剣でアストリットは素早く相手の右手と脚の腱を切ると、女のような叫び声をあげた賊を跨いでミカの援護に回った。
最初の男とは剣の手前に格段の違いがあった。
動きの切れといい、猛然に打ちかかって来る闘志といい、彼らはどこかの騎士団を脱隊し、悪に手を染めた流浪者の典型だった。相手はテーブルの周りを飛び回り、酒瓶や皿を手当たり次第投げつけて来る。アストリットは常に目の端にミカの姿を捉えながら、自分よりもゆうに一回りは大きな男の振り下ろす剣の下を搔い潜り、いよいよ優勢に立ち回っていた。
――あと一人いたはずだ……!
何度か激しく剣を交えた後、ついに相手の腿を剣が貫き、それを素早く抜いたアストリットは敵を奥に追いつめたミカの援護に足を踏み出した。しかし、その時には男が膝を折って倒れる所だった。ミカの広い肩が激しく上下している。アストリットが愛しい人の名を呼ぼうと口を開きかけた、その時――
「お遊びはそこまでだ……」
声をした方に向くと、入り口に拳銃を持った最後の一人が立っていた。黒い銃口はぴたりとアストリットに定まっている。皮肉にも彼は国王の御者の制服をまだ着ていた。
「馬に水をやってる間にこんな騒ぎになってるとはな……。それをそっちに寄越しな」
彼は視線でアストリットとミカの剣を指した。
アストリットは素早く思案した。拳銃には敵わない。ここは敵の要求に従うのが定石で、とにかく油断をさせ、隙を伺う。とにかく時間を稼ぐのだ。
しかし、ミカにとって下衆な男の言葉に従うことに一国の主としての自尊心が許さないのだろう。無言で男を睨みつけるミカの姿から、彼女にはそれが手に取るようにわかった。でも、今はそれどころではない……、殿下!
アストリットはミカを促すように自分の剣を男の方へ放った。それでもミカは依然として顔を上げ、剣を構えたままだ。部屋の緊張が張りつめて行く。
彼女は祈るようにミカを見つめていたが、耳がふと微かに笛の音を捕らえた。鳥のさえずりにも聞こえる音色にはアストリットにだけわかる節が刻まれていた。二人はまだ気づいていないようだ。だが、この笛の音は確かに――帝国騎士団の笛。応援が来ている。私の騎士たちが、助けに来てくれている。
その安堵がいけなかった。
「早くしろ」
業を煮やした男が銃口をミカに向けた途端、気を緩めた彼女は判断を誤った。慌てて投げた酒瓶は顔面に命中したが、男の倒れ様に銃がパン! と乾いた音を上げた。アストリットの視界に闇が落ちた。あまりにもあっという間の出来事に、その間の抜けた音が何を意味するのか彼女は理解出来なかった。
「っぁあ!」
アストリットは鼻を突く火薬の匂いに我に返った。硝煙が宙に薄くとぐろを巻いている。
「殿下!!」
振り向けば、床にうずくまるミカがいた。アストリットは賊の存在も忘れてミカに駆け寄り、その身体を返した。抑えている左腿の手を除けると、ズボンの破れ目からじわじわと血が滲み広がっている。一瞬その場に凍り付いたアストリットだったが、微かに震える手で残り少ないドレスの裾を裂き、素早く傷口の処置をした。
銃声が鳴った時、最愛の人を失う恐怖に一瞬だったが五感が機能を停止した。戦場で、目の前で人が死ぬのを何度も見て来たが、本当に恐怖を味わったのは初めてだった。
まだ心臓が早鐘を打っている。
「殿下……! しっかりしてください……!」
額に汗を浮かべ、苦痛に顔を歪めるミカは食いしばった歯の間から「大丈夫だ……」と絞り出した。
「すぐにここを出ましょう……腕を私の肩に……」
ミカの下に腕を回そうと深く屈んだアストリットは、にわかに相手の筋肉が張りつめるのを感じた。その瞬間「やめろ……!」とミカ鋭い声耳を打つと同時に、肩口を襲った焼けるような痛みに彼女の身体は仰け反る。それでも素早く彼女は床の剣を握って上体を捻ると、背後にいた男の脇腹に突き立てた。生温い血潮が、アストリットのむき出しの腕に飛散した。
拳銃を構えた騎士兵がどかどかと靴音を響かせて部屋に入って来たのはその直後だった。彼らの後に入り口をくぐるようにして入って来たレヴァン・アーシャの姿がアストリットのぼんやりとした視界に入った。身体から一気に力が抜ける。
「帝国騎士団だ! おまえたちは既に包囲されている! 武器を捨てろ!」
「レヴァン!!」
床にくずおれたアストリットは最後の力を振り絞り、叫んだ。
「アストリット! そこか!」
騎士たちがミカを起こし、事切れた、または虫の息の賊たちを捕らえ始める。アストリットの身体を力強い腕が抱き起こす。
「殿下……殿下を……! 殿下は撃たれて……」
硬く、温かい胸の中で彼女はうわごとのように同じ言葉を繰り返した。身体からどんどん体温が奪われる。寒い……でも、殿下は脚を……。血が流れて……。
「大丈夫だ。殿下はご無事だ! アストリット、しっかしろ! もう大丈夫だからな!」
レヴァンの胸にしっかり抱かれたアストリットは目を閉じた。寒さに身体を震わせながらその歯の根の合わない口からは何度も「殿下」と声にならない声が漏れた。
レヴァンの励ます声は、自分と彼とを厚い幕が隔てているかのようにくぐもって聞こえる。レヴァンは手負いの同僚を抱え上げた。
アストリットは温かい波に揺れながら、遠のく意識の中で「アスティ……」と自分を呼ぶミカの声を微かだが、確かに聞いた。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる