騎士団長殺しの二重生活〜異世界で父親を殺した俺は、国王からもレジスタンスからも頼られてます〜

 それは、育ての親の騎士団長を俺が誤って剣で刺し殺してしまったことから始まった。

 もちろんこちらの世界でも親殺しってのは、普通に首を切られたっておかしくないほどの大罪だよ。

 しかし俺は運が良かった。

 なんとその育ての親の騎士団長ってのが、実はこの国を魔族に売り渡そうとしていた大悪党だったのだ。

 そして……

 その日から俺は王国の危機を救った英雄と呼ばれる様になった。


 いやいや、そこまでならこんなにめでたい話は無いんだけど……

 実は俺、この国を救った英雄なんて言われながら……裏ではこの王国に反旗を翻すレジスタンスの頭目をやってるんです。

 えっ、何でまたそんな事をやってるのかって?

 そんな事、好きでやるわけ無いじゃないですか。でも断りきれなかったんだよ。だってあいつ等見た目が凄く『おっかない』んだもの……。

 遺言なんだってさ。先代の頭目の。

「次の頭目は……私の仇を討ってくれた者に託す……。」

 そう言って、死んじゃったんだって。

 まったく……俺の義理のクソ親父はどんだけ他所から恨みを買ってんだか……。


 ってなわけで、始まった俺の二重生活。

「まったくこれからどうなっちゃうんだろ……俺。」
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