朝が来るまでキスをして。

月湖

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34 閉じた瞼  side hikaru

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言われた通り、カラダの奥に放たれた白濁を出そうと後孔に力を入れてみるけれど、背後から感じる強い視線が気になって上手くいかない。



「んっ・・・」



なんっ・・・で・・・!


排泄行為と同じことを彼の目の前でしなければいけない。

その羞恥が身体を硬直させているのか、力を入れようとしても身体全体が固まって動かなくなっていた。

でも、自分でやるって言って出来ないまま彼に助けを求めてもきっと彼はまたあの冷たい表情で俺を嗤うんだろう。

あんなに深くまで身体を繋げても、あの表情ひとつで俺達の間に愛なんてカケラも無いと思い知らされる。



「、・・・っ」



嫌われるのも嫌だし、腹を壊すのも情けなくて嫌だ。

でも俺の身体はいうことを聞いてくれない。

浅い呼吸を繰り返して、硬直した身体を解そうとしていた時。



「んんっ」



いきなり、タイルの壁についていた手をグイッと引かれ身体を引っ繰り返されたかと思うと、一瞬後には唇を奪われていた。

そしてそのまま開いた唇の隙間から舌が侵入してきて、無遠慮に俺の中を掻き回す。

いきなりの事に俺は目を閉じるのも忘れる程驚き、その所為で目の前のナガレくんの顔をマトモに見てしまった。

少し眉間にシワを寄せて、長い睫毛に縁取られた瞼を閉じていても端整な、どちらかといえば中性的な顔立ち。

それが、SEXの最中にはとてつもない男の色気を放っていた。

思わずその時の事を思い出し、カッとカラダが反応してしまいそうになる。

俺は急いで目を閉じた。



「・・・っん・・・ふ・・ぅっ」



どれくらいか分からないほど長く感じる時間、呼吸まで掬われるキスをされ壁に背中を預けていても膝から崩れ落ちそうになった頃。

彼は突然舌を引き、でも唇は話さないまま俺に囁いた。



「ヒカル、ちょっと、脚開け。・・・やってやるから」



「・・・っ」



その声に瞼を上げると、思いがけない優しい瞳と目が合いどうしていいか分からなくなる。

思わず俯くと、キレイな長い指を持つ彼の手が俺の顎を掴み、容赦なく顔を上げさせられた。

そうされてもう一度見た彼の顔にはさっきの優しい表情は無く、視線だけが俺を責めていた。



「ヒカル、ちゃん?」



声に、瞳に、微かな怒りがが見える。

・・・怖い。

俺は言う通りに少しだけ、彼の手が入るくらいに足を開く。



「ふふ。いいこだね(笑)」



すると彼はつい一瞬前とは別人のように微笑み、俺の脚の間に手を入れてきた。



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