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「precious love-02」

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言うが早いか、また焼き尽くされる音がする。陰毛を短く刈り込んでいるから、全てが白日のもとだ。ひっきりなしに喘いでいるから、声が、掠れ始めていた。どんなライブより、喉を酷使している。
「はぁぁ、あぁぁ・・・」
「タマの方にも、してやるからな」
陰嚢に押し当てられ、更に喘ぐ。全部でもう、20か所以上押し付けられていた。それでも頑強に陰茎は、鎌首をもたげている。
「本当に、竹田はマゾだな。何されても、勃起してるんだから。なあ、タマ潰させてくれよ、いいだろ?」
「それは、さすがに、ダメだ。病院送りになっちまう」
「ふぅ・・・じゃあ事故を装うしかないな?」
全く以て恐ろしい事を言う。ピアスや鞭痕は自分で治せるが、潰されるのは流石に、勘弁してほしかった。
「ほら、手、開放してやるよ」
ウッドベーススタンドを倒し、拘束を外す。よろよろと、横向きに倒れた。足が、痺れ切っている。
「う、動け・・・」
「ふふっ、それを待ってたんだよ」
やはり、作戦だったのか。いたずらっぽい表情をすると、足の裏、土踏まずの部分にお香の束を一気に、押し当てられる。
「う、ぁぁぁぁっ」
「動けないから、暴れらんないだろ?直接響かない、土踏まずのとこにしとくから」
「いぁぁぁぁ」
足の裏は、『第2の心臓』と呼ばれるほど敏感な場所だ。脇の下ほど繊細だとも聞く。そんな所にも容赦なく攻めを加えられる竹田は、本当に恐ろしい存在だった。嬉しそうに足裏を焼くと、お香を消し、鞭を持つ。足の裏を容赦なく、叩き始めた。
「あぁぁぁぁー・・・」
「痺れてるから、解りづらいか?足の裏もう、血まみれだぞ」
痺れ切っているので痛みは感じないが、確かに血飛沫が舞っているのが、見える。次第に足の痺れが取れてき、改めると呻き声をあげるほど、痛かった。
「こっ、これ・・・」
「はっは、痛いだろ。今日歩いて帰れるか?・・・さあ、仕上げだ」
わき腹に、オイルを塗る。腕をあげさせ、脇までそれを、伸ばした。
「いくぞ」
Zippoで、火をつける。ぶわっと炎が上がり、すぐに、消えた。
「うぐぁ、あぁぁ」
「一瞬だから、大丈夫だろ?大した火傷にもなってないぞ」
「わ、脇、いってぇ・・・」
「じゃあ脇だけ、焼き尽くしてやるよ」
短く刈り込んだ腋毛に、オイルを塗る。くすぐったくて思わず声が、出た。
「ほら」
火を、つけられる。また炎の柱が上がり、赤い火傷の痕が、むごたらしくついた。
「あぁぁ、はぁ・・・」
「ちゃんとあとで消毒と治療は、してやるから。ほら、起き上がって、フェラしてくれよ」
「・・・もっと」
「ん?何?竹田」
「きず、あと、の、上から、た、叩いて・・・?お願い・・・」
藤原の口が、ほころぶ。さもおかしそうに、笑った。
「正気か?竹田。お前キチガイかよ?」
「い、いい・・・して」
「ああいいよ、リクエストには応えてやりたい、主義なんでね」
改めて、ギターストラップを、手に取る。さすがに金属は外すが、3つ折りにして重さを、増した。
「ったくとんだ変態だな。俺しか相手できないんじゃないか?ほら、欲しかった物、くれてやるよ」
思い切り、傷痕に鞭を当てる。甘く悩ましい竹田の声が、部屋を満たした。
「んぁぁぁ、はぁぁ」
「いい声だな、そのままチンポも、叩いてやるからな」
火傷の痕が、広がり始める。ひりひりとした痛みが脳内で快楽に変わり、陰茎を更に硬くさせた。
(一体どうなったんだよ、俺の身体・・・)
同性愛者ではない。痛めつけられて嬉しかった経験もない。ただ、藤原の紡ぎ出すプレイは、竹田を熱く痺れさせた。
「ほら、仰向けになりな、チンポ叩きのめしてやるよ」
のろのろと体を、仰向けにする。なるが早いか重たい鞭が、降って来た。水ぶくれがぶちぶちと弾ける、感触がする。
「あぁぁ・・・」
「ふふっ、本当にスキモノだな、水膨れぶっ叩かれても、勃起してるんだ」
「も・・・もっと」
「・・・もっと、か。基本ねだられるのは嫌いなんだけど、竹田のお願いなら聞いてやるよ」
「あ、あぁぁ、もう、頭どうなってるか、わからん・・・何されても、感じる・・・」
何も考えられない。脳髄に何か薬物でも、打たれたかのようだ。痛みが、気持ちいい。陰茎からねばねばと我慢汁が噴き出し、身体を汚した。
「普通の好意じゃ全く勃起しない体にしてやる。竹田は俺の傍にいるしか、なくなるんだよ」
「あぁ・・・はやく、はやくそうしてぇ・・・」
鞭の速度が、上がる。竹田の快楽を、知悉しているかのように。涙、鼻水、涎と顔中の体液をまき散らしながら、竹田が、叫んだ。
「だめぇぇ、でっ出るぅぅぅ」
「いいぞ、出しな」
身体中、ぬるぬるだ。その上に、精を大量に、吐き出した。藤原が、鞭を止める。
「・・・ありがとう、ございました」
「お粗末様、でした」
ティッシュペーパーで乱暴に、拭いてくれる。手を引っ張られて、座らされた。
「イかせろ」
緩めたジーンズとボクサーブリーフから零れた陰茎を、押し込まれる。今日は口の中に火をつけられていないから、イラマチオも辛くなかった。舌を動かす余裕も、ある。
「あーいいかんじ、うまくなったな」
「ん・・・」
「やべ、もうもたね、イくぞ、飲め」
喉の奥に精を、放たれる。そのまま飲み下す。もう噎せる事も、ない。
「・・・ふう。じゃ、消毒と治療、してやるよ」
小さなケースに、消毒液と個包装の脱脂綿、冷感スプレーやテープが、入っている。丁寧に全身のケガを消毒し、火傷は冷感スプレーで冷やしてから、丁寧に痛み止めの軟膏を塗って脱脂綿で、養生する。
「立てるか?」
「うん・・・」
立ち上がると火傷と鞭痕がズキズキと、痛む。歩いて歩けなくは、なかった。
「なんとか大丈夫。立てたし、歩ける」
「痛み止めと炎症止め、飲めよ。ほら。酒は、今日は飲むなよ。明日痛かったら、俺がまた消毒してやるから」
「うん・・・」
プレイルームを出て、生活空間に移動する。薬と水、コーヒーを出して、くれた。
「ありがとう、美味しいよ」
「歩いて帰れるか?タクシー代、出すからタクシーで帰るか?」
「大丈夫。そろそろお邪魔するよ」
「あ、竹田」
立ち上がった竹田に藤原が近づくと、キスをした。昨日と同じ、舌を入れる濃厚なキス。コーヒー味の唾液が、互いを行き来した。
「・・・藤原」
「また、して欲しくなる魔法、かけた。竹田は俺の傍でしか、生きられないんだから」
「・・・そうかも、しれない」
肯定すると藤原の顔がぶわっと赤く、なる。意外とこういう一面も、あるのか。
「じゃあ、また曲の事とか、相談させてくれる?連絡する」
「オッケー、じゃあな」
玄関を、出る。大き目の靴を履いてきて、良かった。痛み止めが効き始めた体が、ふわふわと風を受けて、心地よさを覚えていた。

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みんなの感想(1件)

m--n
2023.09.05 m--n

プレイの内容も2人の関係もめちゃくちゃ刺さりました。
素敵なお話をありがとうございます!

解除
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