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第三章 リゾートを作ろう!

少年の名付け

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 気を失った少年の為、私はもう一部屋新しく作成し、取り敢えずベッドだけ押し込んで、少年を寝かせた。

 そして、街で売れそうな物の選別にとりかかるも……

 例えばゲームで、ゲーム内の商店で高く買ってくれそうなレアアイテムかどうかは、そのアイテムのステータスを見れば大抵は分かる。
 が……

 「アイテムのステータス? んなもん、鑑定にかけなきゃ分かるわけねぇだろ。このダンジョン産のアイテムならオレの能力で見れるが……」

 ラノベチートあるあるの、鑑定やステータス見放題な能力が貰えなかった私に、目の前の剣の良し悪しなんて……、明らかにさびて使い物にならないとかじゃなければ分かるわけがない。

 「仕方ない。大変だけど、ここで必要じゃない物は全部持って行って売れる物は全部売っぱらって来て貰おうか」

 私はさっさと仕分けを諦め、要る・要らないのみでざっくり分けて、要らない分を纏めて山積みにした。

 後は、少年が起きるのを待つだけ……

 「お前、覚悟しといた方が良いぞ」
 「覚悟……? って、何の?」

 「あいつは、暗殺組織に居た暗殺者だ。……名前が……おそらく無いだろう」
 呼ばれるときは、あの焼印にあった数字で呼ばれていたはずだ、と。

 「出生時に親が名付けてりゃ、こんな事はないんだがな。おまえ、タウビット達を従えるのに名付けをしただろう?」

 「え、まさか……」

 「その点も、影狼の一族が魔族扱いされる一因だな。ウィリアムもそいつを使役するのにわざわざ名付けた上での眷属にはしてないだろうし」

 「つまり……?」

 「お前がこの子供をそのまま番号呼びするなら必要ない覚悟だが。こいつに名付けをするつもりなら、従魔同様面倒を見てやる覚悟をしろよ、って事だ」
 

 いや……ちょい待て。

 犬耳・犬尻尾(犬じゃなくて狼か? 違い分かんないけど)装備の少年の見た目はすごく可愛い。

 けど。
 ペット感覚な従魔達と違って、暗殺者だなんてヘビー過ぎる事情持ちの人間(獣人だか魔族だか知らんけど)一人の責任を持つなんて、ただの元清掃員には荷が重過ぎる!

 勿論ペットだって最期まできちんと面倒を見て看取るのは大変な事で、責任のある事だってのは分かってるけどね。
 犬猫と人間の命の重さ、それを“平等”と叫ぶ動物愛護団体は居るけど……、現実問題、やっぱり違うんだよ。
 例えば災害時にはどうしたって犬猫家畜の命より人間が優先されるのが当たり前だよね?

 ……って、思うのに。

 目を覚ました少年に、“シン”と名付けちゃったのは……、やっぱり私は甘いのかなぁ……。
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