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第三章
シルフェスタ国境の街
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「魚だ……」
街の市場で、これまで干物や加工品しか見たことのなかった丸のまま未加工の魚が市場に並んでいた。
街に入って私はまずそれを見つけて大はしゃぎしていた。
「これは今日の夕飯に期待できそうだなぁ」
これまで肉料理中心だったからなぁ。勿論肉料理だって大好きだけどさ、日本人としては、時折無性に魚が食べたくなる時があるのよ。
主食の選択肢に最初から米があるから、余計にね。
ちなみに今日も商売する気はないから商業ギルドには寄らない。
冒険者ギルドには寄るよ、最優先でね。
だってコイツら引き渡さないとだし。
馬車の後ろにつないで自分の足で走らせてきたからもうヘロヘロなんで、抵抗はしないとは思うが。
だって全員車に乗せてソウビに負担をかけたくはないからね。
「すいませーん」
連中を連れて入れば、すぐに事情を察した職員が来て、一応私に確認を取った上で連中を引き取ってくれた。
「それではタグをご提示願います。……はい、ありがとうございます。こちらが今回の報酬になります、お納めください」
「ありがとうございます」
さて。
「ところでこの街で魚料理が美味しいと有名な宿屋とかありません?」
ついでに宿の情報を手に入れたらここ数日の強行軍で溜まった疲れを癒やしに行こうではないか!
「すいませーん、一泊食事風呂付き、空いてますか? いくらです?」
「空いてるよ! お代は銀貨一枚だよ」
おや、ちょっとお高い。
でも魚料理のためなら奮発も厭わない!
幸いお金はあるからね。
今日は先に風呂で汗を流してさっぱりしてからご飯に臨んだ。
緊張の一時。
さぁ何が出てくるか……
ドキドキしながら待っていると……
「お待ちどうさま。今日はいかめしと魚のフライだよ!」
おおう、これは北海道の駅弁で有名なアレだ、イカにもち米詰めた美味しいヤツ!
それと定番の白身魚のフライ!
はぅあ、どっちも美味しい……。そしてここはアレが欲しくなる。
「エールを追加でお願い!」
「あいよ!」
うん、フライにエールは欠かせないよねやっぱり!
久しぶりのお魚料理を堪能した私は、翌日シルフェスタ側の門へと並んでいた。
前と同じ様な審査を受けて、私は無事に国境を通過した。
ここはもう、シルフェスタ国内だ。
母国からアルヘウムを挟んでの国。
ここまで来ればもう安心だろう。
次は海を目指して旅をしよう。
地図によれば近くに川があるらしい。
それに沿って行けば海に出られるね。
ルートは決まった。なら、後は動くだけだ。
「ソウビ、よろしくね」
ヒヒンと相棒の返事を聞きながら、私は馬車を走らせた。
街の市場で、これまで干物や加工品しか見たことのなかった丸のまま未加工の魚が市場に並んでいた。
街に入って私はまずそれを見つけて大はしゃぎしていた。
「これは今日の夕飯に期待できそうだなぁ」
これまで肉料理中心だったからなぁ。勿論肉料理だって大好きだけどさ、日本人としては、時折無性に魚が食べたくなる時があるのよ。
主食の選択肢に最初から米があるから、余計にね。
ちなみに今日も商売する気はないから商業ギルドには寄らない。
冒険者ギルドには寄るよ、最優先でね。
だってコイツら引き渡さないとだし。
馬車の後ろにつないで自分の足で走らせてきたからもうヘロヘロなんで、抵抗はしないとは思うが。
だって全員車に乗せてソウビに負担をかけたくはないからね。
「すいませーん」
連中を連れて入れば、すぐに事情を察した職員が来て、一応私に確認を取った上で連中を引き取ってくれた。
「それではタグをご提示願います。……はい、ありがとうございます。こちらが今回の報酬になります、お納めください」
「ありがとうございます」
さて。
「ところでこの街で魚料理が美味しいと有名な宿屋とかありません?」
ついでに宿の情報を手に入れたらここ数日の強行軍で溜まった疲れを癒やしに行こうではないか!
「すいませーん、一泊食事風呂付き、空いてますか? いくらです?」
「空いてるよ! お代は銀貨一枚だよ」
おや、ちょっとお高い。
でも魚料理のためなら奮発も厭わない!
幸いお金はあるからね。
今日は先に風呂で汗を流してさっぱりしてからご飯に臨んだ。
緊張の一時。
さぁ何が出てくるか……
ドキドキしながら待っていると……
「お待ちどうさま。今日はいかめしと魚のフライだよ!」
おおう、これは北海道の駅弁で有名なアレだ、イカにもち米詰めた美味しいヤツ!
それと定番の白身魚のフライ!
はぅあ、どっちも美味しい……。そしてここはアレが欲しくなる。
「エールを追加でお願い!」
「あいよ!」
うん、フライにエールは欠かせないよねやっぱり!
久しぶりのお魚料理を堪能した私は、翌日シルフェスタ側の門へと並んでいた。
前と同じ様な審査を受けて、私は無事に国境を通過した。
ここはもう、シルフェスタ国内だ。
母国からアルヘウムを挟んでの国。
ここまで来ればもう安心だろう。
次は海を目指して旅をしよう。
地図によれば近くに川があるらしい。
それに沿って行けば海に出られるね。
ルートは決まった。なら、後は動くだけだ。
「ソウビ、よろしくね」
ヒヒンと相棒の返事を聞きながら、私は馬車を走らせた。
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