ざまぁ系ヒロインに転生したけど、悪役令嬢と仲良くなったので、隣国に亡命して健全生活目指します!

彩世幻夜

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乙女ゲームからエスケープ! 留学します!

オリエンテーション - その2 -〈学校編〉

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 「うーん、僕が見ていた限りは特に問題になりそうな事はしていなかったと思うけど。
 と言うか、僕も睨まれてる気がするんだ……。
 僕は仮にも外交を担う侯爵家に素質を見出されて養子に迎えられた立場だから、外国の習慣なんかも学んでいる。
 ……まぁ、セイントランド聖国では百聞は一見に如かずって言葉の意味を実感する事がままあったから、教科書の上では問題無くても現実には……って場合もあるかもしれないけど」

 ミヒャエルに相談した結果の答えがこれだった。
 故に、だ。

 「あの、イェニーさん」

 私は直に尋ねる事にした。

 「ごめんね、私達世間知らずでさ。知らず知らずの内に貴女に失礼をしたのなら、謝りたいと思って。
 けど、何が悪いかも理解しないまま謝罪されても不愉快だろうし、私達も同じ間違いを他でやらかしたくないから、申し訳ないけど、私達の何が良くなかったのか教えて欲しい」

 しかし彼女は、その不機嫌そうな眼差しを更に鋭くしただけでその問いに答える事なくサッと立ち去ってしまった。

 「はい、ここが特別教室区画よ。実験室や調理室に音楽室といった特殊な設備を備えた教室は全てこの区画にあります。
 選択授業の取り方によっては殆ど来ない人も居るでしょうけど、逆に普通教室を使うほうが少ない人も居るかもしれないから、ちゃんと覚えてね!」

 そのタイミングで、校内案内の先頭に立つ担任のロッテ先生が話し始めてしまい、それ以上無理に追うことは出来ず。

 「こちらの少教室には全て記号と番号で部屋名が定められています。
 どの科目でどの教室を使うかは全てこの表記で行われますから間違えないようにね!」

 この本館の他に昨日の入学式が行われた講堂や、広いと思っていた侯爵家の図書館よりも更に大きな図書館には閲覧室も多く併設され。
 学食やカフェテリアも種類豊富。
 武道場や体育館、運動場の設備も申し分なく、これにはマルグリットさんが目を輝かせていた。
 中庭にはベンチなどもあり、ランチや空き時間にはお弁当やお茶をここで楽しんでも良いとの事。

 「ただし、サボりについて我が校では全て自己責任とさせて頂いております。
 こちらから咎める事は基本ありませんが、それで出席日数が足りなくなったり、成績が下がったとしてもこちらはその責は一切負いませんからそのおつもりで」

 前世で言うおたふく風邪とかインフルエンザみたいな登校停止が必要な病等が原因の場合の欠席にはフォローが入るけれど、自己都合によるサボりは関知しない。
 それがこの学校の方針だとロッテ先生は言う。

 「私はこのクラスの担任で、教科は担当いたしません。
 私の仕事は貴方達が勉学に集中出来るようにサポートする事。
 何か悩み等あれば何時でも遠慮なく申し出るように」

 午前中は広すぎる校内を歩き回って終わり、私達は早速学食でランチを楽しんでいた。
 今日は歩き回ってお腹が空いた、と言う皆の意見でがっつり定食を出す「定食ヴァルター盛り上等!」
と謎の店名が掲げられた店に入る事に。

 ……ま、店とは言うけどここでお金は一切必要ない。
 全て学費に含まれているんだそう。

 「ヴァルターってウィルスミス王国にある山の名前よね?」

 宝石から鉱石まで何でもござれ、な鉱山で、だからこそ鉱山仕事や鍛冶仕事の得意なドワーフの王国が出来上がった訳だけど。
 その山を、表から登山しようなんて冒険者でもめったに居ない、険しい山だ。
 しかも北の雪山。

 だから、この山はドワーフが堀り抜いた坑道を使って中から登るのが常識らしいです。
 そも、便宜上坑と呼んでいるけれど、実際はただの道ではなく、地下街の様相だと聞く。
 勿論現役の坑道も多数存在するけれど、既に掘り尽くした場所は補強しつつ穴を広げて道ではない別の用途も兼ねさせるのだとか。

 あ、ちなみに。この定食屋の名の由来は要はそのヴァルターの山の如く盛り付ける、日本風に言うならメガ盛りが売りの店でした。
 マルグリットさんは恥ずかしそうにしつつも嬉しそうに完食していたけれど、私とロジーネ義姉さんやジークリンデはんは、三人で一つのメニューを分けあって食べるので丁度良い量でした。

 美味しかったけどね。
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