69 / 114
乙女ゲームからエスケープ! 留学します!
授業開始!
しおりを挟む
「最初の授業はCの5番教室だってさ」
最初の授業は必修科目。
この学校では必修科目でも教室移動がある。
あの、入学式の後に案内されたクラスの教室は、本当に朝のHRにしか使わないらしい。
因みに選択科目もあり、皆の終業時間も異なる為帰りのHRも基本的には存在しない。
勿論学用品全てを常に持って歩くのは面倒な為にロッカーが常備されていて、これはクラス毎に設置されているので、荷物の出し入れの為にちょくちょく訪れはする。
そして、例えば文化祭等の行事事がある場合のクラス会議が行われる場合は放課後にHRが設けられる――が、あくまでそれは例外事項。
私達の学校生活最初の授業は必修科目の数学。
座学の普通授業を行う少教室がまとめられた区画へ向かう。
席は自由に決めて良いらしい。
この学校では授業をサボりたいからなんて理由で後ろや端の席に座りたがる人は居ないみたい。皆なるべく黒板が見えやすそうな席を取りたがる。
けれど、座高が高くて後ろの席の人の邪魔になりそうな人なんかは遠慮して後ろの方の席を選んでいた。
私達は前からニ列目と三列目の真ん中の席に並んで座った。
基本、お嬢様組が前、使用人組が後ろだ。
そこは使用人組が頑として譲らなかった。
一列に並べば揉める必要もなかったんだけど、私達だけで一例独占するのもちょっと気が引けたんだよねぇ……。
「それでは授業を始めます。数学初級クラスを担当します、アリーセと申します。
まずは実力試験を行います。
この結果を見て、今後の授業計画を立てますので、無理に気張らず楽にして下さいね?」
試験は四則演算の基本計算問題からちょっと応用の入った組み合わせ問題、図形の問題まで幅広く出題されている。
……とは言え、私は一応日本の義務教育を終え、高校も卒業。大学も卒業している。
そして栄養士って、計算能力必須なのよ。
ひたすら栄養計算、計算、計算……。
図形や関数の難問やらならまだしも、ただの計算問題なんて私の敵ではない。
さらさらと問題を解いていく。
初級と言っていたし、関数やら因数分解やら方程式……なんて厄介な問題もなく、面積も普通に四角形や三角形の面積を求めさせたり展開図を描かせたりするもので、パズルみたく、複数の図形を組み合わせた中の一つの図形の面積を求めよ的な面倒な問題もなく。
あっという間に終わり、時間を持て余してしまった。
「あら、貴女もう終わったの?
今日はこのテストだけだから、良かったら先に教室を出て好きに過ごして良いわよ。
ただし、授業が終わるまでは戻って来れないから、回答の見直しはしっかりなさいね?」
ふむ。この次の授業はこれまた必修科目の地理学なんだよね。
……数学と違って完全に覚え直しだった科目で、前世から暗記系科目があまり得意でなかった私にとってはどちらかと言うと苦手科目。
気晴らしの為にも図書館でも行こうかな……?
そう思って廊下を歩いていると。
「ん……?」
何やら私の前をフラフラ歩いている人を発見。
それも明らかに具合悪そうに、壁に寄りかかるようにして……って、あ、危ない!
カクン、と膝から崩折れそうになったその彼女を、私は慌てて後ろから支えた。
「だ、大丈夫……、じゃ、なさそうだけど……。具合悪いなら保健室まで同行しますよ?」
「ご、ごめんなさい……。具合が悪いわけじゃ……いえ、体調はあまり良くないけど、病気とかそういうんじゃないから、保健室は大丈夫。
ちょっと、その辺の座れるところまで、ごめんなさい、手を貸してくださるとありがたいです……」
改めて顔を見ると、天パの入ったポニーテールの小リスみたいな可愛い女の子。
だけど明らかに顔色が悪い。
驚く私に彼女は苦笑い。
「私は二年Bクラスのリタよ。今日は朝起きられなくて朝食食べそこねちゃって……。普段から貧血気味ではあったんだけど、まさかここまで体調悪くなるとか……流石に想定外だわ」
それは。貧血というより低血糖や低血圧もあるかもしれない。
「朝、忙しいようなら事前に冷蔵庫にゆで卵を常備しといて、それに塩振って食べるだけでも違いますよ?」
「……ゆで卵くらいならすぐ作れそうね。ありがとう、気に留めておくわ」
最初の授業は必修科目。
この学校では必修科目でも教室移動がある。
あの、入学式の後に案内されたクラスの教室は、本当に朝のHRにしか使わないらしい。
因みに選択科目もあり、皆の終業時間も異なる為帰りのHRも基本的には存在しない。
勿論学用品全てを常に持って歩くのは面倒な為にロッカーが常備されていて、これはクラス毎に設置されているので、荷物の出し入れの為にちょくちょく訪れはする。
そして、例えば文化祭等の行事事がある場合のクラス会議が行われる場合は放課後にHRが設けられる――が、あくまでそれは例外事項。
私達の学校生活最初の授業は必修科目の数学。
座学の普通授業を行う少教室がまとめられた区画へ向かう。
席は自由に決めて良いらしい。
この学校では授業をサボりたいからなんて理由で後ろや端の席に座りたがる人は居ないみたい。皆なるべく黒板が見えやすそうな席を取りたがる。
けれど、座高が高くて後ろの席の人の邪魔になりそうな人なんかは遠慮して後ろの方の席を選んでいた。
私達は前からニ列目と三列目の真ん中の席に並んで座った。
基本、お嬢様組が前、使用人組が後ろだ。
そこは使用人組が頑として譲らなかった。
一列に並べば揉める必要もなかったんだけど、私達だけで一例独占するのもちょっと気が引けたんだよねぇ……。
「それでは授業を始めます。数学初級クラスを担当します、アリーセと申します。
まずは実力試験を行います。
この結果を見て、今後の授業計画を立てますので、無理に気張らず楽にして下さいね?」
試験は四則演算の基本計算問題からちょっと応用の入った組み合わせ問題、図形の問題まで幅広く出題されている。
……とは言え、私は一応日本の義務教育を終え、高校も卒業。大学も卒業している。
そして栄養士って、計算能力必須なのよ。
ひたすら栄養計算、計算、計算……。
図形や関数の難問やらならまだしも、ただの計算問題なんて私の敵ではない。
さらさらと問題を解いていく。
初級と言っていたし、関数やら因数分解やら方程式……なんて厄介な問題もなく、面積も普通に四角形や三角形の面積を求めさせたり展開図を描かせたりするもので、パズルみたく、複数の図形を組み合わせた中の一つの図形の面積を求めよ的な面倒な問題もなく。
あっという間に終わり、時間を持て余してしまった。
「あら、貴女もう終わったの?
今日はこのテストだけだから、良かったら先に教室を出て好きに過ごして良いわよ。
ただし、授業が終わるまでは戻って来れないから、回答の見直しはしっかりなさいね?」
ふむ。この次の授業はこれまた必修科目の地理学なんだよね。
……数学と違って完全に覚え直しだった科目で、前世から暗記系科目があまり得意でなかった私にとってはどちらかと言うと苦手科目。
気晴らしの為にも図書館でも行こうかな……?
そう思って廊下を歩いていると。
「ん……?」
何やら私の前をフラフラ歩いている人を発見。
それも明らかに具合悪そうに、壁に寄りかかるようにして……って、あ、危ない!
カクン、と膝から崩折れそうになったその彼女を、私は慌てて後ろから支えた。
「だ、大丈夫……、じゃ、なさそうだけど……。具合悪いなら保健室まで同行しますよ?」
「ご、ごめんなさい……。具合が悪いわけじゃ……いえ、体調はあまり良くないけど、病気とかそういうんじゃないから、保健室は大丈夫。
ちょっと、その辺の座れるところまで、ごめんなさい、手を貸してくださるとありがたいです……」
改めて顔を見ると、天パの入ったポニーテールの小リスみたいな可愛い女の子。
だけど明らかに顔色が悪い。
驚く私に彼女は苦笑い。
「私は二年Bクラスのリタよ。今日は朝起きられなくて朝食食べそこねちゃって……。普段から貧血気味ではあったんだけど、まさかここまで体調悪くなるとか……流石に想定外だわ」
それは。貧血というより低血糖や低血圧もあるかもしれない。
「朝、忙しいようなら事前に冷蔵庫にゆで卵を常備しといて、それに塩振って食べるだけでも違いますよ?」
「……ゆで卵くらいならすぐ作れそうね。ありがとう、気に留めておくわ」
6
あなたにおすすめの小説
虐殺者の称号を持つ戦士が元公爵令嬢に雇われました
オオノギ
ファンタジー
【虐殺者《スレイヤー》】の汚名を着せられた王国戦士エリクと、
【才姫《プリンセス》】と帝国内で謳われる公爵令嬢アリア。
互いに理由は違いながらも国から追われた先で出会い、
戦士エリクはアリアの護衛として雇われる事となった。
そして安寧の地を求めて二人で旅を繰り広げる。
暴走気味の前向き美少女アリアに振り回される戦士エリクと、
不器用で愚直なエリクに呆れながらも付き合う元公爵令嬢アリア。
凸凹コンビが織り成し紡ぐ異世界を巡るファンタジー作品です。
【完結】悪役令嬢の妹に転生しちゃったけど推しはお姉様だから全力で断罪破滅から守らせていただきます!
くま
恋愛
え?死ぬ間際に前世の記憶が戻った、マリア。
ここは前世でハマった乙女ゲームの世界だった。
マリアが一番好きなキャラクターは悪役令嬢のマリエ!
悪役令嬢マリエの妹として転生したマリアは、姉マリエを守ろうと空回り。王子や執事、騎士などはマリアにアプローチするものの、まったく鈍感でアホな主人公に周りは振り回されるばかり。
少しずつ成長をしていくなか、残念ヒロインちゃんが現る!!
ほんの少しシリアスもある!かもです。
気ままに書いてますので誤字脱字ありましたら、すいませんっ。
月に一回、二回ほどゆっくりペースで更新です(*≧∀≦*)
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
《完》義弟と継母をいじめ倒したら溺愛ルートに入りました。何故に?
桐生桜月姫
恋愛
公爵令嬢たるクラウディア・ローズバードは自分の前に現れた天敵たる天才な義弟と継母を追い出すために、たくさんのクラウディアの思う最高のいじめを仕掛ける。
だが、義弟は地味にずれているクラウディアの意地悪を糧にしてどんどん賢くなり、継母は陰ながら?クラウディアをものすっごく微笑ましく眺めて溺愛してしまう。
「もう!どうしてなのよ!!」
クラウディアが気がつく頃には外堀が全て埋め尽くされ、大変なことに!?
天然混じりの大人びている?少女と、冷たい天才義弟、そして変わり者な継母の家族の行方はいかに!?
小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜
みかん桜
恋愛
第一王子と妹が並んでいる姿を見て前世を思い出したリリーナ。
ここは、乙女ゲームが舞台の小説の世界だった。
悪役令嬢が主役で、破滅を回避して幸せを掴む——そんな物語。
私はその主人公の姉。しかもゲームの妹が、悪役令嬢になった原因の1つが姉である私だったはず。
とはいえ私はただのモブ。
この世界のルールから逸脱せず、無難に生きていこうと決意したのに……なぜか第一王子に執着されている。
……そういえば、元々『姉の婚約者を奪った』って設定だったような……?
※2025年5月に副題を追加しました。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
悪役令嬢ってもっとハイスペックだと思ってた
nionea
恋愛
ブラック企業勤めの日本人女性ミキ、享年二十五歳は、
死んだ
と、思ったら目が覚めて、
悪役令嬢に転生してざまぁされる方向まっしぐらだった。
ぽっちゃり(控えめな表現です)
うっかり (婉曲的な表現です)
マイペース(モノはいいようです)
略してPUMな侯爵令嬢ファランに転生してしまったミキは、
「デブでバカでワガママって救いようねぇわ」
と、落ち込んでばかりもいられない。
今後の人生がかかっている。
果たして彼女は身に覚えはないが散々やらかしちゃった今までの人生を精算し、生き抜く事はできるのか。
※恋愛のスタートまでがだいぶ長いです。
’20.3.17 追記
更新ミスがありました。
3.16公開の77の本文が78の内容になっていました。
本日78を公開するにあたって気付きましたので、77を正規の内容に変え、78を公開しました。
大変失礼いたしました。77から再度お読みいただくと話がちゃんとつながります。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる