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第一章 出会いと修行と旅立ち

#10 エリーさんと錬金術と地球人

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起きると隣にテルがいてビックリした。

そうだ、昨日本読みながら一緒に寝たんだ。
やっぱりこうして見ると可愛いな。

まぁ、とりあえず色々覚えて恩返ししよう。
まずはそれからだ。

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ジルさんと久々の物作りだ。
作りたいものも増えたので、ジルさんに教えてもらおう。

「そういえばあのマジックバックってどれだけ拡張してるんですか?」
「あれは拡張ではないぞ、亜空間収納じゃぞ」
「そうなんですか、容量はどのくらいですか?」
「使用者の魔力総量に比例するのじゃ、なので使用者次第じゃ」
「凄いですね、あれを使って思ったんですけど、入っている物を表示とか出来ないですか、前に見たモニターみたいな魔道具使って」
「・・・面白そうじゃな、それならバッグにする必要もないのぉ、それにモニターなら種類分けとか出来るようすると面白そうじゃな」
「それ良いですね!選択して選んで出せるとかですね」
「いいのぉ、早速やってみるか、物は何にする?」
「指輪は作業や戦闘の邪魔ですし、ペンダントはこの前壊れたし、腕輪ですかね」
「そうじゃな、よし作るのじゃ!」

やっぱり色々作るのは楽しい、まだまだたくさん作ろう!

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

ザウスさんとの訓練はほぼ組手メインになってきた。
多少相手になるようになったが、技術はまだまだ追い付かない。
身体能力を落としての訓練はきついが、オークキング戦では技術の必要性をスゲー実感した。

「ザウスさんとの訓練無かったら、オークキングは危なかったですよ」
「・・・普通はあのランクの魔物に一人で挑みませんよ」
「いや、まさかあんなのがいるとは思いませんでしたよ、逃げても追ってきそうだし・・・」
「まぁそうですね、予想は出来ません、これからは強敵の為に動体視力と思考速度も鍛えましょう」
「動体視力と思考速度ですか?そんなのどうやって?」
「基本は慣れで地力を上げます、それと平行して魔法でその辺りも強化しましょう、タツキさんは身体強化魔法にまだまだ振り回されてますから」

それからは身体能力を落として組手を行い、その後動体視力と思考速度の訓練になった。

動体視力の訓練は地味だ。
飛んでくるボールに書かれた文字や記号を読む。
これはその日によってスピードも大きさも違い、勘で答えられないようにしていた。

あとは思考速度の訓練だがこれは理屈はわからない。
テルに頼んで何かの魔法を使ってもらったのは分かるんだが、突然世界全てが遅くなった。
自分の体も遅くなり、木の葉が落ちるのも全てがスローモーションで動く。
その状態で身体強化魔法(アイア○マン)をするとちょうどいい感じで、動きと考えが釣り合う感じになった。
この状態を思い出しながら、身体強化魔法(アイア○マン)で動けるように訓練するとの事だった。
テルに聞くとあの魔法はかなり特殊らしく、普通の魔法と違って触媒等も使うので、もう使えないらしい。
今日もあの感覚を思い出しながら身体強化魔法(アイア○マン)を使い動き回っている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

テルとの魔法の訓練は、勉強と魔力操作が主になるが、ひたすら魔力を放出して、放出量を増やす訓練が始まった。
ひたすら出し続けるだけなので本読んだり、雑談したりマッタリしてる。

つーかあれからテルの距離が近い。
まぁ悪い気はしないからそのまま好きにさせてる。

そんなこんなで1ヶ月がたち、テルの友人がやって来た。

「あっ!来た来た、タッチャンこの人がエリーちゃん、私の友達!」

エリザベートさんは髪は金、瞳は青、見た目は20前半くらいで身長は150後半かな?

長い髪を後ろで結んでいる。

「初めまして光本辰樹です、よろしくお願いします」
「ハイハイ、私はエリザベートよ、エリーでもエリザでも好きに呼んじゃって、で、この子を育ててるの?」
「うん、そうだよ、エリザちゃんの持てる力の全てを注いじゃって!」
「まあそれはこれから判断するわ、で、タツキ君、正直に答えて、あなたが最強を目指す理由を教えてくれる?」

この人は真っ直ぐ目を見てきた。

そらしちゃダメかな?

ふざけたい気持ちが溢れそうになる。
それをを抑えて真っ直ぐ見つめる。
真面目に正直に答えよう。

「まず俺はこの世界の人間ではありません、そしてテルに命を救われました」
「うん」
「そしてこの屋敷の皆さんに色々教わっています、その恩を返す為に、このダンジョンに人を沢山呼びたいです」
「うん?」
「後は可愛いお嫁さん欲しいな」
「えっ?」
「タッチャン!」
「あと色々大物の魔道具も作りたいな、それに記憶も戻したいかな、それとステータスの表示作ったやつ殴りたいし」
「ち、ちょっと待って、最強は?」
「そんな殺伐としたものに興味は無い!!!」
「ちょっと話が違う!なんでテルは嬉しそうなのよ!もう何なのよ!」
「ちなみにテルからはなんて聞いてたんですか?」
「地球の子が最強になりたがってるから、修業をつけてあげてって書いてあったわ」

「テルさんや(怒)」

俺はアイアンクローの手でせまる。

「タッチャン待って!それ凄く痛いの!ちょっと話聞いて」
「まあ良いや、話してみ」
「あのね、やっぱり男の子は、なんだかんだ言っても最強になりたきゃぁぁぁ!痛いよ、待って、止めて、いやぁぁぁ」

今テルは床に横たわっている。
俺はエリーさんにこれまでの話をした

「なるほど、テルの暴走なのね」
「そんな感じです、根は良い娘なんですが、なにぶん時々話を聞かないアホの娘になるので・・・」
「あぁいいのよ、長い付き合いだから分かってるわ」
「タッチャンひどいよ、あれ、なんでか凄く痛いんだよ」
「そりゃあ、痛くなれって強く思ってるからな」
「そんなのであんな激痛がくるの?魔法使おうとしても全然使えないんだよ」
「あんたたち仲良いわね、警戒して損しちゃった」
「警戒?何でですか?」
「地球人だって言うから『ハーレム』とか『チート』とか言ってる人なのかと思ったのよ」
「・・・・なんですかその異常者?」
「大体1年くらい前にこの世界に数人来たのよ」
「ホントですか!俺以外にもいたんだ、テルは何か知ってるか?」
「ううん、ダンジョンで見つけたのはタッチャンだけだよ」
「そっか~、そいつらどこに居るんですか?」
「今はどこにいるかわからないわ、ちょっと前までうちの国にいたんだけどね」
「・・・警戒って言いましたよね、そいつら何かしたんですか?」
「・・・・まぁ良いわ、話してあげる」

まず地球人はここからかなり離れた【ダリス帝国】に現れた。
どうやって来たのかは不明。
年齢は15才くらい。
地球人たちは普通とは違う、不思議な力を持っていた。
彼らはその力を女神にもらった【チート】と言っていた。

そしてエルフの国【エルニア】に来たのは男3人だった。

話は変わるが、この世界では奴隷制度がある。
借金などの理由で奴隷になったり、犯罪を犯し奴隷になったり。
犯罪奴隷は危険な鉱山や、未開拓地に連れて行かれ過酷な労働に従事する。

借金奴隷はお金で誰かに買われ、返済まで労働する。
奴隷は魔法で契約をするので、そこまで劣悪な環境に置かれる事は少ないらしい。
しかし奴隷本人が了承すれば、夜の奉仕などもある。

ここまでが前提。

彼らの目的はエルフの奴隷が手に入れること。
【エルニア】に来た時点で、獣人の奴隷を数人連れていた。
しかしエルフの奴隷は非常少ない。
なので【エルニア】に直接来たが、【エルニア】にはそもそも更に奴隷自体が少ない。

彼らはしつこく探したらしいが、見つからず他の国に向かった。

「なるほど、盛りのついた猿ですね」
「そうね、やっと他の国に行ったと思ったらまた地球人、多少警戒するわよ」
「そういえばテルは、エリーさんに何をお願いしようとしてたんだ?」
「そうだ、エリーちゃんには錬金術をタッチャンに教えてもらいたかったの」
「錬金術って金作るやつか?」
「それも出来るけど、薬を作ったり、複数の素材を混ぜて高位の素材を作ったり色々ね、良いわ、教えてあげる」
「いいんですか?そんな簡単に決めて」
「テルはこう見えて見る目はあるから大丈夫でしょ、それに久しぶりに休みをとったんだから、ここでのんびり教えてあげるわ」
「良かった、よろしくお願いします」

そんなこんなで師匠が増えた!
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