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第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#30 冒険者とトレント?とダンジョンコア

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戻ってきたぞ、ダンジョンに!

まぁ転移魔方陣で一瞬なんだけどね(笑)

色々あったが目的は魔石なので、まだまだ進んでいく。
これまでも良さげな魔石はあったが、成竜クラスの魔石は見つかって無い。
やっぱり50階層くらいは行かないと駄目かもしれん。

そんな感じでどんどん進む。
逐一サーチを使い、寄り道せずに階段を目指していく。
途中に出てくる魔物もひたすら倒して突き進む。

「やっとあれが空に浮かぶ姿を見れると思うと嬉しくなってきたな~」

飛空挺は昔のアニメに出てきた戦艦を模して作った。
『銀河○○伝説』で見て一目惚れしたあいつだ。
最初は不本意ながら白に染めていたが、都合良く赤くて強い『レッド』が出来たので、船体をコーティングして赤く染め上げた!
もちろんサイズはあそこまで大きくは無いし、細かい所は違うが・・・。
それでもかなり近いと思う!

早くあの雄姿を現実に見たい!
もう何を置いても優先されるよな!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんな訳で急いで探索して現在の最高到達階層の37階層に着いた!

確かにこの階層は厄介だ。
ずっとに霧が立ち込めているし、襲ってくる魔物も毒や麻痺、幻覚などを引き起こす攻撃が多い。

「これは対策出来てないと厄介だな」

そう言いながらサーチの魔法で魔物を見つけて倒しながら進む。
基本的に遠距離から魔銃で撃つので攻撃は喰らわないし、例え喰らっても解毒薬もあるので俺は問題無い。
まぁ多分あの程度の状態異常なら効かないけどな。

そうして進んでいると38階層への階段の前に冒険者達が陣取っているのを感じ取った。

「どうしようかな?」

魔物と戦闘している気配は無いな、つーか戦闘後かな?
待ってる訳にもいかないし挨拶して通ろう。

「こんにちは~」

少し離れた所から話しかける。
俺に気づいたのか振りかえって、みんな驚いた顔をしている。

つーかみんなボロボロだなぁ。
男3人に女2人の5人パーティーらしいが一人は毒にやられて動けない感じだ。
前衛らしい男のうち2人は足に傷を追って動けない感じだし、1人は腕がボロボロだ。

おぉ、警戒されてるっぽいな。
無傷の2人が怪我人を庇うように前に出てきた。

「貴女は何者?どうやってここまで来たの?」

まぁそう思うよな、こんな時の為のギルドカードだ!

「俺はタツキと言います、一応冒険者やってます、これギルドカードです」
「冒険者なの?じゃあ他にも誰かいるの?回復魔法とか使える人いないかしら?」
「お願い、このままじゃあ危ないのよ」
「回復魔法?そんなのあるんだ、それは使えないけど薬ならあるよ」

そう言ってポーチから解毒剤と特級ポーションを2本出す。

「早く使ってあげて」
「「ありがとう」」

そう言うと2人は薬を使って治療していく。
ポーションも解毒剤も魔法薬なので飲ませたり患部にかけると少し光を帯びていく。
あの怪我なら治療には数分かかるので、その間にさっきの会話で気になった事を聞いてみる。

「そう言えば回復魔法って何ですか?」

2人が驚いた表情を見せる。

「貴女回復魔法を知らないの?」
「神官系の職業の人が使えるのよ、見たこと無いの?」
「無いですね、周りに神官なんて居ませんでしたから」
「大抵の町には教会があるはずだけど・・・」
「それはいいとして、回復魔法は魔法じゃないんですか?」
「魔法とは言ってるけど、神官職の独自のスキルね、詳しいことは分からないけど」
「そうなんだ、いつか見てみたいな、それより皆さんはこれからどうするんですか?」
「帰還するわ、もう回復手段も無いし、装備を整えないとこれ以上は進めないわ」

見回すと防具も痛んでるし、武器も破損が目立つ。
つーか良くここまでもったな・・・。

「タツキさんだったわよね、食料とか薬とか余って無いかしら?もし良ければ売ってくれないかな?」
「余ってるから良いけど・・・どれくらい欲しいの?」
「30階層まで戻れればいいから、食料は3日分くらいはあると嬉しいわ、そう言えば貴女の荷物は連れの人が持っているの?」

食料は問題無いな、マジックバッグから出しても保存が効くような物だけ渡していく。
後はポーションと解毒剤も上級から初級まで5本ずつ出して渡す。
後は装備品かな~?
修行時代の魔鋼鉄やミスリル製の武器や盾、後はローブや杖などを出していく。

「これだけあれば帰れるでしょ?」
「何処から出したのよ!まさかマジックバッグ?連れの人は居ないの?」
「出したのはマジックバッグからだよ、それと今日は1人だけだよ、それよりもこれで足りるの?」
「十分よ、でも待って、この装備や薬を買うにはお金が足りないかも・・・」
「そうね、何なのこの剣や盾!まさかミスリル製なの?ドワーフの国にでも行ったの?」
「まぁ俺は相場が分からないから金額はそっちの判断でいいですよ、ほらそろそろみんな治った頃だから相談してください」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

薬は問題なかったようで皆全快している。
そして俺から少し離れて相談し始めた。
つーか金は別にいいんだよな。
でも無償も不味い気がするしな~。
早く行きたいんだけどな~。

「タツキさんありがとう、改めて礼を言わせてもらう、お陰で命拾いしました、俺たちはエルニアを拠点にして活動しているパーティー『緑翠の誓い』です」
「気にしないでいいよ、偶々余ってただけだから」
「それから装備や食料などの事なんですが、パーティー資金として貯めていた全額をお支払します」
「そうなの?まぁいくらか俺も分からないからそれで良いけど、そっちは大丈夫なの?」
「はい、各々少しは持っていますし、何よりも命の方が大切です」
「そりゃそうだ、じゃあ貰ったら俺は行くよ、それとも後で払う感じ?」
「それなんですが、ギルドカードでお支払いしますから、カードを出して貰えますか?」

そう言われてギルドカードを出す。

「このカードそんな事も出来るんだ」
「ギルドランクがCにならないと出来ない機能なんです」
「そうなんだ、俺ちゃんと説明聞いてなかったから(笑)」

カードを重ねて『緑翠の誓い』のリーダーがカードを操作している。

『ピッ!』

「タツキさん終わりました」
「終わったの?、本当だ、増えてるけど・・・・高くね?振込額が白金貨3枚以上あるぞ(汗)」
「いえ、命の方が大切です、それにあの装備や薬はその金額以上の価値があると思いますよ、それより凄いですね、タツキさんはSランク冒険者なんですね、ここまでソロで来るのも納得です」
「はぁっ?本当だ、いつの間にか変わってる?何でだよ、Aだったはずなのに?」
「僕らは一度地上に戻って装備の調整やレベル上げに戻ります」
「待って待って!こんなに貰ったら悪いから、ちょっと装備にサービスするよ、少し時間頂戴」

流石にあんなに貰っておいて、何の付与もしていない武器や防具を渡すわけにはいかない。
急いで『強靭』『自動回復』『鋭化』『衝撃軽減』『汚防』など付けられるだけ付けていく。

「取り敢えず付与魔法を付けといたから、それと各々説明は書いといたから」
「まさか自作なんですか?」
「まぁそんな感じだよ、じゃあ俺は行くから気を付けて帰ってね」
「「「「「ありがとうございました」」」」」

そうしてやっと俺は38階層に進めた。

~緑翠の誓い~

「凄い可愛い子だったな」
「何鼻の下伸ばしてるのよ!」
「まぁ分からなくも無いけどね」
「それにしても凄い薬だったな、光ったと思ったら千切れかけた腕が治ったもんな」
「そうだよ!俺の猛毒もアッサリだぞ、回復魔法でもここまで簡単に治らないだろ」
「そうよね」
「それにこの武器!見たこと無いぞ!」
「まさか目の前で魔剣を作り出すなんて、一体どんなクラスなのかしら?」
「しかもSランクなんでしょ!今までタツキなんて名前聞いたこと無いわよ」
「・・・いや一回だけあるぞ、確か少し前に新しいダンジョンが見つかったろ、その発見者がタツキって名前だったはずだ」
「そういえば・・・」
「そんな名前だったわね」
「まぁいい、せっかく命拾いしたんだ、ちゃんと生きて帰るぞ」
「「「「お~」」」」

~タツキ~

「『緑翠の誓い』か~、気のいい奴らだったな」

38階層を抜けて40階層の大広間でボスのような魔物を倒してから、そのまま43階層までやって来た。
ボス自体は4m程の大きな熊の魔物だったのだが、大型魔銃の『あーる』と『える』で頭を撃ち抜いたらそのまま終わってしまった。

大型魔銃も新素材で強化して、『あーる』がブルー製、『える』がレッド製にした。
なので色は水色とピンクだ(汗)
素材も強くなったので魔方陣の爆発力を強くして、弾速も更に上げた結果だな。

熊の素材も悪くなかったし、魔石もかなりの大きさだったが、もう少しストックが欲しいので更に進んでいき、今日はここまでだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日も更に進んでいく。
いい加減森にも慣れてきて、進む程に階段の位置もなんとなく分かるようになってきた。
そして50階層にたどり着いた時にそいつは現れた。

胴回りは10m以上ありそうで、表面は茶色く非常に固そうだった。
高さは50m以上だな、上の方は緑が繁っている。
頭ではなく胴に大きな目と口などの顔がある。

ぶっちゃけバカデカイ木の魔物だ(汗)
確かトレント?とか言う種類だったと思う。

・・・イメージ的には賢そうだよな?
でも成竜は喋れなかったよな。
取り敢えず話しかけるか~。

「すいませ~ん、喋れますか~?」
「キィィィィィィ」

なんだこれ?木が吠えたのか?

気づいた時にはトレント?はもう攻撃してきた。
葉っぱを大量に飛ばしてきた!

「オールシールド!桜!出ろ!」

とっさに盾を出して防ぐ。

射程には入っているのでスキルを使う、ここなら他に迷惑はかからないからな。

「一閃!」

ズパンッ

胴回りの4分の1くらいまで切り込めたと思うが、一太刀とはいかない。
生木は伐りづらいからな~。

そうこうしていると、地面が盛り上がり根っこが襲ってきた!

盾で防ぎ、桜で斬りつつ後退する。

そうするとトレント?の前に魔方陣が浮かび上がる!

あれは土塊を打ち出す『アースバレット』か!
その数20以上が同時に発動する。
即座に桜をしまい、

「あーる、える出ろ!」

大半は盾で防ぎ、残りは大型魔銃で撃ち落とす。

『ガオォォォン!』

そのままトレント?に魔銃を撃ち込むが、貫通まではいかない。

「これは面倒だな・・・・しょうがない、まずはコツコツ枝払いだなぁ」

上に向けて魔銃を撃ち込む、胴回りは貫通出来なくとも枝なら問題無い。

『ガオォォォン、ガオォォォン』
『バキッバキッゴキンッ』

『ギィィィィィィ!』

さっきとは違う叫びを上げ始めた。

「まずはお前の手数を減らす、悪く思うなよ」

そのまま魔銃を撃ち込み、葉っぱが少なくなり、避けやすくなってから再度接近する。

また魔方陣が浮かび上がるが今度は桜を片手に、盾と魔法で対処していく。
向こうは並列で大量に魔法を撃つのでこっちは連射で勝負する。

根っこは予兆が分かりやすいのでその場で回避、そしてトレント?の根本までたどり着く。

「『五連閃!!』」

思考加速と身体強化を使い瞬時に抜刀を繰り返す。
このレベルの身体強化をすると、普段は気にならない空気すら邪魔に感じるな。

『ドドーーンッ!』

やっと斬り倒せた~!

・・・・これ素材どうしよう?
ずっといた魔物らしく丸々素材が残った。
まずは魔石だけど、何処だろう?

その後は枝と葉っぱと幹に分けて解体?切断してマジックバッグに入れてみたら普通に入った!
でも木材って何に使おうかな?
まぁその内考えよう!
因みに魔石は幹の真ん中に入っていた。
待望の成竜クラスの魔石だ!
これで飛空挺が飛ばせる!

そうして目的は達したのだが、折角なのでトレント?の先にあった大扉を開いてみた。

すると屋敷のダンジョンの最奥と同じような水晶の部屋があった。
真ん中には1m程の緑色に光る魔石のようなものがある。
一応触ってみる。

『パパパパーンッ!』

『ダンジョン攻略おめでとうございます』
「なんだ?だれだ?」
『森林の迷宮攻略の報酬がございます、表示されたものから選んで下さい』
「聞けよ!もしかして録音的なものか?」
『録音的なものではありません、あえて無視しております』
「余計たちわりぃ!」

『フォン』

・選択可能ギフト

「あ~ギフトか~、要らない!じゃあな」
『まっ、待って下さい、要らないのですか?』
「何だよ慌てて、つーかギフトはもう間に合ってる、どうせデメリットもあんだろ、もうお腹一杯なんだよ」
『待って下さい、何とか受け取って下さいよ、デメリットが無いものもありますから』
「何でそんなに必死なんだよ、ちょっと引くわ」
『何で引くんですか!と言うかダンジョン攻略して報酬要らない方が意味わかりません!決めました!ギフトを選ばない限りこの部屋から出しませんからね』
「何だよそれは!いいよ、扉ぶったぎる!」
『その場合はこのダンジョンを崩壊させます』
「ふざけんなよ、何で攻略したのに最後に崩壊なんだよ」
『攻略報酬を選んで下さい』
「こいつっ!」
『攻略報酬を選んで下さい』
「・・・もう、わかったよ、デメリット無いもの表示しろ、選ぶから」
『かしこまりました、フォン』

選択可能ギフト
・内蔵強化・創造魔法・魔力解放・アイテムボックス・ダンジョンコア(初期)

???
見たことあるのは『創造魔法』と『アイテムボックス』だなぁ。
『アイテムボックス』はいらんな。
後は『創造魔法』は魔力凄い使うから俺は無理だよな、つーかデメリット無いのか?

「おい、創造魔法にデメリットは本当に無いのか?」
『貴方は既に最上級の『呪い』を受けています、そのため創造魔法のデメリットの『呪い』は弾かれます、結果デメリットが無いも同然なのです』
「なんか嫌な感じだな」
『創造魔法にしますか?』
「しない、内蔵強化と魔力解放、後はダンジョンコア(初期)の詳細を教えてくれ」
『内蔵強化はそのままです、鍛えるのが難しい内蔵を強靭にします、魔力解放は放出魔力量を増やします、最大でも魔力総量の10分の1です、ダンジョンコア(初期)はギフトでは無く素材です、上手く使えばダンジョンを作る事も出来ますし、最上級の魔石として使えます』

内蔵を強靭にするのと、魔法がかなりの使えるようになるものか・・・。

「本当にデメリットは無いんだな?」
『ございません』
「じゃあダンジョンコア(初期)をくれ」
『かしこまりました』

すると緑色に光るダンジョンコアから、白く光る魔石が分離するように出てきた。

「これがダンジョンコアか?」
『その通りです、報酬は以上となります、何か質問はございますか?』
「このダンジョンは崩壊するのか?」
『しません、攻略者が出てもダンジョンコアが壊れない限りダンジョンは存在します』
「わかった、それならいいや」
『それでは地上までお送りします、それと・・・』

そして床に魔方陣が浮かび、転移の光が溢れてくる。

『我が子をよろしくお願いします』
「はぁっ?我が子って何だよ!おいっ!」

突っ込んでいる間に俺はダンジョンの入り口に跳ばされた。

「喋ってたのがダンジョンコアだったのかな?」

こうして俺の森林の迷宮探索は完了した。
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