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第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#37 真壁結衣と修行と旅行

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  ~高校生たち(真壁結衣)~

私たちがこの世界にやって来て3年が立ちました。
色々あったけど葵ちゃんと2人で探索にも慣れてきて、難しい場所の探索も何度かこなした頃に同郷の光本辰樹さんに出会いました。
最初に見たのはドラゴンゾンビと戦っていた時でした。
突然後ろから話かれられて、助けがいるかと聞かれ、即答でお願いしました。
その容姿は完全に可愛い女の子でした。
危険な場所の探索に来るような格好ではなく、普段街でブラついてるような服装でどう考えてもこの場に似つかわしく無かったです。

ですが戦闘が始まると私たちの苦戦が嘘のように圧倒していきました。

何処からかフワフワ浮かぶ盾を数枚出して、見たこともない魔銃を取り出し、そして最後はファイヤーボールを連射してドラゴンゾンビをあっさり倒してしまいました。

その後は情報交換をしていきました。
話をすると辰樹さんは自由な人でした。
食材や調味料を探すついでに色々調べてるような感じでした。

そうしているとダリス帝国で大きな事件が起きました。
私たちを召喚した連中が邪神の一部を復活させて、ダリス帝国の正規軍を倒してしまったのです。
反乱軍に残っていた同級生たちも逃げ出して来たから大変です。

それから公爵様のお屋敷で色々話しました。
南雲君と内山君は中学からの親友だったらしく、別れたあとも何度か連絡をとっていたようです。
そして残った南雲君は契約魔法の解除ができるギフトだったようで、契約魔法はもう問題ないようでした。

残っていた理由は色々複雑でした、それは置いておいて、何よりもこれからどうするか?誰も答えられませんでした。

確かに私たちは勇者としてこの世界に召喚されました。
『女神の加護』と『召喚されし勇者』の称号もあるので現地の人より多少強いし成長も早いです。
ですがとても軍隊を相手に出来る程ではありません。

何より反乱軍の目的も分からなくなってきました。
こんな状況になっては国を乗っ取る事も出来ないでしょうし、これから彼らがどう出るのかも分からない状況です。
何より邪神の一部に反乱軍が操られている可能性もあるらしく、まずは詳しく調査する必要があるとの事でした。

打開策を出してくれたのは内山君たちを連れてきてくれたテルミーナさんでした。

邪神に詳しいエルフの国の先代女王様のエリザベート様を辰樹さんと一緒に呼び出すこと。
辰樹さんの配下の子供たちに調査、装備品の準備、精鋭部隊の選別などの手配。
そして私たちへの鍛練方法などどんどん決まっていきました。

エリザベート様曰く、邪神の一部の最終的な目的は邪神本体の復活だろうとの事でした。
そして昔の戦いで邪神は目につくものを全て滅ぼそうとしていたとの事でした。

それからの展開は早かったです。
辰樹さんが内山君や南雲君たちを軽く蹴散らしてから、辰樹さんが作った飛空挺で森の中のダンジョンに向かい、そして辰樹さんたちが2日で作った学校?で鍛練の日々です。

私は今は魔力操作の復習をローザちゃんとやっています。

『ぐぎゃぁぁぁっ!』

外では南雲君がザウスさんに吹き飛ばされてます(汗)
私たちもあんな風にされるのかな?
不安に思っているとローザちゃんが教えてくれました。

「ザウスさんは力加減がお上手ですからそんなに心配しないでも大丈夫ですよ」
「・・・痛いのは間違いなくあるんだね」
「あれも必要な事なんです、覚えが早くなりますし、自然治癒力も鍛えられますから」
「・・・でも痛そうだよね」
「大丈夫ですよ、ザウスさんは女性や子供には優しいです、それにタツキ様からソーマやエリクシールを大量に頂いてますから」

辰樹さんはこんな環境にずっと居たんですね(汗)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あれからどれくらいの時間がたったのだろう?
地下に籠ってひたすら作り続けていたら全く時間の感覚が分からなくなった。
お腹が減ったらマジックバッグから出して食べればいいので全く外に出てなかった。

作り終わって外に出ると真っ先にベッドに飛び込んだ。
耐性があっても眠りたい時はあるんだよね。
今日は取り敢えず眠って、明日考えよう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日の朝

「タッチャン起きてよ!」
「ん~~?」
「やっと出てきたと思ったら寝てるし!」
「おぉう?テルか?おはよう?」
「おはようじゃないよ、もうどれだけ心配したと思ってるの?」
「心配?何でよ?」
「タッチャン2週間も籠ってたんだよ!鍵がかかってて中に入れないし、声かけても返事無いし!」
「うぇっ、そんなに経ってたのか、ごめん分かんなかった」
「もう次からは鍵かけちゃ駄目だよ!」
「分かったよ、気を付ける」
「それで作りたかった物は出来たの?」
「大体出来たよ、後は実験と細かい調整くらいだからすぐ終わるよ」
「それじゃあこれからはどうするの?」
「あ~レベル上げ?それか地球人たちの修行の手伝いかな」
「それなら一度成果を見てあげてよ、もうかなり仕上がってきてるんだよ!」
「そうなの?まさかかなり無茶苦茶したのか?」
「う~ん、元々地球人たちは称号の関係で覚えがいいんだよね、修行はタッチャンと同じくらいかな?」
「そうなのか?つーかこんな短期間で魔力操作も出来たのか?」
「うん、エリザちゃんと相談して普通の魔力操作だけにしたの、元々魔力は高いし問題ないからね」
「女神さんの加護って凄いな、まぁ彼らのこれまでの努力の成果なのかもな」
「だからもう子供たちとは普通に模擬戦しても五分五分くらいになってきたよ」
「そうなのか、じゃあ後で始まったら見に行こう」
「?ずっとやってるから今から見に行こうよ」

??ずっと??

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ねぇテルさん?」
「なぁにタッチャン?」
「彼らは寝てないの?」
「ちょっとは寝てるよ、でもソーマを飲むと眠気が吹き飛ぶらしくてずっとこんな感じだよ」

学校?に着くと異様な光景が広がっていた。

この時間、魔法メインの子たちはひたすら魔方陣の定型文を覚えたり、平行して魔力の放出訓練をしたりして、なんだろうな、受験生の最後の追い込みみたいな空気が漂っている。

接近戦メインの子たちは身体強化をスムーズに行い、武具に魔力も淀みなく流してザウスさんたちと模擬戦に明け暮れている。
彼らも最初の頃とは違い、かなり戦いになってきている。

つーかこいつら成長早くねぇ!
今まで戦ってきた経験なのか?
後は称号の効果もあんのか?
そういえば結衣も葵も魔力操作覚えるの早かったもんな。
この調子なら・・・俺の出番無くない?

そこにエリーさんがやって来た。

「タツキもビックリでしょ」
「そりゃもう、エリーさんも?」
「そうね、ここまで成長が早いとは思わなかったわ」
「これもう任せて良くない?」
「タツキが本気を出せば、彼らもまだかなわないでしょう?」
「どうだろうな?俺のはドーピングみたいなもんだし、何より出来れば使いたくない」
「それよりもタツキはもう動けるの?また籠ったりしない?」
「大体作り終わったから大丈夫ですよ、まぁこれ見て安心したからちょっとのんびりしようかな」
「じゃあちょっとお使いに行ってもらえるかしら?」
「お使い?何処へですか?」
「あなたのレベル上げついでに、ちょっとドラゴン退治に行ってきて」
「・・・軽くね?それって結構大変ですよね?何でまた?」
「タツキはドワーフ王国の事は知ってる?」
「まぁ話を聞いたことはありますよ」
「かなり昔にドワーフ王国への道の途中にドラゴンの巣ができちゃったのよ、それからはドワーフ王国への道はかなり遠回りになって、更に魔物の危険も増えて困っていたの、この辺りの国ではマトモな武具が無かったでしょう、それはドラゴンが原因なのよ、そんな訳だからお願いね」
「・・・ドラゴンってそんなに狩っていいもんなの?」
「知能が高いドラゴンは話が通じるけど、そうじゃないのもいるからしょうがないわ、これまでにかなり被害も出ているしね」
「ねぇエリザちゃん、私も行っていいよね?」
「まぁこっちはローザと私で何とかなるからいいわよ」
「もう決定なんだね、でも無理はしませんからね、ヤバそうなら帰って来ますよ!」
「えぇ、それでいいわよ」
「じゃあタッチャン早速行こうよ」
「そうだな、じゃあ飛んでいくか?」
「うん、一緒に旅行だね」
「あれ?そんなノリなの?ドラゴンってそんなノリで狩りに行くもんだっけ?なんかおかしくない?」
「何でもいいの、旅行なんて久しぶりなんだもん」
「そうか、そうだな!よし旅行だな!」
「うん、楽しみ」
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