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第二章 異世界交流と地球人たちと邪神討伐

#52 エピローグ 違法奴隷殲滅戦③

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~~~~辰樹side~~~~

今、俺は『ノイエ・ルージュ』のコックピットに座って魔導モニターを見ている。
現在は目的地の上空5000mに待機していて、隣には今回ワガママを言って着いてきたゴルさんもいる。

つーか冒険者ギルドに今回の違法奴隷殲滅大作戦(笑)を説明して、内密に人手を貸してほしいと頼んだら、このオッサンがわざわざ着いてきやがった(汗)
そんでもって何でもするから『飛空挺』に乗せてくれと言ってきた・・・。
まぁ別にいいかと軽くオーケーしたら、まさかの依頼料半額にしやがった!
・・・つーかギルドの私物化じゃねぇのか?

まぁそんな訳で今飛空挺にはコックピットに俺とゴルさん、格納庫区画に冒険者20人が乗船している。

魔導モニターには『プティ・ルージュ』4機からの偵察映像が写し出されている。

「つーか何か敵の数多くね?」
【推定300名です、帝国軍第13騎士団全員が集まっております、デミオス・モンテスキュー邸の敷地内に駐屯地が併設されています】
「つーか帝国軍を私物化してるのかよ(汗) やりたい放題だなぁ」
「それよりも俺たちはどうするんだ? うちの支部はグレイ殿やクレア殿に鍛えられてかなり強くなっている、だからあの程度の数なら問題ないぞ!」
「そうなの?」
「あぁ、それにあの街は良い装備も手に入るからな、他の支部に比べたらかなりレベルが違うぞ」
「当初は奴隷の保護をしてもらおうと思ってたんだけど・・・」
【タツキ様、奴隷の所在地が判明しました】
「ん、画像出せるか?」
【はい、表示します】

『フォン』

映し出された映像は胸くそ悪いものだった。

拷問じみた事をされる男達、陵辱されている女達、その泣き叫ぶ声、吐き気を催す騎士崩れどもの笑い声、辺りに飛び散る血痕・・・(怒)

俺はその映像を見た後、直ぐに立ち上がりヒスイに指示をとばす。

「ヒスイ、『ノイエ・ルージュ』最大戦速で駐屯地に降りろ?すぐに始めるぞ!」
【はい】
「騎士どもへの『プティ・ルージュ』の全兵装の制限解除! すぐにあの場所を制圧しろ! それと『ノイエ・ルージュ』の主砲と副砲は使用禁止だ、だが射程に入り次第、全機銃も使ってあの駐屯地を制圧しろ! 」
【了解しました】
「それとゴルさん」
「おうよ、俺達も地上に降り次第直ぐに突っ込む、あの騎士崩れどもは絶対潰す!」
「頼んだ! でも被害者達の治療と保護を最優先にしてくれ、薬関係はヒスイに場所を聞いてくれ」
「了解だ」
【タツキ様はどうされますか?】
「俺は直ぐに屋敷に向かう、ヒスイ、後は任せたぞ」
【畏まりました、お気をつけて】
「直ぐって、まさかこの高さから降りるのか!?」

俺はそのままデッキに出て、甲板から身を投げた。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


~~~~ゴルディアスside~~~~


「行っちまったな(汗) この高さから飛び降りて問題ないのか?」
【タツキ様は魔法も使えますが、あの様子では恐らく浮遊魔法でゆっくり降りるような事は無いでしょう、あぁやはり・・・風魔法で加速して行きますね・・・あぁ感知限界を超えました】
「・・・更に加速して落下かよ(汗) ちゃんと着地の事を考えてるのか?」
【今は早く向かうことしか頭に無いでしょう、まぁそもそもタツキ様は『ノイエ・ルージュ』の主砲をも受け止めますから、この高度からの着地程度なら問題ないでしょう】
「・・・とんでも無いな」
【タツキ様は放って置くとして、ゴルディアスさんは何故この艦の乗ったのですか?】
「話しただろう、空飛ぶ艦に乗りたかったからだよ」
【表向きはそうでしょう、ですがゴルディアスさんは、時折真面目な顔で当艦の設備を見てました、特に武装の所では演技が乱れていましたよ】
「・・・良く見てるんだな」
【私は当艦のダンジョンコアです、艦内の事でしたらおおよそ観測対象ですよ】
「話には聞いてたが『ヒスイ』は本当にダンジョンコアなんだな、そこまで見てたなら大体想像つくだろう?」
【おそらくタツキ様の調査の一環でしょう、依頼先は王国ですか?】
「まぁそんな所だ、依頼先は詳しくは言えないが複数だな、ぶっちゃけ迷宮国家の勢力は数こそ少ないが強大だからな、この空中戦艦1つでも周辺国家は太刀打ちできん、それにエルマ達ですら単騎で何処にでも忍び込めるし、直接戦闘もタツキや屋敷の人間意外は太刀打ちできんだろう、しかも迷宮都市には無料で高度な訓練が受けられる学校も出来た、それに質の良い武具や魔道具、素材もこの街の独占商品だからな、周辺国家は大騒ぎさ」
【そうですね、タツキ様が望めばこの周辺は数ヵ月で侵略出来るでしょう、まぁ絶対に無いでしょう、迷宮国家の主君すら嫌がっておられましたから】
「そうなんだよな、アイツには権力欲とか支配欲無いからな、だから安心しろって言ってるんだけど、どうしても内情が知りたいらしいぞ」
【・・・ですがタツキ様は特に隠そうとはしてません、多分見せてくれと言われれば危険な所以外は普通に見学出来ます、学校も対外的には有料で通えるようにするらしいです】
「だよな、ただそれを相手が信用するかは別問題なんだよ、王室や貴族、大きい組織の幹部連中は疑心暗鬼の塊だからな、タツキ達は直接関われば問題ないのは分かるんだけどなぁ、まぁそんな訳だ」
【おおよその事情は分かりました、そう言う事であれば当艦の他の施設もご案内しましょうか?】
「それは有難いがこれから戦闘だろう、そろそろ地上に着くんじゃ無いのか?」
【先ほど『プティ・ルージュ』から映像が届きましたがもう戦闘は終わってます】
「はぁ?」
【駐屯地に関してはタツキ様が着地した時に30m程のクレーターが出来て、周辺の騎士崩れは吹き飛んでます、更にタツキ様の威圧で駐屯地の騎士は全員意識を失っていますね、・・・死んでいなければ後は捕縛と救助だけですね】
「相変わらず滅茶苦茶だな(汗) それでタツキは何してるんだ?」
【今は『銀』を取り出して・・・・・・門ごと屋敷を斬りましたね・・・】
「あいつの事はほっとこう・・・それで俺たちはどれくらいで着く?」
【後1分です】
「分かった、船の調査は後で良い、迷宮都市の中で一番ヤバイのはタツキ本人だ」
【それは同意します】


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~~~辰樹side~~~~

「おっかしーな~?」

あれから怒りに任せて駐屯地に着いたら騎士崩れどもは全員気絶してやがった。
まぁそれはいい、多分俺の威圧のせいだろうから・・・まぁ多少範囲や威力がおかしいのは気にしない(汗)

それよりもおかしいのは『銀』だよな。
屋敷の門を斬るために『一閃』を使ったら屋敷ごと斬れやがった・・・(汗)
斬撃の範囲が倍以上だし、切れ味も魔力の通りも段違いに良くなってる。
邪神戦以降使って無かったし、整備もしてないのに何でだろう??

・・・・・まぁいっか!後でジルさんと調べて見よう!


そんな感じで黒幕と御対面~!

「貴様! ここがデミオス・モンテスキュー様の屋敷と知っての」
「うるせい、全部解ってるよ」

側仕えの執事が怒鳴ってきたが無視して話始める。

「お前が違法奴隷の黒幕なのは解ってる、公爵にばれてないのは、公爵婦人もグルだからって事だろう、生憎と全部調査済みだよ」

「くふふふ、中々の調査能力だ、それにここまでたどり着いた力も素晴らしい、良く見れば美しい顔をしているな、どうだ私の愛人兼配下にならないか? そうすればこれまでの無礼の数々は許してやっても良い、報酬も望むだけ出すぞ」


うぉぉぉぉ!!
キモイ~~・・・こいつ見た目はダンディーなのに中身がキモイ~!

「どうした? 早く返事を「断る!!」」
「・・・ならば仕方ない、殺れ!」
「はっ!」

執事がナイフを取り出してこちらに向かってくるが・・・まぁ遅い。
まだゴルディアスさんの方が早いな、つーか重戦士のゴルさんより遅いってどういう事だよ。
取り敢えずデミオス・モンテスキューだけ生け捕りでいいよな。


『キィィン!!』
「グハッ」

『銀』を抜き、そのまま執事のナイフごと
胴を断ち斬る。

「な、貴様何をした!」
「???何ってお前今見てたろ? 普通に斬っただけだよ」
「馬鹿な! 今は私の執事をしているが、そのラムザは元Sランクの冒険者だぞ! そのナイフもダンジョン深部で見つけた最上級品だ! こんなことあり得ない!」
「グダグダウルセェな、取り敢えず寝とけよ」

『ぐふっ』

うん、やっと静かになった。
つーか見た目はダンディーなおっさんなのに中身が残念な奴だな。
つーか公爵婦人はこの見た目にやられたのかな?

「終わったのか?」
「お~ゴルさんお疲れ~」
「随分派手にやらかしたな、まさか屋敷ごと斬るとは思わなかったぞ」
「あはは(汗) あれは想定外だな、まさかあんなに斬れると思わなかった」
「・・・おい、そいつはラムザか?」
「うん? この執事のこと? 確かそんな名前だったよ、そこのデミオスがそんな事言ってた」
「こんな所に居やがったのか」
「知り合いなの? 斬っちゃ不味かった?」
「嫌、構わん、こいつは国やギルドから指名手配されてる極悪人だ、依頼の為に村を焼いたり、仲間を陥れたりと色々やらかしてSランクを剥奪された野郎だ、ずっと行方が分からなかったがここに居たのか」
「へ~」
「・・・興味無さそうだな」
「ぶっちゃけ無いね、それより捕まってた人たちは大丈夫だった?」
「こいつの討伐だけで勲章物なんだがな・・・捕まってた人たちは大丈夫だ、傷も薬で問題なく治った・・・因みにあの薬は何だ? 欠損は少ししか治らなかったがそれ以外はあっという間に治ったぞ(汗)」
「あれは特級ポーションだよ、欠損の人は後で専用の薬を使うよ」
「特級ポーションがあんなにあるのか!!」
「??? 特級くらいならまだまだ樽でいくつもあるよ、そろそろローザも作れそうだからまだ増えるよ」
「・・・・聞くのが怖いが、因みに欠損には何を使うんだ?」
「エリクサー? エリクシール? 何か色々呼び方あるけどそれだよ、ただそろそろ材料が底を尽きそうだからヒドイ欠損の人だけにすんの」
「・・・中々の出回らないあの最高級治療薬だと!」
「材料の精霊樹の葉っぱが中々見つからない無いからね、まぁぼちぼち増やすよ」
「良し分かった、もう聞かないぞ!! どんどん頭が痛くなるからな!!」
「じゃあこいつらの移送とかはよろしくね、あとラムザ?の懸賞金はギルドの依頼料金に追加しといて! 俺要らないからよろしくね」
「待て待て待て、恐らく勲章の授与とか謁見があるぞ!」
「・・・じゃあゴルさんがやったことにしてよ、こいつゴルさんより弱いし、俺これから忙しい、何よりもめんどい!!」
「そんな事出来るかっ!!!」
「よろしくね~~お偉いさんにもそう言っといてね~~!」
「待て~~~~!」

こうして違法奴隷組織は壊滅した。
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みんなの感想(1件)

リウイ
2019.12.14 リウイ

わぁ、やっと更新されたよー( ≧∀≦)ノ
待った甲斐あったー(* ̄∇ ̄*)
ラストまで頑張ってください( ´∀` )b

解除
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