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第三章 クラウディアの魔力
二人の王子様。
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(この二人って……!)
アンナに映して貰った遠見の鏡の映像を覗き込んで絶句する。
大国ヴァイデンライヒ帝国の麗しき若き皇帝的な豪奢な衣装を身に纏うシュヴァリエの目の前に、
同じ年頃かな?と思われる男の子二人が立っていた。
一人は濡羽色の青みがかった黒髪、もう一人は輝く金髪だ。
間違いない…兄弟だというのに似通っている所のない容姿――――
ゲームの中で見た容姿を幼くしたらこうなるだろう見た目の二人。
クラウディアの目が遠見の鏡に釘付けになる。
アンナは鏡に映る王子二人に目が釘付けになっているのを確認し「ま、まさか姫様……」と内心慌てた。
隣国の思惑に姫様が引っかからなければいいのだが。
遠見の鏡の使用は今回のみにして、隣国の使節団が城を出るまで使用禁止にしなければと思うのだった。
挨拶を終えて移動を開始するようだ。
男の子二人はそれぞれシュヴァリエとしっかりと握手をして、王族らしい笑顔で会話をしながら城の中へと移動している。
王子達の後ろには使節団と護衛騎士が続いているのだろう、20数名ほどの行列が続く。
ゲームのシナリオでは王子達とシュヴァリエは「お初にお目にかかります」と言っていた。
しかし、今の映像を見る限り、どうしたってお初にお目にとはならないだろう。
ゲームのシナリオとは違う方向へと物事が進んでいる気がした。
ソニエールから使節団が訪問すると教えて貰った数日後に、シュヴァリエ出迎えるような事を聞いた。
それを実際に目にすると不思議な気持ちになる。
クラウディアの中でのシュヴァリエは、謁見の間で玉座に座り、下々の者を見下ろす天上人よろしくのイメージだったから。
非常に失礼なイメージである。
相手が使者ではなく、王族であった場合はその国のトップが出迎える事は特段珍しい事ではないらしい。
(そうだよねー、相手国がいくら友好国とはいえど何があるかも分からないし。使節団に紛れて他国の間諜とか居ての暗殺の心配もあるし。)
ただヴァイデンライヒ程の大国となると、おいそれと出迎えたりはしないという。
シュヴァリエは規格外の強さから護衛にそこまで重きが置かれず、すんなりとその準備に入ったらしいが。
映像には謁見の間が映る。
ヴァイデンライヒ帝国を象徴するシンボルが大きく描かれた垂れ幕を背に、玉座に座ったシュヴァリエが映っている。
玉座に座る姿は威風堂々としていて、皇帝として相応しい覇気を纏っていた。
片手を胸に当てお辞儀をした状態の王子二人に、シュヴァリエが何かを話し王子達が顔をあげる。
濡羽色の髪色に冬空のような澄んだ碧い瞳のジュリアス・ソニエール第一王子。
第一王子は国王似で、今の年齢では体の線も細く、所謂《いわゆる》美少年であるが、将来的には威厳たっぷりの精悍な美丈夫に成長する。
そうシナリオスタート時では美少年ではなく、美丈夫よりの美青年になっているのだ。細マッチョって奴だね!?
軍の最高司令官補佐として、王の手助けをするようになると、幼い頃から続けていた剣術において、類まれなる才能を開花させる第一王子。
軍服姿が大層麗しく、胸に手を当てせつない溜息を零すご令嬢が続出する。
大変優秀で美青年な第一王子に懸想する令嬢はとても多いのだが、王族としての経験から女性不信気味な王子は、アピールに余念がない令嬢達を全く気のない冷た過ぎる対応でばっさりと躱す為、
王妃が「次期王太子候補である者として、笑顔で躱す術を覚えなさい」と苦言を呈されるとか。
輝く金髪に春の森を感じさせる明るい翡翠色の瞳のリディル・ソニエール第二王子。
第一王子とは違い王妃似のエリアスは、これぞ美少年と言わんばかりの可憐な王子である。
すぐ上に非常に優秀な国の跡取りが居る為、自身は早くから未来の王弟としての自覚を持ち、兄を支える為に勉学に励んでいる。
物腰柔らかい彼は、幼少期はジュリアスとは年子という事もありそんなに体格差はないが、将来的には中性的な美貌のスラリとした体型の美青年に成長する。
その流し目にすら滴る色気を垂れ流す無自覚セクシーが、本人の知らぬ所で女性に絶大な人気を誇るモテ王子になる。
ジュリアスと非常に仲が良く、二人だけの時は顔立ちとは真逆の男らしい? 雑な話し方になるらしい。
柔らかい笑顔の裏には腹黒い心が……?と思われる発言をサラッとする為、ゲームをプレイした女子から隠れ腹黒キャラ認定された。
現在皇女である私からすると、腹黒キャラではなく王族らしい王子って感じだけども。
はふぅ……脳内で長いキャラ説明を語った所でクラウディアはぐったりする。
コレ後でノートにでも記しておこう。
クラウディアは乙女ゲームには登場するのは回想シーンのみで、名前すら出て来ないというモブ中のモブである。
この二人の王子とも、お会いする事なく亡くなってしまうクラウディア。
死亡回避の為にクラウディアの死因を思い出そうと必死になっているが、今の所は何も思い出せていない。
どうでもいい設定やストーリーはポンポン浮かぶくせに、一番大事な事は抜け落ちている残念なポンコツ頭を呪いたい。
対策という対策など、シュヴァリエが7歳から許可してくれている剣術くらいだ。
護身術も合わせて習いたい所だ。
穏やかに過ぎる日々に、日本育ちの平和ボケお花畑脳内に花が咲き乱れ、なかなか自分のシリアス設定を忘れがちであるが、自分は死んでしまう未来がある事をちょっと忘れていたクラウディア。
嫌な事を思い出した事で、少し顔を青褪めさせる。
急変したクラウディアの様子を見て、非常に心配したアンナに強く勧められて、遠見の映像を見るのを切り上げ、座り心地のいいソファで体を休ませる事にした。
シュヴァリエセレクトの優美な造形のソファのクッションは柔らかで、クラウディアが座るとフカッと腰近くまで埋まる。
クラウディアはまだ6歳でそんなに体重がないというのに、フカッと埋まるのだ。
これぞ最高品の実力なのか。
流石皇女の使うソファだよねーと頷いていると、アンナがお茶を用意してくれた。
クラウディアのお気に入りの紅茶に、甘い香りを放つ桃ジャムを入れてくれる。
(とっても美味しい。フレーバーティーっぽいよねジャムいれると。苺も試した事があるけど、桃が一番美味しい。)
コクリと飲んでホッとする。
紅茶のティーカップから立ち昇る湯気と共に室内に甘い果実の香りが漂う。
この城の何処かに、今日から攻略対象者が二人も滞在してるんだ…
ドキドキし始めた胸をそっと手で押さえた。
上手く説明が出来ないのだが、このドキドキは芸能人と同じ屋根の下に居るみたいな感じで、妙な高揚感がある。
ゲームでは一番最初に攻略したのって、ジュリアス第一王子だったなぁ…なんて。
乙女ゲームをしたのはこの作品だけで、他作品をプレイしたことはない。
一度プレイしたら徹底的に攻略するタイプのクラウディアではあるが、一番最初に攻略した為、初恋に似た気持ちで少し思い入れがあるキャラクターだった。
甘い台詞に体中が痒くはなっていたが、これぞ乙女ゲーム! と言わんばかりの甘い態度に、不覚にもちょっぴりドキドキしていたのだ。
その時のときめきを思い出したクラウディア。
思い出すと、何だか生の王子が見たくなってしまった。
「アンナ……。」
「はい、姫様。」
「私はお披露目がまだだから公式の場ではお会いする事は出来ないけれど…
身分を隠して偶然を装ってお話したりするのとかも無理なのかしら。」
「……っ!?
それは……、陛下に訊いてみませんと。私からは何とも言えません。」
「そうよね…。お兄様に後ほどお会い出来るかしら…許可がおりない前提でお話してみるわ。」
過保護過ぎるシュヴァリエは、絶対に許可を出さないと思うけれど、もしかしたらもしかするかもしれないもの、言うだけ言ってみよう。
少し落ち込んだ表情をするクラウディアを見てアンナは思案する。
今までずっと姫様は離宮の奥深くで静かに過ごしていた。
大人としか接した事の無かった姫様が初めて接した年の近い相手は、兄である陛下のみ。
そんな姫様が、年の近い王子達に興味を持ってしまうのは仕方のない事なのかもしれない。
…が、相手が悪すぎる。
王子二人をこちらへ寄越した真意に姫様との何かを含んでいなければいいのだが。
「姫様、四日後に帝国の子息令嬢を集めて王子二人を歓待するお茶会があります。
その時でしたら同じような年齢の子息令嬢がたくさん会場に居ますし、姫様も紛れ込めるかもしれません。
勿論、髪色や瞳の色は全く違う色にして貰う事になりますが。」
「えっ!? いいの!? お兄様に訊いてみます! お兄様に髪と目の色を変えて貰わないと!」
アンナの提案に大喜びのクラウディア。
「勿論、陛下が許可してくれたらのお話ですからね。」
「う…そうだよね…。」
「では、後ほど陛下とお会いした時にお話下さい。衣装なども準備しないといけませんから。
今お持ちの衣装からなるべく目立たない物を選びましょうね。」
「はぁい…」
シュヴァリエ、許可してくれるだろうかちょっと不安。
他国の王子が二人も参加するし、勿論皇帝も参加しているお茶会だから警護は万全な筈だ。
身の危険云々で許可されないと思うから、許可して貰えると思うのだけど。
シスコン拗らせてるシュヴァリエは、おかしなこと言い出しそうだもの。
アンナに映して貰った遠見の鏡の映像を覗き込んで絶句する。
大国ヴァイデンライヒ帝国の麗しき若き皇帝的な豪奢な衣装を身に纏うシュヴァリエの目の前に、
同じ年頃かな?と思われる男の子二人が立っていた。
一人は濡羽色の青みがかった黒髪、もう一人は輝く金髪だ。
間違いない…兄弟だというのに似通っている所のない容姿――――
ゲームの中で見た容姿を幼くしたらこうなるだろう見た目の二人。
クラウディアの目が遠見の鏡に釘付けになる。
アンナは鏡に映る王子二人に目が釘付けになっているのを確認し「ま、まさか姫様……」と内心慌てた。
隣国の思惑に姫様が引っかからなければいいのだが。
遠見の鏡の使用は今回のみにして、隣国の使節団が城を出るまで使用禁止にしなければと思うのだった。
挨拶を終えて移動を開始するようだ。
男の子二人はそれぞれシュヴァリエとしっかりと握手をして、王族らしい笑顔で会話をしながら城の中へと移動している。
王子達の後ろには使節団と護衛騎士が続いているのだろう、20数名ほどの行列が続く。
ゲームのシナリオでは王子達とシュヴァリエは「お初にお目にかかります」と言っていた。
しかし、今の映像を見る限り、どうしたってお初にお目にとはならないだろう。
ゲームのシナリオとは違う方向へと物事が進んでいる気がした。
ソニエールから使節団が訪問すると教えて貰った数日後に、シュヴァリエ出迎えるような事を聞いた。
それを実際に目にすると不思議な気持ちになる。
クラウディアの中でのシュヴァリエは、謁見の間で玉座に座り、下々の者を見下ろす天上人よろしくのイメージだったから。
非常に失礼なイメージである。
相手が使者ではなく、王族であった場合はその国のトップが出迎える事は特段珍しい事ではないらしい。
(そうだよねー、相手国がいくら友好国とはいえど何があるかも分からないし。使節団に紛れて他国の間諜とか居ての暗殺の心配もあるし。)
ただヴァイデンライヒ程の大国となると、おいそれと出迎えたりはしないという。
シュヴァリエは規格外の強さから護衛にそこまで重きが置かれず、すんなりとその準備に入ったらしいが。
映像には謁見の間が映る。
ヴァイデンライヒ帝国を象徴するシンボルが大きく描かれた垂れ幕を背に、玉座に座ったシュヴァリエが映っている。
玉座に座る姿は威風堂々としていて、皇帝として相応しい覇気を纏っていた。
片手を胸に当てお辞儀をした状態の王子二人に、シュヴァリエが何かを話し王子達が顔をあげる。
濡羽色の髪色に冬空のような澄んだ碧い瞳のジュリアス・ソニエール第一王子。
第一王子は国王似で、今の年齢では体の線も細く、所謂《いわゆる》美少年であるが、将来的には威厳たっぷりの精悍な美丈夫に成長する。
そうシナリオスタート時では美少年ではなく、美丈夫よりの美青年になっているのだ。細マッチョって奴だね!?
軍の最高司令官補佐として、王の手助けをするようになると、幼い頃から続けていた剣術において、類まれなる才能を開花させる第一王子。
軍服姿が大層麗しく、胸に手を当てせつない溜息を零すご令嬢が続出する。
大変優秀で美青年な第一王子に懸想する令嬢はとても多いのだが、王族としての経験から女性不信気味な王子は、アピールに余念がない令嬢達を全く気のない冷た過ぎる対応でばっさりと躱す為、
王妃が「次期王太子候補である者として、笑顔で躱す術を覚えなさい」と苦言を呈されるとか。
輝く金髪に春の森を感じさせる明るい翡翠色の瞳のリディル・ソニエール第二王子。
第一王子とは違い王妃似のエリアスは、これぞ美少年と言わんばかりの可憐な王子である。
すぐ上に非常に優秀な国の跡取りが居る為、自身は早くから未来の王弟としての自覚を持ち、兄を支える為に勉学に励んでいる。
物腰柔らかい彼は、幼少期はジュリアスとは年子という事もありそんなに体格差はないが、将来的には中性的な美貌のスラリとした体型の美青年に成長する。
その流し目にすら滴る色気を垂れ流す無自覚セクシーが、本人の知らぬ所で女性に絶大な人気を誇るモテ王子になる。
ジュリアスと非常に仲が良く、二人だけの時は顔立ちとは真逆の男らしい? 雑な話し方になるらしい。
柔らかい笑顔の裏には腹黒い心が……?と思われる発言をサラッとする為、ゲームをプレイした女子から隠れ腹黒キャラ認定された。
現在皇女である私からすると、腹黒キャラではなく王族らしい王子って感じだけども。
はふぅ……脳内で長いキャラ説明を語った所でクラウディアはぐったりする。
コレ後でノートにでも記しておこう。
クラウディアは乙女ゲームには登場するのは回想シーンのみで、名前すら出て来ないというモブ中のモブである。
この二人の王子とも、お会いする事なく亡くなってしまうクラウディア。
死亡回避の為にクラウディアの死因を思い出そうと必死になっているが、今の所は何も思い出せていない。
どうでもいい設定やストーリーはポンポン浮かぶくせに、一番大事な事は抜け落ちている残念なポンコツ頭を呪いたい。
対策という対策など、シュヴァリエが7歳から許可してくれている剣術くらいだ。
護身術も合わせて習いたい所だ。
穏やかに過ぎる日々に、日本育ちの平和ボケお花畑脳内に花が咲き乱れ、なかなか自分のシリアス設定を忘れがちであるが、自分は死んでしまう未来がある事をちょっと忘れていたクラウディア。
嫌な事を思い出した事で、少し顔を青褪めさせる。
急変したクラウディアの様子を見て、非常に心配したアンナに強く勧められて、遠見の映像を見るのを切り上げ、座り心地のいいソファで体を休ませる事にした。
シュヴァリエセレクトの優美な造形のソファのクッションは柔らかで、クラウディアが座るとフカッと腰近くまで埋まる。
クラウディアはまだ6歳でそんなに体重がないというのに、フカッと埋まるのだ。
これぞ最高品の実力なのか。
流石皇女の使うソファだよねーと頷いていると、アンナがお茶を用意してくれた。
クラウディアのお気に入りの紅茶に、甘い香りを放つ桃ジャムを入れてくれる。
(とっても美味しい。フレーバーティーっぽいよねジャムいれると。苺も試した事があるけど、桃が一番美味しい。)
コクリと飲んでホッとする。
紅茶のティーカップから立ち昇る湯気と共に室内に甘い果実の香りが漂う。
この城の何処かに、今日から攻略対象者が二人も滞在してるんだ…
ドキドキし始めた胸をそっと手で押さえた。
上手く説明が出来ないのだが、このドキドキは芸能人と同じ屋根の下に居るみたいな感じで、妙な高揚感がある。
ゲームでは一番最初に攻略したのって、ジュリアス第一王子だったなぁ…なんて。
乙女ゲームをしたのはこの作品だけで、他作品をプレイしたことはない。
一度プレイしたら徹底的に攻略するタイプのクラウディアではあるが、一番最初に攻略した為、初恋に似た気持ちで少し思い入れがあるキャラクターだった。
甘い台詞に体中が痒くはなっていたが、これぞ乙女ゲーム! と言わんばかりの甘い態度に、不覚にもちょっぴりドキドキしていたのだ。
その時のときめきを思い出したクラウディア。
思い出すと、何だか生の王子が見たくなってしまった。
「アンナ……。」
「はい、姫様。」
「私はお披露目がまだだから公式の場ではお会いする事は出来ないけれど…
身分を隠して偶然を装ってお話したりするのとかも無理なのかしら。」
「……っ!?
それは……、陛下に訊いてみませんと。私からは何とも言えません。」
「そうよね…。お兄様に後ほどお会い出来るかしら…許可がおりない前提でお話してみるわ。」
過保護過ぎるシュヴァリエは、絶対に許可を出さないと思うけれど、もしかしたらもしかするかもしれないもの、言うだけ言ってみよう。
少し落ち込んだ表情をするクラウディアを見てアンナは思案する。
今までずっと姫様は離宮の奥深くで静かに過ごしていた。
大人としか接した事の無かった姫様が初めて接した年の近い相手は、兄である陛下のみ。
そんな姫様が、年の近い王子達に興味を持ってしまうのは仕方のない事なのかもしれない。
…が、相手が悪すぎる。
王子二人をこちらへ寄越した真意に姫様との何かを含んでいなければいいのだが。
「姫様、四日後に帝国の子息令嬢を集めて王子二人を歓待するお茶会があります。
その時でしたら同じような年齢の子息令嬢がたくさん会場に居ますし、姫様も紛れ込めるかもしれません。
勿論、髪色や瞳の色は全く違う色にして貰う事になりますが。」
「えっ!? いいの!? お兄様に訊いてみます! お兄様に髪と目の色を変えて貰わないと!」
アンナの提案に大喜びのクラウディア。
「勿論、陛下が許可してくれたらのお話ですからね。」
「う…そうだよね…。」
「では、後ほど陛下とお会いした時にお話下さい。衣装なども準備しないといけませんから。
今お持ちの衣装からなるべく目立たない物を選びましょうね。」
「はぁい…」
シュヴァリエ、許可してくれるだろうかちょっと不安。
他国の王子が二人も参加するし、勿論皇帝も参加しているお茶会だから警護は万全な筈だ。
身の危険云々で許可されないと思うから、許可して貰えると思うのだけど。
シスコン拗らせてるシュヴァリエは、おかしなこと言い出しそうだもの。
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