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悪魔
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優子が覚ますと、そこは見知らぬ天井。瞬きを繰り返すうち感覚が段々と戻ってきて最初は寒気、次は痛みが身体を走る。
「な、何故?」
起き上がろうとしたが優子の手足は寝台に拘束されていた。しかも衣類を着けていない状態でだ。
自身の置かれる状態に混乱するも、裸で助けを呼べない。まさか、まだ夢の中だろうかと頭を振ると額から血が垂れてきた。
薄暗い室内でも鮮血は眩しく、優子は息を飲む。一体、眠っている間に何が起きたというのか。記憶を辿ろうとした時、視界の隅で物音がした。
「徳増!」
優子は反射的に徳増の名を呼ぶ。
「やっと目覚めたか」
しかし、その声は徳増ではない。大股で靴を鳴らす所作もらしくない。近付いてくる気配に優子は身を丸め正体を伺う。
「乱暴な真似をして悪かったね。こんなにぐっすり眠っているなら殴らせることは無かった」
「あなたはーー」
明かりはないが丸井家の当主と認識はできる。優子は室内を慌てて見回す。
「優子さん、儂はずっとお前さんと話をしたかったのだがね」
よっこいしょ、掛け声を出しながら肥えきった身体を寝台に座らせると、縮こまる優子を爪先から眺める。どう考えても話をするだけの状況ではなく、優子は怯えを隠せない。
「ひ、ひとまず着るものを返して頂けませんか? それからこちらを……」
素肌を見せまいと姿勢を気にしつつ、繋がれた手首を示す。
「どうしてだ?」
「どうして、とは?」
「どうせ脱ぐのだし、繋いで置かないと暴れるだろう?」
この一言が優子の理性を崩す。大声を出して人を呼ぼうとするが、そこにすかさず拳が飛んできた。優子は衝撃により寝台から転げ落ちてしまう。
「お前さん、ここは儂の屋敷だ、泣き叫ぼうと誰も助けには来ないぞ。それより儂を怒らせたら暁月がどうなるか、分かるだろう?」
頬を抑える優子に言い聞かせようとする。無論、納得できるはずがない。
「秀人様に何をするおつもりですか?」
「お前さんが大人しくしていたら何もしないさ。さぁ、おいで」
おいでと促しながらも優子を引きずり上げ、粘着く声で絡みつけた。
「そんな、こんなことをする為、わたしを拐ったのですか?」
「あぁ、そうだ。暁月が素直に寄越さないから痺れを切らした。暁月だけじゃない、敬吾も徳増もお前さんを儂の元へ連れて来なかった。揃いも揃って儂を小馬鹿にしやがって!」
抵抗を止めない優子越しに3人の顔が浮かぶのか、更に優子の頬を打つ。
「やめてください! やめて!」
手足を必死にばたつかせる優子。
「うるさい!」
暴れる優子の口を自らの口で塞ぎ、がっと股を大きく開かせる。
「いや、いやぁぁー!」
本来は獣を繋いでおく鎖は強固、優子を決して逃さない。自由も尊厳も奪われた優子に当主は覆い被さり、涎を塗り付けつつ柔らかい素肌を貪る。
「あぁ、思った通りの身体だなぁ」
胸、尻や股を欲望のまま揉みしだかれ、荒く生臭い息と卑劣な言葉を吹き掛けられる。手足が千切れてもいいから逃げ出したい、優子はもがく。
「どうだ? 心地よいだろう? どれ、舐めてやろうか?」
「いや、やめて、やめて! んー!」
誰にも触れられたことのない場所を容赦なく踏み荒らされていく恐怖に、ひたすら叫びを上げ続ける。出血したままの後頭部が意識を薄れさせようとしても、当主への嫌悪感が現実に留めさせた。
「ほら、蕩けてきた」
「み、見せないで下さい! もう、やめて! お願いします!」
悲しいかな、散々ねぶられれば動物として潤う。当主は優子の股から顔を出して、濡れた指先を見せ付ける。そのまま挿入の体勢に入り、一気に優子を貫く。
瞬間、優子から悲鳴が消えた。
「……お? もしかして処女か? お前さん」
「……」
こんな予期せぬ処女の喪失に優子は固まる。動かなくなった。
「そうか、そうか、お前さんは儂が初めてなのだな」
優子が処女と分かっても腰使いに躊躇いがない。寝台が軋むほど最奥を突き、自分のみ快楽を得ようとする。
はぁはぁ、絶頂へ向け登りつめる息遣いが空間に充満していく。
「可哀想に、暁月は抱いてくれなかったのか? こんなに可愛い妻を娶りながら抱かないとは儂には理解できない。どうだ? 儂の愛人になるか? ん? 可愛がってやるぞ」
当主は優子の初めてを奪った高揚でますます満ち、勢いよく吐き出そうとする。
優子が覚ますと、そこは見知らぬ天井。瞬きを繰り返すうち感覚が段々と戻ってきて最初は寒気、次は痛みが身体を走る。
「な、何故?」
起き上がろうとしたが優子の手足は寝台に拘束されていた。しかも衣類を着けていない状態でだ。
自身の置かれる状態に混乱するも、裸で助けを呼べない。まさか、まだ夢の中だろうかと頭を振ると額から血が垂れてきた。
薄暗い室内でも鮮血は眩しく、優子は息を飲む。一体、眠っている間に何が起きたというのか。記憶を辿ろうとした時、視界の隅で物音がした。
「徳増!」
優子は反射的に徳増の名を呼ぶ。
「やっと目覚めたか」
しかし、その声は徳増ではない。大股で靴を鳴らす所作もらしくない。近付いてくる気配に優子は身を丸め正体を伺う。
「乱暴な真似をして悪かったね。こんなにぐっすり眠っているなら殴らせることは無かった」
「あなたはーー」
明かりはないが丸井家の当主と認識はできる。優子は室内を慌てて見回す。
「優子さん、儂はずっとお前さんと話をしたかったのだがね」
よっこいしょ、掛け声を出しながら肥えきった身体を寝台に座らせると、縮こまる優子を爪先から眺める。どう考えても話をするだけの状況ではなく、優子は怯えを隠せない。
「ひ、ひとまず着るものを返して頂けませんか? それからこちらを……」
素肌を見せまいと姿勢を気にしつつ、繋がれた手首を示す。
「どうしてだ?」
「どうして、とは?」
「どうせ脱ぐのだし、繋いで置かないと暴れるだろう?」
この一言が優子の理性を崩す。大声を出して人を呼ぼうとするが、そこにすかさず拳が飛んできた。優子は衝撃により寝台から転げ落ちてしまう。
「お前さん、ここは儂の屋敷だ、泣き叫ぼうと誰も助けには来ないぞ。それより儂を怒らせたら暁月がどうなるか、分かるだろう?」
頬を抑える優子に言い聞かせようとする。無論、納得できるはずがない。
「秀人様に何をするおつもりですか?」
「お前さんが大人しくしていたら何もしないさ。さぁ、おいで」
おいでと促しながらも優子を引きずり上げ、粘着く声で絡みつけた。
「そんな、こんなことをする為、わたしを拐ったのですか?」
「あぁ、そうだ。暁月が素直に寄越さないから痺れを切らした。暁月だけじゃない、敬吾も徳増もお前さんを儂の元へ連れて来なかった。揃いも揃って儂を小馬鹿にしやがって!」
抵抗を止めない優子越しに3人の顔が浮かぶのか、更に優子の頬を打つ。
「やめてください! やめて!」
手足を必死にばたつかせる優子。
「うるさい!」
暴れる優子の口を自らの口で塞ぎ、がっと股を大きく開かせる。
「いや、いやぁぁー!」
本来は獣を繋いでおく鎖は強固、優子を決して逃さない。自由も尊厳も奪われた優子に当主は覆い被さり、涎を塗り付けつつ柔らかい素肌を貪る。
「あぁ、思った通りの身体だなぁ」
胸、尻や股を欲望のまま揉みしだかれ、荒く生臭い息と卑劣な言葉を吹き掛けられる。手足が千切れてもいいから逃げ出したい、優子はもがく。
「どうだ? 心地よいだろう? どれ、舐めてやろうか?」
「いや、やめて、やめて! んー!」
誰にも触れられたことのない場所を容赦なく踏み荒らされていく恐怖に、ひたすら叫びを上げ続ける。出血したままの後頭部が意識を薄れさせようとしても、当主への嫌悪感が現実に留めさせた。
「ほら、蕩けてきた」
「み、見せないで下さい! もう、やめて! お願いします!」
悲しいかな、散々ねぶられれば動物として潤う。当主は優子の股から顔を出して、濡れた指先を見せ付ける。そのまま挿入の体勢に入り、一気に優子を貫く。
瞬間、優子から悲鳴が消えた。
「……お? もしかして処女か? お前さん」
「……」
こんな予期せぬ処女の喪失に優子は固まる。動かなくなった。
「そうか、そうか、お前さんは儂が初めてなのだな」
優子が処女と分かっても腰使いに躊躇いがない。寝台が軋むほど最奥を突き、自分のみ快楽を得ようとする。
はぁはぁ、絶頂へ向け登りつめる息遣いが空間に充満していく。
「可哀想に、暁月は抱いてくれなかったのか? こんなに可愛い妻を娶りながら抱かないとは儂には理解できない。どうだ? 儂の愛人になるか? ん? 可愛がってやるぞ」
当主は優子の初めてを奪った高揚でますます満ち、勢いよく吐き出そうとする。
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