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二章
(1)魚介を求めて
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一人の要救助者を迎えて、国の混乱は一時収束した。
少女の名はアリエル。ドラゴンを率いてグルストン王国に攻め込んだ容疑者であるが、事情を聞けば聞くほど止むを得ない理由があったからだった。
ドラグネス皇国ってのは自国の勇者すら消耗品のように扱うんだそうだ。そう考えたら俺たちって優遇されてる方じゃねって考えられなくもない。
ドラゴンも倒し、魔素もウハウハ。
正直ね、ドラゴンは魔素も素材も一級品。
でもね素材を欲しがる冒険者ギルド用に、一体見逃しちまったのは惜しかった。
あれを譲らなきゃもう5000は行けてた。
そうやってぼやく度にアリエルがお怒りになる。
彼女曰く、ドラゴン達は家族だったそうだ。
ドラゴンなんかを家族と思えるくらいには追い込まれてるってくらいに覚悟ガンギマリでこの国に侵攻してきたんだ。
本当、たいしたものだよ。
俺たちが12歳くらいの頃って何してたっけ?
きっとわがままの限りを尽くしてた頃だ。
中学に入って縦社会を教え込まれて正気に戻ったもんだ。
なのにアリエルはそんなもんを飛び越えて騙し騙されのハードなサバイバルを教え込まれたのだそうだ。
生きてる環境の違いと言っちゃおしまいだが、俺たちも一歩間違えたらそうなってた可能性もある。
ステータスが上げられなかったら、正直捨て石だった可能性すらあるもん。
ま、全ては終わった事だ。飯にしよう飯に。
アリエルには定番のソフトクリーム。
ぶっちゃけこれで餌付けして降参させたというのもある。
俺は世にも不思議なソフトクリーム製造者。
食べたきゃ俺のいうことを聞け、そうやって仲間に引き込んだ。そんな話をクラスメイトにしたところ、
「とんでもないクズだな」
「ちょっ、そこまで言う?」
「今のは阿久津君が悪いわよ」
「そうだよ雄介、その説明だと雄介が悪者になるって」
「もう少し順序立てて説明した方が良さそうですわよ?」
とは言ってもなー。俺、そう言う説明苦手なんだよ。
三人からの援護射撃でようやく浮き彫りになる事実。
クラスメイトの一人、三上は「そう言うことなら」と王様に掛け合ってアリエルの事情を説明し、俺たちの中で日常生活を送る許可をくれた。
その前に俺たちの有用性を示そうってことで、こっちもまた飯で釣った。【シェフ】の坂下さんはいい顔をしなかったが、文明の違いからか調理器具がなきとできないことが多いのも事実。
魔素さえあれば何でもできちゃう生粋のチートを使って俺たちは認められたのだ!
「ほら、仕事したわよ。アイス」
「はいはい」
妙に大人びてるアリエルに接しながら冒険者のイロハを教え、少しづつ日常生活を教え込む。
時には悲鳴をあげながらも超スパルタな薫、非常に細かいことにうるさい委員長に扱かれ。
アリエルは物を盗まない、カツアゲしない、とてもいい子に育った。まぁ、報酬のソフトクリームは絶対条件だが。
そんな新しい仲間を迎え入れた俺たちに、新しいミッションが下る。
「阿久津、そろそろ寿司が食いたいんだ」
「カツ丼、牛丼!」
「鰻重もいいぞぉ」
クラスメイトの暴走だ。
とうとう米が食いたいと言い出したのだ。
ポテトフライとか、そう言うので我慢しとけって。
まず米がねぇよ。
俺のガチャは素材ありきだってみんな分かってるのかね?
わかってないんだろうなぁ。
魔素も素材がなけりゃ仕事してくれねぇんだわ。
そんなわけで俺たちは海産物の集うパラダイス、港町サーバマグへと向かう。
城下町の冒険者ギルドから、またもや森の近隣の生態系が乱れてるまま(もう収束した)であることを説明されたので、表向きは遠征という形だ。
まぁ、走れば三十分くらいで行って帰って来れるんだけどさ。
ステータスの力は偉大だぜ!
さーて、新しい素材との出会いを満喫するぞー!
少女の名はアリエル。ドラゴンを率いてグルストン王国に攻め込んだ容疑者であるが、事情を聞けば聞くほど止むを得ない理由があったからだった。
ドラグネス皇国ってのは自国の勇者すら消耗品のように扱うんだそうだ。そう考えたら俺たちって優遇されてる方じゃねって考えられなくもない。
ドラゴンも倒し、魔素もウハウハ。
正直ね、ドラゴンは魔素も素材も一級品。
でもね素材を欲しがる冒険者ギルド用に、一体見逃しちまったのは惜しかった。
あれを譲らなきゃもう5000は行けてた。
そうやってぼやく度にアリエルがお怒りになる。
彼女曰く、ドラゴン達は家族だったそうだ。
ドラゴンなんかを家族と思えるくらいには追い込まれてるってくらいに覚悟ガンギマリでこの国に侵攻してきたんだ。
本当、たいしたものだよ。
俺たちが12歳くらいの頃って何してたっけ?
きっとわがままの限りを尽くしてた頃だ。
中学に入って縦社会を教え込まれて正気に戻ったもんだ。
なのにアリエルはそんなもんを飛び越えて騙し騙されのハードなサバイバルを教え込まれたのだそうだ。
生きてる環境の違いと言っちゃおしまいだが、俺たちも一歩間違えたらそうなってた可能性もある。
ステータスが上げられなかったら、正直捨て石だった可能性すらあるもん。
ま、全ては終わった事だ。飯にしよう飯に。
アリエルには定番のソフトクリーム。
ぶっちゃけこれで餌付けして降参させたというのもある。
俺は世にも不思議なソフトクリーム製造者。
食べたきゃ俺のいうことを聞け、そうやって仲間に引き込んだ。そんな話をクラスメイトにしたところ、
「とんでもないクズだな」
「ちょっ、そこまで言う?」
「今のは阿久津君が悪いわよ」
「そうだよ雄介、その説明だと雄介が悪者になるって」
「もう少し順序立てて説明した方が良さそうですわよ?」
とは言ってもなー。俺、そう言う説明苦手なんだよ。
三人からの援護射撃でようやく浮き彫りになる事実。
クラスメイトの一人、三上は「そう言うことなら」と王様に掛け合ってアリエルの事情を説明し、俺たちの中で日常生活を送る許可をくれた。
その前に俺たちの有用性を示そうってことで、こっちもまた飯で釣った。【シェフ】の坂下さんはいい顔をしなかったが、文明の違いからか調理器具がなきとできないことが多いのも事実。
魔素さえあれば何でもできちゃう生粋のチートを使って俺たちは認められたのだ!
「ほら、仕事したわよ。アイス」
「はいはい」
妙に大人びてるアリエルに接しながら冒険者のイロハを教え、少しづつ日常生活を教え込む。
時には悲鳴をあげながらも超スパルタな薫、非常に細かいことにうるさい委員長に扱かれ。
アリエルは物を盗まない、カツアゲしない、とてもいい子に育った。まぁ、報酬のソフトクリームは絶対条件だが。
そんな新しい仲間を迎え入れた俺たちに、新しいミッションが下る。
「阿久津、そろそろ寿司が食いたいんだ」
「カツ丼、牛丼!」
「鰻重もいいぞぉ」
クラスメイトの暴走だ。
とうとう米が食いたいと言い出したのだ。
ポテトフライとか、そう言うので我慢しとけって。
まず米がねぇよ。
俺のガチャは素材ありきだってみんな分かってるのかね?
わかってないんだろうなぁ。
魔素も素材がなけりゃ仕事してくれねぇんだわ。
そんなわけで俺たちは海産物の集うパラダイス、港町サーバマグへと向かう。
城下町の冒険者ギルドから、またもや森の近隣の生態系が乱れてるまま(もう収束した)であることを説明されたので、表向きは遠征という形だ。
まぁ、走れば三十分くらいで行って帰って来れるんだけどさ。
ステータスの力は偉大だぜ!
さーて、新しい素材との出会いを満喫するぞー!
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