愛に縛られ、愛に溺れる

箕田 悠

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 相当に酔っているようで、いつもよりも力が強かった。仕方なく水瀬は椅子から立ち上がった。
 ここに来たら、こうなることが分かっていた。拒めないのは写真の流失で脅されていたこともあるが、鳴河が本当にそんなことをするのか内心で疑問もある。真に受けずに無視も出来たはずだ。それが出来ないのは、鳴河に対する負い目があるからだろう。
 寝室に連れて行かれるなり、水瀬はベッドに押し倒される。早急に唇が合わさり、貪るように口腔を弄られていく。

「……んっ、はぁ」

 酔いも相まってか、あっという間に下肢に熱が帯びる。

「理玖さん。キスだけで立ってるじゃないですか」

 布越しに隆起するそれを、鳴河の指先が形を辿っていく。

「……飲み過ぎたせいだから」
「へー。そうなんですか」

 信じてなさそうな声音で鳴河は強弱をつけながら、竿を弄ぶ。直截な刺激ではなく、もどかしさが水瀬を襲う。
 鳴河の腕を掴むと、動きがぴたりと止む。

「分かってますよ。縛って欲しいんでしょ」

 そう言って、鳴河が上体を起こす。

「違うっ。そういうつもりじゃあ――」
「いまさら取り繕わなくたって、良いですから」

 鳴河がサイドテーブルから縄を取り出すと、水瀬の両手を纏めて縛り上げていく。

「痕が残ったら困るんだ」

 水瀬が抗議の声を上げるも、「だったら暴れないでください」と受け流されてしまう。
 そのままベッドヘッドにくくりつけられ、簡単に手の自由は奪われた。

「もし、聞かれたら手品の練習の付き合いでもしてたって、言えばいいだけです」
「でも……そんな言い訳信じてくれないと思う」
「口裏ぐらい合わせるんで、安心してください」

 鳴河に再び覆い被さられ、激しく唇を重ねてくる。
 互いの唾液が口端から零れる頃に、鳴河が唇を首筋に這わせていく。濡れた舌先が胸元にまで辿り、すでに膨れた突起を這う。
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