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二次審査終了
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最後の夜は必死の営業とともに。
残るロジンは七つ。二人ほど、「琥珀のようなお守りがあると聞いたのですけど…」と、自らサンプルをもらいにいらしたご令息がいて、あと三つほどは、なんとかアンディに言われたタイプにお渡しすることが出来たと思う。
コテージ入りする前日、アンディと僕は食事のテイクアウトに向かったあの貴族街で、宝飾店や服飾店をざっと見て回っている。
そこで店員さんオススメのどこより早い最新の流行をチェックして…
「いいか、今夜見たアイテムのどれかを身に付け、かつ様子をうかがい承認欲求の強そうな奴を探せ」
と、アドバイスを受けていたのだ。
僕がサンプルをここまで渡しきれなかったのは僕が弱気だからじゃないよ。観察してたんだよ。
……ホントだよ?
「オリヴィエ、せっかく親しくなったのにこれきりなんて寂しいな…手紙送るね」
ヘンリー…これ…暗に僕が落ちると思ってるよね?
「うちの領は君のところからそれほど遠くないよね?遊びに来てもいいよ、暇になるでしょ君」
「ありがとうデイヴィット」
やっぱり彼も僕が落ちると思ってる。…僕もそう思うけど。
と、そこへやって来たのは、もともと王太子の婚約者候補だったマーガレット様だ。絶世の美女…。デイビッドの言ってた、美女と名高いデボン侯爵家のご令嬢。でも決して顔だけじゃないんだよね。
「オリヴィエ…だったかしらあなた」
「あ、は、はい」
「ダービー侯爵家のソフィア様に渡したというお守りはまだお持ちかしら」
「その…あるにはあるのですが…」チラ
「なにか不都合がおあり?」
「その…残りが二つなのですが…これはここにいる友人に渡そうと思ってたので…」
「あら」
「いえいえ!」
「どーぞどーぞ!」
言うて相手は高位貴族、二人の腰は実に低かった…
恭しくお渡しするロジンアクセ。
ご令嬢は満足そうだ…
「どう?素敵な思い出はできて?」
「え?ええ。素晴らしい庭に美味しい食事、友だちも出来ましたし…来て良かったです」
「オリヴィエ…遊山旅行じゃないんだから…」
「ホホホ、可愛らしい方ね。あなたご存知?王族はその血を絶えさせぬために三人まで妃が持てるの」
「もちろん知ってます」
「側妃はね、揉め事を起こさぬように正妃の意見も尊重されるのよ」
「そうなんですね」ニコニコ
「あなたがたのように弁えた方なら歓迎してさしあげるわ…ホホ、失礼」
「?」
これは…さすがに励ましの言葉…でいいんだよね?
「なにあれ!いやらしい!」
また違った…
「デイヴィッド…どこがいやらしいの?」
「わからない?あれは牽制だよ」
「牽制?」
「あれはオリヴィエに話しかけるふりをして近くにいた全員に聞かせたんだよ」
「大人しくしてれば即妃に選んでやる、出過ぎるな、ってね」
「へ、へー…」
こうやって裏を読まなければいけないなら、とても僕にはついてけそうにない。
「あの方は昨夜から皆様にそう声をかけられておりましたよ」
飲み物を片手にやって来たのは平民ポールくんだ。いつの間にか彼はこうして僕たちと行動を共にしている。
多分…僕がいるから気が楽なんだろう。精神的には同位みたいなもんだし。
「ポール…じゃあ君も?」
「いいえ。僕は才あらば屋敷で雇ってやろうと言われました」
「え…」
引くわー…これ、審査中じゃなければありがたいお声がけなんだろうけど…
「あの方は王太子妃は自分だと微塵もお疑いでないのです。意地悪だなんて感じませんでしたよ」
「確かに…悔しいけど大本命には違いないよね」
「二人は?」
「僕はカーネル様狙い」
「僕も」
ふふ…、あのにこやかな第三王子なら二人にぴったりだ。
「じゃあ残ったアクセどうしようか…宿までいけば予備があるんだけど…」
「でも僕たち迎えの馬車に乗ったらそのまま自領へ帰るんだよね」
「僕は譲らない。ヘンリー諦めなよ」
「いやだね」
「あ!ではこうしましょう」
ポールは胸元のロジンブローチを外すとヘンリーに渡す。
「そして最後の一つはデイヴィッド様に」
「そうしたらポールのが…」
「お嫌でなければ宿には僕がご一緒します」
機転と配慮の塊。さすがここに選ばれただけのことはある。
そして翌日早朝…僕は人気のないカフェテリアにいた。ある目的のために。
「これが最後のブッフェ…すみませーん、ビーフシチューとハンバーグください。それからローストチキンも」
並べられるお料理の数々。僕は厨房に背を向けコッソリと……
用意してきた様々な容器に御馳走を詰め込む!
「オリヴィエ」
ドキー!
「あっ、そっ、これは!…なんだ虎之助さま」
セーフ!彼なら多分大丈夫。
これは貴族的にも一般的にもかなりのマナー違反。けど…どうしても持って帰りたい。アンディのために。前世っぽい御馳走の数々を。
「持ち帰るのかい?」
「笑わないでくださいね。うちはいつも粗食なので」
そりゃもう問答無用で。
「笑うものか。君は少し痩せすぎだ。もっと滋養を摂らなくては」
「そ、それにしても虎之助さま…こんな時間にお早いですね」
「人の居ない時間なら君が現れると思ってね」
行動パターンがバレバレ…
「オリヴィエ」
「はい」
「ここを出ても君に会いたい」
突然の友情宣言。
「いいですけど…うちの領地は田舎ですよ?王都からも遠いですけど…これますか?」
資源や境界線を争う高位貴族はほとんどが豊かな西側に領地を持つ。スターリングは真逆の位置だ。
「いつとは言えぬが必ず訪ねよう。君の父上にもご挨拶申し上げなければ」
律儀だな…
「だからそれまで待っていてくれるかい」
「そりゃまあ」
友人の訪問ぐらい普通に待つけど…
「この選考会も出来ることなら辞退してほしい」
「え?どうして?」
「その…君にあの伏魔殿は似合わないと思ってね」
「それはそう思いますけど…でも出来ません。これは僕だけの問題じゃありませんから」
「そう言うと思ったよ…」
アンディは三次に残って欲しいみたいだった。他にも何か戦略があるんだろう。
なのに選考に漏れるならともかく、自分から辞退だなんて、それはアンディの期待を裏切ることだ。どれだけプレッシャーでも僕は自分から降りたりしない。けど…
「心配しなくてもきっとここまでですよ」ニコ
「オリヴィエ…」
これだけ綺麗で才能豊かな人が集まってて…どうみたって僕は場違いだもん。
その後、参加者は最後となる王子参加のフリータイムを満喫し、こうして二次選考会は幕を閉じ…るのだが。
「オリヴィエ!」
「虎之助さま…」
また来たよ。
「これを、オリヴィエ」
「え?これなに…わ!おにぎり!」
風呂敷包みの中には見覚えのある白い三角!それも握りたて!ホカホカしてる!
「帰路食すがいい。米が好きだと言ったろう?」
「嬉しい!」ギュ、ブンブン「ありがとう!」
思わす大握手!アンディ喜ぶかな?喜ぶよね?
「ふふ、オリヴィエさま、そんなに振り回しては彼の腕が抜けてしまいますよ」
「ポール」
軽く会釈をし合う二人。お友達…にはならないようだ。
「じゃあいこうかポール。虎之助さま…いろいろありがとうございました」
「ああまた会おう」
第二次関門、これにて終了!
残るロジンは七つ。二人ほど、「琥珀のようなお守りがあると聞いたのですけど…」と、自らサンプルをもらいにいらしたご令息がいて、あと三つほどは、なんとかアンディに言われたタイプにお渡しすることが出来たと思う。
コテージ入りする前日、アンディと僕は食事のテイクアウトに向かったあの貴族街で、宝飾店や服飾店をざっと見て回っている。
そこで店員さんオススメのどこより早い最新の流行をチェックして…
「いいか、今夜見たアイテムのどれかを身に付け、かつ様子をうかがい承認欲求の強そうな奴を探せ」
と、アドバイスを受けていたのだ。
僕がサンプルをここまで渡しきれなかったのは僕が弱気だからじゃないよ。観察してたんだよ。
……ホントだよ?
「オリヴィエ、せっかく親しくなったのにこれきりなんて寂しいな…手紙送るね」
ヘンリー…これ…暗に僕が落ちると思ってるよね?
「うちの領は君のところからそれほど遠くないよね?遊びに来てもいいよ、暇になるでしょ君」
「ありがとうデイヴィット」
やっぱり彼も僕が落ちると思ってる。…僕もそう思うけど。
と、そこへやって来たのは、もともと王太子の婚約者候補だったマーガレット様だ。絶世の美女…。デイビッドの言ってた、美女と名高いデボン侯爵家のご令嬢。でも決して顔だけじゃないんだよね。
「オリヴィエ…だったかしらあなた」
「あ、は、はい」
「ダービー侯爵家のソフィア様に渡したというお守りはまだお持ちかしら」
「その…あるにはあるのですが…」チラ
「なにか不都合がおあり?」
「その…残りが二つなのですが…これはここにいる友人に渡そうと思ってたので…」
「あら」
「いえいえ!」
「どーぞどーぞ!」
言うて相手は高位貴族、二人の腰は実に低かった…
恭しくお渡しするロジンアクセ。
ご令嬢は満足そうだ…
「どう?素敵な思い出はできて?」
「え?ええ。素晴らしい庭に美味しい食事、友だちも出来ましたし…来て良かったです」
「オリヴィエ…遊山旅行じゃないんだから…」
「ホホホ、可愛らしい方ね。あなたご存知?王族はその血を絶えさせぬために三人まで妃が持てるの」
「もちろん知ってます」
「側妃はね、揉め事を起こさぬように正妃の意見も尊重されるのよ」
「そうなんですね」ニコニコ
「あなたがたのように弁えた方なら歓迎してさしあげるわ…ホホ、失礼」
「?」
これは…さすがに励ましの言葉…でいいんだよね?
「なにあれ!いやらしい!」
また違った…
「デイヴィッド…どこがいやらしいの?」
「わからない?あれは牽制だよ」
「牽制?」
「あれはオリヴィエに話しかけるふりをして近くにいた全員に聞かせたんだよ」
「大人しくしてれば即妃に選んでやる、出過ぎるな、ってね」
「へ、へー…」
こうやって裏を読まなければいけないなら、とても僕にはついてけそうにない。
「あの方は昨夜から皆様にそう声をかけられておりましたよ」
飲み物を片手にやって来たのは平民ポールくんだ。いつの間にか彼はこうして僕たちと行動を共にしている。
多分…僕がいるから気が楽なんだろう。精神的には同位みたいなもんだし。
「ポール…じゃあ君も?」
「いいえ。僕は才あらば屋敷で雇ってやろうと言われました」
「え…」
引くわー…これ、審査中じゃなければありがたいお声がけなんだろうけど…
「あの方は王太子妃は自分だと微塵もお疑いでないのです。意地悪だなんて感じませんでしたよ」
「確かに…悔しいけど大本命には違いないよね」
「二人は?」
「僕はカーネル様狙い」
「僕も」
ふふ…、あのにこやかな第三王子なら二人にぴったりだ。
「じゃあ残ったアクセどうしようか…宿までいけば予備があるんだけど…」
「でも僕たち迎えの馬車に乗ったらそのまま自領へ帰るんだよね」
「僕は譲らない。ヘンリー諦めなよ」
「いやだね」
「あ!ではこうしましょう」
ポールは胸元のロジンブローチを外すとヘンリーに渡す。
「そして最後の一つはデイヴィッド様に」
「そうしたらポールのが…」
「お嫌でなければ宿には僕がご一緒します」
機転と配慮の塊。さすがここに選ばれただけのことはある。
そして翌日早朝…僕は人気のないカフェテリアにいた。ある目的のために。
「これが最後のブッフェ…すみませーん、ビーフシチューとハンバーグください。それからローストチキンも」
並べられるお料理の数々。僕は厨房に背を向けコッソリと……
用意してきた様々な容器に御馳走を詰め込む!
「オリヴィエ」
ドキー!
「あっ、そっ、これは!…なんだ虎之助さま」
セーフ!彼なら多分大丈夫。
これは貴族的にも一般的にもかなりのマナー違反。けど…どうしても持って帰りたい。アンディのために。前世っぽい御馳走の数々を。
「持ち帰るのかい?」
「笑わないでくださいね。うちはいつも粗食なので」
そりゃもう問答無用で。
「笑うものか。君は少し痩せすぎだ。もっと滋養を摂らなくては」
「そ、それにしても虎之助さま…こんな時間にお早いですね」
「人の居ない時間なら君が現れると思ってね」
行動パターンがバレバレ…
「オリヴィエ」
「はい」
「ここを出ても君に会いたい」
突然の友情宣言。
「いいですけど…うちの領地は田舎ですよ?王都からも遠いですけど…これますか?」
資源や境界線を争う高位貴族はほとんどが豊かな西側に領地を持つ。スターリングは真逆の位置だ。
「いつとは言えぬが必ず訪ねよう。君の父上にもご挨拶申し上げなければ」
律儀だな…
「だからそれまで待っていてくれるかい」
「そりゃまあ」
友人の訪問ぐらい普通に待つけど…
「この選考会も出来ることなら辞退してほしい」
「え?どうして?」
「その…君にあの伏魔殿は似合わないと思ってね」
「それはそう思いますけど…でも出来ません。これは僕だけの問題じゃありませんから」
「そう言うと思ったよ…」
アンディは三次に残って欲しいみたいだった。他にも何か戦略があるんだろう。
なのに選考に漏れるならともかく、自分から辞退だなんて、それはアンディの期待を裏切ることだ。どれだけプレッシャーでも僕は自分から降りたりしない。けど…
「心配しなくてもきっとここまでですよ」ニコ
「オリヴィエ…」
これだけ綺麗で才能豊かな人が集まってて…どうみたって僕は場違いだもん。
その後、参加者は最後となる王子参加のフリータイムを満喫し、こうして二次選考会は幕を閉じ…るのだが。
「オリヴィエ!」
「虎之助さま…」
また来たよ。
「これを、オリヴィエ」
「え?これなに…わ!おにぎり!」
風呂敷包みの中には見覚えのある白い三角!それも握りたて!ホカホカしてる!
「帰路食すがいい。米が好きだと言ったろう?」
「嬉しい!」ギュ、ブンブン「ありがとう!」
思わす大握手!アンディ喜ぶかな?喜ぶよね?
「ふふ、オリヴィエさま、そんなに振り回しては彼の腕が抜けてしまいますよ」
「ポール」
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