前職キャバ嬢、異世界に来たら悪女になっていた。あんまり変わらないのかな?

ミミリン

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醜い感情

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最近、ルキアとの夜の営みが少ない…。


たまたま今月は夜勤が多く寝台を共にする回数が少ない事もあるが、今までであれば昼間でもルキアに迫り濃厚な時間を過ごせていた。


だがしかし、ケイトがいるせいでその時間がとれないのだ。



週に数回だけルキアに仕えると聞いていたはずなのに、訓練の日以外はほぼ毎日のように我が屋敷に来ている。


これが自分の部下であれば少しは遠慮しろと言えるのだが、ケイトは軍人ではない。


れっきとした侯爵令嬢であり俺の上官のご息女なのだ。



ケイトに腹を立てて醜い失態をルキアに見せるのも避けたい。



けれど、モヤモヤする…。



ケイトを邪魔者と心の隅で思う自分が嫌になる。





冷静に考えれば、ケイトがルキアの護衛についてくれるのはありがたい。


先日軍施設にルキアが来たときの恐ろしい現場を俺はまだ鮮明に覚えている。




妻が男の軍人に囲まれて愛想を振りまいていたあの現場だ。



ルキアの素顔はあどけなく可愛らしい。


自然な笑顔は見ているこちらを朗らかにさせ、もっと親しくなりたいと欲を駆り立てるものがあるのだ。


あの日、薄い化粧であどけなく笑う妻の顔を何人の男どもが見た?


実際、俺の部下たちは鼻の下を伸ばして彼女に魅入っていたし
俺が現れなければもっと多くの人間が俺しか知らなくていい彼女の素顔を知る事態になっていただろう。



そういう意味では、ケイトがいてくれることで俺が居ない場所でルキアに男どもが無意味に接近する場面は避けられる。



ケイトであればルキアに危険が及んでいても、下手なボディーガードより腕が立つ。


これほど妻の生活を守るに適した人材はいないはずなのに、素直に感謝出来ないのだ…。





ちなみに、ルキアは俺のこんな醜い悩みを知る由もない。



軍施設から帰宅した後、どれほど俺を心配させたか伝えてもいまいちピンと来ていない態度だった。



『部下の方とちょっと喋っていただけでしょう?自分だって…。』

とむしろ何かに反抗するような姿勢だったため、そのままキスで彼女の口を塞ぎ時間をかけて身体で訴えに出たのだ。



お互い何度も達していたが、それでも俺の気持ちはまだ伝えきれていないため彼女を追い込み続けていたら、次の日妻は容易に起き上がれなくなってしまった。




ルキアから恨めしい顔でお叱りを受けたが、その顔もまた可愛らしいと思いながら話を聞いていた。





そこからは、俺は彼女を補充する時間をとれていないのだ。



お互い気持ちが通じて、世間にアピールするために結婚式も挙げたはずなのになぜこうなってしまった?



これなら、ルキアが毒婦だのあばずれだの言われていた時の方が彼女を独り占め出来ていたのではないかとさえ考えてしまう。





ああ…ルキアが足りない。

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