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第122話
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「お、俺は、マリアに送ってと、伝えていたんだ」
「私に?あの様な、ドレスを?」
「き、綺麗だっただろ?」
「夜会の時に、ジューン様が来ていたドレスが、綺麗・・・ですか。
やはり私達の価値観は、全く違っていたのですね」
「えっ・・・」
「あの様に、少ない布で胸元をギリギリ隠し、スリットがお尻までは言ったドレスが
綺麗?」
あの時ジューン様が着ていたのは、そんなドレスだった。
背中も大きく空き、腰から布があった。
それなのに形は、Aラインのドレスで、間違えれば一瞬で、下まで落ちそうなデザインだった。
「だってあれは、マリアと一緒に決めたじゃないかっ」
「いつ私が、貴方と仕立て屋に行きましたか?」
「え、だって、学園が休みの時に、一緒に・・・」
アントニーの記憶が、おかしくなっている。
「私は一度も、貴方と一緒に、買い物など行っておりません」
「えっ・・・でも、だって・・・」
「貴方はなぜ、自分の事をしっかりと言えないのですか?」
「マリア?」
「貴方は私の事を聞かれた時、友達と紹介しましたよね?ジューンに。
私はその時、婚約者でした。
婚約者を婚約者と紹介できないのであれば、選ばないでください。
貴方が選んだから私は、貴方の婚約者になった。
魔力が少ないのに、魔力を重要視する家に・・・」
「・・・」
「それがどれだけ辛いことか、分かりますか?
最初から、用無し扱いされるのです。
貴方は、私達と同じことが出来ないのだから・・・と」
そう言った瞬間、マクガニー侯爵の顔が青くなり、夫人はガタガタと震え始めた。
その中でアントニーは
「それは、当然だろ。誰だって、誰かと同じことはできない。
だから、助け合うんじゃないのか?」
と言う。
「私と貴方が、助けあったこと等ありましたか?
貴方も、貴方の両親も、全て私に、魔力がないのなら、書類整理でもしていなさい・・・
そう言いましたよね」
「あぁ、だから君の負担は・・・」
「私は、貴方の婚約者です。なのに、侯爵家の執務まで、する必要ありましたか?」
「えっ、なにそれ。君は、俺の分だけやってたよね」
「いいえ。侯爵家全体の執務を、やっていましたよ。
それも、私が行くまで、全く手を着けず、一週間分の書類が積んでありました」
そう話す私を、アントニーは訝しそうに見る。
しかしその回りに居た招待客からは、信じられない・・・との声が上がっていた。
「私に?あの様な、ドレスを?」
「き、綺麗だっただろ?」
「夜会の時に、ジューン様が来ていたドレスが、綺麗・・・ですか。
やはり私達の価値観は、全く違っていたのですね」
「えっ・・・」
「あの様に、少ない布で胸元をギリギリ隠し、スリットがお尻までは言ったドレスが
綺麗?」
あの時ジューン様が着ていたのは、そんなドレスだった。
背中も大きく空き、腰から布があった。
それなのに形は、Aラインのドレスで、間違えれば一瞬で、下まで落ちそうなデザインだった。
「だってあれは、マリアと一緒に決めたじゃないかっ」
「いつ私が、貴方と仕立て屋に行きましたか?」
「え、だって、学園が休みの時に、一緒に・・・」
アントニーの記憶が、おかしくなっている。
「私は一度も、貴方と一緒に、買い物など行っておりません」
「えっ・・・でも、だって・・・」
「貴方はなぜ、自分の事をしっかりと言えないのですか?」
「マリア?」
「貴方は私の事を聞かれた時、友達と紹介しましたよね?ジューンに。
私はその時、婚約者でした。
婚約者を婚約者と紹介できないのであれば、選ばないでください。
貴方が選んだから私は、貴方の婚約者になった。
魔力が少ないのに、魔力を重要視する家に・・・」
「・・・」
「それがどれだけ辛いことか、分かりますか?
最初から、用無し扱いされるのです。
貴方は、私達と同じことが出来ないのだから・・・と」
そう言った瞬間、マクガニー侯爵の顔が青くなり、夫人はガタガタと震え始めた。
その中でアントニーは
「それは、当然だろ。誰だって、誰かと同じことはできない。
だから、助け合うんじゃないのか?」
と言う。
「私と貴方が、助けあったこと等ありましたか?
貴方も、貴方の両親も、全て私に、魔力がないのなら、書類整理でもしていなさい・・・
そう言いましたよね」
「あぁ、だから君の負担は・・・」
「私は、貴方の婚約者です。なのに、侯爵家の執務まで、する必要ありましたか?」
「えっ、なにそれ。君は、俺の分だけやってたよね」
「いいえ。侯爵家全体の執務を、やっていましたよ。
それも、私が行くまで、全く手を着けず、一週間分の書類が積んでありました」
そう話す私を、アントニーは訝しそうに見る。
しかしその回りに居た招待客からは、信じられない・・・との声が上がっていた。
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