月と琥珀
朝テレビのスイッチを入れると、ニュースキャスターが「おはようございます。世界の終わりまであと七日になりました」と言う。それを聞き、リルはため息をこぼした。世界の滅亡に対する悲しみからではなく、あと七日でこの地球を離れられるという安堵からである。
地球。それは月を統治する女王を選定するために月の民がつくりだした箱庭であり、そこに生きる人々はいわば女王に命を捧げる使い捨ての生き物にすぎない。
その地球でリルは十年に渡る女王の選定試験期間を過ごし、ようやく終わりを迎えようとしていた。その最後のときを前にして、彼女はひとりの青年と出会う。
青年は世界が終わる前にきれいなものを見ておきたいと言い、リルの絵を描き始めた。リルはばかばかしいと思いながらも、彼から目を逸らすことができない。
こうしてふたりの一週間が始まった。
◇ ◆ ◇ ◆
pixivで開催されたさなコンに出品した作品です。SFに挑戦するのはこれが最初で最後だなあと思いました。
地球。それは月を統治する女王を選定するために月の民がつくりだした箱庭であり、そこに生きる人々はいわば女王に命を捧げる使い捨ての生き物にすぎない。
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