使えないと思った僕のバフはパッシブでした。パーティーを追い出されたけど呪いの魔導士と内密にペアを組んでます

すみ 小桜(sumitan)

文字の大きさ
5 / 63

第5話 お誘いがありまして

しおりを挟む
 錬金して稼ぐぞと意気込んでみたものの、ポーションの材料を見て愕然とした。講習の時に行わなかった専用液作成の材料集めと、調合が大変だったんだ。なので用意してあったみたい。
 まずCランクの場所にある材料だからそこでつまづいてしまった。本で鞄が重くなっただけだに終わったよ。

 僕が持っている鞄は、薄い布で出来た大きな巾着のような物。キュッと口を閉める紐が、巾着の底の角二か所にそれぞれ留めてある。
 だからリュックの様に背負う事も出来るが、僕は斜め掛けしているんだ。だけど、雨が降れば中の物も濡れるし、ちょっと引っ掛ければ破けるし。
 これでも孤児院から貰った鞄だ。まあニーナは、最初の買い物で鞄を買い替えていたけどね。

 しかし大枚をはたいたのに、こんな事になるなんて!

 「まいった。錬金して稼ごうと思ったのに……結局採取して稼ぐしかないなんて」

 僕は、ブツブツいいながらカウンターに受ける依頼書を持って行った。

 「錬金して稼ごうとしていたの?」

 と、ロロリーさんが驚いている。

 「僕は、趣味で魔法覚えているわけじゃないんだけど」
 「それはわかっているわよ。普通は、最終手段で取る魔法でしょう」
 「最終手段?」
 「違ったのね。てっきりそうだと思っていたわ。冒険者としてやっていくのが難しい人が、錬金術師の補佐として働く為に受けるから。それでも開花して、自分自身で錬金を行う人もいるから錬金商品販売許可書が発行になっているんだけどね」

 そうだったのか。それだから受けに来ている人が少ないわけだ。

 「じゃまだ、冒険者続ける気があるって事よね?」
 「え? まあ、そうだね」

 うーんでも、錬金術師の補佐の仕事が出来るならそれでもいいかもしれない。魔力が高いと錬金に適してるみたいだし。

 「あなたとパーティーを組みたいという人がいるんだけど、会ってみる?」
 「え? 僕と? なぜ僕?」
 「理由はわからないけど、どうする? 相手は、女性。一緒に講習を受けたチェミン・エドラーラさんよ」
 「は?」

 なぜ僕なんだ。お金を出せばそれなりのパーティーに入れてもらえるだろうに。そう言えば、訳アリぽかったようなぁ。

 「会ってみます。これも何かの縁ですし」
 「そう。連絡入れるからそこら辺で待っていて」
 「はい」

 僕は壁に貼ってある地図を眺めていた。ここら辺のものだ。ランク分け表にもなっている。

 「マルリードさん……」
 「チェミンさん」
 「受けてくれてありがとう」
 「あ、うん。でも何で僕?」
 「えーと、色々あって。理由は話せないの。それでもいい?」

 また訳アリかぁ。

 「まさか家出とかじゃないよね?」
 「そう言う事ではないんです。ただ一緒に行って欲しい場所があって」
 「どこ?」
 「ここ」

 チェミンさんが地図を指差した場所は、ワイナス沼でなんとCランク。

 「それは無理だ。僕、Eランクだから……」
 「え!? 嘘! だってAランクのパーティーにいたんだよね?」
 「あぁ。噂を聞いたのか。僕が抜けてAランクになったんだ。ご、ごめんね」

 唖然としているチェミンさん。

 「えっと。何か取りに行くんだよね? 欲しいなら依頼だせば……」
 「自分で取りに行かないとダメなの」
 「自分でって。戦闘経験は?」

 チェミンさんは、ないと首を横に振った。
 僕もほぼないに近いからなぁ。ステータスは、きっとCランクぐらいあるとは思うけど、練習は必要かな?

 「どうしても行きたい?」

 チェミンさんは、俯いたまま弱弱しく頷いた。

 「ちょっと場所変えよう」
 「え?」

 なんでという顔をするも僕が歩き出すと、彼女はついて来た。あまり人がいない場所へと移動する。

 「あのさ、僕のステータスはCランクあると思うんだ」
 「え? どういう事?」
 「戦闘がしたことないって事」

 意味が分からないと首を傾げるチェミンさん。だよね。

 「詳しくは言えないけど、要は戦闘の練習してパーティーランクを上げようと思う。その時に個人も受ける。君も戦闘に参加する事になるけどいい? それでいいならパーティー登録をしよう。それがダメなら他を当たってもらうしかない」

 チェミンさんは、考え込んでいる。
 どうやら自分でといいながら僕に任せるつもりだったか、もしくはついて来るけど、戦わないつもりだったのかもしれない。

 「あの私、弱いけどいいの?」
 「いいよ。まず弱い所で二人で戦闘練習しよう。その取りに行くのって時間制限あるの?」
 「一か月……」

 戦闘をした事がないなら彼女もEランクだろう。一か月ではよっぽどじゃないとCランクにはならない。でも彼女もDランクになれば、お願いしてパーティーを一時的にでもCランクにしてもらえるかもしれない。僕の頑張り次第だけどね。

 「よし、ではまずパーティー登録をしよう!」
 「ありがとう!」
 「うん。がんばろう」
しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます

七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。 「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」 そう言われて、ミュゼは城を追い出された。 しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。 そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……

義妹がピンク色の髪をしています

ゆーぞー
ファンタジー
彼女を見て思い出した。私には前世の記憶がある。そしてピンク色の髪の少女が妹としてやって来た。ヤバい、うちは男爵。でも貧乏だから王族も通うような学校には行けないよね。

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。

織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。 父であるアーヴェント大公に疎まれている―― 噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。

俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。 食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した! しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……? 「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」 そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。 無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

処理中です...