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 その通り。その試験を受ける為に作ったんだ。

 「はい。実は、カラドセラで錬金術師になろうとしたのですが、ミミミラス保存袋作っていた事によって許可がおりなくて、何かのポーションを作る試験に合格したら認めてもらう予定でした。その為に作った万能薬です。って、鑑定したのなら製作者が僕の名前だってわかるんじゃないんですか?」

 「量が少なかったからね……。万能薬とまでしかわからなかったんだ。もう一つ保存瓶があるようだが、君専用になっていて開かなかった。驚いたよ。その瓶も君が作ったのかい?」

 本当に開かないんだ。

 「僕が作りました」

 鞄から僕専用の保存瓶を出し開けて置いた。

 「なんと……」

 「鑑定宜しいかな?」

 「どうぞ……」

 「こ、これは!!」

 凄く驚いているけど……。

 「ねえ、ラス。あれってちゃんと万能薬なんだよね?」

 『そうよ。チェック』

 こそっと聞くと見せてくれた。

********************************
 万能薬:Sランク
 製作者:スラゼ
 品質:Aランク
********************************

 うん? Sランク? これって凄いんだよね? 初めて作ったのにSランクでいいの?

 「もう一度聞くが、試験の為に作ったのだな? 初めて作ったのだな?」

 凄く興奮して商業協会の人に聞かれ、そうだと頷いた。

 「どんな感じなのだ?」

 「はい。確かに彼が作った物です。Sランクでしかも品質がA! つまりこの保存瓶もかなり良い物かと」

 「なぜこれほどの者が、認められなかったのだ?」

 「あ、いえ。それを持って行く前にこういう事になりまして……」

 「いや。ミミミラス保存袋がなぜ認められなかったのかと聞いてるのだ」

 フロラドルさんが不思議そうに聞いて来た。
 それは、僕に聞かれてもなぁ……。

 「ミミミラス保存袋が、錬金術ではなく妖精の加護で魔法の様なものだからだそうです。錬金術と認められないので、錬金術をして持って来てほしいという事みたいでした」

 「なるほどな。……色々話がそれたな。で、どうして彼を助けたのだ? 狙われたのだろう?」

 と、フロラドルさんが確信をついてきた。

 「そ、それは……」

 お兄ちゃんだからだとは言えない。

 『アーズラッドを助けてくれた。それでいいんじゃない?』

 そうだね。そうお兄ちゃんにも言ったんだし。

 「僕の兄代わりでもあるアーズラッドの命の恩人だからです」

 「なるほど。では、なぜ奴隷リングだとわかったのだ? 今まで誰も気づかなかったと言っていたが」

 「それは……」

 『私の加護のお蔭だと言うといいわ。私に教えてもらったのではなく、加護の能力だと言うのよ』

 やっぱりその方がいいのかな? つまり妖精が傍に居ると言う事は言わない方がいいと。

 「……妖精の加護で、見破りました。ツエルさんは、カリルさんの命令を拒んでいました。苦しんでいて、変だなって。それでマジカルリングが、奴隷リングだと気づいたんです。ちょっと乱暴な方法でしか壊す方法が思いつかなくて……」

 「鑑定でも保存瓶はただの保存瓶として鑑定されている。だが、凄く保存能力が高い瓶だ。つまりその穴あけも普通の穴あけだと鑑定はされたが、凄い能力がある穴あけと言う事だろうな。それで刺せば、壊れても不思議はない」

 そう商業協会の人は言ってくれた。
 つまり、僕が言った事は可能だと言ってくれたのと同じだ。

 「なるほど。では、山火事はどうして起きたのだ?」

 「あの、その前に、なぜ僕達が放火したって事になっているのですか?」

 「君は、放火犯に入ってはいなかった。アーズラッドと二人の少女が森へ入っていくのを幾人かの冒険者が見ていた。また元シャドウのメンバーの証言で、アーズラッドとツエルが一緒に森へ行ったという証言があった」

 元シャドウのメンバーってあのごつい人かもしれない。

 「あの……森から出て来る所ではなく、森へ入る所を目撃されただけで犯人扱いなんですか?」

 「サツナと言ったか。その子はファイヤーボールを扱えるそうじゃないか」

 それってサツナが火をつけたって思っているって事!?

 「な、なんでそうなるんですか!」

 「いや、死んだ二人は、消火活動をしてそのまま火に焼かれたのではと言われている。遺体が判別できないぐらいだそうだ。あの炎は、魔法によるもの。それは確かだ」

 そんなぁ!

 『やっぱり全てを話さないといけないみたいね。でもそうなると、火を消さずに逃げたあなたも捕まる可能があるわ。どうする?』

 そっか。そうだよね。放置して来たんだから!
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