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◇066◇父親の最期
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魔物の谷。魔物の群れがいるとされている所だ。殺す気だったのは間違いない。でも、何故父さんは、そんなところに行ったんだ!
「私達は慌てて向かった。そこには、ドドイの他にも冒険者がいた。だが、ドドイとアーツ以外は、皆倒れていた。二人は、モンスターに囲まれていた! ドドイは、アーツを背にモンスターから守る様に戦っていたんだ」
「俺は、高台に登って攻撃をロドリゴは加勢に向かっていた。その時、スコープで見たんだ! アーツがドドイの背中を刺そうとしている所を! 俺は、慌てて矢を撃った! それは、アーツに命中。けど間に合わなかった! ドドイは、彼に刺されたんだ!」
刺された! モンスターに殺されたんじゃなかったのか!
「アーツが瀕死になった事で、モンスターの枷が外れ、アーツにもモンスターが襲い掛かったんだ! 彼は、自ら操っていたモンスターに殺された! そして、ドドイも結局モンスターにとどめを刺された……。間に合わなかった!」
ダイドさんがそう語ると、二人は、悔しそうに握りこぶしをギュッと握っていた。
「私は、必死にモンスターを倒し、応援が来るまで耐えたが、二人はどうにもならなかった。他の者も亡くなっていた。応援の中に鑑定師も来ていて、アーツを鑑定して、テイマーだと判明した」
ロドリゴさんが、肩を落としてそう語った。
目の前にいたのに助けられなかった。アーツに刺されていなければ、父さんはやられていなかったはずだ!
「この後、あいつらも仲間だと言ったんだが確証がなく、協力してくれたお蔭でアーツ達がいる場所がわかったので、仲間ではなく彼が単独で行った事になった。アーツが、テイマーだと知らなかったと言い張ったしな」
「そして、この事の詳細は伏せられる事になったんだ。アーツが死んだ事で、魔物の谷からモンスターが出て行った。でも俺達は、あいつらを監視していた。ドドイを殺そうとした理由も知りたかったからな」
ダイドさんの言葉で、僕はハッとした。行動を見張れって僕の事ではなく、あの男たちの事だったのではないか?
僕は、勘違いをしていたんだ。
父さんの息子である僕を二人は、守ろうとしてくれていた……。
「あの男達が、父さんの敵なんだね」
「確証はないが、そうだろう。だが、変な真似はするなよ。わかっているとは思うが、テイマーである君は監視対象者だ。話をしたのは、我々を信用してもらう為だ。また彼らに引き込まれない為でもある」
「わかってる。あいつらは、僕がテイマーだってわかったら奴隷にするなんて言っていた。そんな奴の言いなりになんてならないよ」
ロドリゴさんに僕は、そう返した。
「私達は慌てて向かった。そこには、ドドイの他にも冒険者がいた。だが、ドドイとアーツ以外は、皆倒れていた。二人は、モンスターに囲まれていた! ドドイは、アーツを背にモンスターから守る様に戦っていたんだ」
「俺は、高台に登って攻撃をロドリゴは加勢に向かっていた。その時、スコープで見たんだ! アーツがドドイの背中を刺そうとしている所を! 俺は、慌てて矢を撃った! それは、アーツに命中。けど間に合わなかった! ドドイは、彼に刺されたんだ!」
刺された! モンスターに殺されたんじゃなかったのか!
「アーツが瀕死になった事で、モンスターの枷が外れ、アーツにもモンスターが襲い掛かったんだ! 彼は、自ら操っていたモンスターに殺された! そして、ドドイも結局モンスターにとどめを刺された……。間に合わなかった!」
ダイドさんがそう語ると、二人は、悔しそうに握りこぶしをギュッと握っていた。
「私は、必死にモンスターを倒し、応援が来るまで耐えたが、二人はどうにもならなかった。他の者も亡くなっていた。応援の中に鑑定師も来ていて、アーツを鑑定して、テイマーだと判明した」
ロドリゴさんが、肩を落としてそう語った。
目の前にいたのに助けられなかった。アーツに刺されていなければ、父さんはやられていなかったはずだ!
「この後、あいつらも仲間だと言ったんだが確証がなく、協力してくれたお蔭でアーツ達がいる場所がわかったので、仲間ではなく彼が単独で行った事になった。アーツが、テイマーだと知らなかったと言い張ったしな」
「そして、この事の詳細は伏せられる事になったんだ。アーツが死んだ事で、魔物の谷からモンスターが出て行った。でも俺達は、あいつらを監視していた。ドドイを殺そうとした理由も知りたかったからな」
ダイドさんの言葉で、僕はハッとした。行動を見張れって僕の事ではなく、あの男たちの事だったのではないか?
僕は、勘違いをしていたんだ。
父さんの息子である僕を二人は、守ろうとしてくれていた……。
「あの男達が、父さんの敵なんだね」
「確証はないが、そうだろう。だが、変な真似はするなよ。わかっているとは思うが、テイマーである君は監視対象者だ。話をしたのは、我々を信用してもらう為だ。また彼らに引き込まれない為でもある」
「わかってる。あいつらは、僕がテイマーだってわかったら奴隷にするなんて言っていた。そんな奴の言いなりになんてならないよ」
ロドリゴさんに僕は、そう返した。
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