149 / 245
◇146◇ハーフだった!?
しおりを挟む
僕は、お昼を食べてから森へ戻った。
ジーン達が近づいて来る。という事は、辺りには人がいないって事だ。
「ルイユ、さっきはありがとう。で、ジーン、もう少し奥へ行きたいけどいい?」
『了解』
僕は、ジーンにまたがり森の奥へと行った。
昨日パンを食べた場所に腰を下ろす。
「あのさ、ルイユ。エルフの事を詳しく聞きたいんだけど」
『そうね。見てわかったと思うけど、あぁいう顔だちで耳が尖っているのよ』
「え? 耳? 気づかなかったなぁ」
尖っていたっけ?
『彼らは、マジックアイテムで人間に変装していたわ。耳にピアスしていたでしょう?』
僕は、思い出してみる。小さい石の様な物が両耳についていたような気がする。
「あれがピアス?」
『小さな石みたいのがピアス。エルフは、モンスターと話が出来る種族なのよ』
「え! でもあの人達、モンスターハンターって言う名が付いているみたいだよ。話せるのに殺してるの?」
『それは私に聞かれてもわからないわね。長い時間の中でそういう能力が失われたかもしれないし。ただ、今は私が知っている時代とはだいぶ異なるみたいね』
「ルイユが知っている時代ってどんなの?」
『エルフも少ない種族だったけど人間の中で暮らしていたわ。あんなマジックアイテムを使っていなかった。隠すって事は、エルフだとばれたくないって事よね?』
「だろうね。今は伝説の種族みたいだけど……」
『主様は、エルフを探していたのではなかったの? あの二人ではだめなのかしら?』
「その事なんだけど。探しているのは、イラーノの父親なんだ。たぶんだけど、エルフじゃないかなって。もしかしたら人間かもしれないけど。ただ母親は亡くなっているから父親を探すしかなくて。後、僕の父さんもエルフと会っていたみたいで、そのエルフとも会いたいんだ」
『なるほどね。やっぱり訳アリだったのね。あの二人の前に出なくてよかったわ』
「え? どういう意味?」
『たぶん、彼らには私達はちゃんとモンスターに見えるって事よ。マジックアイテムも付けているのがバレルからそう言う事をした人物がいるって知れるって事よ。だから私達は出ていかなかったの』
そっか。なるほど。
だからテレパシーだったんだ。
「ありがとう。助かったよ。あの二人、どうやらイラーノを探しているみたいなんだ」
『森での会話は聞いていたわ。イラーノをエルフかもと思って会いたいと言っているのでしょうね。会ってどうするつもりかはわからないけど』
「うーん。やっぱりそうなのかな? 自分達の仲間を探し歩いているのかな?」
『さあ。どうかしらね。冒険者にまでなってする事でもない気もするけど』
確かにそうかも。
今のエルフは隠れ住んでいるとすれば、男だろうと冒険者にならないだろう。だとしたら冒険者になったって、エルフに会える確率は上がらない。
『もしかしたらエルフを探しているんじゃないかもしれないわね』
「え? どういう事?」
『イラーノは、人間よね?』
「うん」
『ではなぜ、父親がエルフかもって思ったのかしら?』
「え? あれ? あ、父さんがエルフと会っていたって言うからもしかしたらその人物がイラーノの父親かなって思ったんだ」
『それよ。人間とエルフのハーフ。人間に育てられていれば、冒険者になる可能性があるからかもね』
「それって、最初からイラーノを探していたって事!?」
『可能性の話よ。昔ならハーフはいたけど、今の状況を見るとよしとしないでしょうね。まあ、昔もよしとしてないエルフもいたけどね』
もしかしてイラーノは、人間の血が混ざっているから忌み嫌われているって事? しかも探し出して、殺そうとしているとか? じゃないと、わざわざ探さないよね。
もしこの仮説が正しいなら、見つかる前にこの街から出た方がいいかも。
「ねえ。イラーノの父親って殺されていないよね?」
『わかるわけないでしょう』
「だよね」
よく考えれば、名前すら知らない。
エルフを見つけて聞けば、教えて貰えると思っていた。
もしあの二人が、イラーノを探しているって聞いていなければ、こっちから声を掛けていたかも。
イラーノの父親を探すのは諦めた方がいいかも。
兎に角、この街を離れよう!
「イラーノに伝えて見つかる前に、この街を出る事にするよ」
『わかったわ』
『了解した』
またジーンにまたがり森の入口へ向かう。
『いるわ』
もう少しで出口付近と言う所で、ルイユが呟いた。
ジーンから降り、そっと歩く。居たのは、モガードさん達だ。
「戻ってなかったか。依頼の全部採取してないよな? ここに居れば会えるだろう」
モガードさんがそう言った。
そうだった。依頼まだ完了させていない。さて、どうしよう。
でも見つかったら僕から離れそうもないな。
僕は、木の影からモガードさん達の様子を見るも立ち去る気配はなかった。
ジーン達が近づいて来る。という事は、辺りには人がいないって事だ。
「ルイユ、さっきはありがとう。で、ジーン、もう少し奥へ行きたいけどいい?」
『了解』
僕は、ジーンにまたがり森の奥へと行った。
昨日パンを食べた場所に腰を下ろす。
「あのさ、ルイユ。エルフの事を詳しく聞きたいんだけど」
『そうね。見てわかったと思うけど、あぁいう顔だちで耳が尖っているのよ』
「え? 耳? 気づかなかったなぁ」
尖っていたっけ?
『彼らは、マジックアイテムで人間に変装していたわ。耳にピアスしていたでしょう?』
僕は、思い出してみる。小さい石の様な物が両耳についていたような気がする。
「あれがピアス?」
『小さな石みたいのがピアス。エルフは、モンスターと話が出来る種族なのよ』
「え! でもあの人達、モンスターハンターって言う名が付いているみたいだよ。話せるのに殺してるの?」
『それは私に聞かれてもわからないわね。長い時間の中でそういう能力が失われたかもしれないし。ただ、今は私が知っている時代とはだいぶ異なるみたいね』
「ルイユが知っている時代ってどんなの?」
『エルフも少ない種族だったけど人間の中で暮らしていたわ。あんなマジックアイテムを使っていなかった。隠すって事は、エルフだとばれたくないって事よね?』
「だろうね。今は伝説の種族みたいだけど……」
『主様は、エルフを探していたのではなかったの? あの二人ではだめなのかしら?』
「その事なんだけど。探しているのは、イラーノの父親なんだ。たぶんだけど、エルフじゃないかなって。もしかしたら人間かもしれないけど。ただ母親は亡くなっているから父親を探すしかなくて。後、僕の父さんもエルフと会っていたみたいで、そのエルフとも会いたいんだ」
『なるほどね。やっぱり訳アリだったのね。あの二人の前に出なくてよかったわ』
「え? どういう意味?」
『たぶん、彼らには私達はちゃんとモンスターに見えるって事よ。マジックアイテムも付けているのがバレルからそう言う事をした人物がいるって知れるって事よ。だから私達は出ていかなかったの』
そっか。なるほど。
だからテレパシーだったんだ。
「ありがとう。助かったよ。あの二人、どうやらイラーノを探しているみたいなんだ」
『森での会話は聞いていたわ。イラーノをエルフかもと思って会いたいと言っているのでしょうね。会ってどうするつもりかはわからないけど』
「うーん。やっぱりそうなのかな? 自分達の仲間を探し歩いているのかな?」
『さあ。どうかしらね。冒険者にまでなってする事でもない気もするけど』
確かにそうかも。
今のエルフは隠れ住んでいるとすれば、男だろうと冒険者にならないだろう。だとしたら冒険者になったって、エルフに会える確率は上がらない。
『もしかしたらエルフを探しているんじゃないかもしれないわね』
「え? どういう事?」
『イラーノは、人間よね?』
「うん」
『ではなぜ、父親がエルフかもって思ったのかしら?』
「え? あれ? あ、父さんがエルフと会っていたって言うからもしかしたらその人物がイラーノの父親かなって思ったんだ」
『それよ。人間とエルフのハーフ。人間に育てられていれば、冒険者になる可能性があるからかもね』
「それって、最初からイラーノを探していたって事!?」
『可能性の話よ。昔ならハーフはいたけど、今の状況を見るとよしとしないでしょうね。まあ、昔もよしとしてないエルフもいたけどね』
もしかしてイラーノは、人間の血が混ざっているから忌み嫌われているって事? しかも探し出して、殺そうとしているとか? じゃないと、わざわざ探さないよね。
もしこの仮説が正しいなら、見つかる前にこの街から出た方がいいかも。
「ねえ。イラーノの父親って殺されていないよね?」
『わかるわけないでしょう』
「だよね」
よく考えれば、名前すら知らない。
エルフを見つけて聞けば、教えて貰えると思っていた。
もしあの二人が、イラーノを探しているって聞いていなければ、こっちから声を掛けていたかも。
イラーノの父親を探すのは諦めた方がいいかも。
兎に角、この街を離れよう!
「イラーノに伝えて見つかる前に、この街を出る事にするよ」
『わかったわ』
『了解した』
またジーンにまたがり森の入口へ向かう。
『いるわ』
もう少しで出口付近と言う所で、ルイユが呟いた。
ジーンから降り、そっと歩く。居たのは、モガードさん達だ。
「戻ってなかったか。依頼の全部採取してないよな? ここに居れば会えるだろう」
モガードさんがそう言った。
そうだった。依頼まだ完了させていない。さて、どうしよう。
でも見つかったら僕から離れそうもないな。
僕は、木の影からモガードさん達の様子を見るも立ち去る気配はなかった。
0
あなたにおすすめの小説
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
能力『ゴミ箱』と言われ追放された僕はゴミ捨て町から自由に暮らすことにしました
御峰。
ファンタジー
十歳の時、貰えるギフトで能力『ゴミ箱』を授かったので、名門ハイリンス家から追放された僕は、ゴミの集まる町、ヴァレンに捨てられる。
でも本当に良かった!毎日勉強ばっかだった家より、このヴァレン町で僕は自由に生きるんだ!
これは、ゴミ扱いされる能力を授かった僕が、ゴミ捨て町から幸せを掴む為、成り上がる物語だ――――。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
俺を凡の生産職だからと追放したS級パーティ、魔王が滅んで需要激減したけど大丈夫そ?〜誰でもダンジョン時代にクラフトスキルがバカ売れしてます~
風見 源一郎
ファンタジー
勇者が魔王を倒したことにより、強力な魔物が消滅。ダンジョン踏破の難易度が下がり、強力な武具さえあれば、誰でも魔石集めをしながら最奥のアイテムを取りに行けるようになった。かつてのS級パーティたちも護衛としての需要はあるもの、単価が高すぎて雇ってもらえず、値下げ合戦をせざるを得ない。そんな中、特殊能力や強い魔力を帯びた武具を作り出せる主人公のクラフトスキルは、誰からも求められるようになった。その後勇者がどうなったのかって? さぁ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる