Ambitious! ~The birth of Venus~

海獺屋ぼの

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第九話 人生のガーターレーン

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 翌日、俺は退社するとメンバーと待ち合わせしたボウリング場へと向かった。

 ボウリング場に着くと、既にウラとジュンがロビーで寛いでいる。

「悪い、遅くなった!」

「お、大志お疲れー! 忙しいのにありがとうねー。それじゃ! バービナ対抗ボウリング大会始めよーか!」

 どうやらウラはここの常連らしく、段取りが早い。

 受付を済ませると、ウラはマイボールとマイシューズをバッグから取り出した。

「おめー随分と気合入ってんな! いつもここ来んのか?」

「うん! 『アフロディーテ』のみんなとよく来るんだー。一時期、月子さんボウリングにドはまりしててさ! 良くつき合わされちゃってさー」

「そうか……。俺はすげー久しぶりだよ! 学生んときはよく週末に行ってたけどなー。ジュンお前も久しぶりか?」

「俺も久しぶりだねー。バンドメンバーと来るとなんか新鮮な気がるよ。初めてだしさ」

 ジュンの言うとおり、バンドメンバーとボウリングに来るのはその日が初めてだった。

 ……というよりもバンド活動以外であまり絡まない。

 ウラはスコアモニターを指差しながら、投げる順番を教えてくれた。

 モニターには「Hecate」「Ambitious」「Pure」と3人分の名前が表示されている。

「なんだこの名前!?」

「『Hecate』は私で、『Ambitious』は大志。『Pure』はジュンだよ! 何となく英語にしてみた!」

「またお前はよくわかんねーことを……」

 相変わらずこいつの発想は変わっている。

「いいね京極さん。京極さんのそういうところ好きだよ」

 ジュンは、割と気に入ったらしい。こいつも変わり者だ。

「ジュンありがとー! 大志も少しはジュンくらい柔軟に行こうよ! せっかくの遊びなんだしさ! あ、遊びついでに罰ゲーム決めよーか!」

 罰ゲーム……。実にウラらしい。

 罰ゲームを考える彼女の表情が、悪巧みするクソガキそのものだ。

「よし! じゃーね。今回は最下位の人が飯代出すってのでどう? あ! あとね、ガーター出したら恥ずかしい過去の恋愛話を暴露ってことにしよう!」

 やれやれだ。相変わらずイカれてる。

 それからすぐにボウリングが始まった。

 第1フレームの最初のプレイヤーはウラだ。

 ウラは力いっぱいボウリングの玉をガーターに打ち込んだ。

 しかも2回連続。言い出しっぺがまさかのガーター。自業自得だ。

「あーあ、言わんこちゃない! お前責任とって恋愛話しろよ!」

「うぅ……。仕方ない。いつもはもっとうまく行くんだけどなー」

 それからウラは過去の恋愛の話を話し始めた。


『Hecate』 Garter

 あれは私が上京して間もないころだ。

 月子さんの引っ越しも無事終わり、私は『アフロディーテ』の関係者に挨拶して回っていた。

 月子さんもその頃は私に気を使っていたらしく、「うちの新しい付き人だからよろしくお願いします」と丁寧に挨拶回りに付き合ってくれた。

 そうやって事務所の幹部・関連会社のスタッフに挨拶して回っているうちに私は彼と出会った。

 彼はライブ時に照明を担当する技術者で『アフロディーテ』のライブの照明機材のメンテナンスと調整を生業にしていた。

「初めまして! 月子さんにお世話になっている京極裏月です。これからよろしくお願いします」

「こちらこそ初めまして! 照明担当している渡辺です。京極さんまだ若いですよね?」

「はい! 今18でもうすぐ19になります」

 私が年齢を伝えると彼はすごく驚いた顔をした。

 どうやら10代には見えなかったらしい。

 それから私たちは軽く世間話をして連絡先を交換した。

 初対面だというのに私は彼にあまり気を使わなかった。

 そんな感じの男だったのだ。親しみやすく、絡みやすい。

 彼は細身で恐ろしく身長が高かった。

 ひょろっとした体形はエヴァンゲリオン初号機のようだった。(だから私の中だけで、初号機とあだ名を付けた。本人には言わない。)

 彼は私が上京してから1年ぐらいの間『アフロディーテ』の照明担当だった。

 だからなのかもしれない。彼と一緒に過ごす時間は自然と増えたのだ。

 最初こそ現場だけの付き合いだったけれど、少しずつプライベートでも会うようになっていった。

 不思議なことに彼とは最初から肉体関係を結んだりはしなかった。

 自虐になるけれど、私は男とはまず寝てみるのだ。

 それで会わなければサヨナラ。そんな感じだった。

 だからすぐに私とやろうとしなかった男はすごく新鮮に感じた。

 まぁ……。結果を先に言うと、他の男たちとあんまり変わらなかったけれど……。

 彼と形式的に付き合ったのは出会いから半年後のことだ。

 その日は『アフロディーテ』の関係者の飲み会で、私と渡辺さんも参加していた。

 早い時間から始まった飲み会で21時の段階でみんな酔っ払いと化していた。

 当然のことのように月子さんも……。

「今日はウチ最高に機嫌ええわぁー。みんなもそうやろ!?」

「ちょっと月子さん飲みすぎですよ! 少し抑えたほうがいいっすよ!」

 私は月子さんを宥めたけど、彼女はずっと飲み続けている。

 こういうところが面倒な人だ。いや、こういうところもか……。

「そしたらなー。みんなでポッキーゲームやろかー? ウラちゃん! トップバッターや!」

 マジ勘弁してもらいたい。

「えー!? なんで私が!?」

「なんなんウラちゃん? ウチに文句言うんか?」

 月子さんはケルフャーの高圧洗浄機並みに高圧的だ。

 ほんとマジで勘弁してもらいたい。

 結局、私はポッキーゲームをやらされる羽目になる。

 しかも相手は選りに選って渡辺さんだ。

 月子さんは本当に酷い。クソバ……。いや失言。

「ほらそしたら2人でポッキーくわえてぇー!! スタートや!」

 周りのスタッフたちも私と渡辺さんを手拍子で煽る。

 唯一、ケンジさんだけは私に「無理せんでええからな」と言ってくれた。

 でも……。無理だった。

 私たち2人は戸惑いながらポッキーの両端をくわえた。

 私はポッキーの持つ側をくわえ、渡辺さんは先っぽをくわえる。

 何この状況?

 私と渡辺さんの顔の距離がポッキー幅に極端に近づく。推定20cmぐらい。

 いや近すぎだろ!?

 私たちはみんなに見つめられながらポッキーを囓り合った。

 ポッキーはミリ単位で短くなり、そして……。接触。

 唇通しが完全に触れた。それどころか、勢い余って前歯同士が接触する。

 衝撃的なファーストキス。

 ポッキーゲーム自体は、まぁ仕方がない。

 これくらいのことはある業界だから。でも……。

 彼はこともあろうに舌を私の口の中に突っ込んできたのだ。

 下は私の下に圧力が加わるくらい強く差し込まれた。

 どうやらこの男も変態で確定らしい。

 それから月子さんはひたすら笑っていた。

「よし! 2人ともようやった! いっそ付き合ったらええやん?」

「月子ぉ! ほんまに飲みすぎやで!? あんま絡むなや!」

 健次さんは月子さんを宥めながら、私に逃げ道を作ってくれた。

 私はトイレに行くフリをしてその場を離れる。

 私は月子さんに気付かれないうちに帰ってしまおうと思った。

 どうせこのまま酔いつぶれてしまうだろうし、健次さんには悪いけど彼ならなんとかしてくれる気がしたからだ。

 私は静かに出て行こうとすると、廊下で渡辺さん鉢合わせしてしまう。

 ヤバい。最高に気まずい。

「京極さん……。さっきはごめんね。どうにか逃げてもらおうと思ったんだけどさ」

「いいっすよ! 月子さん飲むといつもより始末悪いだけですから。別に渡辺さんが気にすることじゃないです」

 私がそう言うと、渡辺さんはバツが悪そうにした。

「なんかさ。健次さんが京極さん送っていけってさ。駅まで送るよ」

「え? 大丈夫っすよ! 私1人で問題ないっすから」

 私は渡辺さんの申し出を断ったけれど彼は頑なだった。

 仕方ない……。駅までなら……。

 私は諦めて彼に送って貰うことにした。

 夜の繁華街は酔っ払いとチーマー風の男だらけだ。

 ネオンが目に沁み、まだ酒が残っているのかうまく歩けない。

「ほらほら、京極さんも飲みすぎだよ」

「大丈夫ですよー。こんくらいどーってことないれすから」

 呂律が回らない。

「月子さんは本当に自由人だよねー。京極さんもよく我慢してるよ」

「しゃーないんすよ。あの人が勝手なのはいつものことですから。こんくらい序の口です」

「そっか……。ねえ京極さん、実は俺もうすぐ仕事辞めて地元戻るんだ」

 急な話だった。あまりに急すぎて酔いが一気に醒める。

「な、な、なんでっすか!? そんな話ぜんぜんしてなかったじゃないですか!?」

「うん。実家の親が急病でね。家業もあるしそろそろかなーって。一応、事務所と健次さんには話してあるけどさ……。月子さんに話したらまた送別会とかやられそうで正直うんざりだよ」

 そう言って渡辺さんは苦笑いを浮かべた。

 どうしたものか? 別に私たちの関係は恋人ではない。

 中途半端な関係……。

 引き留めるほど深くもないし、「ああ、そうですか」と言えるほど浅くもない。

「それでさ。京極さんさえ良ければ俺と付き合ってもらえないかな?」

 いやいやいや、何言ってるんだこの男は? と私は思った。

 これから地元戻るのに付き合えとか意味が分からない。

「へ? だって渡辺さん地元戻っちゃうんでしょ?」

「そうだね。でも俺は京極さんのこと好きだしさ。このまま会えなくなるのは正直耐えられそうにない。だから付き合ってほしいんだ。俺もできる限り君のこと大切にするから」

「……。遠距離ってことだよね?」

「……。そうだね」

 それから私たちの間には沈黙が流れた。

 駅前の雑踏さえも飲み込んでしまいそうな重い沈黙……。

「別にいいよ」

 不誠実だと思う。でもそれ以上の言葉が出てこなかった。

 どちらにしても気になる男も居なかったし、彼なら私を大切にしてくれると思ったからだ。

 打算的決断と愛情の間……。そんな感じだ。

 それから間もなくして彼は仕事を辞めた。

 彼の悪い予感は思った通り的中し、月子さんは盛大に送別会を開催した。

 マジで勘弁してほしい。

 彼が地元に戻ってから程なくして、私の仕事は忙しくなった。

 月子さんは無茶を言うし、それ以外にもやることは盛りだくさんだ。

 朝から月子さんについて回り、夜には居酒屋でアルバイトをした。

 昼間は月子さんに振り回され、夜には酔っ払いに振り回される。

 それでも、どうにかやっていけたのは、理解ある健次さんと渡辺さんのお陰だった。(当然、大志とジュンにもだけれど)

 付き合ってから私たちは小まめに連絡を取り合った。

 彼は私の愚痴っぽい話も嫌な顔一つせずに聞いてくれた。

 優しい男だったと思う。

 その優しさはどこか父親のような優しさだった。

 私の知らない父性的な愛情が含まれている気がしたのだ――。

 それから数ヶ月後、私は渡辺さんに連絡して久しぶりに会うことになった。

 彼の地元は岡山県で、東京からだと新幹線と在来線を乗り継ぎが必要だ。

 でも、そんな面倒な長旅も苦にはならなかった。

 好きな男に会えるというだけで、むしろ楽しみでさえある。

 結局のところ、私の思考は単純なのだろうと思う。

 早朝に出発したおかげで、かなり早い時間に岡山に到着してしまった。

 彼との約束の時間は夕方過ぎだ。

 さて、どうしたものか?

 どうせ時間があるなら普段出来ないことをしたい。

 そこでふとあることを思いつく。

 私は昔から出雲大社に行って見たかったのだ。

 幸い、ここからなら島根も比較的近い。

 善は急げ。ということで私は出雲大社へと向かった――。

 出雲大社にはトレードマークのように巨大なしめ縄が掛かっていた。

 あまりに大きすぎて落ちてきたら、大惨事になりそうだ。

 私は社殿の前に立つと、柄にもなく柏手を打って神様にお願いした。

 《どうか私たちを幸せにして下さい》

 そんなありきたりな縁結びの願い――。

 私は出雲散策を終えると、急いで岡山に戻った。待ち合わせ場所は岡山市内のファミレス。

 あれほど遠出したのに、先に着いたのは私だった。

 私はスマホで撮影した写真をインスタグラムに上げながら彼の到着を待った。

「ごめんウラちゃん! 遅くなった」

「大丈夫だよ。ナベさん忙しいのにありがとうね! 仕事大変でしょ?」

「いやいや、東京に居た時ほど忙しくないから大丈夫だよ! みんなは元気してる?」

 私は渡辺さんに『アフロディーテ』の関係者の近況を軽く説明した。

 彼は古巣が気になるようで、スタッフ全員を気に掛けていた。

 まぁ……。急に仕事辞めて地元戻ったわけだし当然かもしれないけれど……。

 私たちは積もる話を延々と話し続けた。

 私自身は、月子さんの愚痴をかなり吐いた。

 食事を済ませると、私たちはラブホテルでヤルことをやった。

 何をやったかは想像にお任せします。

 ヤリ終わった後、私は生まれたままの姿で彼の隣に座って煙草を吸った。

 彼は裸の私を後ろから抱きしめる。

「ウラちゃん今日はありがとうね。普段あんまり時間取れなくてほんとごめん……」

「いいよ。気にしないで! ナベさんがいっそがしいの知ってっからさ!」

 渡辺さんは寄り添って、優しく私の頭を撫でた。

 それしても退屈な情事だった……。

 特に盛り上がるわけでもなく、正直に言えばそこまで行為が上手くもない。

 そんなことを考える私は最低だけどね……。

 結局、ヤリ終わった後に私はすぐに帰路に着いた――。

 それから私と渡辺さんは段々に疎遠になっていった。

 遠距離恋愛が続かないってのはよくある話だけれど、あまりにも普通に疎遠になりすぎて逆に新鮮だった気がする。

 私が思うに、どんな男も根本的には変わらないと思う。

 どんなに誠実だろうが、ヤリモクだろうが、行きつく先は一緒なのだ。

 メンヘラクソビッチ的考察。


 ウラの話を聞いて、俺は正直ドン引きしていた。

 酷い女だとは思っていたけれど、やはりクソビッチだ。

 あまりにも淡々と自身の性体験を話すウラはまるで別人のように思えた。

 その後ウラは2回ガーターを出した。

 その度、彼女は息をするように男を食った話をした。

 あまりにも自然体で話すので、あまり嫌らしいとは感じなかった。

「お前は本当にサイテーだな」

「言うなし! 2人だから包み隠さず話してんだからさ!」

「京極さんやっぱり面白いね。聞いてて飽きないよ」

 この2人は似たもの同士なのだ。

 爛れた性生活を2人とも送っている。

 この2人と比べれば俺はまるで聖職者のようだ。

 それからボウリングは恙なく進んでいったが、予想外なことは最終フレームで起きた。

 最終フレームでジュンがガーターを出したのだ。
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