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家を出る時に執事のオリバーから『持っていってください』とかなりの現金を渡された。私は彼のお金だからいらないと断ったが『いけません。泊まるにも食べるにも費用が必要です。本来なら旦那様に請求する慰謝料として、この家の宝石を根こそぎ持って行ってもいいくらいですよ。だから……これは端金です。どうぞ』と言われたのだ。
彼のお陰で途中できちんとしたホテルに泊まることができた。おそらく、私が危険な目に遭わないようにあんな風に言ってくれたのだ。
そして行きと同じく一週間かけて生家であるエメット家に着いた。連絡もなく帰ってきた私に、両親とお兄様は大変驚いていたが……温かく迎えてくれた。
「お帰りなさい。久しぶりね」
「お帰り。ずっとここにいたらいいさ」
「お母様、お父様……申し訳ありません」
優しい両親の言葉に涙が出てくる。二人にはエルベルト様とは本当の夫婦にはなれなかった、申し訳ないとだけ伝えた。そんな私を二人は優しく抱きしめてくれた。
「だから反対だったんだ。あんな男のところに可愛いクリスを嫁がすなんて! 安心しろ。結婚などせずとも私が面倒をみるから……何も心配しなくていい」
私に溺愛気味のお兄様もそんな風に言ってくれた。お兄様はこれから結婚しないといけないので、私の面倒を一生みるわけにはいかないとは思うけれどその気持ちは嬉しかった。
そして久しぶりに親子水入らずのディナーを楽しんでいたその時、使用人から声がかかった。
「旦那様、エルベルト様がお越しになられています。クリスティン様とどうしても話がしたいと……どうされますか?」
お父様はチラリと私の顔を見た。私は力なく左右に首を振った。
「帰ってもらってくれ。娘は会いたくないと言っている」
「……はい」
お父様は「大丈夫だ。明日、私から陛下に娘をこちらに戻すと話をしに行く」と私の頭を優しく撫でた。
「あの、旦那様……エルベルト様が会えるまで何時間でも何日でも外で待つと言われておりまして」
「放っておけ!」
お父様はそう言い放ち、私に「出てはいけないよ」と念を押した。
まさかエルベルト様がここまで来てくださるなんて思ってもみなかった。忙しい人なのに……お仕事は大丈夫なのかしら。
さすがに離婚届を見て焦ったのかもしれない。陛下の話が本当ならば彼は私を妻に望んだ。聞いたことはないけれど、きっと私を奥さんにしたのには『好き』以外の理由があるのだろう……私と別れたら困るのだろうか? それとも独身が困るのか?
でも、もうそんなことは知らない。一年近く私に触れなかったのだ。私達は夫婦でなくただの同居人だった。それに他人に見せたくない女が妻なんて、エルベルト様にとっても不幸なことだ。
窓を見るとザーザーと激しい雨が降ってきた。まるで今の私の心の中のようだ。しかしこれだけ降っていれば流石に、エルベルト様も我が家を離れるだろう。そう思いながら……懐かしい自分の部屋で眠りについた。
そして朝になっても雨は一向に止む気配はない。私は何となく胸騒ぎがした。いや、そんなはずはない。こんな雨の中……彼がいるはずなんて。
――でももしかしたら。
どうしても気になって、私は身なりを整えて玄関の扉をそっと開いた。するとそこにはずぶ濡れで俯きながら震えているエルベルト様がいた。
「エル……ベルト様っ! なぜ」
――なぜまだここにいるんですか? 私なんてどうでもいいはずなのに。
私は驚き、すぐに彼のそばに駆け寄った。彼は私の頬を優しい大きな手で包んだ。その手は氷のように冷たい。
「クリス……ティン。逢えて……よか……た。ああ、すまない……君まで濡れてしまうな……」
こんな酷い状態で私のことを心配している彼は馬鹿だ。
「誰か、誰か助けて! エルベルト様が……」
私は部屋の中の使用人達に必死に叫んだ。すると、彼は私にずるりと倒れ込んだ。体格差がありすぎるので支えられずに、私は床に尻餅をついた。
「俺は君を……愛して……る。本……当だ」
そのままエルベルト様は完全に意識を手放した。私はその言葉の意味を……数秒遅れて理解し身体中が真っ赤に染まった。
体格のいいエルベルト様は使用人の男二人に抱えられ、客間のベッドに寝かされている。お医者様にも診てもらったが、寝不足と過労そして雨による冷えで体力を消耗しただけだろうとのことだった。
そして数時間経過すると、エルベルト様はゆっくりと目を覚ました。私がベッド横に居て、彼の手を握っているのに驚き真っ赤になった。
「本物……だよな?」
「本物です」
彼は私がいることを確かめるようにスリスリと、手を指で撫でている。
「なぜ雨の中、こんな無茶なことを?」
「君に逢えるなら、こんなことはなんてことない。家に帰ったら君がどこにも居なくて、俺は心臓が止まりそうだった。部下に仕事を任せて、馬でほとんど寝ずに駆けてきた」
何日もほぼ寝ないでここまで来てくれたの? 私のために。
「ひ、酷いことを言ったのはあなたです。それにあなたは私を妻として扱ってくれなかった」
「あんな風に怒って……大事な君を泣かせてすまなかった。違うんだ! 全部誤解なんだ」
彼はふう、と大きな息を吐き胸に手を当てて自分自身を落ち着かせていた。
「あれは嫉妬だ。いい歳の男が格好悪くて済まない」
「ふぇ? そ、それはどういう意味ですか」
私は驚きで変な声が出た。意味不明だ。嫉妬とは何に? どういう意味なのだろうか。
「可愛くて綺麗な君を、部下達に見られたくなかった。だからずっと隠していたのに、君があんな美しい装いで他の男に無防備に微笑むから許せなくなった」
ええーっ、可愛いくて綺麗? 私は一気に頬が染まる。
「そ、それに……エドに手を握られていた! 俺だってあまり君に触れていないのに。ずるい……」
ずるいって。あなたが勝手に触れなかっただけではないか。しかもエド様のは握るというか握手の延長だ。
「あいつは騎士に珍しく中性的な見た目で人懐っこいから、女に人気がある。騎士としての腕も申し分ない。しかもエドは若いから……君とあいつの距離が近いのは嫌なんだ!」
若いからって、エルベルト様はご自身の年齢のこと気にしていらっしゃったの?
「エド様には、あなたの妻ですとご挨拶していただけです」
「頭では、そうなのだとちゃんとわかっている。わかっているが、君のことになると理性的でいられなくなるんだ」
彼は私をジッと見つめて、拗ねたように口を尖らせた。
「それに、他の男を愛称で呼ばないでくれ」
「……っ!」
「俺は未だにエルベルトなのに」
まさかそんなことで、やきもちを妬いていたというのか?
「私はあなたに食べてもらおうと差し入れ頑張って作ったのに、そんなことをするなと言われたのも哀しかったです」
彼は申し訳なさそうにしゅんと項垂れた。
「それも嫉妬だ。本当は飛び上がるくらい嬉しかった。君が俺のために自ら料理をしてくれたなんて。でも……大好きな君が作った手料理を他の男も食べるなんて嫌だった」
「ええ……そんな」
「ああ、自分が馬鹿だってわかってる。君は全て俺のためにしてくれたのに。あの後ノエルに……あの量を作るのに君がどれだけ時間をかけて、大変だったのかわかりますかと怒鳴られた」
ノエル……そんなことを。
「サンドウィッチはすごく美味しかった。部下達もとても喜んでいた。君にありがとうと伝えるべきだったのに、あんな風に怒って傷付けて俺は最低最悪だった。本当にすまない」
彼はベッドの上で深く頭を下げた。あのサンドウィッチちゃんと食べてくださったんだと、嬉しくて胸が熱くなった。
「帰ったらすぐに謝るつもりだった。しかし、君は家のどこにもいないし、離婚届が机に置いてあって……プレゼントは全て返されていて血の気が引いた」
「……」
「俺はこの世に君より大事なものはない。君を失うなんて考えられないくらい愛している。どうかもう一度やり直してはもらえないだろうか?」
ドキドキドキ……熱烈な告白に胸がうるさくなる。そう言ってもらえるのは嬉しいが、彼の話が本当なら疑問がある。
愛しているなら、なぜ私に触れてくださらなかったのかということだ。
彼のお陰で途中できちんとしたホテルに泊まることができた。おそらく、私が危険な目に遭わないようにあんな風に言ってくれたのだ。
そして行きと同じく一週間かけて生家であるエメット家に着いた。連絡もなく帰ってきた私に、両親とお兄様は大変驚いていたが……温かく迎えてくれた。
「お帰りなさい。久しぶりね」
「お帰り。ずっとここにいたらいいさ」
「お母様、お父様……申し訳ありません」
優しい両親の言葉に涙が出てくる。二人にはエルベルト様とは本当の夫婦にはなれなかった、申し訳ないとだけ伝えた。そんな私を二人は優しく抱きしめてくれた。
「だから反対だったんだ。あんな男のところに可愛いクリスを嫁がすなんて! 安心しろ。結婚などせずとも私が面倒をみるから……何も心配しなくていい」
私に溺愛気味のお兄様もそんな風に言ってくれた。お兄様はこれから結婚しないといけないので、私の面倒を一生みるわけにはいかないとは思うけれどその気持ちは嬉しかった。
そして久しぶりに親子水入らずのディナーを楽しんでいたその時、使用人から声がかかった。
「旦那様、エルベルト様がお越しになられています。クリスティン様とどうしても話がしたいと……どうされますか?」
お父様はチラリと私の顔を見た。私は力なく左右に首を振った。
「帰ってもらってくれ。娘は会いたくないと言っている」
「……はい」
お父様は「大丈夫だ。明日、私から陛下に娘をこちらに戻すと話をしに行く」と私の頭を優しく撫でた。
「あの、旦那様……エルベルト様が会えるまで何時間でも何日でも外で待つと言われておりまして」
「放っておけ!」
お父様はそう言い放ち、私に「出てはいけないよ」と念を押した。
まさかエルベルト様がここまで来てくださるなんて思ってもみなかった。忙しい人なのに……お仕事は大丈夫なのかしら。
さすがに離婚届を見て焦ったのかもしれない。陛下の話が本当ならば彼は私を妻に望んだ。聞いたことはないけれど、きっと私を奥さんにしたのには『好き』以外の理由があるのだろう……私と別れたら困るのだろうか? それとも独身が困るのか?
でも、もうそんなことは知らない。一年近く私に触れなかったのだ。私達は夫婦でなくただの同居人だった。それに他人に見せたくない女が妻なんて、エルベルト様にとっても不幸なことだ。
窓を見るとザーザーと激しい雨が降ってきた。まるで今の私の心の中のようだ。しかしこれだけ降っていれば流石に、エルベルト様も我が家を離れるだろう。そう思いながら……懐かしい自分の部屋で眠りについた。
そして朝になっても雨は一向に止む気配はない。私は何となく胸騒ぎがした。いや、そんなはずはない。こんな雨の中……彼がいるはずなんて。
――でももしかしたら。
どうしても気になって、私は身なりを整えて玄関の扉をそっと開いた。するとそこにはずぶ濡れで俯きながら震えているエルベルト様がいた。
「エル……ベルト様っ! なぜ」
――なぜまだここにいるんですか? 私なんてどうでもいいはずなのに。
私は驚き、すぐに彼のそばに駆け寄った。彼は私の頬を優しい大きな手で包んだ。その手は氷のように冷たい。
「クリス……ティン。逢えて……よか……た。ああ、すまない……君まで濡れてしまうな……」
こんな酷い状態で私のことを心配している彼は馬鹿だ。
「誰か、誰か助けて! エルベルト様が……」
私は部屋の中の使用人達に必死に叫んだ。すると、彼は私にずるりと倒れ込んだ。体格差がありすぎるので支えられずに、私は床に尻餅をついた。
「俺は君を……愛して……る。本……当だ」
そのままエルベルト様は完全に意識を手放した。私はその言葉の意味を……数秒遅れて理解し身体中が真っ赤に染まった。
体格のいいエルベルト様は使用人の男二人に抱えられ、客間のベッドに寝かされている。お医者様にも診てもらったが、寝不足と過労そして雨による冷えで体力を消耗しただけだろうとのことだった。
そして数時間経過すると、エルベルト様はゆっくりと目を覚ました。私がベッド横に居て、彼の手を握っているのに驚き真っ赤になった。
「本物……だよな?」
「本物です」
彼は私がいることを確かめるようにスリスリと、手を指で撫でている。
「なぜ雨の中、こんな無茶なことを?」
「君に逢えるなら、こんなことはなんてことない。家に帰ったら君がどこにも居なくて、俺は心臓が止まりそうだった。部下に仕事を任せて、馬でほとんど寝ずに駆けてきた」
何日もほぼ寝ないでここまで来てくれたの? 私のために。
「ひ、酷いことを言ったのはあなたです。それにあなたは私を妻として扱ってくれなかった」
「あんな風に怒って……大事な君を泣かせてすまなかった。違うんだ! 全部誤解なんだ」
彼はふう、と大きな息を吐き胸に手を当てて自分自身を落ち着かせていた。
「あれは嫉妬だ。いい歳の男が格好悪くて済まない」
「ふぇ? そ、それはどういう意味ですか」
私は驚きで変な声が出た。意味不明だ。嫉妬とは何に? どういう意味なのだろうか。
「可愛くて綺麗な君を、部下達に見られたくなかった。だからずっと隠していたのに、君があんな美しい装いで他の男に無防備に微笑むから許せなくなった」
ええーっ、可愛いくて綺麗? 私は一気に頬が染まる。
「そ、それに……エドに手を握られていた! 俺だってあまり君に触れていないのに。ずるい……」
ずるいって。あなたが勝手に触れなかっただけではないか。しかもエド様のは握るというか握手の延長だ。
「あいつは騎士に珍しく中性的な見た目で人懐っこいから、女に人気がある。騎士としての腕も申し分ない。しかもエドは若いから……君とあいつの距離が近いのは嫌なんだ!」
若いからって、エルベルト様はご自身の年齢のこと気にしていらっしゃったの?
「エド様には、あなたの妻ですとご挨拶していただけです」
「頭では、そうなのだとちゃんとわかっている。わかっているが、君のことになると理性的でいられなくなるんだ」
彼は私をジッと見つめて、拗ねたように口を尖らせた。
「それに、他の男を愛称で呼ばないでくれ」
「……っ!」
「俺は未だにエルベルトなのに」
まさかそんなことで、やきもちを妬いていたというのか?
「私はあなたに食べてもらおうと差し入れ頑張って作ったのに、そんなことをするなと言われたのも哀しかったです」
彼は申し訳なさそうにしゅんと項垂れた。
「それも嫉妬だ。本当は飛び上がるくらい嬉しかった。君が俺のために自ら料理をしてくれたなんて。でも……大好きな君が作った手料理を他の男も食べるなんて嫌だった」
「ええ……そんな」
「ああ、自分が馬鹿だってわかってる。君は全て俺のためにしてくれたのに。あの後ノエルに……あの量を作るのに君がどれだけ時間をかけて、大変だったのかわかりますかと怒鳴られた」
ノエル……そんなことを。
「サンドウィッチはすごく美味しかった。部下達もとても喜んでいた。君にありがとうと伝えるべきだったのに、あんな風に怒って傷付けて俺は最低最悪だった。本当にすまない」
彼はベッドの上で深く頭を下げた。あのサンドウィッチちゃんと食べてくださったんだと、嬉しくて胸が熱くなった。
「帰ったらすぐに謝るつもりだった。しかし、君は家のどこにもいないし、離婚届が机に置いてあって……プレゼントは全て返されていて血の気が引いた」
「……」
「俺はこの世に君より大事なものはない。君を失うなんて考えられないくらい愛している。どうかもう一度やり直してはもらえないだろうか?」
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