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第二十四話 ヒメの不思議な夢

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 翌日の朝、夕子、美夏、紫はマンションの入り口で初めて出逢うことになって顔を見合わせた。

「初めて、会いましたね」
「本当、何かたがが外れたようね」
「まあ、とにかく、参りましょう」

 三人は、集団登校のように学園に向かう。
三人の背丈は姉妹のように同じ高さだった。

 未来の夕子はイエローのワンピース。
 三日月妹の美夏は、薄緑のパンツスーツ。
 三日月姉の紫は、薄紅色のワンピース。

夕子未来、今は何を書いているの?」
美夏が尋ねる。

「双子の三日月の小説よ」
「なるほどね」

「未来、そのお話ができたら教えてくれる」
三日月姉、いいわよ」

 三人は、神聖学園前駅の自動改札を抜けて大通り沿いの歩道に出た。

 学園前は、通学の女子高生で溢れている。
元々、女学園だった高校の男女比率は極端に女子生徒が多い。

 三人は放課後、夕子が顧問の文芸部で会うことになる。
昼間夕子が文芸部の部室に到着すると、朝霧美夏と星乃紫は既に到着していた。

「昼間先生、朝霧先生と星乃先生がお待ちしています」
日向黒子文芸部部長が言った。

「日向さん、悪いわね。ありがとう。
ーー 先生、ちょっと用事があってね」

「先生、私は先に帰りますが、あとでヒメが来ます」
「そうか、ありがとう」

 日向と入れ替わりに夢乃真夏が入って来た。

「あら、先生、この間はありがとうございます」
「真夏ちゃん、この間は、ごめんなさいね
ーー ところで、ヒメは」

「これから、来ると思いますが
ーー あっ、朝霧先生・・・・・・」
真夏は、同じ挨拶を繰り返していた。

「ところで、ヒメは、まだ変な夢を見ているの?」
「ええ、たまに言っていますが」

「そうか、先生、その夢、ちょっと気になるのだが」
夕子の男口調が始まった。

しばらくして、夢乃神姫が部室に入って来た。

「先生たち、珍しいですね」
「珍しいとは、なんだ」
夕子がヒメに言う。

「ヒメ兄、軽口はダメだよって言ってたくせに」
「悪い、真夏」

「ところで先生たち、何か用事ですか」
「ヒメ、勘がいいなあ」

「そうなんだ、ヒメにちょっと用事があってな」
「僕にですか?」

「前に夢の話をしていたことあっただろう」
「あっ、あの宮廷の夢ですか
ーー あれ、最近もよく見るんだけど」

「だけど、どうした」
「それが、最近は、内容が変わって・・・・・・」
ヒメは言いづらいのか言葉を濁す。

「変わって、どうした?」
夕子の質問が警察の職務質問化している。

「その、宮廷の広い廊下を駆けているんですが」
「ですが?」

「綺麗な女性を追いかけているんです」
「なるほど」

「何人いた?」
「多分、三人くらい」
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