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悪いのは······
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「ぐすっ、ぐすっ」
「落ち着いたかいロマーヌ」
「お母、さん、ぐすっ、わたし、どうしたら」
気持ちを落ち着かせるが、襲われた町を思うとまた涙が溢れる。屋根の上でそれを繰り返していた。
「ロマーヌちゃんのせいじゃないよ」
ブレットおばあちゃんが言うと皆で慰めるが止まらず、後悔するロマーヌを見ていたフィンが、
「ロマーヌさんっ、自責の念に駆られないで!」
「ちょっとフィン君」
彼の強い口調に娘を心配するお母さん。
でも、
「あなたは悪くない、悪いのはあの青い龍の方なんだ」
「······でも、わたしが、ううっ」
「あなたが悪いなら、なぜあっちの赤い龍が青い龍と戦うんですか······なぜあんなに必死にあなたをを守るんですか、ロマーヌさんっ!」
上を見上げれば、上空で太陽に照らされる2匹の龍が激突している。
すると、
「え、雨?」
快晴なのに降ってきたそれは、ブルー·ドラゴンの吐き出すウォーター·ブレスをレッド·ドラゴンが尻尾で払った事による雨粒だったのだ。
「······元気を出してくださいロマーヌさん、そして、いつもの笑顔の素敵なあなたに戻って来てください。お願いしますロマーヌさん」
フィンもロマーヌを好いている。
だからこそ彼女に元気を取り戻してほしいという想いを込めて言葉にすると周りの人も自分を励ましてくれて、
「ぐすっ······ありがとう皆、フィン。あたし、もうめげない」
「ピィ」
ブルー·バードも左肩に乗り涙を手で拭い彼女はフィンや周りの人の言葉、そして今も必死に戦っている赤い龍、皆に励まされ笑顔を取り戻す。
その事に周りは安堵し、ロマーヌは空の上で戦うレッド·ドラゴンの無事を強く祈り続ける。
「死なないで、レッド·ドラゴンさん」
「――どうしたレッド、なぜ避けん?」
「フンッ、貴様のブレスなど避けるまでもないわ」
彼は下のフローティアにこれ以上被害が及ばぬように避けずに尻尾で払っていた。
「避けぬ理由はわかっている。だが容赦はせんぞ!」
互いにブレス吐き、または高速で飛行しながら龍の爪が当たり合い、肩に翼にそして顔にかすり傷を負っていく。
「やるなブルー、貴様と戦うのは初めてだな」
「今さら許されようなどと思うなよレッドッ!」
普段は水のように大人しいブルー·ドラゴンが熱くなり、燃えているだろうと思われるレッド·ドラゴンは冷静なため『死なないでレッド·ドラゴンさん』脳に語りかけるロマーヌの声を見逃さなかった。
「元気を取り戻したようだなロマーヌ」
「あっ、レッド·ドラゴンさん!」
彼は精神感応で彼女に言葉を送る。
「ゆっくりと話をしたいが今はそれどころではない、なので要件だけ聞いてくれ――」
ロマーヌに内容を送り、
「――はい、わかりました」
「頼んだぞ」
戦う赤い龍を見守っていた彼女は振り向いて皆に、
「皆さん町の外へ避難しましょう」
「ロマーヌさん?」
それは町民を守りながらの戦いは不利なこと、さらには追い込まれた青い龍が皆に仕掛ないとも限らないとレッド·ドラゴンは危惧していることを話す。
「分かりましたロマーヌさん、僕は父の方へ行ってこの事を伝えます」
お母さんやブレットおばあちゃんの周りの人も理解する。
急いで向かおうとしたが、すぐ足を止めるフィンは、
「あ、そうだ、ロマーヌさん」
「はい、なんですか?」
「あのー~パジャマの脚の部分が濡れてるので着替えた方がいいと思います」
自分がパジャマ姿で髪の毛も結んでいない事を忘れていて頬を赤くしたロマーヌ、
「わ、わかってます、は、早く行ってください!」
彼は笑顔で屋根からロマーヌの家の窓へと降りて行く。
彼女もお母さんと、特にお年寄りのブレットおばあちゃんを先に町から避難させるために行動に移す。
勿論、ちゃんと着替えて······。
ロマーヌ達が避難をしている中、2匹の龍による戦いはさらに激しさを増していく。
「落ち着いたかいロマーヌ」
「お母、さん、ぐすっ、わたし、どうしたら」
気持ちを落ち着かせるが、襲われた町を思うとまた涙が溢れる。屋根の上でそれを繰り返していた。
「ロマーヌちゃんのせいじゃないよ」
ブレットおばあちゃんが言うと皆で慰めるが止まらず、後悔するロマーヌを見ていたフィンが、
「ロマーヌさんっ、自責の念に駆られないで!」
「ちょっとフィン君」
彼の強い口調に娘を心配するお母さん。
でも、
「あなたは悪くない、悪いのはあの青い龍の方なんだ」
「······でも、わたしが、ううっ」
「あなたが悪いなら、なぜあっちの赤い龍が青い龍と戦うんですか······なぜあんなに必死にあなたをを守るんですか、ロマーヌさんっ!」
上を見上げれば、上空で太陽に照らされる2匹の龍が激突している。
すると、
「え、雨?」
快晴なのに降ってきたそれは、ブルー·ドラゴンの吐き出すウォーター·ブレスをレッド·ドラゴンが尻尾で払った事による雨粒だったのだ。
「······元気を出してくださいロマーヌさん、そして、いつもの笑顔の素敵なあなたに戻って来てください。お願いしますロマーヌさん」
フィンもロマーヌを好いている。
だからこそ彼女に元気を取り戻してほしいという想いを込めて言葉にすると周りの人も自分を励ましてくれて、
「ぐすっ······ありがとう皆、フィン。あたし、もうめげない」
「ピィ」
ブルー·バードも左肩に乗り涙を手で拭い彼女はフィンや周りの人の言葉、そして今も必死に戦っている赤い龍、皆に励まされ笑顔を取り戻す。
その事に周りは安堵し、ロマーヌは空の上で戦うレッド·ドラゴンの無事を強く祈り続ける。
「死なないで、レッド·ドラゴンさん」
「――どうしたレッド、なぜ避けん?」
「フンッ、貴様のブレスなど避けるまでもないわ」
彼は下のフローティアにこれ以上被害が及ばぬように避けずに尻尾で払っていた。
「避けぬ理由はわかっている。だが容赦はせんぞ!」
互いにブレス吐き、または高速で飛行しながら龍の爪が当たり合い、肩に翼にそして顔にかすり傷を負っていく。
「やるなブルー、貴様と戦うのは初めてだな」
「今さら許されようなどと思うなよレッドッ!」
普段は水のように大人しいブルー·ドラゴンが熱くなり、燃えているだろうと思われるレッド·ドラゴンは冷静なため『死なないでレッド·ドラゴンさん』脳に語りかけるロマーヌの声を見逃さなかった。
「元気を取り戻したようだなロマーヌ」
「あっ、レッド·ドラゴンさん!」
彼は精神感応で彼女に言葉を送る。
「ゆっくりと話をしたいが今はそれどころではない、なので要件だけ聞いてくれ――」
ロマーヌに内容を送り、
「――はい、わかりました」
「頼んだぞ」
戦う赤い龍を見守っていた彼女は振り向いて皆に、
「皆さん町の外へ避難しましょう」
「ロマーヌさん?」
それは町民を守りながらの戦いは不利なこと、さらには追い込まれた青い龍が皆に仕掛ないとも限らないとレッド·ドラゴンは危惧していることを話す。
「分かりましたロマーヌさん、僕は父の方へ行ってこの事を伝えます」
お母さんやブレットおばあちゃんの周りの人も理解する。
急いで向かおうとしたが、すぐ足を止めるフィンは、
「あ、そうだ、ロマーヌさん」
「はい、なんですか?」
「あのー~パジャマの脚の部分が濡れてるので着替えた方がいいと思います」
自分がパジャマ姿で髪の毛も結んでいない事を忘れていて頬を赤くしたロマーヌ、
「わ、わかってます、は、早く行ってください!」
彼は笑顔で屋根からロマーヌの家の窓へと降りて行く。
彼女もお母さんと、特にお年寄りのブレットおばあちゃんを先に町から避難させるために行動に移す。
勿論、ちゃんと着替えて······。
ロマーヌ達が避難をしている中、2匹の龍による戦いはさらに激しさを増していく。
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