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ユメノオワリ
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――それは、
「未来さん!」
「よせー!」
融合気候獣に触れた時······。
「ふう~、普通の空間ね」
すると左右に猿と鳥がいた。
「さあー、どうするか~」
考えていたら、二匹が私の両手に触れて、
「え、なんだろう。もういいの?」
特に何もしてないのになんというか、ワクワクが伝わってくる。
「ありがとう」
と思ったら······。
――今日は八月九日は蝶都市の蝶都祭りに、着物をお母さんに手伝ってもらい、
「ふ~――よしっ、これでOKっ······ママ~っ」
「何~、未来?」
言いたいけど思い出せず、
「何でもな~い、行ってくる~」
「いってらしゃ~い」
お祭りが楽しみなはずなのに、ぼんやりする。
そんなことが頭をかすめながらお祭りへ向かった。
――愛ちゃんと待ち合わせの方に向かっていると、屋台のわたあめとか、お面とかっ、あと~おでんも売ってる。そこに、
「あっ、唐揚げ······」
と、つい声が出てしまった。
「お~、いらっしゃ~い、いかがですか~?」
屋台のおじさんに勧められて、
「じゃあ一カップ下さいっ」
「まいど~!」
「······う~ん、美味しいっ!」
私は愛ちゃんに悪いと思いながら待ち合わせに向かう······。
「お待たせっ」
「あっ、未来ちゃん、ってもう食べてるし」
「ごめんごめん、つい誘惑に負けちゃって、ははっ······」
「まあ、いいけどさっ」
呆れた愛ちゃん。すると、
「お~いっ、こっちこっち~」
手を振る人が、
「誰?」
「いいから、行こう、未来ちゃん」
「うん」
二人は着なれない着物なので仕方なく歩いていく。
「お待たせ、徹君」
「愛さん、隅野さん、僕も着いたばかりだよ」
さらに愛ちゃんが、
「······着物どう? おしゃれしてみたの」
「似合ってるね」
「ありがとう~、お母さんに手伝ってもらったの」
二人の雰囲気に、
「ねえ、ちょっと愛ちゃん」
「ん?」
「もしかして······二人は付き合ってる?」
「ふふ、バレた? 実はそうなの」
「へ~、やるじゃん愛ちゃん」
「ふふふっ」
すんごく嬉しそう、愛ちゃんいいな~······でも何か変な感じがする。
「やっぱり女子は凄いな~、男子よりも力の入れようが違うね」
「女子の方が、お·と·な、なのっ」
二人を見ていると、何か違う気がする。そりゃ道長君はいい人だし~······愛ちゃんと付き合うなんて······完全に嫉妬だ。
「ねえ、僕唐揚げ食べていいかなあ、お腹の空いちゃって、愛さんは食べる?」
「うん、あたしも食べる~」
さっき食べた私は断り、音頭を観て、踊ってる人達に交ざろうとした時、誰かが私の着物を掴んだ。
「なにっ?」
掴んだ方に振り向くと、
「子供~?」
3歳、5歳くらいの子が着物を離さない。
「どうしたの、僕~?」
「あっ······あっ」
喋れないみたい。
「どうしよ~、迷子かな~」
「未来ちゃ~ん」
愛の声が聞こえたので、
「今行く~」
とは言えどうしたら······。
「えっ、いないっ、あれ?」
さっきの子は一体······。
そろそろ蝶都祭りも終わりに、
「もうお祭りも終わりだね。帰ろうか」
「お~い未来ちゃん、まださっき見た子が心配なの?」
「うん······」
「きっと親が見つけて帰ってるわよっ」
「そうね」
こうして蝶都祭りも終わった······。
――八月二十三日、蝶都祭りも終わって二週間、あの日から気持ちのモヤモヤが消えていなかった。愛ちゃんは道長君と付き合うっ、嬉しいはずなのに······私も道長君のこと好きなのかな~、それにあの子、
「······あ~も~」
自分の部屋でむしゃくしゃしていたら、
「何よ、どうしたの~?」
お母さんが、たまらずに来た。
「何かモヤモヤしてさ~」
「珍しいわね、外でも歩いてきたらスッキリするんじゃない?」
「え~っ、外暑いじゃん」
「じゃあ、ぐだぐだ言ってないでよ~」
「フンだっ、あたし外出てくるっ!」
「いってらっしゃ~い」
外に出たら空には元気に太陽君がギンギンと肌に光線をくらうようにあたり、
「あ~暑い~」
うちわを扇ぎながら家に近い木陰で涼しむ。
「あ~気持ちー」
するとそこに子供の姿が、
「あっ、君······またはぐれたの?」
話を聞いてないのか、私の右手を引っ張り、
「ちょちょっと、どこ行くのよ――」
「――ここが未来の言ってた白い空間······うっ」
頭痛がする、やっぱりちゃんとテストしてないからだ。でも今は未来を探さなくちゃ。そう思うが三百六十度全て真っ白な空間、さてどうすれば······考えて少し経つと、
「んっ――子供、どうしてっ?」
その子は未来と同じ肌色だが、彼女ではない気がする。
するとその子はオレの右手を引っ張り、
「な、なんだ······そうかっ!」
もしかしたらこの子が未来のいそうな場所を知ってるかもしれない、そう考え子供に連れられていくと――。
突然景色が現れ、子供も消えている。
「ここは······」
周りを見渡すと、
「未来の実家の近く――」
「ちょちょっと~」
子供に引っ張られた先にネクタイと黒いスーツを着た男の人が、
「みっ······みらい、未来ぃぃぃーっ!」
「わっ!」両肩を掴む、
「うっうっ、よかった未来~」
男の人は泣き崩れた。どうしようと思い、
「あ、あの~」
男の人が顔をあげると、
「あっ、あなた、道長君?」
でも、少し大人っぽいし、
「未来、どうしたんだ?」
「えっ······」なぜか声が出ない、鼓動がする。
「未来ごめん、嬉しくて気が動転してたよ」
そう言って彼は立ち上がり、
「未来っ······オレの目を見て、思い出してっ!」
どうしてか彼の目を見る、
やっぱり彼は徹······とおる?
どうして呼び捨て······、
だって結婚······、
結婚······おかあさん、
「あ······あぁっ」
「未来」
「······ど、どうしてこんな、ううっ·····」
全てを思いだし、私は泣き崩れる。
「徹~、うっ······うっ」
「未来」
二人は抱き合う。
「未来さん!」
「よせー!」
融合気候獣に触れた時······。
「ふう~、普通の空間ね」
すると左右に猿と鳥がいた。
「さあー、どうするか~」
考えていたら、二匹が私の両手に触れて、
「え、なんだろう。もういいの?」
特に何もしてないのになんというか、ワクワクが伝わってくる。
「ありがとう」
と思ったら······。
――今日は八月九日は蝶都市の蝶都祭りに、着物をお母さんに手伝ってもらい、
「ふ~――よしっ、これでOKっ······ママ~っ」
「何~、未来?」
言いたいけど思い出せず、
「何でもな~い、行ってくる~」
「いってらしゃ~い」
お祭りが楽しみなはずなのに、ぼんやりする。
そんなことが頭をかすめながらお祭りへ向かった。
――愛ちゃんと待ち合わせの方に向かっていると、屋台のわたあめとか、お面とかっ、あと~おでんも売ってる。そこに、
「あっ、唐揚げ······」
と、つい声が出てしまった。
「お~、いらっしゃ~い、いかがですか~?」
屋台のおじさんに勧められて、
「じゃあ一カップ下さいっ」
「まいど~!」
「······う~ん、美味しいっ!」
私は愛ちゃんに悪いと思いながら待ち合わせに向かう······。
「お待たせっ」
「あっ、未来ちゃん、ってもう食べてるし」
「ごめんごめん、つい誘惑に負けちゃって、ははっ······」
「まあ、いいけどさっ」
呆れた愛ちゃん。すると、
「お~いっ、こっちこっち~」
手を振る人が、
「誰?」
「いいから、行こう、未来ちゃん」
「うん」
二人は着なれない着物なので仕方なく歩いていく。
「お待たせ、徹君」
「愛さん、隅野さん、僕も着いたばかりだよ」
さらに愛ちゃんが、
「······着物どう? おしゃれしてみたの」
「似合ってるね」
「ありがとう~、お母さんに手伝ってもらったの」
二人の雰囲気に、
「ねえ、ちょっと愛ちゃん」
「ん?」
「もしかして······二人は付き合ってる?」
「ふふ、バレた? 実はそうなの」
「へ~、やるじゃん愛ちゃん」
「ふふふっ」
すんごく嬉しそう、愛ちゃんいいな~······でも何か変な感じがする。
「やっぱり女子は凄いな~、男子よりも力の入れようが違うね」
「女子の方が、お·と·な、なのっ」
二人を見ていると、何か違う気がする。そりゃ道長君はいい人だし~······愛ちゃんと付き合うなんて······完全に嫉妬だ。
「ねえ、僕唐揚げ食べていいかなあ、お腹の空いちゃって、愛さんは食べる?」
「うん、あたしも食べる~」
さっき食べた私は断り、音頭を観て、踊ってる人達に交ざろうとした時、誰かが私の着物を掴んだ。
「なにっ?」
掴んだ方に振り向くと、
「子供~?」
3歳、5歳くらいの子が着物を離さない。
「どうしたの、僕~?」
「あっ······あっ」
喋れないみたい。
「どうしよ~、迷子かな~」
「未来ちゃ~ん」
愛の声が聞こえたので、
「今行く~」
とは言えどうしたら······。
「えっ、いないっ、あれ?」
さっきの子は一体······。
そろそろ蝶都祭りも終わりに、
「もうお祭りも終わりだね。帰ろうか」
「お~い未来ちゃん、まださっき見た子が心配なの?」
「うん······」
「きっと親が見つけて帰ってるわよっ」
「そうね」
こうして蝶都祭りも終わった······。
――八月二十三日、蝶都祭りも終わって二週間、あの日から気持ちのモヤモヤが消えていなかった。愛ちゃんは道長君と付き合うっ、嬉しいはずなのに······私も道長君のこと好きなのかな~、それにあの子、
「······あ~も~」
自分の部屋でむしゃくしゃしていたら、
「何よ、どうしたの~?」
お母さんが、たまらずに来た。
「何かモヤモヤしてさ~」
「珍しいわね、外でも歩いてきたらスッキリするんじゃない?」
「え~っ、外暑いじゃん」
「じゃあ、ぐだぐだ言ってないでよ~」
「フンだっ、あたし外出てくるっ!」
「いってらっしゃ~い」
外に出たら空には元気に太陽君がギンギンと肌に光線をくらうようにあたり、
「あ~暑い~」
うちわを扇ぎながら家に近い木陰で涼しむ。
「あ~気持ちー」
するとそこに子供の姿が、
「あっ、君······またはぐれたの?」
話を聞いてないのか、私の右手を引っ張り、
「ちょちょっと、どこ行くのよ――」
「――ここが未来の言ってた白い空間······うっ」
頭痛がする、やっぱりちゃんとテストしてないからだ。でも今は未来を探さなくちゃ。そう思うが三百六十度全て真っ白な空間、さてどうすれば······考えて少し経つと、
「んっ――子供、どうしてっ?」
その子は未来と同じ肌色だが、彼女ではない気がする。
するとその子はオレの右手を引っ張り、
「な、なんだ······そうかっ!」
もしかしたらこの子が未来のいそうな場所を知ってるかもしれない、そう考え子供に連れられていくと――。
突然景色が現れ、子供も消えている。
「ここは······」
周りを見渡すと、
「未来の実家の近く――」
「ちょちょっと~」
子供に引っ張られた先にネクタイと黒いスーツを着た男の人が、
「みっ······みらい、未来ぃぃぃーっ!」
「わっ!」両肩を掴む、
「うっうっ、よかった未来~」
男の人は泣き崩れた。どうしようと思い、
「あ、あの~」
男の人が顔をあげると、
「あっ、あなた、道長君?」
でも、少し大人っぽいし、
「未来、どうしたんだ?」
「えっ······」なぜか声が出ない、鼓動がする。
「未来ごめん、嬉しくて気が動転してたよ」
そう言って彼は立ち上がり、
「未来っ······オレの目を見て、思い出してっ!」
どうしてか彼の目を見る、
やっぱり彼は徹······とおる?
どうして呼び捨て······、
だって結婚······、
結婚······おかあさん、
「あ······あぁっ」
「未来」
「······ど、どうしてこんな、ううっ·····」
全てを思いだし、私は泣き崩れる。
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