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罠
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「――ここまで送ってくれてありがとう。それじゃ気をつけてねネモネアちゃん」
「はい、ありがとうございます。じゃあ」
あたいたちは砂浜で出会った夫婦を無事ラングネス城下町まで送り届けて別れた。
「――アヴエロのこと聞かなくて良かったのかネモネア」
「うん、聞きたいけど今は一緒じゃないし……心配かけちゃうから」
「たしかにあの奥さんが勇者アヴエロが行方不明と知ったら倒れそうですもんね」
アヴエロが何処にいるかは詳しくは知らない。そんな状態で喋っても心配の種を増やすだけだから、心苦しいけど黙ってる事にした。
それにしてもアヴエロの家族に、両親に出会うなんて、逞しいお父さんと母性溢れるお母さんだしもっとちゃんと挨拶とかしといた方が良かったかな。
「おいネモネア遅いよ、早く砂浜に戻って水晶花みつけるぞ」
「ああ、ごめん」
今度はアヴエロと一緒に改めて挨拶しよう、そうなるように今は見つけるんだ……。
「――やっぱり見あたらない」
「小さい物ですからね、仕方ないでしょ」
青い薔薇の時は落とし穴の先にあったから、普通の砂浜に落ちてるわけないか。それならと出してみると微かに青く光ってる。
「少し光ってる……ねぇ、エメール、モント」
首を振りながら一度2人を呼び戻す。
「地上の最先端に行ってみない? すぐ近くだから」
「……そうね、ここに手がかりなさそうだし」
「水晶花も光っていますからね、行ってみましょう」
ラングネスの村から歩いて10分も満たない距離にあるツオーゴ最先端、そこは当たり前だが静かな海が広がるだけ。でも青い薔薇は光り続けている。
そうして眺めていると海から大きな音が、あたいら3人の目にしたのは海に開くどこまでも暗く漆黒の大きな穴。
「あたいは入るよ」
「ネモネア・プリンセスッ、しかし……」
目を閉じ深呼吸……怖くないといえば嘘、でもここで恐れてしまえばアヴエロたちに会えない気がする。いや、そう思うのはあたいの不安な気持ちからだ。一度は死を覚悟したけど今度はそうはいかない、何があっても超えて見せる。
「いくよっ……」
「ああっ、プリンセスゥ!」
「あたしも行く、やっと掴んだ姉さんの手掛かりを逃してたまるか」
「あ、モント・プリンセスまで……やれやれ、お強いことで」
呆れながら観念したようにエメールも飛び降りた。
「――うわぁぁぁって、あれ?」
「うわっと、着地できた、変だな」
「よっと」
どうやら普通の落とし穴と違ってスタッと静かに着地できた。やっぱりこの青い薔薇の効果なのだろうか。
「前はアヴエロの偽物と戦う事になったから今回も何かあると思う、覚悟して進もう」
頷く2人、あたいの言葉で自然な雰囲気から良い緊張感を高め足を運んでいく。
「――フンフーン、フンフーン……はやくこないかな~」
「広間だ、ここに……」
「あ、きたーっ、ネ・モ・ネ・ア」
「あんたはっ、クレマッ!」
「覚えててくれたんだ~、う~れし~」
「この前の美しい御方」
「あいつは前の……なんだっ?」
あたいたちの前に鎌使いのクレマがまた現れた、いや待っていた。そして突然とエメール、モントの足元に魔法陣が出現する。
「エメールッ、モントッ!」
「うふっ」
魔法陣の中は吸い込むように動き出し、中の2人は消えた。
「何をした……クレマァッ!」
「何って~、あいつらがいると何かと邪魔じゃない。あたしは~ネモネアと遊んで~……殺したいの」
遊びってふざけて、でもそんなことより2人が心配だ。だがどう見ても簡単に倒せそうにない相手。
「クレマ」
「うふっ、な~に~ネモネア」
「いいよ、とことん殺りたいみたいだし遊んでやるよ」
「キャッ、やさしいのねネモネア」
「あたいも心配なくあんたと戦いたい、だから教えてよ、エメールとモントを何処にやった?」
「知・り・た・い・のね、いいわよ、あいつらなら……」
「――ここは、別の洞窟か……あれは青い薔薇?」
「モント……」
「姉さんっ!」
「モント、アナタに私は倒せない……」
「――どうやら別の場所に来たようですね。2人のプリンセスは……何とか戻らなければ」
「また……逃げるのか、エメール」
「あ、あなたはっ……師匠……」
「――水晶花のある、別の洞窟……」
「そうよ、そこできっとお友達は自身の想いが強い何かと戦って……死ぬわ」
2人もあたいが受けた青い薔薇の偽物と戦う、ならもたもたしてらんないと両腕をクロスさせ両爪を伸ばす。
「……なにがそんなに面白いかは知らない。でもあたいにとって初めて共に旅してる大切な仲間なの、悪いけど全力であんたを倒す、クレマッ!」
「うふふふふ、なんか貴女と話してると楽しいわ~、楽しくて……たまらないわよっ、ネモネアッ、あたしの鎌で死になさいっ!」
「はい、ありがとうございます。じゃあ」
あたいたちは砂浜で出会った夫婦を無事ラングネス城下町まで送り届けて別れた。
「――アヴエロのこと聞かなくて良かったのかネモネア」
「うん、聞きたいけど今は一緒じゃないし……心配かけちゃうから」
「たしかにあの奥さんが勇者アヴエロが行方不明と知ったら倒れそうですもんね」
アヴエロが何処にいるかは詳しくは知らない。そんな状態で喋っても心配の種を増やすだけだから、心苦しいけど黙ってる事にした。
それにしてもアヴエロの家族に、両親に出会うなんて、逞しいお父さんと母性溢れるお母さんだしもっとちゃんと挨拶とかしといた方が良かったかな。
「おいネモネア遅いよ、早く砂浜に戻って水晶花みつけるぞ」
「ああ、ごめん」
今度はアヴエロと一緒に改めて挨拶しよう、そうなるように今は見つけるんだ……。
「――やっぱり見あたらない」
「小さい物ですからね、仕方ないでしょ」
青い薔薇の時は落とし穴の先にあったから、普通の砂浜に落ちてるわけないか。それならと出してみると微かに青く光ってる。
「少し光ってる……ねぇ、エメール、モント」
首を振りながら一度2人を呼び戻す。
「地上の最先端に行ってみない? すぐ近くだから」
「……そうね、ここに手がかりなさそうだし」
「水晶花も光っていますからね、行ってみましょう」
ラングネスの村から歩いて10分も満たない距離にあるツオーゴ最先端、そこは当たり前だが静かな海が広がるだけ。でも青い薔薇は光り続けている。
そうして眺めていると海から大きな音が、あたいら3人の目にしたのは海に開くどこまでも暗く漆黒の大きな穴。
「あたいは入るよ」
「ネモネア・プリンセスッ、しかし……」
目を閉じ深呼吸……怖くないといえば嘘、でもここで恐れてしまえばアヴエロたちに会えない気がする。いや、そう思うのはあたいの不安な気持ちからだ。一度は死を覚悟したけど今度はそうはいかない、何があっても超えて見せる。
「いくよっ……」
「ああっ、プリンセスゥ!」
「あたしも行く、やっと掴んだ姉さんの手掛かりを逃してたまるか」
「あ、モント・プリンセスまで……やれやれ、お強いことで」
呆れながら観念したようにエメールも飛び降りた。
「――うわぁぁぁって、あれ?」
「うわっと、着地できた、変だな」
「よっと」
どうやら普通の落とし穴と違ってスタッと静かに着地できた。やっぱりこの青い薔薇の効果なのだろうか。
「前はアヴエロの偽物と戦う事になったから今回も何かあると思う、覚悟して進もう」
頷く2人、あたいの言葉で自然な雰囲気から良い緊張感を高め足を運んでいく。
「――フンフーン、フンフーン……はやくこないかな~」
「広間だ、ここに……」
「あ、きたーっ、ネ・モ・ネ・ア」
「あんたはっ、クレマッ!」
「覚えててくれたんだ~、う~れし~」
「この前の美しい御方」
「あいつは前の……なんだっ?」
あたいたちの前に鎌使いのクレマがまた現れた、いや待っていた。そして突然とエメール、モントの足元に魔法陣が出現する。
「エメールッ、モントッ!」
「うふっ」
魔法陣の中は吸い込むように動き出し、中の2人は消えた。
「何をした……クレマァッ!」
「何って~、あいつらがいると何かと邪魔じゃない。あたしは~ネモネアと遊んで~……殺したいの」
遊びってふざけて、でもそんなことより2人が心配だ。だがどう見ても簡単に倒せそうにない相手。
「クレマ」
「うふっ、な~に~ネモネア」
「いいよ、とことん殺りたいみたいだし遊んでやるよ」
「キャッ、やさしいのねネモネア」
「あたいも心配なくあんたと戦いたい、だから教えてよ、エメールとモントを何処にやった?」
「知・り・た・い・のね、いいわよ、あいつらなら……」
「――ここは、別の洞窟か……あれは青い薔薇?」
「モント……」
「姉さんっ!」
「モント、アナタに私は倒せない……」
「――どうやら別の場所に来たようですね。2人のプリンセスは……何とか戻らなければ」
「また……逃げるのか、エメール」
「あ、あなたはっ……師匠……」
「――水晶花のある、別の洞窟……」
「そうよ、そこできっとお友達は自身の想いが強い何かと戦って……死ぬわ」
2人もあたいが受けた青い薔薇の偽物と戦う、ならもたもたしてらんないと両腕をクロスさせ両爪を伸ばす。
「……なにがそんなに面白いかは知らない。でもあたいにとって初めて共に旅してる大切な仲間なの、悪いけど全力であんたを倒す、クレマッ!」
「うふふふふ、なんか貴女と話してると楽しいわ~、楽しくて……たまらないわよっ、ネモネアッ、あたしの鎌で死になさいっ!」
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