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両親との和解
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「――まぁっ、シスター・ヴィゴーレに会ったのっ?」
「うん、カルタのこと知ってて驚いた」
「まぁああ、懐かしいわ~、あの子いつも自分に悩んでる子でね~、でもよく何でもするいい子だったのよ~」
ラングネスで会ったヴィゴーレの話しにめずらしくテンションの高いシスター・カルタ、こんなことは初めて。やっぱり懐かしいんだろうな。
「――それでその水晶のお花が揃ったのね」
「うん、これでもしかしたらアヴエロに……」
「そうね……そうだと良いわね」
そもそもブラック・オーブにそんな力があるとは何処にも書いていなかったから可能性は薄いかもしれないけど今はこれにかけるしかない。
「ネモネア」
「あ、ごめんシスター」
「今日は疲れたでしょ、食事をとったらゆっくり眠るといいわ」
たくさん戦ったし、ちゃんと睡眠をとってラングネスに向かわなくちゃ。と、思ったけどあたいを待っていたのはカルタやジュリだけじゃない。
「「ネモネアーッ!」」
「みんな、いい子にしてた?」
元気な子どもたち。あたいが帰ってきてまるで魔法でもかかったかのようなテンションで頭を撫でてあげたり、抱っこしてたら扉から顔半分を出す子が。
「……ネモネア」
「ブリジット」
「ネモネアァーッ!」
抱きついてきたのはブリジットだった。
「ブリジット……あたいが勝手に出ていっちゃって、ごめんね」
「……うん、でも、おこってないよ」
「え? てっきり怒ってるかと思ったけど」
「うんうん……ネモネアかいふくしてあげる」
ブリジットが回復魔法を唱えた。ちゃんとスオーロに言われたとおり練習を続けてたみたい。
「ありがとうブリジット」
「ネモネア……また、そとでるの?」
「う~ん、実はそうなんだ、ごめん」
「「ええーネモネア、いっちゃうの~?」」
他の子たちも話しを聞いていてあたいが旅に出ると言ったら寂しそうな目をしてる。
「……そうおもった」
「そうなのブリジット?」
「うん」
ニコニコなブリジットは何か思うとこがあるのかもしれないけど、分かってくれてるのは正直ありがたく、子どもたちの成長を感じる……。
「――せっかくネモネアさん、帰ってきたのに」
「ごめんね……あとジュリ色々と大変だったのにありがとう」
「あ、あの、ネモネアさん」
「ジュリのお父さん……」
「ど、どうか気をつけてください」
あたいたちが一日泊まったのは、実はジュリの両親の家。魔獣が出現して教会が襲われる危険を感じたジュリはシスター・カルタや子どもたちと眠っていたあたいを、喧嘩したクリスロッサの両親の家に向かった。意地も何もかも捨ててジュリは、いま自分が大切な人たちを護るために両親に頭を下げるつもりだった。
「お父さんお母さんと和解できてよかったね、ジュリ」
「はい、ネモネアさん」
けど、両親はジュリを受け入れた。喧嘩別れしたあと突然起きた光る壁とともに外で現れた魔獣、人々の噂で城下町だけ光る壁に守られていると知って両親は一気に娘ジュリのことが心配となり、後悔の念で押しつぶされたという。
「私たちはつまらない事に拘っていたのが恥ずかしい」
「あなた……」
城下町から聞こえる魔獣に襲われたという話しを耳にするたびに、涙を浮かべるジュリの母と無力感を味わったジュリの父。
そんな絶望の中で扉から現れた娘を誰が追い出だすものか。全てを受け入れた両親と娘のわだかまりが消えた瞬間だった……。
「私たちは今こうして生きている、だからそんなに自分をせめないで、お父さんお母さん……」
「ジュリ……うっうっ……」
「ほんとうによかったよジュリ、それにお父さんとお母さんと……カルタ、行ってくる」
灰色の空でも笑顔のジュリ、彼女にとっては災い転じて福となった。それとシスター・カルタや子どもたちも元気であたいも笑顔になった。
「いい家族ねネモネア」
「うん……だから絶対に護りたい」
「それではラングネスに急ぎましょう……」
でも魔王や魔獣の問題を解決しないと真の平穏は訪れない、その思いを胸にクリスロッサを後にした……。
「ねえブリジット、どうしてネモネアを許せるようになったの?」
「シスター……だって……あのね、ネモネアはアヴエロだいすきなんだよ」
――ラングネスまで通常通り、村から北へとひたすら進んで行った。待ってましたと魔獣は現れる。
「魔獣ホース、弱点は……」
「知っているっ、教わったからなっ!」
そう言いきったモントは魔獣ホースを誘導し自分の魔法で出だした岩だす。すると魔獣は飛び越えて、
「弱点は、お腹……やあっ!」
腹を突き刺し倒した。
「さすがモント・プリンセス」
「覚えちゃったんだね……モント?」
じっと自分の剣を見つめる。何か思い詰めてるのかな、それとも前に偽ソレイルの事を考えてるとか。
「ネモネア、まだまだあたしの知らない魔獣っているかな」
「え……いるよ、魔獣ラビットとかスネークとかツチノコとかまだまだたくさん」
「そっか、ラングネスに入るぞ」
「うん」
心配はなさそうだし、頭を切り替えてラングネスに入ることにした……。
「――ネモネアッ!」
「ヴィゴーレッ」
「あ~ん、心配したわ~」
「フフッ、大変なこともあったけどちゃんと水晶花3つ手に入れてきたよ」
「はやっ!」
水晶花はそれぞれ別の形をしていて紫のラベンダーとあと、なんだろう。
「モント、わかる?」
「は、花かっ……知らない」
「ふむふむ、この星型の形はアベリア、この花弁の多さはガーベラですかね」
軽快に話すエメールは花に詳しいみたい。さすが旅の魔法剣士、って関係ないか。とにかくこれでいよいよブラック・オーブの封印が解ける……。
「うん、カルタのこと知ってて驚いた」
「まぁああ、懐かしいわ~、あの子いつも自分に悩んでる子でね~、でもよく何でもするいい子だったのよ~」
ラングネスで会ったヴィゴーレの話しにめずらしくテンションの高いシスター・カルタ、こんなことは初めて。やっぱり懐かしいんだろうな。
「――それでその水晶のお花が揃ったのね」
「うん、これでもしかしたらアヴエロに……」
「そうね……そうだと良いわね」
そもそもブラック・オーブにそんな力があるとは何処にも書いていなかったから可能性は薄いかもしれないけど今はこれにかけるしかない。
「ネモネア」
「あ、ごめんシスター」
「今日は疲れたでしょ、食事をとったらゆっくり眠るといいわ」
たくさん戦ったし、ちゃんと睡眠をとってラングネスに向かわなくちゃ。と、思ったけどあたいを待っていたのはカルタやジュリだけじゃない。
「「ネモネアーッ!」」
「みんな、いい子にしてた?」
元気な子どもたち。あたいが帰ってきてまるで魔法でもかかったかのようなテンションで頭を撫でてあげたり、抱っこしてたら扉から顔半分を出す子が。
「……ネモネア」
「ブリジット」
「ネモネアァーッ!」
抱きついてきたのはブリジットだった。
「ブリジット……あたいが勝手に出ていっちゃって、ごめんね」
「……うん、でも、おこってないよ」
「え? てっきり怒ってるかと思ったけど」
「うんうん……ネモネアかいふくしてあげる」
ブリジットが回復魔法を唱えた。ちゃんとスオーロに言われたとおり練習を続けてたみたい。
「ありがとうブリジット」
「ネモネア……また、そとでるの?」
「う~ん、実はそうなんだ、ごめん」
「「ええーネモネア、いっちゃうの~?」」
他の子たちも話しを聞いていてあたいが旅に出ると言ったら寂しそうな目をしてる。
「……そうおもった」
「そうなのブリジット?」
「うん」
ニコニコなブリジットは何か思うとこがあるのかもしれないけど、分かってくれてるのは正直ありがたく、子どもたちの成長を感じる……。
「――せっかくネモネアさん、帰ってきたのに」
「ごめんね……あとジュリ色々と大変だったのにありがとう」
「あ、あの、ネモネアさん」
「ジュリのお父さん……」
「ど、どうか気をつけてください」
あたいたちが一日泊まったのは、実はジュリの両親の家。魔獣が出現して教会が襲われる危険を感じたジュリはシスター・カルタや子どもたちと眠っていたあたいを、喧嘩したクリスロッサの両親の家に向かった。意地も何もかも捨ててジュリは、いま自分が大切な人たちを護るために両親に頭を下げるつもりだった。
「お父さんお母さんと和解できてよかったね、ジュリ」
「はい、ネモネアさん」
けど、両親はジュリを受け入れた。喧嘩別れしたあと突然起きた光る壁とともに外で現れた魔獣、人々の噂で城下町だけ光る壁に守られていると知って両親は一気に娘ジュリのことが心配となり、後悔の念で押しつぶされたという。
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「あなた……」
城下町から聞こえる魔獣に襲われたという話しを耳にするたびに、涙を浮かべるジュリの母と無力感を味わったジュリの父。
そんな絶望の中で扉から現れた娘を誰が追い出だすものか。全てを受け入れた両親と娘のわだかまりが消えた瞬間だった……。
「私たちは今こうして生きている、だからそんなに自分をせめないで、お父さんお母さん……」
「ジュリ……うっうっ……」
「ほんとうによかったよジュリ、それにお父さんとお母さんと……カルタ、行ってくる」
灰色の空でも笑顔のジュリ、彼女にとっては災い転じて福となった。それとシスター・カルタや子どもたちも元気であたいも笑顔になった。
「いい家族ねネモネア」
「うん……だから絶対に護りたい」
「それではラングネスに急ぎましょう……」
でも魔王や魔獣の問題を解決しないと真の平穏は訪れない、その思いを胸にクリスロッサを後にした……。
「ねえブリジット、どうしてネモネアを許せるようになったの?」
「シスター……だって……あのね、ネモネアはアヴエロだいすきなんだよ」
――ラングネスまで通常通り、村から北へとひたすら進んで行った。待ってましたと魔獣は現れる。
「魔獣ホース、弱点は……」
「知っているっ、教わったからなっ!」
そう言いきったモントは魔獣ホースを誘導し自分の魔法で出だした岩だす。すると魔獣は飛び越えて、
「弱点は、お腹……やあっ!」
腹を突き刺し倒した。
「さすがモント・プリンセス」
「覚えちゃったんだね……モント?」
じっと自分の剣を見つめる。何か思い詰めてるのかな、それとも前に偽ソレイルの事を考えてるとか。
「ネモネア、まだまだあたしの知らない魔獣っているかな」
「え……いるよ、魔獣ラビットとかスネークとかツチノコとかまだまだたくさん」
「そっか、ラングネスに入るぞ」
「うん」
心配はなさそうだし、頭を切り替えてラングネスに入ることにした……。
「――ネモネアッ!」
「ヴィゴーレッ」
「あ~ん、心配したわ~」
「フフッ、大変なこともあったけどちゃんと水晶花3つ手に入れてきたよ」
「はやっ!」
水晶花はそれぞれ別の形をしていて紫のラベンダーとあと、なんだろう。
「モント、わかる?」
「は、花かっ……知らない」
「ふむふむ、この星型の形はアベリア、この花弁の多さはガーベラですかね」
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