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交信
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――ツオーゴの空、そのさらに上には様々な星が自分をアピールするように小さく光っている宇宙。
そこでは自由に動く2つの隕石のような閃光がぶつかっている。
「もうよしなさい」
「何故だフラデーア? 油断すれば死ぬ殺し合い、楽しいではないか」
「……私とあなたは同じ力、どちらが勝つこともありません。もうこんな無意味なことをやめて、ツオーゴの魔獣を引かせてくださいシャンイレール」
「フッ、そうだな魔王と女神は全く同じ力、決着のつくことはない……女神フラデーアよ、いい加減この私のものになれ、そして私とお前だけの世界を創ろう」
「そのためにツオーゴを、そこに住む生命を滅ぼそうとする。あなたは私を愛しているのではなく自分のものにしたいだけ。そうすることがあなたの切望なのです」
「フフッ、当然だろ。私はわたし以外の誰にも惚れはしない、お前はただの私の人形として動くのだ女神フラデーア」
「生命を脅かす事に溺れた、可哀想な魔王……」
「弱者に寄り添うことしかできない哀れな女神……決着をつけよう」
互いの言葉を最後に衝突した光はより強く輝きツオーゴの夜空が明るくなったという……。
――あっという間に一月が過ぎた。と言ってもそれは異世界トアースの話でツオーゴでは一週間だけど。
「ミッション終了だ」
「ハァ、ハァ……ふぅ~、だいぶ慣れたかもアルビス」
黒い竜のあたいは背中に乗せた竜騎士のアルビスを下ろした。
「ああ、私を乗せて飛べるようになってからミッションを始めたがさすがだよ」
「アルビスに褒められるなんて、バチが当たりそう」
「……もう1ミッション行くか」
「ちょっと待ってよ、今やっと終わったんだから休まして」
「冗談だ、だが休憩よりも先に竜神様が呼んでいる、行くぞ」
「ふぅ~っ、わかったよ……」
ドラゴン・タワーの頂上にて、竜神ブラック・ドラゴンがあたいとエメールとモント、それとそれぞれの特訓のパートナーのアルビスにサファエルとミンシーも呼んでいるとの事で向かった。
「竜神様」
「よく来たな、ネモネア、エメール、モントよ。その竜の姿は様になってきたな」
「はい、空を自由に飛べるなんて夢みたいでした」
「そうか、それで竜の力は感じたか?」
「なんていうか魔力と似たような、けど竜力は力強く硬い感じがする」
「うむ、しっかりと使えるようになったようだ。ではこれにて特訓は終わり、お主たちを元の姿に戻そう」
久しぶりの元の姿に、今は竜の姿だった方がしっくりくるけどやっぱり元の自分は良い。
「エメール、モント、なんか懐かしいよ」
「……元の自分に戻ったのに、なんか違和感を感じる」
「一月ですからね、馴染むのを待ちましょう」
「それが本当の姿かネモネア」
「アルビス、そうよ」
「湧き出る闘志……百戦錬磨の獣のようだ」
「……試してみる?」
アルビスと目を見つめ合うと、
「「フフッ」」
笑っちゃう。だってさっきまでアルビスを乗せて移動して、一緒に戦った仲だから。
「冗談はそのくらいにして、地上に戻るか?」
「はい、あたいたちはツオーゴに戻ります」
「わかった……ではまたいつの日か会おう。ツオーゴの強き勇敢な者たちよ」
一月お世話になったドラゴン・タワーに住む竜神ブラック・ドラゴンとその竜騎士団の三姉妹とブラック・オーブで戻るまで感謝しながら手を振って別れた。竜になるなんてもう一生ないだろうなと思いながら……。
「――地上だね、でもここはクリスロッサの城下町の近くか」
「久しぶりの地上ツオーゴ、やっぱり良いですね~」
「エメール喜んでる場合か、ネモネア、言われたこと覚えてる?」
「もちろんだよ……竜魔法」
あたいらが覚えた竜魔法。両手から半透明な子竜が現れその姿は鱗が緑で赤髪が生えてあたいに似てる。
「アヴエロ、アヴエロ……聞こえる?」
竜神様から教えてもらった。それは竜魔法で呼び寄せた半透明な幻竜は竜神様と同じように異世界と僅かながら交信できるという。
『……ネア……ネモネア……』
「アヴエロッ、アヴエロなんだねっ!」
『ネモネア……ほんとうに、ネモネア……なんですね』
「アヴエロ……よかった、声が聞けてほんとうに!」
「アヴエロって、やったんだなネモネア!」
「うんっ、間違いないっ」
声が聞けてほんとうに嬉しかった。もう二度と会えないんじゃないかと何時も不安だったから。
「アヴエロ、今あたいはエメールっていう魔法剣士と、ソレイルの妹のモントと一緒なんだ」
『え……エメールと、モントだって……』
『それはほんとうか……モント……』
「ねっ、姉さんっ、ソレイル姉さんっ……モントだよ姉さんっ!」
『……モント、無事でよかった……しかしネモネアと一緒とは驚いた』
「よかった……ソレイル姉さん」
『モント、心配かけてすまなかったな……』
『コォラアァァァッ!』
「うわっ……この声、アクアン老師?」
『ああ、ネモネアかすまん、しかし成長した声じゃのう』
「じゃあ、どうして怒ったの?」
『お前さん、エメールと言わなかったか……』
「え、そうだよ魔法剣士のエメール……」
「エメール? どこに行く気だ」
「モッ、モント・プリンセス……その~……」
『そこにおったのかエメールッ、どこに逃げたかと思えば』
「す、すいませんっ、アクアン師匠ぉっ!」
なんとエメールの師匠はあのアクアン老師の事だった。世界の狭さを感じる。
『と、とにかくネモネア、その子竜の案内に従ってください』
「うん、いよいよやるんだね」
『そうです次元衝突です!』
そこでは自由に動く2つの隕石のような閃光がぶつかっている。
「もうよしなさい」
「何故だフラデーア? 油断すれば死ぬ殺し合い、楽しいではないか」
「……私とあなたは同じ力、どちらが勝つこともありません。もうこんな無意味なことをやめて、ツオーゴの魔獣を引かせてくださいシャンイレール」
「フッ、そうだな魔王と女神は全く同じ力、決着のつくことはない……女神フラデーアよ、いい加減この私のものになれ、そして私とお前だけの世界を創ろう」
「そのためにツオーゴを、そこに住む生命を滅ぼそうとする。あなたは私を愛しているのではなく自分のものにしたいだけ。そうすることがあなたの切望なのです」
「フフッ、当然だろ。私はわたし以外の誰にも惚れはしない、お前はただの私の人形として動くのだ女神フラデーア」
「生命を脅かす事に溺れた、可哀想な魔王……」
「弱者に寄り添うことしかできない哀れな女神……決着をつけよう」
互いの言葉を最後に衝突した光はより強く輝きツオーゴの夜空が明るくなったという……。
――あっという間に一月が過ぎた。と言ってもそれは異世界トアースの話でツオーゴでは一週間だけど。
「ミッション終了だ」
「ハァ、ハァ……ふぅ~、だいぶ慣れたかもアルビス」
黒い竜のあたいは背中に乗せた竜騎士のアルビスを下ろした。
「ああ、私を乗せて飛べるようになってからミッションを始めたがさすがだよ」
「アルビスに褒められるなんて、バチが当たりそう」
「……もう1ミッション行くか」
「ちょっと待ってよ、今やっと終わったんだから休まして」
「冗談だ、だが休憩よりも先に竜神様が呼んでいる、行くぞ」
「ふぅ~っ、わかったよ……」
ドラゴン・タワーの頂上にて、竜神ブラック・ドラゴンがあたいとエメールとモント、それとそれぞれの特訓のパートナーのアルビスにサファエルとミンシーも呼んでいるとの事で向かった。
「竜神様」
「よく来たな、ネモネア、エメール、モントよ。その竜の姿は様になってきたな」
「はい、空を自由に飛べるなんて夢みたいでした」
「そうか、それで竜の力は感じたか?」
「なんていうか魔力と似たような、けど竜力は力強く硬い感じがする」
「うむ、しっかりと使えるようになったようだ。ではこれにて特訓は終わり、お主たちを元の姿に戻そう」
久しぶりの元の姿に、今は竜の姿だった方がしっくりくるけどやっぱり元の自分は良い。
「エメール、モント、なんか懐かしいよ」
「……元の自分に戻ったのに、なんか違和感を感じる」
「一月ですからね、馴染むのを待ちましょう」
「それが本当の姿かネモネア」
「アルビス、そうよ」
「湧き出る闘志……百戦錬磨の獣のようだ」
「……試してみる?」
アルビスと目を見つめ合うと、
「「フフッ」」
笑っちゃう。だってさっきまでアルビスを乗せて移動して、一緒に戦った仲だから。
「冗談はそのくらいにして、地上に戻るか?」
「はい、あたいたちはツオーゴに戻ります」
「わかった……ではまたいつの日か会おう。ツオーゴの強き勇敢な者たちよ」
一月お世話になったドラゴン・タワーに住む竜神ブラック・ドラゴンとその竜騎士団の三姉妹とブラック・オーブで戻るまで感謝しながら手を振って別れた。竜になるなんてもう一生ないだろうなと思いながら……。
「――地上だね、でもここはクリスロッサの城下町の近くか」
「久しぶりの地上ツオーゴ、やっぱり良いですね~」
「エメール喜んでる場合か、ネモネア、言われたこと覚えてる?」
「もちろんだよ……竜魔法」
あたいらが覚えた竜魔法。両手から半透明な子竜が現れその姿は鱗が緑で赤髪が生えてあたいに似てる。
「アヴエロ、アヴエロ……聞こえる?」
竜神様から教えてもらった。それは竜魔法で呼び寄せた半透明な幻竜は竜神様と同じように異世界と僅かながら交信できるという。
『……ネア……ネモネア……』
「アヴエロッ、アヴエロなんだねっ!」
『ネモネア……ほんとうに、ネモネア……なんですね』
「アヴエロ……よかった、声が聞けてほんとうに!」
「アヴエロって、やったんだなネモネア!」
「うんっ、間違いないっ」
声が聞けてほんとうに嬉しかった。もう二度と会えないんじゃないかと何時も不安だったから。
「アヴエロ、今あたいはエメールっていう魔法剣士と、ソレイルの妹のモントと一緒なんだ」
『え……エメールと、モントだって……』
『それはほんとうか……モント……』
「ねっ、姉さんっ、ソレイル姉さんっ……モントだよ姉さんっ!」
『……モント、無事でよかった……しかしネモネアと一緒とは驚いた』
「よかった……ソレイル姉さん」
『モント、心配かけてすまなかったな……』
『コォラアァァァッ!』
「うわっ……この声、アクアン老師?」
『ああ、ネモネアかすまん、しかし成長した声じゃのう』
「じゃあ、どうして怒ったの?」
『お前さん、エメールと言わなかったか……』
「え、そうだよ魔法剣士のエメール……」
「エメール? どこに行く気だ」
「モッ、モント・プリンセス……その~……」
『そこにおったのかエメールッ、どこに逃げたかと思えば』
「す、すいませんっ、アクアン師匠ぉっ!」
なんとエメールの師匠はあのアクアン老師の事だった。世界の狭さを感じる。
『と、とにかくネモネア、その子竜の案内に従ってください』
「うん、いよいよやるんだね」
『そうです次元衝突です!』
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