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会いたかった人
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――心の深層で、もう会えないかといつも不安だった。
「ハァ、ハァ……アヴエロ……」
あたいの竜魔法と魔界にいたアヴエロとの異次元衝突により4人が元の世界ツオーゴの地上に着地。
「……ネモネア……信じてたよ」
「ハァ……うん、あたいも」
嘘じゃない、声だけじゃない本当にアヴエロだ。嬉しくてうるっとしてしまう。あたいの旅はいまここで実った瞬間だった。
「魔王は……」
「あ……魔王シャンイレールはすぐそこに」
「いきましょう!」
ちょっとしょんぼり、ここでハグしてほしかったけど明日がやって来るかも分からない状態だから頭を切り替えるあたい。
「――魔王!」
「ホウ、これはこれは、勇者の御一行がお揃いで」
「あなたがシャンイレールですか……」
勇者アヴエロ、回復師スオーロ、モントの姉で騎士のソレイルにエメールの師匠で大魔法使いでワニ顔のアクアン老師が、教会の崖下から姿を現す。
「ソレイル姉さんっ!」
「モントッ」
ソレイルに駆け寄るモント、あたいの仲間になったのも姉さんのためだったから笑顔になってよかった。
「まさか、モントがネモネアと一緒なんて驚いたわよ」
「信じてたよ姉さん……なんか変わった?」
「ん、どうして?」
「なんていうか、女らしくなったっていうかさ……変だねあたし、ちょっとあってなかったからかな」
「……モントも私も、成長してるってことよ」
「あれが、勇者アヴエロ……」
クレマは初めてみた勇者一行に不思議と安心感を感じていた。
「クレマ!」
「ネモネア」
「あんたはここを離れて避難してっ」
「え、なんで……」
「戦いに巻き込まれるでしょ」
言われるがままクレマは遠くへと駆け込んだ。
「シャンイレール、今度は私たちが貴方と戦います」
「魔王ルモールを倒した勇者と戦えるとは、ありがたい」
「「獣魔法!」」
アヴエロたちの異次元衝突した魔法、あたいたちが会得した竜魔法と同じく、虎神様の元で覚えたんだろう。
「フフッ、獣魔法か、己の一部を獣化させ力、速さを上げるという」
「詳しいですね」
「当然だ……一つ勇者一行に言っておこう、邪恐竜および邪恐獣が現れるまで魔界へ繋がる穴は残り5分を切った」
「邪恐竜……だと」
「その顔、魔界を彷徨って知っているようだな」
「なんという事じゃっ、この地上の人間ではひとたまりもないぞっ!」
「そうなんだよ……アヴエロ、どうしよう……」
「ネモネア……ではシャンイレール、お喋りはここまでとさせていただきますっ」
アヴエロは誰よりも先に魔王シャンイレールに飛び込んだ。それを合図にソレイル、モント、あたいも仕掛ける。
「プリンセスたち……くっ!」
「エメールよ」
「師匠……」
「貴方がエメールさんですか」
「貴方は、勇者一番の親友いわれるスオーロさん。師匠……お叱りは魔王を倒したあとで受けます、なので今は」
「変わったなエメール、自分の未熟さに気がついたか」
「……ええ、1人旅し、出会ったプリンセスと旅をすることによって、ね」
「そうか……なら言う事はない、アヴエロたちを援護するぞ!」
「はいっ……師匠、どうしてワニ顔に」
「ただの実験じゃ」
お互い話して分かりあったみたいで、攻めるあたいたちを回復するスオーロ、攻撃魔法と補助魔法を唱えるアクアン老師とエメール。最終決戦だ……。
紫の雲の下で各国の兵士は疲れ果てまた戦う一方で、勇者たちは激しい攻撃が繰り広げられていた。
「はぁああっ!」
アヴエロの剣を後ろに受けた魔王は地面に激突、
「まだ……聖なる、炎っ!」
さらに左手の魔法で追い打ちをかける。
「いくよ、モントッ!」
「はいっ、姉さんっ!」
地上に落ちて煙が舞い魔王が立った影が見えると2人は足踏みを揃えて斬りかかる。
「……獣化か、早いな」
「「はぁああっ!」」
久しぶりだというのに、息のあった剣は花びらが舞うような美しい二人の連撃。
「魔炎」
「させない!」
魔王はモントの剣をかわすと、左手からあたいを苦しめた魔炎を放つ。すると読んでたかのように女神の盾で魔炎を弾き、それをわかってかモントが流れるように剣で斬る見事な連携。
「ソレイルッ」
「アクアン老師の声っ、モント離れるよ」
「クラウド・レイン・ボム」
魔王に雨を降らすと一滴いってきが爆発。さらにスオーロのあと、
「フリーズ・サンダーッ」
続いてアクアン老師が濡れた水滴を凍らしながら電撃をお見舞い。
「はぁぁ……カオス・ロック」
締めは氷漬けで動けない魔王に巨大な炎や氷の岩岩石を乱れ落としたエメール。3人の連携魔法がきまった……。
あっという間の出来事に息を呑むあたい。久しぶりに一緒に戦うけど、前よりも力や速さと連携が格段に上がっている。
「……やったかな、アヴエロ」
「いえ、そうは思えません」
横目でチラッと隣のアヴエロの横顔、前よりも男前になったような気がする。やっぱり魔界で旅して色んな試練を乗り越えたんだろうな。だから、カッコイイ。
その時、大岩が砕け散る。そこに見えるのは上に掲げる右拳と紫色の魔王の殺気。
「……ハッハッハッ、さすがに勇者アヴエロとその仲間……フフフッ、久しぶりにワクワクしてきたぞ、フンッ!」
魔王シャンイレールは不気味に笑いながら身体を覆うマントを脱ぎ捨てた。
「なっ、なんて奴だ」
あたいは自然と足を一歩引いてしまった。その肉体は鋼の筋肉に覆われていて強靭で恐怖を感じる。
「フフッ、残り4分……さぁ、ここからが本番だ」
「ハァ、ハァ……アヴエロ……」
あたいの竜魔法と魔界にいたアヴエロとの異次元衝突により4人が元の世界ツオーゴの地上に着地。
「……ネモネア……信じてたよ」
「ハァ……うん、あたいも」
嘘じゃない、声だけじゃない本当にアヴエロだ。嬉しくてうるっとしてしまう。あたいの旅はいまここで実った瞬間だった。
「魔王は……」
「あ……魔王シャンイレールはすぐそこに」
「いきましょう!」
ちょっとしょんぼり、ここでハグしてほしかったけど明日がやって来るかも分からない状態だから頭を切り替えるあたい。
「――魔王!」
「ホウ、これはこれは、勇者の御一行がお揃いで」
「あなたがシャンイレールですか……」
勇者アヴエロ、回復師スオーロ、モントの姉で騎士のソレイルにエメールの師匠で大魔法使いでワニ顔のアクアン老師が、教会の崖下から姿を現す。
「ソレイル姉さんっ!」
「モントッ」
ソレイルに駆け寄るモント、あたいの仲間になったのも姉さんのためだったから笑顔になってよかった。
「まさか、モントがネモネアと一緒なんて驚いたわよ」
「信じてたよ姉さん……なんか変わった?」
「ん、どうして?」
「なんていうか、女らしくなったっていうかさ……変だねあたし、ちょっとあってなかったからかな」
「……モントも私も、成長してるってことよ」
「あれが、勇者アヴエロ……」
クレマは初めてみた勇者一行に不思議と安心感を感じていた。
「クレマ!」
「ネモネア」
「あんたはここを離れて避難してっ」
「え、なんで……」
「戦いに巻き込まれるでしょ」
言われるがままクレマは遠くへと駆け込んだ。
「シャンイレール、今度は私たちが貴方と戦います」
「魔王ルモールを倒した勇者と戦えるとは、ありがたい」
「「獣魔法!」」
アヴエロたちの異次元衝突した魔法、あたいたちが会得した竜魔法と同じく、虎神様の元で覚えたんだろう。
「フフッ、獣魔法か、己の一部を獣化させ力、速さを上げるという」
「詳しいですね」
「当然だ……一つ勇者一行に言っておこう、邪恐竜および邪恐獣が現れるまで魔界へ繋がる穴は残り5分を切った」
「邪恐竜……だと」
「その顔、魔界を彷徨って知っているようだな」
「なんという事じゃっ、この地上の人間ではひとたまりもないぞっ!」
「そうなんだよ……アヴエロ、どうしよう……」
「ネモネア……ではシャンイレール、お喋りはここまでとさせていただきますっ」
アヴエロは誰よりも先に魔王シャンイレールに飛び込んだ。それを合図にソレイル、モント、あたいも仕掛ける。
「プリンセスたち……くっ!」
「エメールよ」
「師匠……」
「貴方がエメールさんですか」
「貴方は、勇者一番の親友いわれるスオーロさん。師匠……お叱りは魔王を倒したあとで受けます、なので今は」
「変わったなエメール、自分の未熟さに気がついたか」
「……ええ、1人旅し、出会ったプリンセスと旅をすることによって、ね」
「そうか……なら言う事はない、アヴエロたちを援護するぞ!」
「はいっ……師匠、どうしてワニ顔に」
「ただの実験じゃ」
お互い話して分かりあったみたいで、攻めるあたいたちを回復するスオーロ、攻撃魔法と補助魔法を唱えるアクアン老師とエメール。最終決戦だ……。
紫の雲の下で各国の兵士は疲れ果てまた戦う一方で、勇者たちは激しい攻撃が繰り広げられていた。
「はぁああっ!」
アヴエロの剣を後ろに受けた魔王は地面に激突、
「まだ……聖なる、炎っ!」
さらに左手の魔法で追い打ちをかける。
「いくよ、モントッ!」
「はいっ、姉さんっ!」
地上に落ちて煙が舞い魔王が立った影が見えると2人は足踏みを揃えて斬りかかる。
「……獣化か、早いな」
「「はぁああっ!」」
久しぶりだというのに、息のあった剣は花びらが舞うような美しい二人の連撃。
「魔炎」
「させない!」
魔王はモントの剣をかわすと、左手からあたいを苦しめた魔炎を放つ。すると読んでたかのように女神の盾で魔炎を弾き、それをわかってかモントが流れるように剣で斬る見事な連携。
「ソレイルッ」
「アクアン老師の声っ、モント離れるよ」
「クラウド・レイン・ボム」
魔王に雨を降らすと一滴いってきが爆発。さらにスオーロのあと、
「フリーズ・サンダーッ」
続いてアクアン老師が濡れた水滴を凍らしながら電撃をお見舞い。
「はぁぁ……カオス・ロック」
締めは氷漬けで動けない魔王に巨大な炎や氷の岩岩石を乱れ落としたエメール。3人の連携魔法がきまった……。
あっという間の出来事に息を呑むあたい。久しぶりに一緒に戦うけど、前よりも力や速さと連携が格段に上がっている。
「……やったかな、アヴエロ」
「いえ、そうは思えません」
横目でチラッと隣のアヴエロの横顔、前よりも男前になったような気がする。やっぱり魔界で旅して色んな試練を乗り越えたんだろうな。だから、カッコイイ。
その時、大岩が砕け散る。そこに見えるのは上に掲げる右拳と紫色の魔王の殺気。
「……ハッハッハッ、さすがに勇者アヴエロとその仲間……フフフッ、久しぶりにワクワクしてきたぞ、フンッ!」
魔王シャンイレールは不気味に笑いながら身体を覆うマントを脱ぎ捨てた。
「なっ、なんて奴だ」
あたいは自然と足を一歩引いてしまった。その肉体は鋼の筋肉に覆われていて強靭で恐怖を感じる。
「フフッ、残り4分……さぁ、ここからが本番だ」
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