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襲う邪悪な獣達
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「――ワニおじいちゃん、いったい……」
「この魔法で皆を急速に回復させる……リスクがちと厄介じゃがな」
「え?」
アクアン老師の杖が青白く光る。
「あそこにエメールという奴がおる。クレマちゃんには奴に言葉を伝えてほしい」
「……言葉って、自分で伝えればいいじゃない」
「頼んだぞ……」
「ちょっと、ワニおじいちゃん……」
「……全てのダメージをわしにっ、トランスファーッ!」
クレマはアクアン老師が唱えたあと身を切り刻まれる姿に危険な魔法を使ったと気づく。慌てて回復させるも血反吐を吐き続け死んだ。アクアン老師の死ぬ覚悟をその場でみることになったクレマ。
「あなたがエメールさん?」
「クレマ……プリンセス、そうです……」
「これを受け取ってとワニの、アクアンさんから」
「これは、師匠の……」
「未来を掴むのは魔王でもワニ顔の老人でもない、お前たち若者だ……そう伝えてと……」
それはアクアン老師が装備していた杖と女神のマント。クレマに最後の言葉を託したんだと知り、今エメールはカウボーイハットのつばを掴んで顔を隠している。哀しい気持ち、後悔だろうか……。
「ダメージを無くす魔法、それによって貴様等は傷が消え、そこの奴が全ての攻撃を受けて死んだと言うわけか」
「シャンイレール……」
アヴエロは怒りを必死に抑えて冷静になろうとする声だった。あたいも悔しい、でも魔王をみているとまだまだ余裕を感じる。
「フフッ、では始めるか……もうダメージを無くす事は出来ないがな、クックックッ」
「アヴエロ」
「スオーロ……」
「オレは魔王を倒すためなら、アクアン老師のように命を掛けるぞ」
「スオーロ……まいりました、今度ばかりは、護るとは言えそうにない」
「お前が護るべきは、他にいる……いくぞ」
「うん、死ないで、ください!」
アヴエロとスオーロはまるで互いが覚悟を確認するように話してた。
「アヴエロ!」
「ソレイル……まさか君も」
「……あたしも勇者アヴエロの仲間よ……」
「でも……」
歩いてアヴエロの隣に立つソレイル。
「せめて貴方の隣で……戦わせて」
「ソレイル」
「これまでそうだった……でしょ?」
「……うん、すまないソレイル、頼む」
ソレイルがアヴエロの隣ちょっと複雑、そうしたかったけどスオーロもソレイルもアクアン老師のように覚悟を感じる。死という覚悟を。
「ネモネア、あたしたちも」
「待ってモント……エメール」
「……師匠はいつも未熟だった私に言ってくれました『魔法で命を救えるこの地上に感謝するじゃ』と、当時はやかましいと思っていた……」
「エメール、今のあたいには良い言葉が見つからない……でも一緒に戦おう、戦ってせめて」
「はい……師匠の想いと死を、無駄にしないためにも」
師を失ったエメールを戦わせるなんてよくないと思う。でも、たぶん彼は師匠の生まれたこの地上のためにも戦っただろう。モントもそれはわかってる。魔王は、あまくないけど……。
「はっはっはっ、どうした勇者? 敵をうってみろ」
「くっそーっ、ぐあぁぁぁっ」
これじゃ、
「アヴエロッ、回復するぞ!」
「あたしが魔王と戦う、その隙に!」
「次は女騎士か、苦しむがいい」
これじゃあ同じ事の繰り返し。
「姉さんっ!」
「モント・プリンセスッ、私もっ!」
命をかけて戦うのは分かってる、いままでもそうだったから。でも、
「「うわっ!」」
相手が圧倒的すぎる。もう、アクアン老師はいないんだよ。今度動けなくなったら、本当に終わりなんだ。
「惨めだな、女神に選ばれた勇者共はこんなにも弱く、仲間も死に……貴様等は素晴らしく惨めだ」
「お前さえいなければ……お前さえいなければ師匠は死なずにすんだんだぁぁぁっ!」
涙にじむエメールの剣は弾れ、返り討ちに。
「くっくっくっ、力が無ければ叫ぶだけとは、自分の無力さを味わっているいい顔だ。女神も死に、時期に邪恐竜共に人々も食われて死ぬ、そして最後はお前たちを苦痛と絶望の中で殺してやる」
魔王の言っていた通りに各国では、邪恐竜に邪恐獣が現れ迎え討つ兵たちもまるで葉が立たず城下町への侵入を許してしまっていた。
そんなグランジウムで、
「町に化け物が、逃げるぞトリカッ」
「うん……キャアッ」
邪恐竜が足を躓いたトリカに目をつけた。
「トリカァァァッ!」
「えやぁぁぁっ!」
邪恐竜の顔に何が当たって倒れた。
「大丈夫? 同い年くらいの人」
「ハァ、ハァ……青い人、あなたは……」
「あたしは、龍騎士のミンシーだよん」
――ラナロース、
「みなさん逃げて」
「ロップッ、そろそろ僕たちも……うわっ」
邪恐獣がスノーに目を付けて走ってきた。
「うわぁぁぁっ」
「竜魔法、竜槍斬っ!」
「スノー!」
「ロップ!」
「あの、助けてくださってありがとうございました」
「私は竜騎士のサファエルです。今のうちに避難を」
――ラングネス、
「うっ……ラングネスは……護って見せる」
目を覚ましたシスター・ヴィゴーレは邪恐竜と戦う兵士の元へ足を引きずりながら歩いていた。
「見つけたっ、シスター・ヴィゴーレ避難してください!」「そうですよヴィゴーレさん!」
「すいません……しまった!」
邪恐竜が兵士を踏みつぶしにやってきた。
「グラパスはあのシスターをっ、オラオラーッ!」
「あいよっ!」
「あなた達……」
「あたしは獣騎士グランメ、勇者アヴエロの仲間さっ」
――キングロビウ、
「ナニラ姐さん、やっぱこの化け物は無理っすよ!」
「ちいっ、骨の化け物が、だがキングロビウが無くなっちまったら盗む物もなくなる……なんだ?」
飛び込んできた何者かの2人は邪恐獣をかく乱と攻撃を繰り返していく。
「2人の男、何者だてめぇーら」
「ガルッ……先輩、あいつら盗賊だ」
「ランドル、そのようだな……私はサンドラ、このツオーゴを虎神様の命令で守りに来た。勝手ながら倒させてもらう」
――そしてクリスロッサは、
「シスター!」
「ジュリッ、子どもたちを連れて避難しなさい!」
ペンダントの封印を解き魔力を解放したシスター・カルタは、兵士と共に回復魔法を唱えていた。
それでも邪恐竜の強さにはがたたずなぎ倒されていく兵士たち。
「うっ、魔力、が」
「シスター・カルタッ!」
「これまで、ね……」
「え……あれはいったい」
間一髪でシスター・カルタは救われ、目を開くと竜の背中に。
「あ、あなたは……」
「ネモネアの言っていたみんなの母があなたね。私は竜騎士団のアルビス」
だがおかしな事に、なぜかあたいには観えたみんなの光景……。
「この魔法で皆を急速に回復させる……リスクがちと厄介じゃがな」
「え?」
アクアン老師の杖が青白く光る。
「あそこにエメールという奴がおる。クレマちゃんには奴に言葉を伝えてほしい」
「……言葉って、自分で伝えればいいじゃない」
「頼んだぞ……」
「ちょっと、ワニおじいちゃん……」
「……全てのダメージをわしにっ、トランスファーッ!」
クレマはアクアン老師が唱えたあと身を切り刻まれる姿に危険な魔法を使ったと気づく。慌てて回復させるも血反吐を吐き続け死んだ。アクアン老師の死ぬ覚悟をその場でみることになったクレマ。
「あなたがエメールさん?」
「クレマ……プリンセス、そうです……」
「これを受け取ってとワニの、アクアンさんから」
「これは、師匠の……」
「未来を掴むのは魔王でもワニ顔の老人でもない、お前たち若者だ……そう伝えてと……」
それはアクアン老師が装備していた杖と女神のマント。クレマに最後の言葉を託したんだと知り、今エメールはカウボーイハットのつばを掴んで顔を隠している。哀しい気持ち、後悔だろうか……。
「ダメージを無くす魔法、それによって貴様等は傷が消え、そこの奴が全ての攻撃を受けて死んだと言うわけか」
「シャンイレール……」
アヴエロは怒りを必死に抑えて冷静になろうとする声だった。あたいも悔しい、でも魔王をみているとまだまだ余裕を感じる。
「フフッ、では始めるか……もうダメージを無くす事は出来ないがな、クックックッ」
「アヴエロ」
「スオーロ……」
「オレは魔王を倒すためなら、アクアン老師のように命を掛けるぞ」
「スオーロ……まいりました、今度ばかりは、護るとは言えそうにない」
「お前が護るべきは、他にいる……いくぞ」
「うん、死ないで、ください!」
アヴエロとスオーロはまるで互いが覚悟を確認するように話してた。
「アヴエロ!」
「ソレイル……まさか君も」
「……あたしも勇者アヴエロの仲間よ……」
「でも……」
歩いてアヴエロの隣に立つソレイル。
「せめて貴方の隣で……戦わせて」
「ソレイル」
「これまでそうだった……でしょ?」
「……うん、すまないソレイル、頼む」
ソレイルがアヴエロの隣ちょっと複雑、そうしたかったけどスオーロもソレイルもアクアン老師のように覚悟を感じる。死という覚悟を。
「ネモネア、あたしたちも」
「待ってモント……エメール」
「……師匠はいつも未熟だった私に言ってくれました『魔法で命を救えるこの地上に感謝するじゃ』と、当時はやかましいと思っていた……」
「エメール、今のあたいには良い言葉が見つからない……でも一緒に戦おう、戦ってせめて」
「はい……師匠の想いと死を、無駄にしないためにも」
師を失ったエメールを戦わせるなんてよくないと思う。でも、たぶん彼は師匠の生まれたこの地上のためにも戦っただろう。モントもそれはわかってる。魔王は、あまくないけど……。
「はっはっはっ、どうした勇者? 敵をうってみろ」
「くっそーっ、ぐあぁぁぁっ」
これじゃ、
「アヴエロッ、回復するぞ!」
「あたしが魔王と戦う、その隙に!」
「次は女騎士か、苦しむがいい」
これじゃあ同じ事の繰り返し。
「姉さんっ!」
「モント・プリンセスッ、私もっ!」
命をかけて戦うのは分かってる、いままでもそうだったから。でも、
「「うわっ!」」
相手が圧倒的すぎる。もう、アクアン老師はいないんだよ。今度動けなくなったら、本当に終わりなんだ。
「惨めだな、女神に選ばれた勇者共はこんなにも弱く、仲間も死に……貴様等は素晴らしく惨めだ」
「お前さえいなければ……お前さえいなければ師匠は死なずにすんだんだぁぁぁっ!」
涙にじむエメールの剣は弾れ、返り討ちに。
「くっくっくっ、力が無ければ叫ぶだけとは、自分の無力さを味わっているいい顔だ。女神も死に、時期に邪恐竜共に人々も食われて死ぬ、そして最後はお前たちを苦痛と絶望の中で殺してやる」
魔王の言っていた通りに各国では、邪恐竜に邪恐獣が現れ迎え討つ兵たちもまるで葉が立たず城下町への侵入を許してしまっていた。
そんなグランジウムで、
「町に化け物が、逃げるぞトリカッ」
「うん……キャアッ」
邪恐竜が足を躓いたトリカに目をつけた。
「トリカァァァッ!」
「えやぁぁぁっ!」
邪恐竜の顔に何が当たって倒れた。
「大丈夫? 同い年くらいの人」
「ハァ、ハァ……青い人、あなたは……」
「あたしは、龍騎士のミンシーだよん」
――ラナロース、
「みなさん逃げて」
「ロップッ、そろそろ僕たちも……うわっ」
邪恐獣がスノーに目を付けて走ってきた。
「うわぁぁぁっ」
「竜魔法、竜槍斬っ!」
「スノー!」
「ロップ!」
「あの、助けてくださってありがとうございました」
「私は竜騎士のサファエルです。今のうちに避難を」
――ラングネス、
「うっ……ラングネスは……護って見せる」
目を覚ましたシスター・ヴィゴーレは邪恐竜と戦う兵士の元へ足を引きずりながら歩いていた。
「見つけたっ、シスター・ヴィゴーレ避難してください!」「そうですよヴィゴーレさん!」
「すいません……しまった!」
邪恐竜が兵士を踏みつぶしにやってきた。
「グラパスはあのシスターをっ、オラオラーッ!」
「あいよっ!」
「あなた達……」
「あたしは獣騎士グランメ、勇者アヴエロの仲間さっ」
――キングロビウ、
「ナニラ姐さん、やっぱこの化け物は無理っすよ!」
「ちいっ、骨の化け物が、だがキングロビウが無くなっちまったら盗む物もなくなる……なんだ?」
飛び込んできた何者かの2人は邪恐獣をかく乱と攻撃を繰り返していく。
「2人の男、何者だてめぇーら」
「ガルッ……先輩、あいつら盗賊だ」
「ランドル、そのようだな……私はサンドラ、このツオーゴを虎神様の命令で守りに来た。勝手ながら倒させてもらう」
――そしてクリスロッサは、
「シスター!」
「ジュリッ、子どもたちを連れて避難しなさい!」
ペンダントの封印を解き魔力を解放したシスター・カルタは、兵士と共に回復魔法を唱えていた。
それでも邪恐竜の強さにはがたたずなぎ倒されていく兵士たち。
「うっ、魔力、が」
「シスター・カルタッ!」
「これまで、ね……」
「え……あれはいったい」
間一髪でシスター・カルタは救われ、目を開くと竜の背中に。
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