癒しと毒の融合愛◆◆心の逃げ場だけでいいのか?久遠の愛を誓う物語◆◆ 【完結】

まぁ

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part 1-3

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支えられていたまま横向きに抱き上げられたことにも、周りに何人もの人がいたことにも、彼らの返事が聞き慣れない感じだったことにも驚いたが、彼らの動きは実に迅速で

「…あの…どこへ?」

と私が口を開いたのは動き始めた車内でだった。移動する、から1分もかからないうちにすでに車が動いてる。どうなっているのだろうか?

「懇意にしている警察じゃないと面倒だから移動する」

警察と懇意とか懇意じゃないとかって何だろう。

私は横抱きにされたままの体を起こそうとして

「……」

一瞬、腰の辺りに違和感を覚えて動きがスムーズで無くなると、そっと無言で横抱きに戻された。

「心配しなくても場所がここだから大丈夫な警察だろうが」
「一応数人残して様子見させています」
「ん」

助手席からの声に‘ん’と答えた声にやはり聞き覚えがある気もするけれど、記憶が定かではない。

「治療する。電車に乗るつもりだったのか?」

ここで初めてはっきりとバリトンの主を見た…正確には見上げた。

「いえ…散歩に…」

私の返答に目の前の、左右均整が素晴らしくとれ鼻筋が通った、目鼻立ちがはっきりしているひとが私をじっと見た。

そしてここで助手席からも視線を感じる。

「散歩であの急ぎようですか?自殺願望でも?」
「いえっ、全く…そんなことはないんです…っ…」

助手席に目を向けた時に動かした体はどんより重く痛い。

「この重い車と接触して無傷なワケがない」
「ボクのブレーキが間に合わずに申し訳ありません」

抱き抱えられたままの人に続いて、運転されている方の声がして本当に悪いことをしてしまったと悔やむ。

「間に合わなくて当然でしたよね。本当に私の不注意でごめんなさい。警察がどうのっていうのがもう大丈夫なら降ろしてもらえば帰ります」
藤堂龍之介とうどうりゅうのすけ。名前は?」
「……」
「私は福嶋宏之ふくしまひろゆきです」
「ボクは福嶋舞生ふくしままいき。弟です」

福嶋兄弟はすごくお年が離れていそうだけれど…この流れは私も名乗るしかない?

「…清水紗栄子です」
「どうしてあんなに急いでいた?」
「……」
「電車の時間があるでもなく、散歩ならあそこで道路を渡る必要もないはず」
「……そうですか…?」
「ん?」

ああ…素晴らしい傾聴力の持ち主なのだろう。

貝になるべし。
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