癒しと毒の融合愛◆◆心の逃げ場だけでいいのか?久遠の愛を誓う物語◆◆ 【完結】

まぁ

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part 1-4

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私が口を閉じて、しばらくすると車が静かに減速した。

そういえば…乗ったことのないような高級車なんじゃないかと思ったけれど、藤堂さんに抱えられたままでシートの感触がわからない。

車が停止すると同時に助手席の福嶋さんが車から降り

「ここは?」

と私が口を開けた時に、コンコンコンと三度、後部座席ドアがノックされてからドアが開けられた。

「マンション。明るいところでケガの確認」

そう言った藤堂さんは私を抱え直すと、横抱きにしたまま車外に出ようとする。

「ちょ…っ…歩けますっ、歩けますから降ろして…」
「歩いていいかを確認」

バリトンを無駄に発しないというのか、彼の言葉は短い。でも声は真っ直ぐ私へ届くので騒ぐ気にはならなかった。

だけど、この体勢で歩かれると視線をどこへ向ければいいのかわからない。

プリンセスならプリンスを見つめていればいいのだろうけど。私は駐車場の天井を見てから、揺れて見えるのが気分良くないと藤堂さんの黒シャツを至近距離で見ていた。

エレベーターへは福嶋さんも一緒に乗って一度も止まることなく目的階へ到着したようだ。

短い電子音のあとに開かれたドアの内側で

「靴」
「はい。清水さん、失礼します」

抱き抱えられたまま福嶋さんにスニーカーを脱がして頂くという何とも恥ずかしい経験をしてから…ぇ…明らかに天井が高くて空間が広々としてるよね…マンションで靴を脱いだら壁が見える空間なんじゃないの?

で………そっと寝かされた…寝かされる?ベッド?違う…こっちに見えるのは背もたれだからソファー?膝から下をもぞもぞと動かして足元を探るけれど何にも当たらない。

頭の方が一瞬僅かに沈んだことで藤堂さんが座るスペースがまだあることに驚いて、少し頭を上げてキョロキョロっとするとコの字型の超大型ソファーの真ん中に自分が寝かされていることが分かる。ホテルのラウンジみたいだ…と…ぇ?

「ん?」
「……」
「こうだろ?」

私が上げていた頭の下に自分のモモを差し込んだ藤堂さんが囁くように声を出す。私は膝枕を要求してはいない。

彼の小さな声にはやはり聞き覚えがあるように思うけど…

「あの…どこかで会ったことがありますか?」
「そう思うのか?」

藤堂さんが不思議そうにもせず淡々と私に聞き返した時、福嶋兄弟が入って来るのと私の小さなバッグの中から着信音が聞こえるのは同時だった。

バッグは最初に福嶋さんが持っていてくれてローテーブルに置かれている。藤堂さんが私の顔に覆い被さり手を伸ばしてバッグを掴むと、私のお腹の上に置いてから私の上体を起こして…背もたれがあるのに何故か自分にもたれさせる。私が背もたれへ体をずらそうとすると

「早く出ないと切れる」

私の体を支えながらクイッと顎でバッグを指した。

これだけ長く呼び出し続けるのは夫に違いない。
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