34 / 77
お姫様はお年ごろ? そしてお兄様たちも落とし頃?
しおりを挟む
…その方は、ワタシのピンチに颯爽と現れて、あの粗暴で悪辣な犬畜生を打ちのめして下さった!
そして名も告げずに去っていかれた…
幸いあの町では広く名の知られた方でしたので、助かりましたわ!
「…ですのでお兄様、必ず【サクラお姉様】とのお見合いを成功させるのです!
ソレこそこの世界で、我ら【龍人族】が上級種として名を馳せる足掛かりと成るのですから!」
…と力説する龍人の女の子、ソレを複雑な表情で見守るその兄…
元の場所では、龍人の国の貴族で有ったのだ。
「…あのなぁ、ソニアよ、コチラの世界には【上級種】なんて種族を分ける様な概念などは存在しないのだ。
皆等しく平等、あくまで自分自身の能力や行動のみが評価の対象なのだ。
爵位や家柄など煩わしいモノはもう必要無……。」
実は元の世界では、出来る事なら結婚したく無い女性と婚約させられていたのだ!
相手の家の方が位が上でどうしても断れない状況だった。
しかし妹とわずかなお供の者を連れて婚約者の家に表敬訪問に向かっている道中で、突然【異世界転移】してしまい、皆この見知らぬ世界にいたのだ!
ある意味、嬉しい事態ではある!
しかし…
「ソレは重々承知しておりますわ、ジーク兄様!
だからこそ、この地で民衆から愛されているあの人を伴侶とするべきなのですわ!
そうすれば、必然的に私たちも身内としてこの地の方々から慕われますわ!」
「…そんな理由でワタシの伴侶を決めろと?」
確かにこの世界での生活基盤は必要だが、この国の【組織】とやらが全面的に協力してくれるとか、当面の心配はないのだが…
「…先ずはその方にお会いしないと…こういう事はお互いの気持ちが大事なのだぞ?」
「大丈夫ですわ、あの方ならきっとお兄様も恋に落ちますから…。」
「…恋ねぇ?
ワタシはしばらく色恋沙汰は遠慮したいのだけどね?
【組織】の方から【外交】の仕事をしないかと、打診をされてね?」
「…そ、それは【宰相】の様な職でしょうか?」
そうかも知れないし、違うかも知れない。
「…しかし、既に【組織】から先方に今回の【顔合わせ】の話しが伝えられているそうだ?
先方にもご都合が有るだろうし、ましてやそれほど素晴らしい女性なら、もうお相手が居てもおかしく無いだろう?
…ん、どうしたソニア?」
兄の言葉を聞き、突然目から光が消えた妹…
「…そうでしたわ…、当然考えるべきでした…アレほど素敵なお姉様なら、そんなお相手が居て同然でしたわ…どうしましょう?」
そこへ、
「ジークフリート様、ソニア様!」
幼い頃から共に育った供のロムが慌てた様子で部屋に入ってきた?
「どうしたロム、そんなに慌てて、お前らしくも無い?」
「先方の女性から、御自宅へ招待したいとお返事が有ったそうです!」
「な、何と⁈」
「やりましたわお兄様、彼方は乗り気ですわ!」
「そ、そうなのか?
自宅に招くとは、そう言う事なのか?」
「何でも【ホームパーティー】を行うそうです。」
「…パーティー、王宮に招かれた時に踊らされたアレか?」
「規模は小さいモノかと?」
「…分かった、招かれた以上、失礼の無い様、心掛けよう!」
ホームパーティー…
サクラさんはどんなパーティーを行うつもりだ?
そして名も告げずに去っていかれた…
幸いあの町では広く名の知られた方でしたので、助かりましたわ!
「…ですのでお兄様、必ず【サクラお姉様】とのお見合いを成功させるのです!
ソレこそこの世界で、我ら【龍人族】が上級種として名を馳せる足掛かりと成るのですから!」
…と力説する龍人の女の子、ソレを複雑な表情で見守るその兄…
元の場所では、龍人の国の貴族で有ったのだ。
「…あのなぁ、ソニアよ、コチラの世界には【上級種】なんて種族を分ける様な概念などは存在しないのだ。
皆等しく平等、あくまで自分自身の能力や行動のみが評価の対象なのだ。
爵位や家柄など煩わしいモノはもう必要無……。」
実は元の世界では、出来る事なら結婚したく無い女性と婚約させられていたのだ!
相手の家の方が位が上でどうしても断れない状況だった。
しかし妹とわずかなお供の者を連れて婚約者の家に表敬訪問に向かっている道中で、突然【異世界転移】してしまい、皆この見知らぬ世界にいたのだ!
ある意味、嬉しい事態ではある!
しかし…
「ソレは重々承知しておりますわ、ジーク兄様!
だからこそ、この地で民衆から愛されているあの人を伴侶とするべきなのですわ!
そうすれば、必然的に私たちも身内としてこの地の方々から慕われますわ!」
「…そんな理由でワタシの伴侶を決めろと?」
確かにこの世界での生活基盤は必要だが、この国の【組織】とやらが全面的に協力してくれるとか、当面の心配はないのだが…
「…先ずはその方にお会いしないと…こういう事はお互いの気持ちが大事なのだぞ?」
「大丈夫ですわ、あの方ならきっとお兄様も恋に落ちますから…。」
「…恋ねぇ?
ワタシはしばらく色恋沙汰は遠慮したいのだけどね?
【組織】の方から【外交】の仕事をしないかと、打診をされてね?」
「…そ、それは【宰相】の様な職でしょうか?」
そうかも知れないし、違うかも知れない。
「…しかし、既に【組織】から先方に今回の【顔合わせ】の話しが伝えられているそうだ?
先方にもご都合が有るだろうし、ましてやそれほど素晴らしい女性なら、もうお相手が居てもおかしく無いだろう?
…ん、どうしたソニア?」
兄の言葉を聞き、突然目から光が消えた妹…
「…そうでしたわ…、当然考えるべきでした…アレほど素敵なお姉様なら、そんなお相手が居て同然でしたわ…どうしましょう?」
そこへ、
「ジークフリート様、ソニア様!」
幼い頃から共に育った供のロムが慌てた様子で部屋に入ってきた?
「どうしたロム、そんなに慌てて、お前らしくも無い?」
「先方の女性から、御自宅へ招待したいとお返事が有ったそうです!」
「な、何と⁈」
「やりましたわお兄様、彼方は乗り気ですわ!」
「そ、そうなのか?
自宅に招くとは、そう言う事なのか?」
「何でも【ホームパーティー】を行うそうです。」
「…パーティー、王宮に招かれた時に踊らされたアレか?」
「規模は小さいモノかと?」
「…分かった、招かれた以上、失礼の無い様、心掛けよう!」
ホームパーティー…
サクラさんはどんなパーティーを行うつもりだ?
10
あなたにおすすめの小説
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる