英雄と村娘

その年。隣合うふたつの国で続いていた戦争が終結した。勝利した国の若き将ーーエドアルトは自国では英雄となり、敗戦国では憎しみの象徴となっていた。

自国で平和な日常を送っていたある日、エドアルトは主人の希望で小旅行へと出掛ける。勝利の褒美にと当てがわれた姫を伴い、旅は順調に進んでいたが、その道中盗賊に襲われ、姫を守ったエドアルトは山の谷底へひとり落ちてしまう。

目覚めると知らない天井が広がっていた。

「大丈夫ですか?」

覗き込んできたのはひとりの少女。動こうとすれば足に激痛が走り、折れていると告げられた。ーーそこはいまだエドアルトへの怨嗟が轟く敗戦国の村だった。正体が分かれば何をされるかわからない。エドアルトは身分を偽り、少女の世話になるが。しだいに惹かれていってーー。




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