初恋の幼馴染に再会しましたが、嫌われてしまったようなので、恋心を魔法で封印しようと思います【完結】

皇 翼

文字の大きさ
6 / 17

5.

しおりを挟む
私に嫌がらせをしてきた主犯格達が、魔法のせいで風が吹くだけでも怯えるようになって数日。
私はこれ以上ないくらいに快適な生活を送っていた。なにせ最近は下らない事で嫌がらせをして来た人間に対して、やられたら数倍以上のものでやり返しているのだ。彼女らも教師に訴えようにも、自分達が元々仕掛けてきている負い目があるのか泣きつけないようで無様だった。仕掛けるまでは力量の差も分かっていなかったのが余りにも愚かで、最近では可愛らしいとすら思ってしまう。

それとあれからは、ゼルクと会う度に敢えて自分から話しかけに行っている。なにせもう女子たちに目をつけられてしまったのだ。どれだけ話しかけようと同じであろう。好きにさせてもらう。
お互いまだ婚約者がいない。きっとこれは好きな人に好きなタイミングで話しかけられる最後の期間だろう。

けれど、ゼルクの方はなんだか様子がおかしかった。
前回のように話しかけてくるようなことはなく、女の子に囲まれていても助けを求めてこない。それどころか囲んでくる女の子たちのことも丸っきり無視していて、なんだか上の空の様な感じがする。

どうしたのだろう?と疑問に思ったが、少し期間が経過すれば、私から話しかけるほどの暇はなくなっていた……課題が出ているせいで。
合同授業では一度ペアを決めると、課題が与えられる。
ついでに私は既にディリアとペアを組んでいるので、私達ペアには既に課題が与えられているのだ。

他の女の子たちが騒いでたから知った事だが、ゼルクも既にあのフェリクスとペアを組んでいる様だ。それでも女の子に囲まれているのだから、なんとも哀れだと思うが。
まあでもゼルクの事だ。そんな面倒な状況にあったとしても、課題なんてきっとすぐに終わってしまうのだろう。昔から彼は実技だけでなく、座学もかなり得意だった。

とにかく私はディリアと共に課題を終わらせなければならない。それに加え、四年に一度開かれる魔導祭の準備もある。この魔導祭では、学生だけでなく、魔導士・魔術師の名家も参加し、それぞれの家の魔法を披露し合う。これは国民にも人気の行事で、私の伯爵家もゼルクの公爵家も毎年参加している。
私とゼルクの家は古くからの魔導士の家系なのだ。だから昔から面識もあったし、親同士が友人ということで昔から交流もあった。私が昔から一方的にライバル視して、ゼルクにはうざったく付きまとっていたが、もう私と彼はライバルではない。だって私はもう家を継ぐことなんてないのだ……少し前、丁度前回の魔導祭が終わった直後に弟が産まれたから。
私だってもう家を継ぐことはないと分かった時は、それなりにショックだった。だって産まれて此の方ずっと家を継ぐためだけに魔導士の修練を積んできたのだ。実のところ、一時期は両親すら恨んで、出奔してやろうかとすら思っていた。しかし色々あり、なんとか持ち直して現在に至る。

今年も私の伯爵家は参加するが、私はもう伯爵家時期当主でも、当主自身でもない。とにかく今回は、父が参加する故に伯爵家としてはノータッチである……のだが、代わりに今年は学生としては参加しなければならないので、出された課題による地獄をそれなりに味わっていた。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

『親友』との時間を優先する婚約者に別れを告げたら

黒木メイ
恋愛
筆頭聖女の私にはルカという婚約者がいる。教会に入る際、ルカとは聖女の契りを交わした。会えない間、互いの不貞を疑う必要がないようにと。 最初は順調だった。燃えるような恋ではなかったけれど、少しずつ心の距離を縮めていけたように思う。 けれど、ルカは高等部に上がり、変わってしまった。その背景には二人の男女がいた。マルコとジュリア。ルカにとって初めてできた『親友』だ。身分も性別も超えた仲。『親友』が教えてくれる全てのものがルカには新鮮に映った。広がる世界。まるで生まれ変わった気分だった。けれど、同時に終わりがあることも理解していた。だからこそ、ルカは学生の間だけでも『親友』との時間を優先したいとステファニアに願い出た。馬鹿正直に。 そんなルカの願いに対して私はダメだとは言えなかった。ルカの気持ちもわかるような気がしたし、自分が心の狭い人間だとは思いたくなかったから。一ヶ月に一度あった逢瀬は数ヶ月に一度に減り、半年に一度になり、とうとう一年に一度まで減った。ようやく会えたとしてもルカの話題は『親友』のことばかり。さすがに堪えた。ルカにとって自分がどういう存在なのか痛いくらいにわかったから。 極めつけはルカと親友カップルの歪な三角関係についての噂。信じたくはないが、間違っているとも思えなかった。もう、半ば受け入れていた。ルカの心はもう自分にはないと。 それでも婚約解消に至らなかったのは、聖女の契りが継続していたから。 辛うじて繋がっていた絆。その絆は聖女の任期終了まで後数ヶ月というところで切れた。婚約はルカの有責で破棄。もう関わることはないだろう。そう思っていたのに、何故かルカは今更になって執着してくる。いったいどういうつもりなの? 戸惑いつつも情を捨てきれないステファニア。プライドは捨てて追い縋ろうとするルカ。さて、二人の未来はどうなる? ※曖昧設定。 ※別サイトにも掲載。

病弱な妹と私のお見合い顛末

黒木メイ
恋愛
病弱な妹は昔から私のモノを欲しがった。それが物でも、人でも、形ないものでも。だから、この結末は予想できていたのだ。私のお見合い相手の腕に抱かれた妹。彼は私ではなく、妹を選んだのだという。 妹は「お姉様。こんな結果になってしまって……本当にごめんなさい」と言った。優越感を滲ませながら。 この場にいる皆は二人の婚姻を喜んでいる。ただ一人を除いて。 ※設定はふわふわ。 ※予告なく修正、加筆する場合があります。 ※小説家になろう様からの転載。他サイトにも掲載中。 ※小説家になろう様にて、4/23日間総合ランキング1位感謝! ※他視点は随時投稿していきます。

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。 ※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡

婚約者が義妹を優先するので私も義兄を優先した結果

京佳
恋愛
私の婚約者は私よりも可愛い義妹を大事にする。いつも約束はドタキャンされパーティーのエスコートも義妹を優先する。私はブチ切れお前がその気ならコッチにも考えがある!と義兄にベッタリする事にした。「ずっとお前を愛してた!」義兄は大喜びして私を溺愛し始める。そして私は夜会で婚約者に婚約破棄を告げられたのだけど何故か彼の義妹が顔真っ赤にして怒り出す。 ちんちくりん婚約者&義妹。美形長身モデル体型の義兄。ざまぁ。溺愛ハピエン。ゆるゆる設定。

婚約者が実は私を嫌っていたので、全て忘れる事にしました

Kouei
恋愛
私セイシェル・メルハーフェンは、 あこがれていたルパート・プレトリア伯爵令息と婚約できて幸せだった。 ルパート様も私に歩み寄ろうとして下さっている。 けれど私は聞いてしまった。ルパート様の本音を。 『我慢するしかない』 『彼女といると疲れる』 私はルパート様に嫌われていたの? 本当は厭わしく思っていたの? だから私は決めました。 あなたを忘れようと… ※この作品は、他投稿サイトにも公開しています。

戦場から帰らぬ夫は、隣国の姫君に恋文を送っていました

Mag_Mel
恋愛
しばらく床に臥せていたエルマが久方ぶりに参加した祝宴で、隣国の姫君ルーシアは戦地にいるはずの夫ジェイミーの名を口にした。 「彼から恋文をもらっていますの」。 二年もの間、自分には便りひとつ届かなかったのに? 真実を確かめるため、エルマは姫君の茶会へと足を運ぶ。 そこで待っていたのは「身を引いて欲しい」と別れを迫る、ルーシアの取り巻きたちだった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

処理中です...