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「…………はあ」
無意識の内に零れる溜息。
あの後、ディリアと別れて自分の寮に戻った私は、身体を洗う気力すら起きずにベッドで泥のように眠っていた。そうして学園への登校時間の1時間前――いつも通りの時間に目が醒める。しかし何もする気力が起きない状態だった。
まるで心にぽっかりと穴が空いたような空虚感。あの時の事がフラッシュバックする度に、頭が真っ白になって、息が詰まるような感覚に襲われるのが、苦しくて仕方がなかった。目覚めてからそんな状態故に、当然食欲も湧かない。私は自分が思っていた以上にゼルクの事が好きだったようだ。それに実は心のどこかで『ゼルクに振り向いてもらえるかもしれない』という感情も残っていたようだった。だからこそ、こんなにも落ち込んでいるのだろう。昨日のことが実は自分の夢だったり、ゼルクが仕掛けた質の悪い冗談だなのかもしれないなどと期待してしまうのだろう。そんなこと、あり得ないというのに。
諦めていると思っていたくせに、実はそんな浅ましい感情を持っていた自分が情けなくて仕方がなかった。
そしてそれと同時に思ってしまった。
この苦しくて醜い感情を消してしまいたい――と。
***
「テッサ――おい、テッサ!」
どれくらい眠っていたのだろうか、ドンドンと部屋の扉を叩く音で目が醒める。
瞼を開けるのすら面倒くさい。心も身体も怠くて、重くて仕方がなかった。ここまで何もやる気が起きないのは初めてだ。最低限の生命活動を維持することすらも面倒だと思ってしまった。
しかしそんなことは扉の外の人間には関係がなかったようだ。
「10秒以内にこの扉が開かなかったら、中で倒れていると判断して扉を壊すぞ。10、9――」
「っ!?」
とんでもない発言が聞こえて跳ね起きる。
そして扉の外にいたディリアが5までカウントすると同時に、扉を開けた。
「おー、生きてたか」
「女性の部屋の扉を壊そうとするだなんて、本気であり得ない」
「それだけ悪態つけるなら大丈夫そう……でもなさそうだな」
ディリアは私の機嫌が悪いという態度など気にせずに部屋に入ってくる。
たまーに部屋で魔法理論の話し合いもしていたので、別に珍しい事ではないのだ。でも今日は最悪のタイミングだった。確かに昨日は彼に慰められはしたが、何故その醜態を知っているはずのディリアが、何故ここに来たのか分からない。
「なんで来たの」
「テッサが無断で授業サボったから、課題と資料を届けに来た」
正答過ぎる理由に反論できなくなる。
それと同時に、きっとディリアの性格からしてあまり巻き込まれたくないだろうに来てくれたということに少しだけ申し訳なくなった。でも心の空虚感から、その気持ちを素直に口に出すことは出来なかった。
「はあ。次からは備え付けの宅配ボックスにいれておいて」
「…………落ち込んでいるのか?」
「別に」
「お前、本当に毎回何でも隠すよな。素直に相談した方が楽になる事もあるんじゃねえの?」
「うるさい!!なんで、なんで私に関わってこようとするの!?貴方なんて、私のただのパートナーじゃない!!私の事は貴方には関係ないでしょう!?」
分かっている。自分が大人げない事をしているだなんてこと。でも口から出た言葉を止めることは出来なかった。
そして私はパートナー、そしてこの学院唯一の友人であるはずの彼に酷い言葉を吐いた。言葉に出した傍から音は後悔に変わるが、勢いのままだったので謝罪をすることなんて出来なかった。そして冷静になってどうしようかと思った時、ディリアに肩を掴まれた。
「関係ある!俺は、お前の事が好きなんだよ!!」
あまりの衝撃に息が止まった。
無意識の内に零れる溜息。
あの後、ディリアと別れて自分の寮に戻った私は、身体を洗う気力すら起きずにベッドで泥のように眠っていた。そうして学園への登校時間の1時間前――いつも通りの時間に目が醒める。しかし何もする気力が起きない状態だった。
まるで心にぽっかりと穴が空いたような空虚感。あの時の事がフラッシュバックする度に、頭が真っ白になって、息が詰まるような感覚に襲われるのが、苦しくて仕方がなかった。目覚めてからそんな状態故に、当然食欲も湧かない。私は自分が思っていた以上にゼルクの事が好きだったようだ。それに実は心のどこかで『ゼルクに振り向いてもらえるかもしれない』という感情も残っていたようだった。だからこそ、こんなにも落ち込んでいるのだろう。昨日のことが実は自分の夢だったり、ゼルクが仕掛けた質の悪い冗談だなのかもしれないなどと期待してしまうのだろう。そんなこと、あり得ないというのに。
諦めていると思っていたくせに、実はそんな浅ましい感情を持っていた自分が情けなくて仕方がなかった。
そしてそれと同時に思ってしまった。
この苦しくて醜い感情を消してしまいたい――と。
***
「テッサ――おい、テッサ!」
どれくらい眠っていたのだろうか、ドンドンと部屋の扉を叩く音で目が醒める。
瞼を開けるのすら面倒くさい。心も身体も怠くて、重くて仕方がなかった。ここまで何もやる気が起きないのは初めてだ。最低限の生命活動を維持することすらも面倒だと思ってしまった。
しかしそんなことは扉の外の人間には関係がなかったようだ。
「10秒以内にこの扉が開かなかったら、中で倒れていると判断して扉を壊すぞ。10、9――」
「っ!?」
とんでもない発言が聞こえて跳ね起きる。
そして扉の外にいたディリアが5までカウントすると同時に、扉を開けた。
「おー、生きてたか」
「女性の部屋の扉を壊そうとするだなんて、本気であり得ない」
「それだけ悪態つけるなら大丈夫そう……でもなさそうだな」
ディリアは私の機嫌が悪いという態度など気にせずに部屋に入ってくる。
たまーに部屋で魔法理論の話し合いもしていたので、別に珍しい事ではないのだ。でも今日は最悪のタイミングだった。確かに昨日は彼に慰められはしたが、何故その醜態を知っているはずのディリアが、何故ここに来たのか分からない。
「なんで来たの」
「テッサが無断で授業サボったから、課題と資料を届けに来た」
正答過ぎる理由に反論できなくなる。
それと同時に、きっとディリアの性格からしてあまり巻き込まれたくないだろうに来てくれたということに少しだけ申し訳なくなった。でも心の空虚感から、その気持ちを素直に口に出すことは出来なかった。
「はあ。次からは備え付けの宅配ボックスにいれておいて」
「…………落ち込んでいるのか?」
「別に」
「お前、本当に毎回何でも隠すよな。素直に相談した方が楽になる事もあるんじゃねえの?」
「うるさい!!なんで、なんで私に関わってこようとするの!?貴方なんて、私のただのパートナーじゃない!!私の事は貴方には関係ないでしょう!?」
分かっている。自分が大人げない事をしているだなんてこと。でも口から出た言葉を止めることは出来なかった。
そして私はパートナー、そしてこの学院唯一の友人であるはずの彼に酷い言葉を吐いた。言葉に出した傍から音は後悔に変わるが、勢いのままだったので謝罪をすることなんて出来なかった。そして冷静になってどうしようかと思った時、ディリアに肩を掴まれた。
「関係ある!俺は、お前の事が好きなんだよ!!」
あまりの衝撃に息が止まった。
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