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第9話-2 【10年越しの執着】「好きで好きでたまんない女」
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「……蒼、すきなひと、いる……んでしょ、っ」
私の震える問いかけに、彼の手が止まる。 長い、永遠のような沈黙。
やがて、頭上から深く、重たい吐息が降ってきた。
「……ああ」
肯定された。 その事実に、心臓が凍りつく。
「いるよ。好きで好きでたまんない女」
低く、熱のこもった声。
それは、私が今まで聞いたこともないほど情熱的で、どうしようもなく切ない響きだった。
「……片思いだったけどな」
(やだ……聞きたくない……っ)
その人が誰なのか、どんなに素敵な人なのか。
これ以上聞いたら、私は本当に壊れてしまう。
ショックで耳を塞ぎたくなり、私は反射的に彼の腕から逃れようと身をよじった。
「……、やっ……」
「逃げんな」
グッ!! 離れようとした身体が、さらに強い力で引き戻される。
逃がさない。絶対に離さない。
そんな痛いくらいの独占欲で、蒼は私をぎゅうぅぅっと抱きすくめた。
骨がきしむほどの強さ。けれど、そこには全身全霊の「愛」が込められていて。
「聞けよ、萌」
耳元で、彼の唇が震えているのが分かった。
「今、失恋して泣いてる女……」
「え……?」
「そいつのこと、10年ずっと……想ってるよ」
「――――ッ」
時が、止まった。
今、失恋して、泣いてる女。
この部屋に、女は私しかいない。 私の腕の中で泣いているのは、私しかいない。
「……、え??」
目から溢れていた涙が、ピタリと止まる。
代わりに、カァァァッ……と凄まじい勢いで全身の血液が沸騰し、顔が真っ赤に染まっていくのが分かった。
(き、聞き間違い……だよね?)
(だって、10年だよ? 10年も……私を?)
信じられない思いで、恐る恐る顔を上げる。
至近距離で目が合った蒼。 彼は、もう隠すつもりはないようだった。
いつも余裕ぶっていたエリート商社マンの仮面は、そこにはない。
あるのは、ただ一人の男としての、剥き出しの情熱と、少し照れくさそうな、でも真剣すぎる眼差し。
「……蒼、それって……」 「お前だよ、バーカ」
彼は私の頬に残る涙を親指で拭うと、愛おしそうに目を細めた。
「高校の時からだ。……お前が他の男と付き合ってる間も、ずっと」
10年。 私が他の誰かを好きでいる間も。
私が元カレのために尽くしている間も。 彼は一番近くで、でも一番遠い場所から、私だけを見ていてくれたの?
「気づけよ。……あんなに分かりやすく特別扱いしてたのに」
「だって……蒼、モテるし……友達だし……」
「友達に、マッサージねだるかよ。友達に、こんなキスするかよ」
彼は私の唇を指先でなぞり、苦笑いした。
「……俺は、お前じゃなきゃダメなんだ」
その言葉は、どんなプロポーズよりも甘く、重く、私の胸を貫いた。
身体中の力が抜け、私はへなへなと彼の胸に崩れ落ちた。
嬉しくて、恥ずかしくて、申し訳なくて。
そして何より、愛おしくてたまらない。
「あお……っ、うわぁぁぁんっ!!」
今度は悲しみではなく、幸福感で涙が溢れ出した。
そんな私を、蒼は「泣き虫だな」と笑いながら、今度こそ私のすべてを受け止めるように、優しく、深く抱きしめ続けてくれた。
私の震える問いかけに、彼の手が止まる。 長い、永遠のような沈黙。
やがて、頭上から深く、重たい吐息が降ってきた。
「……ああ」
肯定された。 その事実に、心臓が凍りつく。
「いるよ。好きで好きでたまんない女」
低く、熱のこもった声。
それは、私が今まで聞いたこともないほど情熱的で、どうしようもなく切ない響きだった。
「……片思いだったけどな」
(やだ……聞きたくない……っ)
その人が誰なのか、どんなに素敵な人なのか。
これ以上聞いたら、私は本当に壊れてしまう。
ショックで耳を塞ぎたくなり、私は反射的に彼の腕から逃れようと身をよじった。
「……、やっ……」
「逃げんな」
グッ!! 離れようとした身体が、さらに強い力で引き戻される。
逃がさない。絶対に離さない。
そんな痛いくらいの独占欲で、蒼は私をぎゅうぅぅっと抱きすくめた。
骨がきしむほどの強さ。けれど、そこには全身全霊の「愛」が込められていて。
「聞けよ、萌」
耳元で、彼の唇が震えているのが分かった。
「今、失恋して泣いてる女……」
「え……?」
「そいつのこと、10年ずっと……想ってるよ」
「――――ッ」
時が、止まった。
今、失恋して、泣いてる女。
この部屋に、女は私しかいない。 私の腕の中で泣いているのは、私しかいない。
「……、え??」
目から溢れていた涙が、ピタリと止まる。
代わりに、カァァァッ……と凄まじい勢いで全身の血液が沸騰し、顔が真っ赤に染まっていくのが分かった。
(き、聞き間違い……だよね?)
(だって、10年だよ? 10年も……私を?)
信じられない思いで、恐る恐る顔を上げる。
至近距離で目が合った蒼。 彼は、もう隠すつもりはないようだった。
いつも余裕ぶっていたエリート商社マンの仮面は、そこにはない。
あるのは、ただ一人の男としての、剥き出しの情熱と、少し照れくさそうな、でも真剣すぎる眼差し。
「……蒼、それって……」 「お前だよ、バーカ」
彼は私の頬に残る涙を親指で拭うと、愛おしそうに目を細めた。
「高校の時からだ。……お前が他の男と付き合ってる間も、ずっと」
10年。 私が他の誰かを好きでいる間も。
私が元カレのために尽くしている間も。 彼は一番近くで、でも一番遠い場所から、私だけを見ていてくれたの?
「気づけよ。……あんなに分かりやすく特別扱いしてたのに」
「だって……蒼、モテるし……友達だし……」
「友達に、マッサージねだるかよ。友達に、こんなキスするかよ」
彼は私の唇を指先でなぞり、苦笑いした。
「……俺は、お前じゃなきゃダメなんだ」
その言葉は、どんなプロポーズよりも甘く、重く、私の胸を貫いた。
身体中の力が抜け、私はへなへなと彼の胸に崩れ落ちた。
嬉しくて、恥ずかしくて、申し訳なくて。
そして何より、愛おしくてたまらない。
「あお……っ、うわぁぁぁんっ!!」
今度は悲しみではなく、幸福感で涙が溢れ出した。
そんな私を、蒼は「泣き虫だな」と笑いながら、今度こそ私のすべてを受け止めるように、優しく、深く抱きしめ続けてくれた。
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