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第10話-1 ♥ 【陥落】「もう、我慢しない」
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「……うぅっ、やだっ……私、なんで……っ」
安堵と幸福、そして自身の愚かさに、涙が止まらない。
私は蒼のシャツを握りしめ、子供のように彼にしがみついた。
「ほんとに……男見る目、なかった……」
「……」
「一番いい男が、こんな近くにいたのに……っ」
顔を上げ、潤んだ瞳で彼を見つめる。
10年分の想いをぶつけてくれた彼に、今の私の精一杯を伝えなきゃいけない。
「私、蒼に惹かれてる。……どうしようもなく、好き。 今更ごめん……気づくの遅くて、ごめんね……っ」
その言葉が唇から離れた、その瞬間だった。
「――っ」
蒼の喉が、ゴクリと鳴った。
返事はない。 代わりに、私の身体がふわりと宙に浮いた。
「きゃっ!?」
少し乱暴に、けれど絶対に落とさない力強さで、私はお姫様抱っこをされていた。
慌てて彼の首に腕を回す。
見上げた蒼の瞳は、さっきまでの慈愛に満ちたものじゃない。
もっと昏く、ドロドロとした独占欲と、抑えきれない情欲の炎が揺らめいている。
「あ、蒼……?」
「……部屋、行くぞ」
短く告げられた言葉は、拒否権のない決定事項だった。
彼は大股で廊下を歩き、迷うことなく自身の寝室へと私を運んでいく。
ドサッ。 広いキングサイズのベッドに、私が沈み込む。 すぐに彼が覆いかぶさり、逃げ場はなくなった。
「あ……っ」
間接照明に照らされた彼の顔が、色っぽすぎて直視できない。
蒼の手が、私の服の裾にかけられる。
魔法のような、滑るような手つき。
抵抗する間もなく、ブラウスのボタンが外され、肌が露わになっていく。
「ちょ、まって……蒼っ……」
恥ずかしさと展開の早さに、私は彼の逞しい二の腕にすがりついた。
怖い。
でも、それは嫌な怖さじゃない。
10年越しの想い人と、これから一つになるんだという、身震いするような期待感。
(私……期待してる。蒼に、抱かれたいって思ってる……)
そんな、いやらしい本音を自覚してしまい、顔から火が出そうになる。
そんな私の葛藤を知ってか知らずか、蒼は私を見下ろしたまま、自身のシャツのボタンに手をかけた。
プチッ、プチッ……。
片手だ。 彼は私を愛撫する手を止めず、もう片方の手だけで、器用に自分のボタンを弾き飛ばしていく。
その仕草があまりにも手慣れていて、そして悔しいほど様になっていて。
(……慣れてる)
(こんな顔、知らない。私の知らない10年の間に、蒼は大人の男になってたんだ……)
露わになった厚い胸板と、割れた腹筋。
そして、獲物をねぶり尽くそうとする捕食者の目。
圧倒的な「オス」の色気に当てられ、私は息をするのも忘れて魅入ってしまう。
「……萌」
蒼の指先が、私の鎖骨から胸元へと、焦らすように這い降りる。
「んっ……ぁ……」
「そんな顔すんな。……余裕なくなる」
彼は私の耳元に顔を埋め、噛みつくように囁いた。
「10年待ったんだ。……もう、我慢しないからな」
「――っ!」
唇が塞がれる。 優しさなんて欠片もない、貪るようなキス。
それと同時に、彼の手が私の秘めた場所へと伸び――。
視界が白く弾け、私の意識は彼の熱の中に溶けていった。
小鳥のさえずりが、けだるい朝を告げていた。
カーテンの隙間から差し込む光が、ベッドの上に散乱した衣服と、シーツにくるまった二人を照らし出している。
「……んぅ……」
重い瞼を開けると、すぐ目の前に、安らかな寝顔があった。
私の腰には、彼の腕がしっかりと巻き付いている。
昨夜の嵐のような、でも蕩けるほど甘かった記憶が蘇り、私は音もなく顔を真っ赤にして、シーツの中に潜り込んだ。
(……すごい、ことになっちゃった……)
もう、後戻りはできない。
私たちは、「同級生」でも「同居人」でもなく、正真正銘の「恋人」になってしまったのだから。
安堵と幸福、そして自身の愚かさに、涙が止まらない。
私は蒼のシャツを握りしめ、子供のように彼にしがみついた。
「ほんとに……男見る目、なかった……」
「……」
「一番いい男が、こんな近くにいたのに……っ」
顔を上げ、潤んだ瞳で彼を見つめる。
10年分の想いをぶつけてくれた彼に、今の私の精一杯を伝えなきゃいけない。
「私、蒼に惹かれてる。……どうしようもなく、好き。 今更ごめん……気づくの遅くて、ごめんね……っ」
その言葉が唇から離れた、その瞬間だった。
「――っ」
蒼の喉が、ゴクリと鳴った。
返事はない。 代わりに、私の身体がふわりと宙に浮いた。
「きゃっ!?」
少し乱暴に、けれど絶対に落とさない力強さで、私はお姫様抱っこをされていた。
慌てて彼の首に腕を回す。
見上げた蒼の瞳は、さっきまでの慈愛に満ちたものじゃない。
もっと昏く、ドロドロとした独占欲と、抑えきれない情欲の炎が揺らめいている。
「あ、蒼……?」
「……部屋、行くぞ」
短く告げられた言葉は、拒否権のない決定事項だった。
彼は大股で廊下を歩き、迷うことなく自身の寝室へと私を運んでいく。
ドサッ。 広いキングサイズのベッドに、私が沈み込む。 すぐに彼が覆いかぶさり、逃げ場はなくなった。
「あ……っ」
間接照明に照らされた彼の顔が、色っぽすぎて直視できない。
蒼の手が、私の服の裾にかけられる。
魔法のような、滑るような手つき。
抵抗する間もなく、ブラウスのボタンが外され、肌が露わになっていく。
「ちょ、まって……蒼っ……」
恥ずかしさと展開の早さに、私は彼の逞しい二の腕にすがりついた。
怖い。
でも、それは嫌な怖さじゃない。
10年越しの想い人と、これから一つになるんだという、身震いするような期待感。
(私……期待してる。蒼に、抱かれたいって思ってる……)
そんな、いやらしい本音を自覚してしまい、顔から火が出そうになる。
そんな私の葛藤を知ってか知らずか、蒼は私を見下ろしたまま、自身のシャツのボタンに手をかけた。
プチッ、プチッ……。
片手だ。 彼は私を愛撫する手を止めず、もう片方の手だけで、器用に自分のボタンを弾き飛ばしていく。
その仕草があまりにも手慣れていて、そして悔しいほど様になっていて。
(……慣れてる)
(こんな顔、知らない。私の知らない10年の間に、蒼は大人の男になってたんだ……)
露わになった厚い胸板と、割れた腹筋。
そして、獲物をねぶり尽くそうとする捕食者の目。
圧倒的な「オス」の色気に当てられ、私は息をするのも忘れて魅入ってしまう。
「……萌」
蒼の指先が、私の鎖骨から胸元へと、焦らすように這い降りる。
「んっ……ぁ……」
「そんな顔すんな。……余裕なくなる」
彼は私の耳元に顔を埋め、噛みつくように囁いた。
「10年待ったんだ。……もう、我慢しないからな」
「――っ!」
唇が塞がれる。 優しさなんて欠片もない、貪るようなキス。
それと同時に、彼の手が私の秘めた場所へと伸び――。
視界が白く弾け、私の意識は彼の熱の中に溶けていった。
小鳥のさえずりが、けだるい朝を告げていた。
カーテンの隙間から差し込む光が、ベッドの上に散乱した衣服と、シーツにくるまった二人を照らし出している。
「……んぅ……」
重い瞼を開けると、すぐ目の前に、安らかな寝顔があった。
私の腰には、彼の腕がしっかりと巻き付いている。
昨夜の嵐のような、でも蕩けるほど甘かった記憶が蘇り、私は音もなく顔を真っ赤にして、シーツの中に潜り込んだ。
(……すごい、ことになっちゃった……)
もう、後戻りはできない。
私たちは、「同級生」でも「同居人」でもなく、正真正銘の「恋人」になってしまったのだから。
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