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第三章:パンゲア王国の危機

第二九話:美少女許嫁と入浴タイム!

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 緑の髪を揺らして千葉が帰ってきた。無傷だった。
「無事かよ! 千葉。どーやって説得した!」
「いや、アインの母上、私の義母になるかもしれない、あのお方は優しいぞ? なにを恐れている?」
「怖くないのか?」
「全然」
 エメラルドグリーンの瞳でじっと見つめ断言するエルフの千葉。
「アンタ、外見は結構カッコいいかもしれないしぃ、強いくせに、マザコンなのよぉ! でも、可愛いかも……」
 金色のまつ毛を沈ませ、碧い瞳で俺を見つめるエロリィ。違う。断じてマザコンではない。
 そして、可愛いのはエロリィの方だ。

 つーか、お前ら、俺の母親の恐怖をしらないから、言えるんだ。
「雷鳴の勇者」をぼろ屑に変えるあの恐怖を。
「なあ! シャラート! 怖いよね。ウチのママ怖いよね!」 
「いえ、お義母様はお優しいです。私を受け入れてくださったことでも分かります」
「そ、そうだけどさぁ……」
 確かにやさしいよ。抜群にね。俺を溺愛だよ。スリスリだよ。俺に対しては優しいけどね。
 まあ、よく考えてみれば、自分の旦那意外に怒り向けたとこは見たことないけど……。

「では、快く承諾してもらったので、アインはこの部屋ということになりますね」
 シャラートがメガネのブリッジを人差し指で持ち上げて言った。
 言いながら、言葉の合間で「はぁはぁ」と息が荒いんですけど。
「あはッ! やるなエルフ!」
「きゃははははは! もうね、さすが私の下僕なのよ!」

「アイン、一緒に寝ましょうね……」
 寝るだけですよね? お姉様。それは、睡眠という意味ですよね。
 まあ、それ以上でもいいんですけどね。千葉がいなければ!
 更に呼吸が荒くなってますね。どーしたんですか?

「んじゃ、全員で寝ようぜ」
「いいわね、エルフにご奉仕させて、みんなで寝るのよ!」
「不肖! エルフの千葉次郎(仮称)、一心不乱に頑張ってご奉仕させていただきます!」
 荘厳な空気を清めるような清廉な旋律の声。エルフの声。しかし、その心音が下品極まりない。
 お前でてけ。俺と3人だけにしてくれないか。マジで。
 しかし、コイツはノーパソ&ソーラ充電器という最強チートアイテムを持っている。機嫌を損ねることはできない。
 中身が男子高校生の千葉君じゃなければ、大歓迎なのに。
 見目麗しいエルフだよ。幻想世界だよ。
 あ~あ、くそもったいねー。

『極上のエルフに男子高校生をぶちまけたようなものね』
『おまえも、バ〇ネタ好きだな…… サラーム』
『もう、中身なんかどーでもいいわ。でも千葉×アインの方がよかったにぃぃぃ! 脳内補完ね』
『生ものOKすか? だまってください、腐れ精霊様』
『腐ってなんかないわ』
 
 俺の脳内で騒ぐ精霊は置いておいてだ。
 もう一つ疑問なんだけど。

 俺は部屋の出入り口を見た。
 正確にはそこに立っている人を見た。
 もっと正確に言うと、そこに立っている「人じゃない者」を見ただ。

「あああん、ダメよ、天成君。高校生が、それは不純異性交遊なの、うふ。ここは教師として、いいえ、大人の女として見過ごすわけにはいかないの(ダメよ、天成君、そんな目で私を見つめて。もしかして、欲しいの? 私まで欲しいの? こんなに、若い子をはべらせて、それでも、教師の私が欲しいっていうの…… ああん、どうしましょう)」
 こっちが、どうしましょうだ。
 どーすればいいんだよ。

「おま! なんで、池内先生がいるんだよ! ここに! どーすんだ? なにがしたいんだ? 千葉!」
「いや、なにをしているのかと聞かれたので、正直に言ったのでゴザル。そうしたら来た」
 つーか、池内先生とコミュニケーションとれるのにびっくりだよ。
 英語教師だけど、普段の日本語の会話の方が難解だから。
 池内先生で余計にややこしくなるから。

「ああん、もうだめ…… 先生もこのお部屋にとまらなくちゃ駄目ね。うふ、天成君たら…… いけない生徒なんだから(うふ、どうしましょ。そうよ、私は教師として、生徒が過ちを犯す前に、それを防ぐ務めがあるの。ううん、決して天成君に嫉妬しているわけじゃないの。でも、どうかしら、先生を女として見てくれているのかしら…… だめ、気になってしまうの。私は…… 堕ちてしまうかも、ああん)」
 自動フラ〇ス書院文体生成ソフトのような、内面描写をダダ漏れにしながら、体をクネクネさせる人外の教師。
 池内真央先生だ。ダンジョンで魔族と混じって合体してしまった。
 ショートのウェイブのかかった金髪に角2本。黒ボンテージに凶悪な巨大おっぱいの持ち主だ。背中では小さな羽がパタパタしているのだろう。

「こうなってしまった以上、仕方ないですな。では、全員で温泉に入ります」
「なんで?」
「いや、入浴イベントは必須だろ? ポロリがあったりして、ラッキスケベとか」
「もはや、これはラッキースケベのレベルじゃないと思う」
「いやなのか? 天成?」

 嫌なのかと正面から問われると困るのだった。
 俺は、5人を見た。
 シャラートは超巨乳で、スベスベのお肌で、長い黒髪のクールビューティのお姉様でメガネっ子だ。
 しかも、俺の異母姉でもある。死角がない。文句は無い。
 ちょっと、いや、かなりエロいというか、ほぼ痴女というか、欲望に素直な肉食系のところも、今なら大歓迎。
 
 ライサは緋色の長い髪で、やや釣り目の大きな瞳とドストライクの剛速球。ボールの唸りに地獄が見えるレベル。
 小麦色の肌がまたいい。すごいいい。スタイルなんか垂涎物の芸術品だし。
 細い腰と十分なボリュームのある胸と尻は、奇跡のラインを描く、夢の懸け橋だし。
 でもって、パワフルで積極的だ。ぜったいにいい。うん、いい。

 エロリィはもう、北欧の妖精だよ。金髪ツインテールで、キラキラだもん。
 ツルンとしたボディと、その可愛い容姿。ああ、北欧だ。透き通るような白い肌。
 そして、「生えてない」「来てない」という希少種だ。
 日本では絶対にダメな種類の女の子。お巡りさん来ちゃうレベル。
 でも、異世界はOKだから。

 池内先生も、悪くない。中身はもうこの際置いておく。外見だけで行けば、反則級の発禁処分だから。
 おっぱいなんて、最終決戦兵器だ。どうなんだろう? 正直、ちょっと揉んでみたいとは思う。
 魔族と融合してしまっているのも、まあ異世界なら許容範囲だろう。ギリギリかもしれないが。
 つーか、日本に戻れないだろうし、このまま俺が面倒を見なければいけないかもしれない……
 まあ、それもありか。

 ここで、終われば俺のハーレム計画は意外に順調だ。
 問題はコイツだ。
 このエルフの千葉君だ。男子高校生だったエルフちゃん。
 なぜか、俺の許嫁になっているこのエルフ……
 確かに、外見だけならOKだ。何の問題もない。
 くそ、どーなんだ。この存在は……
 千葉は排除できない。
 千葉がいることで、意外に3人が仲良くなっているという面は否定できない。
 しかも、俺にとっては最重要人物でもある。ノーパソの持ち主だ。
 
 あー、考えるのめんどくせ。
 もういいや。いくか、風呂に。 

「よし! みんなで風呂に行こう」
「おう! 天成、さすがだな!」
「久しぶりに、天成と呼んだな。千葉!」
「あ、そうか! だが、今の決断、許嫁ではなく、親友として感動した」

 俺の内面の葛藤を見抜いたかのように千葉は言った。
 そして、繊細で可憐な腕が俺に差しだされた。
 俺はその手をとった。
 グッと握った。固い握手だった。
 それは、姿かたちは変わってしまったが、親友とかわす固い握手であった。

「よし! 温泉だ! 風呂に行くぞ!!」
 もう一度俺は高らかに宣言した。もう、そこに迷いはなかった。

        ◇◇◇◇◇◇

『やっぱり、「かぽーん」ってならないわね』
 サラームのお決まりのネタが入る。
 擬音の感性までは、理解できないのが精霊と人間の壁だろうか。

「おい、本当に貸切になったのか?」
「ああ、魔王様が入るといったら、貸切になった。嘘はいってない」
 エルフだった千葉は言った。
 今、男湯の方が完全に貸切状態となっている。
 風呂は、魔法の炎で明かりがついてはいるが、ちょっと薄暗い感じだ。
 ゆらゆらと揺れる炎の明かりで、なんというか変な気持になってくる。
 
 結構広い風呂だ。俺の生まれ育った実家の風呂は、蒸し風呂と普通の風呂の折衷みたない感じだったが、ここの風呂は日本の物に近い。
 同じ異世界でも色々あるのだろう。

 俺は腰にタオルをまいて、風呂に入る。
 続いて、許嫁チーム+担任教師(魔族が混じってる)が入ってきた。

 長い黒髪のクールビューティのお姉様。
 緋色の髪のパワフル系超絶美少女。
 金髪ツインテールの幼女プリンセス。
 魔族と混ざってしまった超巨乳の担任英語教師。
 緑の髪のエルフの美少女で元男子高校生の千葉君。

 全員が、体にタオルを巻きつけて、入ってきた。
 当然、下は裸である。
 全員が髪の毛をまとめて、タオルを頭に巻いていた。
 先生は角がはみ出ている。

 本当に見ているだけで、至福だ。
 千葉がいなければ、見ているだけでは済まさないが。

 風呂場には椅子もあり、洗面器のような桶もあった。
 木製で、日本の銭湯に似ていた。
 ただ、シャワーはない。
 体を洗うためのお湯をとる場所にお湯が流れ込んでいる。
 そこから、洗面器でお湯を取って体を洗うのだ。
 さっきお風呂に入ったので、分かっている。

 俺はお湯をすくって、椅子に座る。
 とりあえず、体を洗ってだな……

 俺の背後に音もなく立ったのはシャラートだった。
 流れるような仕草で、しゃがみこんだ。薄暗がりで肝心なとこがよく見えない。
 俺の異母姉で、一番最初の許嫁である。はっきり言おう。
 俺は、このシャラートが大好きだ。
 ドキドキする。
 
 彼女は頭に巻いてあったタオルをとった。
 ふわりとサラサラの黒髪が流れるように落ちる。
 炎の揺れる明かりの中、真っ白い肌と黒髪がコントラストをなす。
 そして、体にまいたタオルを押しのけそうな凄まじい大きさのおっぱい。
 予約ではなく、今すぐ俺専用にしたい。ああ、モミモミしたい。

 欲情した淫らな瞳がメガネの奥から光を放つ。
 風呂でもメガネはかけっぱなしだった。
 これも最高だ。

 彼女は、はらりと身を隠していたタオルを脱いだ。
「アイン――」
「な、なに?」
「ここを洗って欲しいです。いつも私が洗ってました。今日はアインが洗ってください」
 俺の手をとって柔らかい物体に押し付けた。
 しっとりとした湿り気で手が吸い付く。
 弾力と柔らかさの調和のとれた抜群のおっぱいだった。
 俺はモミモミした。指が沈み込みながらも、それを押し返す弾力があった。

「あああ、アイン…… 洗うのが、上手です……」
「ああああああああ、そ、そうですか……」
「アイン、私も洗って上げます」
 シャラートは俺の胸に細い指を這わせてきた。
 お湯をつけて、キレイキレイにしてくれている。
 気持ちいい。

「あはッ! 私も洗ってあげる」
 ライサだった。彼女は、髪を包んでいたバスタオルを無造作にとって投げた。
 緋色の髪がふわっと舞いながら体にまとわりついていく。
 そのまま、体を包んでいたタオルも脱ぎ放った。

 長身にすらっと長い手脚をした美少女だ。
 しっとりした小麦色の肌に髪の毛が貼りついている。
 汗をかいているのかもしれない。 
 大きく赤いルビーの瞳で俺を見つめた。
 しゃがみこんで、俺に顔を近づけた。

「どこを洗うの?」
「ここ――」
 ライサはそう言うと、俺の首に手を回した。
 いきなり、唇を俺に重ねてきた。
 強引に俺の口を割って舌をねじ込んでくる。
 俺に舌を見つけるとキュッと締め付けるように絡んできた。
 ヌルヌルとした舌の感触で、頭が痺れてきた。
 
 そして、すっと唇が離れた。
 薄明り中、炎の光を反射する糸が2人の口の間で伸びる。そして切れる。
 
「あはッ! これで私もベロチュウしたね」
 そう言ってキュッと体をくっつけてきた。
 俺はまだ、右手でシャラートをキレイキレイしている最中だった。
 シャラートの「はぁ、はぁ」という声の間隔が短くなってきている。
 残った左手をライサは持った。
「ね、私も洗って」
 そいうと、その胸に俺の手を押し付けた。
 シャラートや、池内先生のような圧倒的な質量はないが、十分なボリュームがある形のいいおっぱい。
 これも、俺専用にしたい。心底思った。ああ、予約だ。予約したい。絶対に俺専用だ。
 俺は、そこをキレイキレイにしてあげるのだった。
 
「もうね、私もキレイにするのよ」
 鈴を転がしたような声音が風呂場に響いた。
 エロリィだった。
「アイン、これ見て」
 そういうと、エロリィは髪を留めていたタオルをはらりと解いた。
 金髪ツインテールではない、長髪のエロリィが出現した。
 これは、これで新鮮でよかった。
 彼女は自分の髪の毛を何本が抜いた。
 そして、べーっとベロを出すと、髪の毛を丸めてベロの上の置いた。
 髪の毛をベロに載せたまま、口の中にいれる。
 そして、モゴモゴ始めた。
 10秒くらいか。

「ほらできたのよ!」
 ピンクの可愛らしいベロを再び突き出した。
 そのベロの上には、ワイヤーアートの鶴ができていた。
 見事というか、どうすれば、そんなことができるのか…… 
 これも「禁呪」か?
 
 俺が息を飲んでいると、エロリィは「ニィィ」と碧い眼を細める。
 そして、するりと体に巻いたタオルを脱いだ。
 空力特性抜群のツルペタボディが出現した。

「ああああああああ……」
「おおおおおおおお……」
 俺とエルフになった千葉が声を上げた。
 素晴らしい芸術品だ。

「ああ、来ていない――
 ああ、生えてない――
 それは、美しい夢
 誰もが夢見て、そしてあきらめる夢
 だが、奇跡は起こる――
 信じていれば起こる――
 人は、誰でも、この美を愛でる権利がある――
 だって、人間だもの
                  じろう」

 荘厳でいて、美しい調べのエルフの声が響いた。
 詩だった。
 それは、エルフの謳う詩の一節だった。
 エルフとなった千葉の謳う至高の歌声だった。
 歓喜の歌声だ。

「アイン、私もベロチュウなのよ!」
 そういうと、エロリィは俺の唇に吸い付いてきた。
 貪るように、ベロが蠢き、俺のベロを翻弄する。
 この、幼いベロがどうしてこのような動きをするのか。
 これは神の奇跡ではないかと思った。
 ああ、気持ちいい。

 俺は、3人の許嫁と洗いっこをしていた。
 キレイキレイにするのだ。
 湯船に入る前に、体をキレイキレイにするのはエチケットだ。
 これは、日本でも異世界でも変わらない。
 
 ああ、気持ちいいい。
 お風呂大好き。

 これは、俺の夢、ハーレムに大きく前進しているのではないか?
 これが、異世界のハーレムの入浴ではないか?
 ああ、異世界で奴隷ハーレム作ってお風呂でいちゃいちゃとかあったし。
 俺のは奴隷じゃない。だからどうというわけではないが。

 ああ、千葉よ。お前がいたから、今この至福があるのだ。
 ああ、千葉よ。いいぞ。俺とお前は親友だ。お前の姿がどうなろうと俺はお前を……

 千葉は?
 どこだ千葉は?

 エルフの千葉は俺たちの洗いっこを見て、はぁ、はぁしていた。

 いいぞ、見てる分にはいくら見てもいい。
 むしろ、見てくれ!
 親友として俺のこのハーレムを見てくれ。ああ、心の友よ。
 このハーレムは、オマエがいなければできなかったものだ。
 俺だけでは無理だ。

 湯気と薄暗がりの中、千葉の股間になにかが見えた気がするが、それは些細な問題のような気がした。 
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