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第14話 魔王さまは、デリカシーなし男。
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――ねえ、父さま。父さまは、母さまのどこを好きになったんですか?
――なんだい。えらく唐突な質問だね。
――ちゃんと答えて、父さま。
――そうだね。母さまのカワイイところ、かな。母さまはね、ああ見えて実はけっこうな怖がりなんだよ? カミナリが苦手でね。普段は、あんなにシッカリ者のフリをしてるのにね。
――アナタ!! そんなこと、この子に言わなくてもいいじゃないですか!!
――ゴメン、ゴメン。でも、訊かれたから、つい、ね。
笑う父さま。プクッと頬を膨らませた母さまは、美しいのにかわいらしい。
――じゃあ、母さまは? 母さまは、父さまのどこを好きになったんですか?
――えっ、それ、母さまにも訊くのかい?
――はいっ!! 好きになったから結婚したんでしょ? マリアンが言ってました。大人になったら好きな人を選んで、結婚しなくちゃいけないって。
――おやおや。とんでもないことを教えたね、乳母は。
少し困ったような顔の父さま。
――ねえ、母さま。どうして父さまを選んだの?
わたしの幼い質問に、今度は母さまが眉を寄せた。
――そうねえ。父さまに初めてお会いした時にね、「この人だ」って思ったの。この人じゃなければ嫌だって気持ちが、身体の奥底から湧き上がってきたのよ。
――そうなの?
――そうよ。理屈じゃないの。アナタも大人になったらわかるわ。運命の人に出会ったらね。
母さまが、その柔らかくて赤い髪をサラリと揺らす。
――おいおい。ボクを選んだのは運命だけ?
――あら、そんなことないわ。私、運命には感謝してるのよ? こんなステキなダンナさまを選ぶことが出来て。最初は直感のような想いだったけど、今は、アナタの良いところも残念なところも、すべてを愛しいと思ってる。もし、運命が別の人を選んでいたとしても、私、きっとアナタと結婚してたと思うわ。
母さまの手が、同じ色の私の髪を撫でる。
――アナタと結婚して、この子を授かることができて。私、とても幸せよ。
母さまの言葉に、父さまが手を伸ばす。母さまを抱きしめる父さま。幼いわたしは、そのお二人に挟まれ、少し息苦しいけど、気持ちいいと感じていた。
父さまは母さまが好き。
母さまも父さまが好き。
好きの間に挟まれて、湧き上がってくる喜びにキャーッと軽く声を上げて笑った。
わたしも、いつかお二人のように、運命の、愛する人に出会いたい。
* * * *
「――気がついたか?」
「あ、将軍……」
「いきなり倒れたんだ。どこか、苦しいところはないか?」
「あ、いえ……。大丈夫……です」
そっか。
わたし倒れたんだ。
断片だけど、記憶が戻ってくる。
将軍のところに柑橘水を運んで。なぜかわからないけど、将軍のところから走り出して。庭園に迷い込んで。王宮の窓を見上げて。それから――。
周囲は暗い。自分が寝かされてたのも庭園じゃない。寝台の上。
どれだけ気を失ってたのかわからないけど、おそらく将軍がここへ運んでくれたんだろう。突然倒れてしまったわたしを。
「将軍。わたし、父さまと母さまがいました」
身体を起こし、とつとつと語り始める。
「わたしがずっと幼かった頃、父さまと母さまがいたって思い出したんです」
それは語りかけてるのではなく、口にすることで取り戻した記憶を確認する作業。
「父さまと母さまが出会って、わたしが生まれて……。わたし、お二人の娘で幸せだった。両親から愛されてるって感じられたから。でも――」
記憶を紡ぐ唇が震える。耐えきれなくなった手が、上掛けをギュッと握りしめる。
「二人は、もうとっくの昔に亡くなっていて。それを思い出したんです」
血溜まりに倒れた父の身体。わたしをかばって凶刃にかかった母の身体。
燃え盛る炎。何もかも炎に飲み込まれ、幸せだったすべてが焼き尽くされた。
「薄情な娘……です、よね。今の、今まで忘れて、たんです、から……」
なんでもないことのように自虐しようとしたら、声が喉に詰まって、涙が溢れた。
「殺されたん……です。二人と、も。何者かに、襲われ、て……。火を、つけられ、て……。父さまも、母さっ、まも、わたしを、かばっ……て、剣で斬られ、て……」
「ミリア、もういい、もう言わなくていい」
涙にまみれたわたしを、将軍の腕が強く抱きしめる。その広い胸に、わたしの涙が染み込んでいく。
「思い出すな、忘れろとは言わん。大切なご両親の記憶だ。失くせとは言わん。だが、これ以上嘆くな。幸せだったときのことを思え」
いや、それ、なんの無茶ぶりですか。
「お前が泣いてると、ご両親が心配して化けて出てくるぞ」
いや、だから、わたしの両親をお化けにしないでくださいよ。
「過去は変えられないが、今を変えることは出来る。ご両親だって、きっとお前が幸せになることを望んでいらっしゃるだろう」
そうですね。
思い出したところで変えることの出来ない過去。その過去を嘆くより、今、手に入れられる幸せを考えた方がいい。
両親のことは、時折、こうやって思い出して泣くかもしれないけど。それでも、少しずつ前を見て歩いていきたい。
「ということで、寝ろ」
は? どのへんが“ということ”なんですか?
唐突に身を離されて、キョトンとするしかない。
というか、さっきまで気を失ってたとはいえ、寝てたし。今のところ、全然眠くないし。
「お前が、木の股から生まれたヤツじゃなくて、安心したぞ」
「は? 木の股?」
なんですか? わたし、妖怪扱いだったんですか?
「道端にゴロンと転がっていたからな。俺を化かそうとする化け物の類かと思っていたのだが。両親がいたのだな」
「……それ、ヒドいです」
せっかく、優しいなあ、カッコいいなあ、ステキだなあって思いかけてたのに。
最悪っ!!
「将軍のこと、好きなんじゃない?」ってアルディンさまが、おっしゃってたけど。
(こんなの、百年の恋どころか、千年の、万年の恋だって醒めるわよっ!!)
――アナタも、運命の相手に出会ったらわかるわ。「この人」だって、気持ちが身体の奥底から湧き上がってくるのよ。
夢の中、母さまはそうおっしゃっていらしたけど。
(絶対、将軍はそれに当てはまらないわっ!!)
* * * *
やけに物騒な過去だな。
再び眠り始めたミリア。彼女の寝顔を見つめながら思う。
どうやら彼女の幼い頃に、両親は亡くなっていたらしい。
それも、誰かに殺され、住まいに火をかけられた。
どうして、彼女だけ助かったのか。
夜盗、強盗のたぐいか?
それとも――。
人を殺して火をつける。
ただの物盗りなら、そこまでしない。
火をかけることで、自分たちの退路が危うくなる場合があるからだ。金品を奪うのが目的なら、ミリアには残酷かもしれないが、彼女の両親を殺すだけで充分だ。口封じというのなら、ミリアも容赦なく殺しておくだろう。
殺害するのが目的の怨恨であるあらば、火付けをするだけでも充分だ。逃げられないように退路を無くして、放火すればいいだけのこと。焼き殺すのなら、斬りつける必要はない。人は、炎には立ち向かえないが、襲ってくる相手には抵抗することができる。人を襲うということは、自分が返り討ちにあう危険性だってあるのだ。殺そうとする分、死にものぐるいで刃向かってくるだろう。
剣で確実に殺してから、火を放つ。
それは、ミリアの両親を確実に殺したかったからか。
あるいは――。
殺したことを隠蔽したかったから……か。
放火ではなく、失火によって亡くなったことにしたかったら?
事件ではなく事故に見せかけるつもりだったとしたら?
燃えてしまえば、刀傷などわかりはしない。不幸な事故だったと思わせることが出来る。
だがなぜ、幼かったミリアだけを生かしたんだ?
そこまで憎んでいるのなら、両親もろともミリアも殺せばいいではないか。幼い子を手にかけることにためらいがあったのなら、そのまま炎のなかに放置すればいい。
しかし、賊はそれを良しとしなかった。
ミリアに記憶はないようだが、彼女だけ助けたのは、その賊のしわざだろう。幼かった彼女が自力で脱出できたとは考えにくい。
彼女の両親だけ確実に殺し、証拠を隠滅し、彼女だけを生かす。
そのことにどんな意味があるのか。
わからないが、そんな壮絶な過去を持つミリアに、胸がグッと締めつけられる。
――なんだい。えらく唐突な質問だね。
――ちゃんと答えて、父さま。
――そうだね。母さまのカワイイところ、かな。母さまはね、ああ見えて実はけっこうな怖がりなんだよ? カミナリが苦手でね。普段は、あんなにシッカリ者のフリをしてるのにね。
――アナタ!! そんなこと、この子に言わなくてもいいじゃないですか!!
――ゴメン、ゴメン。でも、訊かれたから、つい、ね。
笑う父さま。プクッと頬を膨らませた母さまは、美しいのにかわいらしい。
――じゃあ、母さまは? 母さまは、父さまのどこを好きになったんですか?
――えっ、それ、母さまにも訊くのかい?
――はいっ!! 好きになったから結婚したんでしょ? マリアンが言ってました。大人になったら好きな人を選んで、結婚しなくちゃいけないって。
――おやおや。とんでもないことを教えたね、乳母は。
少し困ったような顔の父さま。
――ねえ、母さま。どうして父さまを選んだの?
わたしの幼い質問に、今度は母さまが眉を寄せた。
――そうねえ。父さまに初めてお会いした時にね、「この人だ」って思ったの。この人じゃなければ嫌だって気持ちが、身体の奥底から湧き上がってきたのよ。
――そうなの?
――そうよ。理屈じゃないの。アナタも大人になったらわかるわ。運命の人に出会ったらね。
母さまが、その柔らかくて赤い髪をサラリと揺らす。
――おいおい。ボクを選んだのは運命だけ?
――あら、そんなことないわ。私、運命には感謝してるのよ? こんなステキなダンナさまを選ぶことが出来て。最初は直感のような想いだったけど、今は、アナタの良いところも残念なところも、すべてを愛しいと思ってる。もし、運命が別の人を選んでいたとしても、私、きっとアナタと結婚してたと思うわ。
母さまの手が、同じ色の私の髪を撫でる。
――アナタと結婚して、この子を授かることができて。私、とても幸せよ。
母さまの言葉に、父さまが手を伸ばす。母さまを抱きしめる父さま。幼いわたしは、そのお二人に挟まれ、少し息苦しいけど、気持ちいいと感じていた。
父さまは母さまが好き。
母さまも父さまが好き。
好きの間に挟まれて、湧き上がってくる喜びにキャーッと軽く声を上げて笑った。
わたしも、いつかお二人のように、運命の、愛する人に出会いたい。
* * * *
「――気がついたか?」
「あ、将軍……」
「いきなり倒れたんだ。どこか、苦しいところはないか?」
「あ、いえ……。大丈夫……です」
そっか。
わたし倒れたんだ。
断片だけど、記憶が戻ってくる。
将軍のところに柑橘水を運んで。なぜかわからないけど、将軍のところから走り出して。庭園に迷い込んで。王宮の窓を見上げて。それから――。
周囲は暗い。自分が寝かされてたのも庭園じゃない。寝台の上。
どれだけ気を失ってたのかわからないけど、おそらく将軍がここへ運んでくれたんだろう。突然倒れてしまったわたしを。
「将軍。わたし、父さまと母さまがいました」
身体を起こし、とつとつと語り始める。
「わたしがずっと幼かった頃、父さまと母さまがいたって思い出したんです」
それは語りかけてるのではなく、口にすることで取り戻した記憶を確認する作業。
「父さまと母さまが出会って、わたしが生まれて……。わたし、お二人の娘で幸せだった。両親から愛されてるって感じられたから。でも――」
記憶を紡ぐ唇が震える。耐えきれなくなった手が、上掛けをギュッと握りしめる。
「二人は、もうとっくの昔に亡くなっていて。それを思い出したんです」
血溜まりに倒れた父の身体。わたしをかばって凶刃にかかった母の身体。
燃え盛る炎。何もかも炎に飲み込まれ、幸せだったすべてが焼き尽くされた。
「薄情な娘……です、よね。今の、今まで忘れて、たんです、から……」
なんでもないことのように自虐しようとしたら、声が喉に詰まって、涙が溢れた。
「殺されたん……です。二人と、も。何者かに、襲われ、て……。火を、つけられ、て……。父さまも、母さっ、まも、わたしを、かばっ……て、剣で斬られ、て……」
「ミリア、もういい、もう言わなくていい」
涙にまみれたわたしを、将軍の腕が強く抱きしめる。その広い胸に、わたしの涙が染み込んでいく。
「思い出すな、忘れろとは言わん。大切なご両親の記憶だ。失くせとは言わん。だが、これ以上嘆くな。幸せだったときのことを思え」
いや、それ、なんの無茶ぶりですか。
「お前が泣いてると、ご両親が心配して化けて出てくるぞ」
いや、だから、わたしの両親をお化けにしないでくださいよ。
「過去は変えられないが、今を変えることは出来る。ご両親だって、きっとお前が幸せになることを望んでいらっしゃるだろう」
そうですね。
思い出したところで変えることの出来ない過去。その過去を嘆くより、今、手に入れられる幸せを考えた方がいい。
両親のことは、時折、こうやって思い出して泣くかもしれないけど。それでも、少しずつ前を見て歩いていきたい。
「ということで、寝ろ」
は? どのへんが“ということ”なんですか?
唐突に身を離されて、キョトンとするしかない。
というか、さっきまで気を失ってたとはいえ、寝てたし。今のところ、全然眠くないし。
「お前が、木の股から生まれたヤツじゃなくて、安心したぞ」
「は? 木の股?」
なんですか? わたし、妖怪扱いだったんですか?
「道端にゴロンと転がっていたからな。俺を化かそうとする化け物の類かと思っていたのだが。両親がいたのだな」
「……それ、ヒドいです」
せっかく、優しいなあ、カッコいいなあ、ステキだなあって思いかけてたのに。
最悪っ!!
「将軍のこと、好きなんじゃない?」ってアルディンさまが、おっしゃってたけど。
(こんなの、百年の恋どころか、千年の、万年の恋だって醒めるわよっ!!)
――アナタも、運命の相手に出会ったらわかるわ。「この人」だって、気持ちが身体の奥底から湧き上がってくるのよ。
夢の中、母さまはそうおっしゃっていらしたけど。
(絶対、将軍はそれに当てはまらないわっ!!)
* * * *
やけに物騒な過去だな。
再び眠り始めたミリア。彼女の寝顔を見つめながら思う。
どうやら彼女の幼い頃に、両親は亡くなっていたらしい。
それも、誰かに殺され、住まいに火をかけられた。
どうして、彼女だけ助かったのか。
夜盗、強盗のたぐいか?
それとも――。
人を殺して火をつける。
ただの物盗りなら、そこまでしない。
火をかけることで、自分たちの退路が危うくなる場合があるからだ。金品を奪うのが目的なら、ミリアには残酷かもしれないが、彼女の両親を殺すだけで充分だ。口封じというのなら、ミリアも容赦なく殺しておくだろう。
殺害するのが目的の怨恨であるあらば、火付けをするだけでも充分だ。逃げられないように退路を無くして、放火すればいいだけのこと。焼き殺すのなら、斬りつける必要はない。人は、炎には立ち向かえないが、襲ってくる相手には抵抗することができる。人を襲うということは、自分が返り討ちにあう危険性だってあるのだ。殺そうとする分、死にものぐるいで刃向かってくるだろう。
剣で確実に殺してから、火を放つ。
それは、ミリアの両親を確実に殺したかったからか。
あるいは――。
殺したことを隠蔽したかったから……か。
放火ではなく、失火によって亡くなったことにしたかったら?
事件ではなく事故に見せかけるつもりだったとしたら?
燃えてしまえば、刀傷などわかりはしない。不幸な事故だったと思わせることが出来る。
だがなぜ、幼かったミリアだけを生かしたんだ?
そこまで憎んでいるのなら、両親もろともミリアも殺せばいいではないか。幼い子を手にかけることにためらいがあったのなら、そのまま炎のなかに放置すればいい。
しかし、賊はそれを良しとしなかった。
ミリアに記憶はないようだが、彼女だけ助けたのは、その賊のしわざだろう。幼かった彼女が自力で脱出できたとは考えにくい。
彼女の両親だけ確実に殺し、証拠を隠滅し、彼女だけを生かす。
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