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第17話 魔王さま、申し上げます。
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「アルディン、目を閉じろっ!!」
叫ぶより先に広がっていく強烈な光。瞼を閉じるたけでは足りず、腕で目をかばう。
光の元はミリア。
回廊の先、アルディンに抱きついていたミリアが発光元だった。まるで、太陽が落ちてきたかと思わせるような、この世の影を消し去ってしまうような真っ白で鮮烈な光。
――好き。
かすかに彼女が呟いた瞬間、その光が放たれた。
何が起こったか理解するより先にとっさに目を守ったが、至近距離で光を浴びたアルディンは、間に合わなかったのか、「うわっ」と悲鳴を上げていた。
「大丈夫か?」
「うん、まあ、なんとか……」
光が治まったのを確認してから、アルディンに声をかける。目のなかに光の残像が残っているのだろう。目をこすり、まばたきをくり返すアルディン。失明してないだけ儲けものだが、あの光はいったい……。
思いながら、ミリアを見る。
アルディンが手放したせいで、床に転がる彼女の身体。光は発していないものの、その姿は――。
「……んっ」
彼女がピクリと身体を震わせ、目を覚ます。光を浴びてしまった俺やアルディンと違って、彼女はその影響を受けていないようだった。
ゆっくりと身体を起こすミリア。
その髪は長く、上半身を起こしてもなお肩を流れ落ち、床に真紅の波を形作る。
「わたし……」
記憶が混濁しているのか、彼女が軽く髪を掻き上げながら軽く顔をしかめた。細められた瞼の向こうにあるのは、金をまぶしたような不思議な色合いの瞳。茶色だった目と砂色の髪はどこにも残っていない。
「――スティラ王女殿下、ですね?」
アルディンが問いかけ、膝をつく。並んで俺も膝をついて頭を垂れる。
「……はい」
小さい声。だけど、しっかりした声で、王女が答える。
真紅の髪、金をまぶしたような瞳。
お仕着せの侍女の服を着ているが、そこにいるのは紛れもなく王女殿下。この国の女王太子。未来の女王。
小柄で、15、6にしか見えかかった容姿も、髪の色と同じで、年相応の女性らしい身体つきに変化していた。
「気がつかなかったとはいえ、これまでの数々の無礼、お詫び申し上げます」
素性に気づかなかったとしても、王女を侍女扱いしたのだ。
「いえ。将軍が謝ることはありません。隠していたのは、こちらなのですから」
謝罪を遮る彼女の声。
「記憶を失っていたのは本当です。助けてもらったのも。ですから、感謝こそすれ、謝っていただくことはありません」
「ですが……」
「ありがとうございます、将軍」
軽く微笑む王女。
「でも、どうして姿を変えていらっしゃったのですか? それも記憶まで封じて」
アルディンが問う。
そうだ。それは俺も訊きたい。
「それは――」
「それは妾が説明いたしましょう」
「女王陛下っ!!」
回廊の先から現れた人物に、アルディンと二人並んで驚く。
「――スティラ、封印が解けたのだね」
「はい、お祖母さま」
シャラッとその身に飾り立てられた宝石を鳴らして、女王陛下が王女の前に座る。その手が愛おしそうに王女の頬を撫でた。
「スティラ王女の記憶は、妾が封じておったのじゃ。王女に心から伴侶にしたいと願う相手を探させるためにの」
――王女は、時が来たら夫となる者の前に姿を現す。
以前、王女に会わせろと要求した時に言われた言葉。
それがどういう意味だったのか、今、初めて知った。
王女は、すべてを隠して、俺たちと会っていたのだ。夫となる者を見極めるため。すべてを隠して俺たちと出会っていた。
今、ここにいるのは、流れるような赤い髪のスティラ・アウストリアナ王女殿下。
砂色の髪の頼りなさすぎる侍女、ミリアはもういない。
* * * *
封印が解けた。
祖母のその言葉に短く頷く。
わたしにかけられた封印。
赤い髪を砂色に染め、金をまぶしたような瞳の色を茶色に見せかけた。髪の長さも変えると同時に、容姿も幼く変化させた。
――なぜ?
それは、わたしがわたしであると、誰にも知られないため。
赤い髪は、瞳の色は、わたしが王女であることの証になってしまうから。
現に、この容姿に戻ったことで、アルディンさまにも将軍にも、わたしの素性はアッサリバレてしまった。この髪は、瞳は、わたしが竜の血を引く王家の末裔である証。
容姿を変え、記憶すら封印してお二人に近づいた。
――どうして?
それは……。
「それで、お前は選んだのだね」
「はい。お祖母さま」
祖母の、現女王の問いに静かに答える。
わたしがすべてを隠した理由。
「夫となる方を、お慕いする方を見つけました」
わたしの夫。将来の女王の伴侶を選び出すため、わたしはすべてを隠した。
本当にその人でいいのか自分の目で見定めるために。相手から、王女ではない、ただの一人の女性として見てもらうために。王女であると知られてしまったら、相手の本性を見られないと思ったから。
だから、記憶を封印した。なにもかも失くして、お二人に近づいた。
曇りなき目で、大切な人を見極めることができるように。
伴侶を選ぶためのこの封印は、同じ竜の血族である祖母がかけてくださったもの。わたしの封印が解けたこと。それが伝わったからこそ、祖母はここに姿を現したのだろう。
わたしの出した答えを聴くために。
封印を解く鍵は、自分の気持ち。
わたしが、誰を伴侶にと願い、誰を好きになったか。
それを祖母は問いただしているのだ。
だから、わたしはその答えを口にする。
「わたしが選んだのは――」
「女王陛下」
言葉を遮るように、将軍が口をはさんだ。
「王女殿下が選ばれたのは、ここにいる、アルディン・グレヴィリウスです。私は、王女殿下が、彼を『好き』と申されるのを耳にしました」
え!?
そ、それはそうだけど……。
「『王女は、時が来たら夫となる者の前に姿を現す』。以前、お伺いした条件です。王女殿下は、そのお姿をアルディン卿の腕のなかで取り戻されました。つまりは、王女殿下は、彼をお選びになったということではないのでしょうか」
そう、そうなんだけど……。
それは間違ってないんだけど。
最後の部分、思いっきり間違ってます!!
でも……。
「そうなのですか? スティラ」
お祖母さまの問いかけに、言葉が詰まる。
「いいえ」って答えたい。「違います」って。「わたしが好きなのは」って。
言葉が、将軍の視線で封じられる。
怒ってるの? それとも、……なに?
わからない、強い光を宿した目に、わたしは射すくめられる。
「わかりました。スティラ、そしてアルディン・グレヴィリウス卿。アナタたちの結婚を認めます。詳細は追って知らせますが、結婚と同時に、わたくしは王位をスティラ、アナタに譲位いたします。これからは、アナタたちがこの国を支えておゆきなさい」
スッとお祖母さまが立ち上がる。
代わるように近づいてきたのはアルディンさま。呆然としたままのわたしの手を取り、座ったままだったわたしを立たせてくださった。
「私を選んでくださり、ありがとうございます」
そのまま手の甲に口づけてくださったアルディンさま。アルディンさまの唇は、将軍のそれと違って、ひどく冷たく感じられた。
「これからは、私がアナタとこの国をお支えいたします」
アルディンさまの言葉の後ろで、一礼を残して背を向けた将軍。
わたしの伴侶が決まった。
選ばれなかった候補の自分は、もう必要ないと思っているのか。クルリと踵を返され見せられた背中は、みるみる間に遠ざかっていった。
(わたしが本当に選びたかったのは……、好きなのは……)
想いは届かない。
回廊の先に消えた背中。その背中が、まるで騙していたわたしを拒絶するかのように冷たく感じられたから。
叫ぶより先に広がっていく強烈な光。瞼を閉じるたけでは足りず、腕で目をかばう。
光の元はミリア。
回廊の先、アルディンに抱きついていたミリアが発光元だった。まるで、太陽が落ちてきたかと思わせるような、この世の影を消し去ってしまうような真っ白で鮮烈な光。
――好き。
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何が起こったか理解するより先にとっさに目を守ったが、至近距離で光を浴びたアルディンは、間に合わなかったのか、「うわっ」と悲鳴を上げていた。
「大丈夫か?」
「うん、まあ、なんとか……」
光が治まったのを確認してから、アルディンに声をかける。目のなかに光の残像が残っているのだろう。目をこすり、まばたきをくり返すアルディン。失明してないだけ儲けものだが、あの光はいったい……。
思いながら、ミリアを見る。
アルディンが手放したせいで、床に転がる彼女の身体。光は発していないものの、その姿は――。
「……んっ」
彼女がピクリと身体を震わせ、目を覚ます。光を浴びてしまった俺やアルディンと違って、彼女はその影響を受けていないようだった。
ゆっくりと身体を起こすミリア。
その髪は長く、上半身を起こしてもなお肩を流れ落ち、床に真紅の波を形作る。
「わたし……」
記憶が混濁しているのか、彼女が軽く髪を掻き上げながら軽く顔をしかめた。細められた瞼の向こうにあるのは、金をまぶしたような不思議な色合いの瞳。茶色だった目と砂色の髪はどこにも残っていない。
「――スティラ王女殿下、ですね?」
アルディンが問いかけ、膝をつく。並んで俺も膝をついて頭を垂れる。
「……はい」
小さい声。だけど、しっかりした声で、王女が答える。
真紅の髪、金をまぶしたような瞳。
お仕着せの侍女の服を着ているが、そこにいるのは紛れもなく王女殿下。この国の女王太子。未来の女王。
小柄で、15、6にしか見えかかった容姿も、髪の色と同じで、年相応の女性らしい身体つきに変化していた。
「気がつかなかったとはいえ、これまでの数々の無礼、お詫び申し上げます」
素性に気づかなかったとしても、王女を侍女扱いしたのだ。
「いえ。将軍が謝ることはありません。隠していたのは、こちらなのですから」
謝罪を遮る彼女の声。
「記憶を失っていたのは本当です。助けてもらったのも。ですから、感謝こそすれ、謝っていただくことはありません」
「ですが……」
「ありがとうございます、将軍」
軽く微笑む王女。
「でも、どうして姿を変えていらっしゃったのですか? それも記憶まで封じて」
アルディンが問う。
そうだ。それは俺も訊きたい。
「それは――」
「それは妾が説明いたしましょう」
「女王陛下っ!!」
回廊の先から現れた人物に、アルディンと二人並んで驚く。
「――スティラ、封印が解けたのだね」
「はい、お祖母さま」
シャラッとその身に飾り立てられた宝石を鳴らして、女王陛下が王女の前に座る。その手が愛おしそうに王女の頬を撫でた。
「スティラ王女の記憶は、妾が封じておったのじゃ。王女に心から伴侶にしたいと願う相手を探させるためにの」
――王女は、時が来たら夫となる者の前に姿を現す。
以前、王女に会わせろと要求した時に言われた言葉。
それがどういう意味だったのか、今、初めて知った。
王女は、すべてを隠して、俺たちと会っていたのだ。夫となる者を見極めるため。すべてを隠して俺たちと出会っていた。
今、ここにいるのは、流れるような赤い髪のスティラ・アウストリアナ王女殿下。
砂色の髪の頼りなさすぎる侍女、ミリアはもういない。
* * * *
封印が解けた。
祖母のその言葉に短く頷く。
わたしにかけられた封印。
赤い髪を砂色に染め、金をまぶしたような瞳の色を茶色に見せかけた。髪の長さも変えると同時に、容姿も幼く変化させた。
――なぜ?
それは、わたしがわたしであると、誰にも知られないため。
赤い髪は、瞳の色は、わたしが王女であることの証になってしまうから。
現に、この容姿に戻ったことで、アルディンさまにも将軍にも、わたしの素性はアッサリバレてしまった。この髪は、瞳は、わたしが竜の血を引く王家の末裔である証。
容姿を変え、記憶すら封印してお二人に近づいた。
――どうして?
それは……。
「それで、お前は選んだのだね」
「はい。お祖母さま」
祖母の、現女王の問いに静かに答える。
わたしがすべてを隠した理由。
「夫となる方を、お慕いする方を見つけました」
わたしの夫。将来の女王の伴侶を選び出すため、わたしはすべてを隠した。
本当にその人でいいのか自分の目で見定めるために。相手から、王女ではない、ただの一人の女性として見てもらうために。王女であると知られてしまったら、相手の本性を見られないと思ったから。
だから、記憶を封印した。なにもかも失くして、お二人に近づいた。
曇りなき目で、大切な人を見極めることができるように。
伴侶を選ぶためのこの封印は、同じ竜の血族である祖母がかけてくださったもの。わたしの封印が解けたこと。それが伝わったからこそ、祖母はここに姿を現したのだろう。
わたしの出した答えを聴くために。
封印を解く鍵は、自分の気持ち。
わたしが、誰を伴侶にと願い、誰を好きになったか。
それを祖母は問いただしているのだ。
だから、わたしはその答えを口にする。
「わたしが選んだのは――」
「女王陛下」
言葉を遮るように、将軍が口をはさんだ。
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え!?
そ、それはそうだけど……。
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そう、そうなんだけど……。
それは間違ってないんだけど。
最後の部分、思いっきり間違ってます!!
でも……。
「そうなのですか? スティラ」
お祖母さまの問いかけに、言葉が詰まる。
「いいえ」って答えたい。「違います」って。「わたしが好きなのは」って。
言葉が、将軍の視線で封じられる。
怒ってるの? それとも、……なに?
わからない、強い光を宿した目に、わたしは射すくめられる。
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スッとお祖母さまが立ち上がる。
代わるように近づいてきたのはアルディンさま。呆然としたままのわたしの手を取り、座ったままだったわたしを立たせてくださった。
「私を選んでくださり、ありがとうございます」
そのまま手の甲に口づけてくださったアルディンさま。アルディンさまの唇は、将軍のそれと違って、ひどく冷たく感じられた。
「これからは、私がアナタとこの国をお支えいたします」
アルディンさまの言葉の後ろで、一礼を残して背を向けた将軍。
わたしの伴侶が決まった。
選ばれなかった候補の自分は、もう必要ないと思っているのか。クルリと踵を返され見せられた背中は、みるみる間に遠ざかっていった。
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