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14.海
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「――ほう、これはなかなか。迫力あるな」
目の前に広がる海。
海に面した港町といっても、わたしたちの屋敷は、海の近くではなく、少し離れた高台にある。
屋敷では、時折風向きによって、海の音が聞こえることはあるけど、それは「コー」とか「ゴー」みたいな音だけで、今みたいに「ドォン」とか「ザザァ」みたいな、波が砂浜に打ちつけられるような音は聞こえない。
そして、体に響いてくることも。
(相変わらずスゴいわね)
ユーフェン殿下の隣で、同じように海を眺めるわたしも、彼の意見に同意。
十年ぶりに見た海だけど。体の小さかった、幼い頃に見たから迫力を感じてたのかと思ってたけど、そうじゃなかった。大きくなった今見ても、海はやっぱり大迫力。
だけど。
チラッと、殿下の足元に視線をやる。
人気の少ない――というか、まったくない砂浜。
シオンとわたし、そしてユーフェン殿下が並んで立っているのだけど。
「あ、あの……殿下」
「ん? どうした御内儀」
「その、お御足……」
それでいいんですか?
質問の後半を濁して飲み込む。
シオンの屋敷を訪れた時、殿下は、馬車から前庭、そして屋敷の玄関まで、ビヤッと敷かれた赤い毛氈の上を歩いていらした。
ここに来る時も、馬車に乗り込むまで、同じ毛氈の上を歩いていた。
けど。
今の殿下は、馬車からこの波打ち際まで、普通に砂浜を歩いてきた。わたしたちの背後に毛氈はない。あるのは、三人それぞれの歩幅の足跡だけ。
(東央国の皇族って、絶対地に足をつけないんじゃなかったっけ?)
王宮にいた時に学んだ風習。
東央国の皇族は、天から遣わされた一族なので、地に足をつけない。つけた者は、皇位継承から外される。
地に足をつけるということは、世俗にまみれるというか、聖なる一族から外れるという意味らしい。だから、彼らは靴を履くだけでなく、毛氈などの敷物の上を歩く。二重に足を地につけないよう注意を払っている。――はずなんだけど。
「不思議な踏み心地だな」
殿下、思いっきり、素足で砂を踏み踏みしてる――っ!
わたしたちが遺した砂浜の足跡。その途中、殿下の足跡だけ、おまけのように靴まで残されている。
靴に入った砂が気持ち悪いと、殿下が途中で脱ぎ捨てたからだ。
それでなくても、毛氈を敷こうとして止められた従僕が「じゃあ、これどうしたらいいんですか?」みたいな泣きそうな顔で、毛氈を持って突っ立ってるっていうのに。
靴どころか、素足になっちゃってるよ、この殿下。大丈夫なの?
「御内儀は、東央国の風習をご存知か?」
「あ、はい。まあ」
王宮にいた時、最低限の礼節として、他国のマナーや習慣をバッチリ叩き込まれたから。
東央国の方をもてなすのは、これが初めてだけど。でも、足を云々の話も、東央国の言葉も、ちゃんと覚えている。
「そうか。なら焦るのもわからないでもないが」
「リューリア、彼にはこれが普通なんだよ」
すべてを語らない殿下。助け舟を出すように、シオンが補足する。
「ユーフェン殿下は、留学中もなんのためらいもなく靴を脱いでたお方なんだ」
「へ? 留学中も」
「うん。裸足のまま教室からも逃げ出す。そういう方なんだよ」
なんと。というか、教室から逃げ出すって。
「人聞きの悪いこと言うな、シオン。好奇心旺盛だと言ってくれ」
「どこが。勉強が嫌で、裸足のまま逃げ出して木登りしてた方を、〝好奇心旺盛〟とは。物は言いようだけどさ」
「あれは。あれは、木に登ったら気持ちいいか確かめに行っただけだ。猫が枝の上で心地よさそうに寝ていたからな」
「やっぱり、逃げ出していただけじゃないか」
ブスッとした殿下に、笑うシオン。
二人は、学生時代もこんな感じだったんだろうか。
シオンの態度、殿下が皇族然としていたら、絶対通用しない態度。友達らしいっていえば、友達らしいざっくばらんな感じだけど。
「とにかく。私は第七皇子で、そもそも皇位継承から縁遠い立場だからな。それに東央国でならともかく、ここは異郷の地だ。天孫として足をつけてはならないのは、東央の地であって、ここではない。気にせずともよいぞ、御内儀」
立場的に、皇位継承が回ってくることはない。
禁じられているのは東央国の土地であって、ここは管轄外だ。
だから気にせず地に足をつける。そういうことらしい。
「まぁた、屁理屈こねる」
「うるさい。そういうお前らも皇位継承など関係ないのだから、靴ぐらい脱げ」
「ええ~。僕は砂で足を汚したくないんだけど」
「こういうことは、皆そろってやるのがいいんだ! お前も脱げ!」
殿下がシオンに襲いかかる。シオンは、靴を脱がせられまいと、殿下から逃げる。
追いかけっこ。
大の大人がなにやってるの。
子どもみたいにじゃれ合って。
いい歳して、恥ずかしくないの?
――なんて言うつもりはない。
二人が走り回るのを眺めてるだけで。なんだか。なんだかとっても不思議だけど、とっても楽しい。
「フフッ。アハハハハッ」
およそ淑女らしくない笑いがこみ上げてくる。
声を上げて。口元を隠すことすらせずに、笑いよじれそうなお腹を押さえて。
誰かを見て笑うなんて。こんなふうに声を上げて笑うなんて!
10月でも日差しはお肌に悪いからと、なにもせずに顔を晒すのはよくないからと、淑女らしくパラソルをさしているけど。
「アハハハハッ」
人を笑うなんて失礼極まりない。
わかっていても、一度こぼれた笑いは止まりそうにない。
こんなふうに、心の底から面白いと思って笑うの、久しぶり。笑いが一旦収まっても、ちょっとつつかれたら、また笑いだしてしまいそう。そのうち、なにが面白いのか、なにに笑っているのかわからないぐらい笑い続ける。
「――笑うと、美しさに愛らしさが増して。よいな」
「だからって、あげないよ。キミであっても」
「友達の最愛の人を奪うほど、私の性根は腐ってないぞ」
少し離れた場所で。
砂の上に転がった殿下とシオンが、わたしを見てボソリと会話したこと。この時のわたしは、声を上げ笑い続けるだけでなにも知らなかった。
目の前に広がる海。
海に面した港町といっても、わたしたちの屋敷は、海の近くではなく、少し離れた高台にある。
屋敷では、時折風向きによって、海の音が聞こえることはあるけど、それは「コー」とか「ゴー」みたいな音だけで、今みたいに「ドォン」とか「ザザァ」みたいな、波が砂浜に打ちつけられるような音は聞こえない。
そして、体に響いてくることも。
(相変わらずスゴいわね)
ユーフェン殿下の隣で、同じように海を眺めるわたしも、彼の意見に同意。
十年ぶりに見た海だけど。体の小さかった、幼い頃に見たから迫力を感じてたのかと思ってたけど、そうじゃなかった。大きくなった今見ても、海はやっぱり大迫力。
だけど。
チラッと、殿下の足元に視線をやる。
人気の少ない――というか、まったくない砂浜。
シオンとわたし、そしてユーフェン殿下が並んで立っているのだけど。
「あ、あの……殿下」
「ん? どうした御内儀」
「その、お御足……」
それでいいんですか?
質問の後半を濁して飲み込む。
シオンの屋敷を訪れた時、殿下は、馬車から前庭、そして屋敷の玄関まで、ビヤッと敷かれた赤い毛氈の上を歩いていらした。
ここに来る時も、馬車に乗り込むまで、同じ毛氈の上を歩いていた。
けど。
今の殿下は、馬車からこの波打ち際まで、普通に砂浜を歩いてきた。わたしたちの背後に毛氈はない。あるのは、三人それぞれの歩幅の足跡だけ。
(東央国の皇族って、絶対地に足をつけないんじゃなかったっけ?)
王宮にいた時に学んだ風習。
東央国の皇族は、天から遣わされた一族なので、地に足をつけない。つけた者は、皇位継承から外される。
地に足をつけるということは、世俗にまみれるというか、聖なる一族から外れるという意味らしい。だから、彼らは靴を履くだけでなく、毛氈などの敷物の上を歩く。二重に足を地につけないよう注意を払っている。――はずなんだけど。
「不思議な踏み心地だな」
殿下、思いっきり、素足で砂を踏み踏みしてる――っ!
わたしたちが遺した砂浜の足跡。その途中、殿下の足跡だけ、おまけのように靴まで残されている。
靴に入った砂が気持ち悪いと、殿下が途中で脱ぎ捨てたからだ。
それでなくても、毛氈を敷こうとして止められた従僕が「じゃあ、これどうしたらいいんですか?」みたいな泣きそうな顔で、毛氈を持って突っ立ってるっていうのに。
靴どころか、素足になっちゃってるよ、この殿下。大丈夫なの?
「御内儀は、東央国の風習をご存知か?」
「あ、はい。まあ」
王宮にいた時、最低限の礼節として、他国のマナーや習慣をバッチリ叩き込まれたから。
東央国の方をもてなすのは、これが初めてだけど。でも、足を云々の話も、東央国の言葉も、ちゃんと覚えている。
「そうか。なら焦るのもわからないでもないが」
「リューリア、彼にはこれが普通なんだよ」
すべてを語らない殿下。助け舟を出すように、シオンが補足する。
「ユーフェン殿下は、留学中もなんのためらいもなく靴を脱いでたお方なんだ」
「へ? 留学中も」
「うん。裸足のまま教室からも逃げ出す。そういう方なんだよ」
なんと。というか、教室から逃げ出すって。
「人聞きの悪いこと言うな、シオン。好奇心旺盛だと言ってくれ」
「どこが。勉強が嫌で、裸足のまま逃げ出して木登りしてた方を、〝好奇心旺盛〟とは。物は言いようだけどさ」
「あれは。あれは、木に登ったら気持ちいいか確かめに行っただけだ。猫が枝の上で心地よさそうに寝ていたからな」
「やっぱり、逃げ出していただけじゃないか」
ブスッとした殿下に、笑うシオン。
二人は、学生時代もこんな感じだったんだろうか。
シオンの態度、殿下が皇族然としていたら、絶対通用しない態度。友達らしいっていえば、友達らしいざっくばらんな感じだけど。
「とにかく。私は第七皇子で、そもそも皇位継承から縁遠い立場だからな。それに東央国でならともかく、ここは異郷の地だ。天孫として足をつけてはならないのは、東央の地であって、ここではない。気にせずともよいぞ、御内儀」
立場的に、皇位継承が回ってくることはない。
禁じられているのは東央国の土地であって、ここは管轄外だ。
だから気にせず地に足をつける。そういうことらしい。
「まぁた、屁理屈こねる」
「うるさい。そういうお前らも皇位継承など関係ないのだから、靴ぐらい脱げ」
「ええ~。僕は砂で足を汚したくないんだけど」
「こういうことは、皆そろってやるのがいいんだ! お前も脱げ!」
殿下がシオンに襲いかかる。シオンは、靴を脱がせられまいと、殿下から逃げる。
追いかけっこ。
大の大人がなにやってるの。
子どもみたいにじゃれ合って。
いい歳して、恥ずかしくないの?
――なんて言うつもりはない。
二人が走り回るのを眺めてるだけで。なんだか。なんだかとっても不思議だけど、とっても楽しい。
「フフッ。アハハハハッ」
およそ淑女らしくない笑いがこみ上げてくる。
声を上げて。口元を隠すことすらせずに、笑いよじれそうなお腹を押さえて。
誰かを見て笑うなんて。こんなふうに声を上げて笑うなんて!
10月でも日差しはお肌に悪いからと、なにもせずに顔を晒すのはよくないからと、淑女らしくパラソルをさしているけど。
「アハハハハッ」
人を笑うなんて失礼極まりない。
わかっていても、一度こぼれた笑いは止まりそうにない。
こんなふうに、心の底から面白いと思って笑うの、久しぶり。笑いが一旦収まっても、ちょっとつつかれたら、また笑いだしてしまいそう。そのうち、なにが面白いのか、なにに笑っているのかわからないぐらい笑い続ける。
「――笑うと、美しさに愛らしさが増して。よいな」
「だからって、あげないよ。キミであっても」
「友達の最愛の人を奪うほど、私の性根は腐ってないぞ」
少し離れた場所で。
砂の上に転がった殿下とシオンが、わたしを見てボソリと会話したこと。この時のわたしは、声を上げ笑い続けるだけでなにも知らなかった。
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