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第五章 頑張る男たち
帰宅
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更衣室で館内着に着替えて和也と桜木はレストランに行った。
「いらっしゃいませ、お二人さまでよろしいでしょうか、お席へご案内致します・・・」ウェイトレスが和也と桜木は窓際の外が良く見える席に案内された。
「この券は使えますか?」和也は大黒社長にもらった券をウェイトレスに渡す。
「はい、ご利用出来ます!お会計の時に伝票と一緒にお出しください。この券ですとお食事はバイキングとなりますので、あちらのバイキングコーナーでご自由にお取りください」ウェイトレスは説明が終わるとテーブルを離れた。
「課長・・・どうしたんですか?その券は・・・」
「あ、桜木さん、この券?ちょっと・・・もらったんだよ・・・」
「課長、もらったって・・・誰にもらったんですか?!」
「昨日、いや、その・・・」和也は一瞬困って口籠もってしまう。
「しまった・・・何も考えていなかった・・・まさか大黒社長からもらったとか言ったら、桜木さんにまた関係性とか根掘り葉掘り聞かれちゃうだろうなぁ・・・何て言おう・・・」和也は焦る・・・
「ビンゴ大会、いやじゃんけん大会がサウナであって・・・最後まで残ったから景品でもらったの・・・」和也はしどろもどろに答えた。
「課長、じゃんけん大会って、月燈ロウリュウでですか?」
「そ、そう、桜木さん、月燈ロウリュウでじゃんけん大会やって、ビギナーズラックだったみたい・・・」
「そうですか・・・課長、ラッキーでしたね!すみません、ご馳走になってしまいまして・・・」
「いや、いいんだよ桜木さん、どうせお金かかっていないから・・・」
「本当はここの朝食バイキング1,800円、税込みだと1,980円するみたいですよ!課長、凄いラッキーだし、私も甘えさせていただきラッキーです!」
「1,980円?そんなにするの?いやぁ・・・そうなのか・・・まあ、折角だから桜木さん、バイキング取りに行こう!」
「あっ、はい課長・・・」
和也と桜木は、ベーコンやソーセージ、オムレツなど、たっぷりと朝飯を持ってきた。
「課長、ここのバイキング凄いですね!パンも焼きたてだしオムレツもその場で作ってくれて!ホテルバイキングみたいですよ・・・」
「まぁでも、桜木さん、雑魚寝部屋以外にも、上の方はカプセルホテル客室もあるようだからある意味ホテルみたいなもんじゃないか・・・
「課長、昨日夜中にトイレに起きたら『有料仮眠室開かずの間』というのがあったんですけど・・・何なんでしょね・・・」
「そうだなぁ・・・何なんだろうなぁ・・・」
「課長、今度は、開かずの間に行ってみましょうよ・・・月燈ロウリュウサービスにも今度こそは絶対に参加します!」
「桜木さん・・・そ、そうだね・・・今度また・・・」
「ところで課長、都乃岡病院の研修後のフォローなんですが、来週早々に伺ってみようかと思っています・・・」
「そうか・・・桜木さん、矢部課長が色々と言ってたけどね・・・最後の締めはちゃんとやるんだね・・・偉いよ、桜木さん」
「課長、最後の締めじゃないですよ!まだまだ都乃岡病院には足繁く通わせていただきます!矢部課長から、『あれだけ中が荒んでいるのにまだやるつもりか?』なんて言われて引き下がりたくないです!」
「そうか・・・それでこそ営業マン魂だなっ!じゃあ俺は桜木さんを支持するだけだっ!」
「課長、ありがとうございます・・・さすがは課長、頼りにしてます!」
「おぉっ!任せておけっ!」和也は胸を張って言い切ったが・・・内心は複雑な思いだった。
週明けの会議で部長の前で報告と、矢部からチクチクと言われるかと思うと、和也は憂鬱に感じる気持ちもあったが、それ以上に桜木を応援したいという気持ちが勝った。
「でも、桜木さんが熱い気持ちで仕事に打ち込み、諦めずやるっていうタフさが、羨ましいよ・・・」
「課長もタフじゃないですか!」
「いやぁ・・・俺なんか流されてばかりで・・・」和也は細い声で言う。
「私は知ってますよっ!課長は凄いんです!もっと自信を持ってください!」
「ありがとう・・・桜木さん・・・」
「さて、課長、飯も食ったこと出し、もう一風呂浴びたら帰りましょう・・・」
「あぁ・・・桜木さん、そうしよう・・・」
和也と桜木は朝食後にザブッと風呂に入り、その後にチェックアウトをした。
「では、課長、色々とありがとうございました。凄い楽しかったです!是非、また行きましょう!」
「あぁ、そうしよう・・・」和也と桜木はメンズサウナ祭りと余韻の入口を眺めてから駅に向かって歩き出した。
「桜木さん、嫁さん待っているんじゃないか?良かったのかな?新婚なのに外泊しちゃって・・・」
「課長とこうして酒飲んだり風呂入るのは、私にとってとても大切で貴重な時間です!」
「そう言ってくれると嬉しいなぁ、桜木さん」
「課長こそ、帰らなくて平気だったのですか?」
「うちは、俺がいなくたって何にも変わらないよ・・・」
「またまた、奥さんも娘さんたちも頼りにしてますよ!課長のこと!」
「そうなのかなぁ、全く感じないけど・・・」
「あ、課長は私は反対方向なのでここで失礼します!ありがとうございました。良い週末を!」改札に入り桜木は手を振りながら反対ホームに消えて行った。
「良い週末をか・・・でも疲れたな・・・」まだ土曜日の午前中、一瞬ジムに行こうかと考えたがまずは家に帰ることを和也は優先させた。
「ジムは明日に行くことにしよう・・・」
「いらっしゃいませ、お二人さまでよろしいでしょうか、お席へご案内致します・・・」ウェイトレスが和也と桜木は窓際の外が良く見える席に案内された。
「この券は使えますか?」和也は大黒社長にもらった券をウェイトレスに渡す。
「はい、ご利用出来ます!お会計の時に伝票と一緒にお出しください。この券ですとお食事はバイキングとなりますので、あちらのバイキングコーナーでご自由にお取りください」ウェイトレスは説明が終わるとテーブルを離れた。
「課長・・・どうしたんですか?その券は・・・」
「あ、桜木さん、この券?ちょっと・・・もらったんだよ・・・」
「課長、もらったって・・・誰にもらったんですか?!」
「昨日、いや、その・・・」和也は一瞬困って口籠もってしまう。
「しまった・・・何も考えていなかった・・・まさか大黒社長からもらったとか言ったら、桜木さんにまた関係性とか根掘り葉掘り聞かれちゃうだろうなぁ・・・何て言おう・・・」和也は焦る・・・
「ビンゴ大会、いやじゃんけん大会がサウナであって・・・最後まで残ったから景品でもらったの・・・」和也はしどろもどろに答えた。
「課長、じゃんけん大会って、月燈ロウリュウでですか?」
「そ、そう、桜木さん、月燈ロウリュウでじゃんけん大会やって、ビギナーズラックだったみたい・・・」
「そうですか・・・課長、ラッキーでしたね!すみません、ご馳走になってしまいまして・・・」
「いや、いいんだよ桜木さん、どうせお金かかっていないから・・・」
「本当はここの朝食バイキング1,800円、税込みだと1,980円するみたいですよ!課長、凄いラッキーだし、私も甘えさせていただきラッキーです!」
「1,980円?そんなにするの?いやぁ・・・そうなのか・・・まあ、折角だから桜木さん、バイキング取りに行こう!」
「あっ、はい課長・・・」
和也と桜木は、ベーコンやソーセージ、オムレツなど、たっぷりと朝飯を持ってきた。
「課長、ここのバイキング凄いですね!パンも焼きたてだしオムレツもその場で作ってくれて!ホテルバイキングみたいですよ・・・」
「まぁでも、桜木さん、雑魚寝部屋以外にも、上の方はカプセルホテル客室もあるようだからある意味ホテルみたいなもんじゃないか・・・
「課長、昨日夜中にトイレに起きたら『有料仮眠室開かずの間』というのがあったんですけど・・・何なんでしょね・・・」
「そうだなぁ・・・何なんだろうなぁ・・・」
「課長、今度は、開かずの間に行ってみましょうよ・・・月燈ロウリュウサービスにも今度こそは絶対に参加します!」
「桜木さん・・・そ、そうだね・・・今度また・・・」
「ところで課長、都乃岡病院の研修後のフォローなんですが、来週早々に伺ってみようかと思っています・・・」
「そうか・・・桜木さん、矢部課長が色々と言ってたけどね・・・最後の締めはちゃんとやるんだね・・・偉いよ、桜木さん」
「課長、最後の締めじゃないですよ!まだまだ都乃岡病院には足繁く通わせていただきます!矢部課長から、『あれだけ中が荒んでいるのにまだやるつもりか?』なんて言われて引き下がりたくないです!」
「そうか・・・それでこそ営業マン魂だなっ!じゃあ俺は桜木さんを支持するだけだっ!」
「課長、ありがとうございます・・・さすがは課長、頼りにしてます!」
「おぉっ!任せておけっ!」和也は胸を張って言い切ったが・・・内心は複雑な思いだった。
週明けの会議で部長の前で報告と、矢部からチクチクと言われるかと思うと、和也は憂鬱に感じる気持ちもあったが、それ以上に桜木を応援したいという気持ちが勝った。
「でも、桜木さんが熱い気持ちで仕事に打ち込み、諦めずやるっていうタフさが、羨ましいよ・・・」
「課長もタフじゃないですか!」
「いやぁ・・・俺なんか流されてばかりで・・・」和也は細い声で言う。
「私は知ってますよっ!課長は凄いんです!もっと自信を持ってください!」
「ありがとう・・・桜木さん・・・」
「さて、課長、飯も食ったこと出し、もう一風呂浴びたら帰りましょう・・・」
「あぁ・・・桜木さん、そうしよう・・・」
和也と桜木は朝食後にザブッと風呂に入り、その後にチェックアウトをした。
「では、課長、色々とありがとうございました。凄い楽しかったです!是非、また行きましょう!」
「あぁ、そうしよう・・・」和也と桜木はメンズサウナ祭りと余韻の入口を眺めてから駅に向かって歩き出した。
「桜木さん、嫁さん待っているんじゃないか?良かったのかな?新婚なのに外泊しちゃって・・・」
「課長とこうして酒飲んだり風呂入るのは、私にとってとても大切で貴重な時間です!」
「そう言ってくれると嬉しいなぁ、桜木さん」
「課長こそ、帰らなくて平気だったのですか?」
「うちは、俺がいなくたって何にも変わらないよ・・・」
「またまた、奥さんも娘さんたちも頼りにしてますよ!課長のこと!」
「そうなのかなぁ、全く感じないけど・・・」
「あ、課長は私は反対方向なのでここで失礼します!ありがとうございました。良い週末を!」改札に入り桜木は手を振りながら反対ホームに消えて行った。
「良い週末をか・・・でも疲れたな・・・」まだ土曜日の午前中、一瞬ジムに行こうかと考えたがまずは家に帰ることを和也は優先させた。
「ジムは明日に行くことにしよう・・・」
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