4番目の許婚候補

富樫 聖夜

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番外編・小話集

小話 楽しいこと

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書籍版では名前が消されてしまっている浅岡さん視点の小話です。
時系列でいえば「飲み会狂想曲」の後くらい。
交通費に関しては、書籍版と相違ありです。
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 最近いろいろと楽しいことが増えてきたと思う。


 浅岡美紀は恋人である同期の柘植久隆つげひさたかの腕の中で目を覚まし、夕べのことを反芻しながらクスクス笑った。

「んぁ? 何が可笑しいんだ?」
 どうやら久隆も起きていたらしい。眠そうな声で尋ねると、美紀の身体に回した手に力を入れて、自分の上に引き上げた。
 裸の身体が擦れあい、夕べの情熱的な交わりの余韻もあってゾクゾクとした快感が背中を走る。
 だが、久隆はどうやら夕べの続きをするために自分を上に乗せたわけではないらしい。
 美紀の身体の感触を堪能してはいるようだが、背中を撫でる手はあくまでやさしく、性的な触れ方ではなかった。

 ちょっと残念~。
 と思いつつ、美紀はこのベタベタイチャイチャな甘えられる雰囲気も嫌いじゃない。

 恋人の身体の上に寝そべりながら、美紀は言った。
「夕べのことを思い出していたの。昨日、私、Eラーニングシステム稼動のお祝いの飲み会に行ったじゃない? そこで面白いものを見ちゃってさ。それを思い出したら可笑しくて」
 自分の言葉に夕べの出来事が思い出されて、更に可笑しくて笑ってしまう。
「面白いもの?」
「そう! あのね、上司の仁科係長がどうも上条さんに気があるらしくて、コナかけてるの。でもそれに全然気付いてない上条さんと、スルーされながらも巧みに包囲網敷いていく係長のやり取りが面白くてね。二人が飲み会抜けた後、部署の皆と爆笑しちゃった」
「え? 上条? 仁科係長って、あの……? 二人で飲み会抜けたって……」
 久隆は今自分の恋人の口から出た言葉に仰天したようだった。
 もちろん、美紀の同期ということは愛美の同期ということでもあり、研修で同じグループになった彼らはお互いをよく知っていた。
 知っていたからこそ、今聞いたことに仰天したのだ。
「あの仁科係長が上条に気があるって……? おい、柏木は……」
 久隆は同期で親しい友人でもある柏木聡のことを思い浮かべた。
 東日本地区営業部のホープである彼は、入社当初から上条愛美に気があったのだ。
 友人として彼を応援していた久隆はそれを聞いて穏やかではない。
「柏木君? 一年半も機会があったのに意識もさせられないんじゃ望み薄いんじゃないのぉ?」
 美紀はズバっと切り捨てた。


 美紀は10人に聞けば9人は可愛いと答えるであろう、可憐な容貌をしていた。
 フワフワとウェーブを描く柔らかそうな髪に、大きなぱっちりとした目、小さな口。やや間延びした語尾の口調とあいまって、人に可愛い印象を与える姿をしていた。
 だがその庇護欲をそそる容貌とは裏腹に、かなり耳の痛いことを平気でズバズバ口にする、いわゆる毒舌の一面も持っていた。
 笑顔で、間延びした口調で毒を吐くときがあるのだ。
 容姿で美紀を好きになった男はそのギャップに戸惑い、ついていけずに離れていくことが多かった。
 もちろん、そんな男は美紀だってゴメンだ。
 だから容姿のことだけで近付いてくる男は好きではない。
 ところがこいつ――――柘植久隆は違った。

『お前の容姿は好みじゃないけど、中身が気に入った。付き合ってくれ』

 好きな女に対する告白とは思えなかった。
 だけど、容姿ではなくて自分の中身が好きだと言ってくれた男は初めてで。
 こっちも好きになるには時間はかからなかった。
 彼の前では装うこともなく自然でいられたからだ。
 身体の相性もいいらしく、こんなに感じさせてくれる男は今までいなかったことも大きい。
 告白されて付き合いだした関係だが、今では美紀の方も首ったけだ。

 ――だけど。
 
 恋人が親友を応援しているからって、自分も柏木君を応援する義理はないわよねぇ?

 いささか薄情なことを考える美紀。

 だが、厳しい事を言いつつ、少し前までは同期の柏木聡の思いが通じればいいなと思っていたのも事実だ。
 彼の人となりは知っているから、知らない変な男に引っかかるより断然マシだと思ったからだ。もちろん、柏木自身にも友情を感じていることも理由だった。

 だけど、あまりにヘタレすぎる。
 グループを組んで研修期間を過ごしていたこともあり、他の男性よりは遥かに親しい、近い位置に居たはずだ。なのに一年半経った今も何の進展もないときている。
 もちろん、彼も何もしてなかったわけじゃない。
 彼が時々愛美を誘っていたことも知っている。
 だけど、相手は鈍感な上に天然だ。自分だけが誘われていると思ってない彼女はいつも『それじゃ、皆に連絡するから待ち合わせの時間と場所いつにする?』となってしまうのだ。
 見事なくらいにスルー。恋愛フラグもポッキリだ。

 だけど、そこで引き下がってしまう柏木君も柏木君だと思う。
 同じようにスルーされながら別の方面から巧みに包囲網を敷いていく仁科係長のやり方を見て、美紀は悟った。
 永遠に柏木君じゃダメだ。
 仁科係長くらいじゃないと、ダメだと。

「お前、厳しいなぁ……」
 久隆はズバッと親友を切り捨てた美紀に苦笑した。
 だけど彼もうすうすそう感じていたのか、特に怒り出すことはなかった。
「仁科係長の方が何もかも上。上条さんに対するアプローチの仕方もね」
 美紀は断言した。

 そもそも美紀は仁科係長を尊敬していたし、気に入っていた。
 そこに恋愛感情は皆無だが、仕事もできるし、イケメンだし、ミーハー気分も入り混じってアイドルかお気に入りのイケメン俳優のような目で見ていた。
 その係長が友人に気がある? 
 これを応援しなくてどうするというのだ。

 それに、あの仁科係長が自分の友人に“落ちる”ところも見てみたい。
 クールを装ってるし、水沢さんに聞いた限りだと女性関係はかなりドライだったようだけど――美紀の勘は告げている。きっと係長は本気になった相手には溺愛体質になるに違いないと。
 せっせと上条さんの世話を焼く、係長……是非見たい。絶対見たい!
 そんな小悪魔な発想からも、美紀は仁科係長を応援することに決めたのだ。

「それに、天然の上条さんを守っていけるのはやっぱり仁科係長くらいじゃないとねぇ」
「お前、上条大好きだもんな」
 美紀の下で久隆が苦笑する。
 その久隆を見下ろして美紀は主張した。
「そうよ。あんな可愛いイキモノ他にいないわ!」


 美紀が彼女を認識したのは研修のグループ分けされた時だった。
 上条愛美は一見したときは大人し目のそこそこ可愛い子といった印象で、数多くいる同期に埋没していた。
 大きな目が印象的で、可愛い造作をしているけど、どことなく平凡といった感じが否めない。良くも悪くも普通の女の子に見えたものだ。
 だけど、研修で一緒に行動し初めてすぐに気付いた。
 パッと見には実に普通で、人目を引くような派手さはないのだが、知れば知るほど不思議と気になって仕方なくなるタイプなのだと。
 いつも目に入れて置きたくなるところがあるのだ、彼女には。
 性格もいいし、感情豊かでころころ変わる表情は見ていて楽しかった。

 でもそれだけじゃなかった。
 
 それに気付いたのは、研修が始まってすぐのことだ。
 愛美が机に伏して落ち込んでいたのだ。
 手には社内規則のアレコレが書かれた紙があった。入社前に貰った資料の一つだ。
「上条さん、どうしたの?」
 声をかけると、いきなり手で顔を覆って嘆きだした。
「交通費、全額支給じゃない……」
「ああ、そういえば上限あるって書いてあったし言ってたね。……もしかして上条さんは……」
「家遠いの。交通費すごくかかるの。全額支給だと思ってたのに! 上限超えたら自己負担だなんて酷すぎる! ここに就職した大学の先輩は全額支給だって言っていたのに……!」
 そう言って「うわーん」と再び机に伏せる愛美。
 気付くの遅!と思わず内心ツッコミ入れた美紀だった。

 その時。

「おいおいそういうのは鵜呑みにしないてちゃんと調べておけよ」
 そう口出ししてきた男こそ、今ここにいる柘植久隆だ。彼と柏木聡は同じ研修のグループだった。
「とは言っても、その先輩は嘘を言ったわけでも何でもなくて、つい去年までは交通費も全額支給だったんだよな、ここ。業績落ち込んだ去年に、福利厚生だのを見直す過程で通勤費も上限を設けることにしたらしい。他にも毎年あった社員旅行が隔年になったり、家族手当が廃止になったり、住宅手当が減額されたらしいぞ。俺も実は、住宅手当がけっこうもらえるっていうのから期待してたのに、減額だっていうんでがっかりしている」
「ねぇ」
 美紀は柘植久隆に問いかけた。
「通勤費って普通、会社が全額負担するんじゃないの? 一部支給とかだと労働法に違反ということにはならない?」」
 彼女自身は親元から通うので、交通費は余裕で上限内だし、住宅手当も関係ない。だから説明も聞き逃していて特に意識していなかったのだが。
 でも、改めて考えてみると、派遣じゃなくて正社員なら全額支給は当たり前ではないだろうか。

「ところが、労働基準法には交通費の支給を会社・雇用者に義務付けるような規定はないんだよな」
 法学部出身の久隆は自分の得意分野のせいか妙に生き生きと話し始めた。
「結局のところ、交通費をいくら出すのかどういう条件にするのかは会社によって違うってことだ。全額支給されるところもあれば、うちのように上限額までは支給されるがそれを超えると自己負担になる会社もある。別途に出ないで給与に交通費が含まれるって会社もあるらしいぞ。交通費は非課税扱いだけど、給与に含まれると課税されるから考えてみれば損だよな。そういう会社に比べればマシだぞ」
「この会社でも福利厚生を見直す時に、労使とかなりもめたらしいよ。だけど、雇用を守る必要があるし、結局は通勤費や住宅手当の減額が決まったらしい。なんでも交通費の方は上限を超す人は一割にも満たないとかで……。まぁ、上条さんはその一割に入るみたいだけど」
 柏木聡が机に伏している愛美を思わし気に見ながら付け加えた。
「あ、俺もそれは聞いた。住宅手当が厚かったから、実家や家が遠いヤツは就職を機に一人暮らしを始めることが多いらしい。そもそも地方から出てきている奴も多いしな、ここ」

「住宅手当……」
 むくっと愛美が起きた。
 若干涙目になっていたが、妙にキラキラした顔だ。
 そして手に持っていた就業規則が書かれた紙に目を落す。
「どれくらいもらえるのかな……」
 などとつぶやきながら。
 一人暮らしするのもいいかもしれない。そう思っている顔だった。 

 うわー。思っていることが顔にダダ洩れてるわぁー。

 ついからかいたくなって美紀は言った。
「上条さん、一人暮らしするのもいいなとか思ってるでしょう?」
「え!?」
 ビクッと身体を震わせた愛美がびっくりした顔を美紀に向けた。
「ど、どうして判るの? 浅岡さんってばエスパー?」
「エスパーって……」
 そんなこと言われるとは思ってなかった美紀の方がビックリだ。
 どうやら思ったことが顔にはっきり出ているのを、本人は無自覚らしい。

 美紀は口元を手で覆ってぷるぷる震えだした。

 なにコレ!
 なんなの、この可愛い面白いイキモノは!

 顔に思ったことが出ているのに、全然気付いてないなんて……!
 ……天然? 天然よね!?

 うわー。面白い! 楽しい! 

「え? なに? 浅岡さん、どうしたの!?」
 口を覆ってフルフル震えている美紀の様子に、おろおろワタワタする愛美。

 小動物。小動物だ。
 美紀の頭の中で子猫とか子犬、ハムスターやリスやモモンガの姿が駆け巡った。

「大丈夫? 具合悪いの? 医務室行く?」
 オロオロしながらも、美紀を心配する愛美。
「大丈夫、ちょっと萌えてるだけだから」
「え、もえ……?」

 美紀が言っていることが分からず首をかしげる様子がまた……!
 
 絶対彼女と友達になろうと、美紀はこの時に心に誓った。
 こんなおいしいイキモノ逃してなるものか!


 そしてその誓い通り、美紀は上条愛美の友人の座をゲットして不動のものとした。
 所属先もうれしいことに一緒だ。
 今では職場の先輩である水沢明美と川西貴美子と結成した『上条ちゃんを生暖かく見守ろう隊』の立派な一員である。

 ちなみにあの時、美紀が何に対して萌えているのか判ったのか、男二人――特に柘植久隆の方は、萌え悶えている美紀に痛い子を見るような視線を向けていたそうだ。
 だけど、この出来事が妙なことに彼が美紀に注目するきっかけになったらしい。

 まったく、世の中何が起こるか分からない。


 確かに言えるのは、この一件以来、時々美紀の目には愛美が小動物に見えることがあるということだ。
 ニャンコであったり、ワンコであったり、リスであったり、モモンガであったり。
 共通して言えるのは、目がでかくて目がうるうるしている生き物で―――。

「でも最近は子猫に固定されちゃったわ。係長が昔飼っていたネコに似ているんですって、上条さんは」

 ペット扱いして!と愛美はぶーぶー言っているが、係長が頭をナデナデしている姿は本気で羨ましかったりする。

 私もあれやりたいなぁ。やらせてくれないかなぁ。
 でも係長は自分以外の人間が頭なでるのを嫌がりそうだ。
 うーん。ということは、上条さんが係長にとっ捕まるまでがチャンスかも?

 などと考えていると、美紀の下にいた久隆が彼女の裸のお尻を軽く叩いた。
「言っておくけど」
 キョトンと恋人の顔を覗き込んだ美紀に、久隆は真剣な眼差しで言った。 
「俺は柏木の味方だからな」
 宣言するように飛び出した言葉に、美紀は目を見張り――次いでにっこり笑った。
「いいよ。柏木君にだってまだチャンスがあるかもしれないんだしね。だって世の中何が起こるか分からないんだもの」
 一発逆転もある得るかもしれない。
 だから柏木君にも頑張ってもらわないと。

「まぁ、私は係長に一票投じるけどね」
 美紀はクスクス久笑って久隆に抱きついた。
「ちぇっ。物理的に距離が近いそっちの方が断然有利じゃないか」
 ボヤきながらも久隆の美紀を撫でる手は優しい。
「ボヤかない、ボヤかない」
「まぁ、こればっかりはいくら俺やお前がどういう言ったってどうしようもないけどな」
「……そうだね」

 本当はうちの部署で係長の気持に気付いている人間はほぼ全員係長の味方なんだけど……。
 とこっそり思う美紀。
 特に水沢さんと川西さん、あの二人の行動力は半端じゃないよ?
 ぐいぐい上条さんを係長の方に押しやると思うよ?
 
 だけどそんなことは教えてあげない。
 だって柏木君とくっつくより、係長とくっついてくれた方がはるかに面白そうだもの。

 恋と戦争においてはあらゆる戦術が許されるのだ。
 
 美紀たちが暗にサポートすることも仁科係長の戦術の一つだと思うから。
 それにはちゃんと乗ってあげなくちゃ。

 
 そんなことを考えてると、背中からお尻にかけて優しくなでていたはずの久隆の手が、不埒な動きを見せ始めた。
 おや、と思って見下ろすと、久隆はその目に欲望の色を乗せて美紀を見上げていた。
 彼女のお腹の下にある久隆のものもその存在を主張している。
 
「じゃあ、お互いの立場を明確にしたところで、そろそろ朝のイチャイチャしようじゃないか?」

 そのややかすれた声と、快楽を約束する熱い視線に、美紀は自分の中でドロリと欲望が首をもたげるのを感じた。

「そうだね。イチャイチャしようか」
 
 頭の中の子猫さんには退場願いつつ、美紀はにっこり笑うと頭を下げた。

 だけど唇と唇が触れ合う寸前、目を閉じながら考えたことは――――。

 月曜日の朝イチで上条さんに夕べ係長と何を話したのか聞くことを忘れないようにしないと、という事だった。
************************************************
小話なのに新キャラです。
本編には今のところ出る予定はなし。
ちなみに彼の所属は法務部です。
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