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【テイラー】自白剤1
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ディオエルはペジリーの名前を出して、テイラーの表情を読み取ろうとしたが、逆に質問をされるとは思っていなかった。
「いや、まずはペジリーであるだけだ」
「そうですか」
テイラーが熟女女性と言っていたのは、間違いなくペジリーであり、おそらく名前も呼びたくもない相手だったのではないかとも感じ取っていた。
「もし、誰か使って欲しい相手がいれば言って欲しい」
「必要あれば、お話はさせていただきたいと思いますが、見付けるのは皇帝陛下だと申したはずです」
「ああ」
そう言われるのではないかと思っていたが、ペジリー以上に疑わしい相手はおらず、反論はないようだったので進めることにした。
ライシードがペジリーを連れて来られて、皇帝に護衛たち、そしてデリア侯爵とテイラーと護衛たちは少し外れた場所で座っていることになった。
ラオイ医師は監視対象となっているので、見張りは付いているが、まだ連れて来られてはいない。
「どうして呼ばれたか分かるか?」
「まだローズミーが殺したと疑われているのですか」
「ああ、そうだな」
「そんな!あの子はそんなことをする子ではありません!」
ペジリーはあれ以来、ローズミーに会っていないままで、立ち上がって訴えた。
「お前がペジリーが関わっていないと証明が出来るのか?」
「勿論でございます!あの子のことは一番分かっておりますから」
「ならば、お前に自白剤を使っても問題ないな?」
「じ、は、く、ざい?」
ローズミーがどのような子なのかを話す程度くらいに思っていたペジリーは、思ってもいない言葉を言われて、思考が停止した。
「ああ」
「どうして私が…」
「お前が言ったのではないか?関係ないと証明するためだ」
「でも自白剤なんて」
「不都合があるのか?一週間、寝込むくらいだ。死ぬわけでもないのに」
「そんな、無理です」
アイルーンがペジリーによって殺されたのなら、よくも無理などと言えたものである。ディオエルはテイラーより後ろにいるために、振り向かなければどんな顔をしているのか見えず、見たくもあったが、見ることはしなかった。
「疑われたままでもいいのか?お前が証明すると言ったのではないか」
「自白剤なんて思わなかったものですから」
「まあ、どうでもいい。息子には既に許可を得ている」
「え…そんな」
「息子は言わなかったんだな、まともで安心したよ。医師を呼んで、使ってくれ」
ペジリーは騎士に拘束されて、既に隣の部屋で待機していた医師によって、自白剤の注射を打たれることになった。
ヒューヒューと息が上がり、動悸が落ち着くまで、しばらく待つことになった。
そして、ペジリーは顔を真っ赤にさせて、瞳をキョロキョロと動かし始めた。
「始めてください」
医師がそう言うと、ディオエルは頷いた。
自白剤の効果は大体30分くらいであるために、切れる前に的確に質問を行わなくてはならない。
「私の番であるアイルーン・デリアを殺したのは、ペジリーか?」
ペジリーは目を血走らせ、鼻息も荒くなっていた。
「殺した、わけでは、あり、ません」
「殺していない?お前が殺したのだろう!」
「殺して、は、いません」
「では、誰かに殺させたのか?」
「ち、がう」
ペジリーは目を左右にギョロギョロと動かしながら、ディオエルに向かって首を振っている。
「死んで、は、困った」
「困る?何が困る?」
「ローズミーが困る、でも大丈夫、で、は、なかった」
ディオエルは自白剤を使っているので、ペジリーが嘘を付いてはいないが、何が言いたいのかは理解が出来なかった。
だが、関わっていることは確信に変わっていた。
「では、質問を変える。アイルーン・デリアにお前は何をした?」
「私は、ローズ、ミーの、ために」
「何をしたかを聞いている!」
「血、を、血が、欲しくて、あの子の、ために、血が、ひ、つようで」
「は?血だと?」
「いや、まずはペジリーであるだけだ」
「そうですか」
テイラーが熟女女性と言っていたのは、間違いなくペジリーであり、おそらく名前も呼びたくもない相手だったのではないかとも感じ取っていた。
「もし、誰か使って欲しい相手がいれば言って欲しい」
「必要あれば、お話はさせていただきたいと思いますが、見付けるのは皇帝陛下だと申したはずです」
「ああ」
そう言われるのではないかと思っていたが、ペジリー以上に疑わしい相手はおらず、反論はないようだったので進めることにした。
ライシードがペジリーを連れて来られて、皇帝に護衛たち、そしてデリア侯爵とテイラーと護衛たちは少し外れた場所で座っていることになった。
ラオイ医師は監視対象となっているので、見張りは付いているが、まだ連れて来られてはいない。
「どうして呼ばれたか分かるか?」
「まだローズミーが殺したと疑われているのですか」
「ああ、そうだな」
「そんな!あの子はそんなことをする子ではありません!」
ペジリーはあれ以来、ローズミーに会っていないままで、立ち上がって訴えた。
「お前がペジリーが関わっていないと証明が出来るのか?」
「勿論でございます!あの子のことは一番分かっておりますから」
「ならば、お前に自白剤を使っても問題ないな?」
「じ、は、く、ざい?」
ローズミーがどのような子なのかを話す程度くらいに思っていたペジリーは、思ってもいない言葉を言われて、思考が停止した。
「ああ」
「どうして私が…」
「お前が言ったのではないか?関係ないと証明するためだ」
「でも自白剤なんて」
「不都合があるのか?一週間、寝込むくらいだ。死ぬわけでもないのに」
「そんな、無理です」
アイルーンがペジリーによって殺されたのなら、よくも無理などと言えたものである。ディオエルはテイラーより後ろにいるために、振り向かなければどんな顔をしているのか見えず、見たくもあったが、見ることはしなかった。
「疑われたままでもいいのか?お前が証明すると言ったのではないか」
「自白剤なんて思わなかったものですから」
「まあ、どうでもいい。息子には既に許可を得ている」
「え…そんな」
「息子は言わなかったんだな、まともで安心したよ。医師を呼んで、使ってくれ」
ペジリーは騎士に拘束されて、既に隣の部屋で待機していた医師によって、自白剤の注射を打たれることになった。
ヒューヒューと息が上がり、動悸が落ち着くまで、しばらく待つことになった。
そして、ペジリーは顔を真っ赤にさせて、瞳をキョロキョロと動かし始めた。
「始めてください」
医師がそう言うと、ディオエルは頷いた。
自白剤の効果は大体30分くらいであるために、切れる前に的確に質問を行わなくてはならない。
「私の番であるアイルーン・デリアを殺したのは、ペジリーか?」
ペジリーは目を血走らせ、鼻息も荒くなっていた。
「殺した、わけでは、あり、ません」
「殺していない?お前が殺したのだろう!」
「殺して、は、いません」
「では、誰かに殺させたのか?」
「ち、がう」
ペジリーは目を左右にギョロギョロと動かしながら、ディオエルに向かって首を振っている。
「死んで、は、困った」
「困る?何が困る?」
「ローズミーが困る、でも大丈夫、で、は、なかった」
ディオエルは自白剤を使っているので、ペジリーが嘘を付いてはいないが、何が言いたいのかは理解が出来なかった。
だが、関わっていることは確信に変わっていた。
「では、質問を変える。アイルーン・デリアにお前は何をした?」
「私は、ローズ、ミーの、ために」
「何をしたかを聞いている!」
「血、を、血が、欲しくて、あの子の、ために、血が、ひ、つようで」
「は?血だと?」
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